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0663




 食事の終わり頃に平手さんも起きてきて、清常さんも台所に来たので今日の予定を話し合う。と言っても、公家の山科さんを連れて行かなきゃいけないので、山科さんが来てからになるそうだ。まあ、監視役みたいなものだしね。


 それまではゆっくりしていて良いみたいだと思っていたら、饅頭を蒸している最中に来たよ。しかも親王殿下を連れて。おいおい、もしかして親王殿下を連れて行く気か? その方は未来の後奈良天皇だぞ?。



 「すまぬな。親王殿下が何としても行きたいと仰られての。中に入って少し見るだけならという事で、帝がお許しを出されてしまったのだ。そうなれば我等、全力でお守りするのみ」


 「そうですか……まあ、1層や2層では特に危険は無い筈です。一応、俺達が先に入って安全確認をしますので、その後に入ってきて下さい」


 「うむ。……それにしても、この大陸の饅頭というのは美味いな。中に入っておる肉は何の臭味も無く、外の皮はモチモチとしておる。熱い麦湯が良う合うわ」


 「内蔵頭の申す通りだ。これは良い。それにしても、大陸にはあの様な道具があり、あの様な料理法があるとはな。そこな料理人は、煮ると焼くしか知らなんだと申しておるぐらいだ。ヤシマは遅れておるのかもしれぬ」



 まあ言いたい事は分かるけど、焼くと煮るだけでも美味しい料理を作ろうと思えば作れる。新しい事に目がいきがちになるのは、時代に関わり無いんだなぁ。それにしても、親王殿下に何かあったらどうするんだ?。


 権力闘争が関わってるならお断りしたいところなんだが、内裏の中とか俺達に分かる筈もないし困ったもんだ。適当に案内して帰るのが1番良いな。平手さんなんて早速気配消してるよ。それも地味に正しいやり方なところが何とも言えない。


 目上の人に目を付けられたくなくて、独力で正しい気配の消し方をするって色々おかしいし、ツッコミどころ満載な気がする。ある意味、上手く使えば武功があげられそうだけど、それを言うと怒りそうなんだよなー。


 そんな朝食後、早速ダンジョンに行こうと親王殿下が言われるので、俺達は何も言えず当初の予定もあってダンジョンへと出発した。ダンジョン自体は近いので直ぐに到着し、先に俺達が迷宮紋に乗って入る。


 光が止むと、そこは草原だった。ただし葦が疎らに生えているだけの見通しの良い草原だ。葦地獄では無くなった様で、多少のウサギ以外は葦が生えているだけだ。これなら親王殿下をお連れしても問題ないだろう。


 俺達は一旦外に出て、全員に中の状況を説明し、再び俺達が先にダンジョン内に進入した。相変わらず疎らに葦が生えているだけで、昨日の地獄では無くなっている事に安堵する。あれは本当に面倒だった……。



 「おぉ! これが穢門の中か! ……どこが穢れておるのだ? これはやはり古き書にあった通り、その昔、神武の帝が何度も出入りされ、多くの者に食料を分け与えた話が正しいという事であろう」


 「左様でございますな。葦も生えておる様で、これらも生きるのに必要な物でございますれば、民に採らせれば糧となりましょう」


 「そうですな。昨日の様な、葦で土も見えぬ様な有様では無理でしょうが、今の様な状況なら問題ありますまい」


 「遠くの方にウサギが見えるが、そなたらが昨日入った時にいたウサギと同じか?」


 「いや、違いますね。あれはビッグラビットですけど、俺達が昨日入った時にいたのはグリーンラビットです。名前の通り緑色のウサギで、風の能力持ちですね」


 「夜の草原。つまり最後の地形の所ではアサシンラビットだったよ。アレは真っ黒な上、闇に紛れて暗殺しにくるウサギだからね。物凄く怖れられてるウサギさ」


 「そんなものも居るのか!? 恐ろしい事このうえないな。獣と思って舐める事はせぬが、獣が闇に紛れて暗殺しにくるとは……」


 「普通の傭兵……まあ、戦士でも足軽でもいいのですが。そういう者達の場合、ミノタウロスやケンタウロス、もしくはサイクロプスやオーガでも厳しいのではありませんか?」


 「それはどういった獣なのだ?」



 もしかしたらと思っていたが、どうやらオーガが分からないらしい。ミノタウロスとケンタウロスとサイクロプスは自然には存在しない、ダンジョンだけで出てくるモンスターだ。ただし、オーガは当然だが自然に存在する。大森林でも出てきたし。


