0066
<異世界32日目>
おはようございます。村に帰ってきたので、狩りに行くついでに色々浄化しようと思います。後、暗殺者どもの装備を売っ払おう。奴等の身包み剥いで収納しておいた物が邪魔だろうし。
アジトに居た奴等は殺害を優先してたから、後で回収したんだよ。外の奴等は始末した後、持ってる物も全て【粉砕】した。
回収した物も大半はどうでもいい物だが、売れるなら売りたい。ただ、二束三文だろうなぁ……。
「ニャー……。ナー」
「お、すまないな。おはよう、ダリア」
ダリアが起きていたみたいだ。無視する形になってしまったらしい。お詫びに浄化しながら盛大にモフっておく。ダリアは相変わらず嬉しそうに身を委ねているな、トロンとしてきた。
「「チュッ! おはよう、アルド、ダリア」」
「おはよう、2人とも」 「ニャー……」
「やっぱり村はいいね。ゆっくり眠れたよ」
「この村は確かに良いですが、それ以上に他の村や町が駄目過ぎますよ」
「まぁ、たしかにそうだね。領都を含めても、ルーデル村が1番良いってのはちょっとねぇ……」
「この村は大森林からの壁ではありますが、色々なところのレベルは高いですよ?」
「そりゃ、村の皆が頑張ってるからね。自分の住んでる所だから良くする為に頑張るさ」
「それをしない所も多いんですよ。町なんて無駄に高いだけですし、良くしようという気も無い感じでした」
「あれさ、子爵の所為じゃないの? 誰に替わるのかは知らないけど」
「アルドの言う通りかもしれません。裏切る為の資金稼ぎという感じでしょうか」
ま、面倒事にこっちから首を突っ込む気も無い。5人組は領都に行って4日か5日は帰って来ない。今はゆっくり出来るんだから、ゆっくりしよう。フラグじゃないよ。
3人と1匹でイチャイチャしながら、余計な騒動は要らないぞ~と強く祈っておいた。そろそろ朝食を食べに食堂に下りよう。……だから2人とも、服を着てくれ。
「3人とも、おはよう。ダリアちゃんも、おはよう」
「おはよう、女将さん」 「ニャー」
「おはよう、トーカ。昨日はアタシ達の所為だ。済まないね」
「トーカ、おはよう。昨日の愚か者は、もう来ないと思います」
「いやいや、皆の所為じゃないよ。ああいうのは勝手に押し掛けて来るからね。それにしても、伯爵家の方がアレとはねぇ……」
「アレは伯爵家の中でも、出来損ないのようですね」
「それなら仕方がないのかねぇ。貴族の中でも良い方だと思ってたんだけど……」
「優秀な奴の子供が、優秀とは限らないよ? だからしっかり息子を鍛えないとね」
「そうですね。子供が帰って来てるのですから、鍛えてやれば良いだけです」
「そうだね! 恥ずかしくないように、しっかり鍛えてやろうかね」
女将さんが凄くやる気を出しているが、息子さんは料理担当じゃなかったか? 鍛えるのは旦那さんだろうに。まぁ、そういう野暮な事は一々言ったりしないが、息子さんも大変だな。
朝食を注文して大銅貨4枚を支払う。カウンターの上のダリアをモフりながら会話をしていると朝食が来た。
朝食後、部屋に戻って今日の予定を相談する。
「今日はダナのアイテムバッグに入れさせて貰ってる、暗殺者どもの装備を売りに行こうと思う」
「あぁ。アレ邪魔だから処分してくれると助かるよ」
「大した値段にはならないでしょうが、多少の儲けにはなると思います」
「それに、安値で売っても誰かの役には立つさ」
「確かにそうだね。ウィンの所で売った後はギルドにでも行こうか」
予定が決まったので宿を出て武具屋に行く。何か妙な……? 傭兵が増えてるのか? あぁ、魔銅の影響ね。それで人が増えてるのか。騒動が起きそうな予感がするなぁ……。
「いらっしゃい。久しぶりだけど、どうかしたのかい?」
「ウィン。これらを買い取ってほしいんだよ」
「ふー……ん? これって……そういう奴等のだよね?」
「ああ、そうさ。アタシやシュラを捕まえて売り飛ばそうとして、逆にアルドに皆殺しにされた。そんなバカな連中の物さ」
「それは、また。本当にバカな連中も居たもんだ。勝てるワケないだろうに」
「一応言っとくと、ボスはその事を理解してたよ」
