0067
ボボボボボボボボボボッ!!! ゴゴゴゴゴッ!!。
開始と同時に10個の【火弾】を同時展開し、その少し後に同時に5個の【落穴】も同時展開した。面白戦士達は足元に空いた小さな穴で盛大に転んでいるので、一気に接近する。
面白戦士を顎への一撃で気絶させておき、十手を仕舞う。さぁここからはフルボッコタイムだ! 俺は悪意を持つ女4人を気絶しないようにボッコボコにした。
降参されると鬱陶しいので、鳩尾にアッパ-を入れて悶絶させたり、肝臓への膝蹴りで悶絶させる。ひたすらボコっていると静まり返るが、俺には関係ない。あ、面白戦士が気付いた。
立ち上がって来た面白戦士も悶絶させ、丹念にボッコボコにした。流石に飽きてきたので、審判をしているミュウさんにどうするのかを聞く。
「飽きてきたって……。そんな事を言われても困ります」
「いやー。コイツ等一切反撃してこないし、碌に戦う事も出来てないのは分かるでしょ。大体、何でこんな奴等が高ランクなんだ? 流石に弱過ぎるんじゃないか?」
「勝者! アルドゥラム!」
あっ! 勝手に終わった。……まぁ、しょうがないか。試合なのに、反撃も出来ずにボコられて呻いてるだけじゃなぁ。ギャラリーも詰まらないだろうし、見る価値も無い。
高ランクの戦いなのに、参考に出来るところが全く無くてボコられてるだけ。有料の試合だったら暴動が起こるレベルだぞ。僅かだが俺に賭けている人が居て、その人達が儲けただけの試合だった。
「お、気付いたか。どうだ? 派手にボコられた気分は?」
「ゥ……グ………」
「なんだい、チンケなプライドしか無い連中か。無様な奴等だね」
「本当に。謝罪も出来ない”卑しい”連中のようですね」
「「「「「申し訳ありませんでした……」」」」」
「やっとかよ……。しっかし何でこんな事やったんだ? 女4人がやらせたんだろ? 面白戦士からは悪意をあんまり感じなかったからな」
「お……面白戦士………」
「相手が格上だと見抜けずに調子に乗ったんだからね。当然さ」
「ですね。それにしても、女性がこんな事をやらせる……そんな状況が想像出来ませんが?」
「その、実は……」
面白戦士達は心が折れたのか、あらましを喋った。非常に下らない事だったが、傭兵には一定数のダナとシュラの信奉者が居るらしい。
傭兵は強さが1番なので、そういう奴等が居るそうなんだ。誰かの強さに、あやかりたいんだろう。気持ちは分からないでもないが……。
ルーデル村に来て話を聞いたら、2人とも”色ボケ”している話しか聞こえてこない。つまり俺が悪い。コイツ等の頭の中ではそうなったらしい。
面白戦士達は王国の北にある聖王国の出身で、傭兵になって13年ほど活動しているそうだ。コイツ等の子供の頃から2人は憧れの存在だった。
面白戦士達が生まれた町には、2人が町を救った話があるらしい。子供が2人に憧れるのは良くある事で、余計に俺に対する怒りが大きくなったそうだ。成る程ねー。
女4人の悪意が大きかったのは、同じ女性として強い2人に対する憧れが、面白戦士よりも強かったからの様だ。こればっかりは仕方がないが、2人が合わせる理由もない。
「とはいえ”色ボケ”ねぇ……。俺の所為でもあるし、俺の所為じゃ無いし。難しいところだ」
「「「「「???」」」」」
「あー……。アルド、良いかい? 言っちゃっても」
「ああ。今さらだ」
「アンタ達に分かりやすく言えば、アルドは”不老長寿”なのさ」
「「「「「!!!」」」」」
「私達を”色ボケ”と言う気持ちも、分からなくはないのです。ただ私達のような”不老長寿”には、ともに生きられる伴侶が今まで居なかったのですよ」
「アタシ達にとっては、ずっと待ち望んだ男なのさ。やっとアタシ達は”女の幸せ”を手に入れられるんだ。分かるかい? 400年も待ったんだよ? ”色ボケ”にもなるさ」
「私なんて600年ですよ。貴女方にこの苦しみが分かりますか? ともに生きられず、死んでいくのを見送るしかない者の気持ちが」
「「「「「………」」」」」
「憧れを持つのは構わないが、相手に憧れを押し付けるな。お前達の憧れの人は、今を生きているんだ。妄想や想像の住人じゃ無い、今を生きている”人”だ」