 それらの魔物とモンスターを1つずつ説明すると、同行している公卿と山科さんは顔色を悪くし、親王殿下は目をキラキラさせている。相変わらずだが、コレってどうよ? 反応が西部さんや勝家君と一緒なんだけど。



 「なんとまあ。このダンジョンとやらには左様な者らが居るのか。面白い場所であるな。流石に見たいとは思わぬが、少し進んでみてくれぬか? 浅い層では危険は無いのであろう?」


 「まあ、10層までならそこまで危険もありませんけどね」



 俺達はいつも通りの三角の陣形を組み、円状に回りながら調べていく。すると、東の方に転移紋を発見した。神石の勾玉をコソっと使って浄化しているが、特に指摘もされていないので、全員邪気を感知できないらしい。親王殿下の視線が怪しいがスルーしよう。


 2層、3層も草原で転移紋は東だったが、4層は平原で小川が流れていた。何と言うか、非常に長閑な風景に見えてしまう。この層のモンスターは、ビッグディアーとビッグボーアの2種類だけだった。どっちも最下級の魔物で大きくなっただけだ。


 魔物は魔力の影響で大きくなりやすいが、ビッグ○○と名付けられた魔物は大きくなった”だけ”の魔物の事だ。つまり動物の時と対処法は変わらない。それに滅茶苦茶大きくなった訳でも無く、最大で2倍ぐらいだ。


 だからこそ、平手さんや清常さんでも簡単に勝てる。2人が倒したものは俺が血抜きと【冷却】をして収納しているので、後で渡すか食べよう。


 処理する時に親王殿下と公卿と山科さんが嫌な顔をしたが、直ぐに血抜きをする事と冷やす事をしないから、肉が臭くて不味くなる事を説明した。


 この説明に、血の穢れが云々とか言い出したので、血は死んでから腐り始めるんだという事も説明しておく。生きている間は、体の機能で血は常に綺麗にされる事。死んで、その機能が使えなくなってから腐り始める事。


 だから早く血を抜かなきゃいけないんだと説明したら、3人とも大きく納得した様だ。当然だが、人間種にも血を綺麗にする能力は備わっている。だから君達の血は穢れてないだろう? そう言うと3人は「成る程!」と言って笑っていた。


 昔の人に説明するのは疲れるよ。前提となる知識が無いし、1つ1つこの時代で理解できる説明をしなきゃならない。古い時代だと学問をするのは権力者が多いが、それが人類の発展を妨げていた。何かの本で読んだが、その通りだと思うよ。


 そんな事を考えながら、西の転移紋から4層、5層、6層と進み、7層への転移紋に乗る。光が止むと、そこには海があった。遠くにビッグクラブとかが見えるのと、ゴブリンやオークがいる様だが、何だか数が少ないな。もしかして素材ダンジョンか?。


 ここまで説明しながら歩いて来てるので、体感ではお昼前だと思う。ちょっと早いが、ここで昼食にするか。そう思い、魔法を使って海産物をどんどん獲っていく。その横で焼き場を作ったら、土鍋3つで24合の米を炊いていく。


 大きな樽に貝類を詰めたら、超魔鉄の焼き網を出して準備をしていく。寸胴鍋に聖水と塩を入れ、【浄化】した貝類を煮ていく。


 野菜なども途中で入れじっくり煮た後、最後に味噌を溶いたら完成だ。丁度ご飯も炊けたので、【熟成】済みの肉を焼き網で焼いていく。


 親王殿下の椀は、女性陣が大分前に盗賊からゲットした漆塗りの椀を出して貰った。箸は普通だが仕方がない。本人は欠片も気にして無さそうだが。


 目の前の美味しそうな物に目移りしてるらしい。



 ▽▽▽▽▽


 0663終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨36枚

 大金貨159枚

 金貨128枚

 大銀貨588枚

 銀貨514枚

 大銅貨121枚

 銅貨64枚


 神石の浄化剣

 神鉄の杖

 神鉄の大太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 神石の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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