「下っ端の暴走か……。結局バカな連中なのは変わらないけどね。ナイフや暗殺用の針、それに小剣。全部で大銀貨1枚ってトコだね」
「そんなものですか?」
「小剣2本以外は、ガルドルの所へ持って行って鋳潰してもらうしかないよ。小剣も色々手を加えて、出所を分からなくしておかないと」
「確かにそうですね。じゃ、その金額で」
そう言って、大銀貨1枚を受け取る。今回のは全て俺の取り分らしいので、ありがたく頂いておく。歩きながらギルドへ行くのだが、道も知らないのにダリアが先導しようとする。
あっちに行ったり、こっちに行ったり。お尻と尻尾をフリフリしながら歩くので、2人は魅了されてついて行ってしまう。軌道修正しながら、倍以上の時間を掛けてギルドに到着した。
ギルドに入って掲示板の前に行こうとすると、前を塞ぐアホが現れた。早速フラグ回収かよ!? ビックリするわ! ……うん? 男1人と女4人のチームか。どういう事だ?。
「君が、アルドとかいう男か?」
「人に聞く前に、まず自分の名前を名乗れよ」
「これは失礼した。私の名はゴラン。このチームのリーダーをしている」
「俺の名前はアルド。本名はアルドゥラムだ」
「そうか、礼儀が無い訳ではないのだな。こちらの用件を単刀直入に言う。<剣の踊り子>殿と<血狂い>殿に、寄生するのは止めたまえ」
「??? ……何を言ってるんだ、お前は?」
「あー……。こういう面倒な奴ですか」
「珍しいけど、鬱陶しいね」
「ふむ。御二人は付き合っているそうなので、見えておられないのだろう。この男の心根の卑しさを」
「「あぁ?」」
何か、まーた面白キャラが現れたぞ。バカ殿以来か? こいつ真面目に勘違いしてやがる。あと後ろのアホ女どもから結構な悪意を感じるんで、元凶はむしろコイツ等だろうな。
さーて、どうやって引き摺り出すかねー? 困っていると、面白戦士が俺にとって都合の良い事を言い出した。ナイスアシストだ! こいつバカ殿レベルに憎めない奴だな。
「君と私で勝負をして、私が勝ったら寄生を止めてもらう。どうだね?」
「その条件じゃ駄目だな。お前等のチーム全員で来い、それが戦う条件だ」
「正気か!? 君は一体何を考えている? 私達は最低でもランク7だぞ!?」
「おー。そりゃ実に都合が良いな。殺しはしないが、身の程を教えてやるよ。煽ったのは後ろのアホ女どもだろ? お前等から、かなりの悪意を感じるんでな」
「へー、成る程ねぇ。死にたいのは後ろの連中かい?」
「前の男は利用されている感じですかね? まぁ、アルドを侮辱したのですから同罪ですが」
「とにかく、お前等と俺の戦いだ。訓練場に出ろ」
「分かった。ただ、後悔しないようにな」
「その言葉は、そのままそっくりお前に返しておく」
俺達と面白戦士達、そして嬉しそうなギャラリーどもは訓練場に移動する。早速、賭け事を始めてやがる。しかも何故かヴェルさんが居て、俺に銀貨5枚も賭けてるぞ。何やってんだ?。
5枚って上限じゃないか! 絶対に勝てるんだけどさぁ、ダナとシュラだって空気読んで賭けてないんだよ。アンタは今、ギルマスだろうに。何で率先して賭け事をや……。
うん、そりゃ頭を叩かれるよ。流石にダナもシュラもそれは許さないだろ。って何で酒を出してるんだ? そして、当たり前のように飲むんじゃない! 朝っぱらから飲むな!。
何かアホどもの相手より疲れる。この怒りはアホどもにぶつけよう。コイツ等が下らない事を言い出さなければ、こんな事にはなっていない。
どうやらアホどもの準備は整ったらしい。俺は十手を構えて相手を見据え、開始を待つ。合図はミュウさんの様だ。
「それでは………始め!」
▽▽▽▽▽
0066終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
金貨29枚
大銀貨31枚
銀貨9枚
大銅貨7枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
剣熊の爪の斧
風鹿の角の十手
剣熊と銅亀の革鎧
剣熊の革の剣帯
剣熊の革の指貫グローブ
剣熊と銅亀の肘防具
剣熊と銅亀の膝防具
剣熊と銅亀のブーツ