「「「「「申し訳ありませんでした!!!」」」」」
「まぁ、これ以上説教臭い事は言わないけども。しっかり反省しな」
2人の気持ちを考えれば、不老長寿の者以外は文句を言えない。ただ、2人はそれを利用してワザと”色ボケ”している気がする。不老長寿の悲哀を言い訳にしていると言うべきか。
言うと、絶対に微妙な空気になるので言わないが。……あっ! 目を逸らしやがった。やっぱり、そういう部分もあったか。全部とは言わないが、そういう部分も含めて2人なんだ。
俺はそれを受け止めるだけだ。俺達にとっては今も人生の一瞬でしかない。ゆっくり生きられるのだから、忙しなく生きてもしょうがない。”不老長寿の生き方”をしよう。
……綺麗に纏めようとしてるんだから、邪魔しない! あぁ、もう……分かった、分かった。俺は【房中術】を全力で使ってキスをした後、2人を優しく寝かせておく。ジト目は止めて!。
いや、まぁ……分かるんだけどさー。男はジト目で見てきて、女は顔を真っ赤にしてる。2人は【房中術】の所為で腰が抜けて寝ている。その姿に色々な想像でもしてるんだろう。
俺は2人の近くに座り、ダリアをモフる。ダリアを浄化しながらモフってると癒されるわー。ダリアも嬉しそうだし悪いところが無いね! 2人は段々と膨れっ面になってきたが……。
「はいはい、試合は終わりです。解散しなさい!」
「「「「「へーい」」」」」
「何か、ダナがギルマスの時とちょっと違うな?」
「まぁ、アタシの時は厳し目に躾けてきたからね」
「簡単に死んでしまうよりは、よっぽど良いですよ」
「私も厳しくしているのですが……」
「アタシと同じやり方じゃ、上手くいく筈がないさ。アンタのやり方でやんな」
「そうですよ。同じには、どうやってもなれませんからね」
「先代が有能だと、継いだ者は大変なんだよなー。2代目は上手くいかない、なんてよく言われる言葉だ」
「努力が足りない。なんて言うのは簡単だけど……」
「努力だけでは、どうにもならない。そんな事は世の中に沢山ありますから」
「そうだなぁ。運だったり、偶然だったり。色々あるからなー」
「ま、成るようにしか、成らないね」
そんな事を話しながら起き上がり、ギルドを出る。まだ朝の時間帯だった事を思い出し、今日も朝から濃い1日だと溜息を吐いた。村を出て大森林へ行く為、川をジャンプして越える。
今日は、大森林を南西の方角に進む。お久しぶりのジャンプスネーク3匹や、投石リス3匹を倒しながら進んでいく。途中でスマッシュボーアが1匹出たので、解体してから収納してもらう。
更に進んでいると、目の前に大きな崖がある場所に出た。周りを見ても、調べてみても、洞窟らしき物はない。ただの崖の様だ。20メートル程だが、ほぼ垂直になっている。
登ろうと思えば、登れるように出来るが。どうするべきか? 崖の上に行く意味が有るのか無いのか……悩むな。2人はどう思うんだろうか? ちょっと聞いてみよう。
「2人はこの崖、どう思う? 崖の上に行けるように出来るんだが」
「さて、困ったね。行ってもいいし、行かなくてもいいし」
「私も同じです。まぁ、上を見てみたい気はしますが」
「じゃあ、階段でも作るか」
崖下から【土魔法】で階段を作って行く。さほど時間も掛からずに上までの階段は出来た。階段を登ると非常に見晴らしが良く、崖近くには木が無かった。下を見ると森が良く見える。
折角なので昼食をここで食べよう。スマッシュボーアのステーキと骨を使ったスープ、それに硬いパンだ。ダリアと出会った夜に狩った魔物は、傷んでいるかもしれないので穴を掘って捨てた。
景色の良い所で食べる食事に、2人とダリアも喜んでいる。
▽▽▽▽▽
0067終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
金貨29枚
大銀貨31枚
銀貨9枚
大銅貨7枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
剣熊の爪の斧
風鹿の角の十手
剣熊と銅亀の革鎧
剣熊の革の剣帯
剣熊の革の指貫グローブ
剣熊と銅亀の肘防具
剣熊と銅亀の膝防具
剣熊と銅亀のブーツ