0660
21層の洞窟を進んで行く。次に行くべき方角が分からないのも厄介極まりない。何と言っても20層を超えている為、1層が広く時間が掛かるうえに洞窟だ。困った俺は、最初が東で次が北だった事を思い出し、北東へと進む事にした。
洞窟は入り組んで厄介なうえ、ここでは虫系の魔物が大量に出てきた。と言っても、大半は蜘蛛なので助かる。たまに百足の魔物が出てくるのが面倒臭い。
両方ともに大して強くもないので、【浄炎】で焼き殺しながら進んでいる。なるべく邪気は減らしたいし。
俺の下らない予想が見事に的中し、北東に転移紋があった。そこから22層へと進む。23層、24層、25層と進み、26層へと移動する。もしかしてこのダンジョン30層を超えてるのか? 凄く嫌な予感がするぞ。
次は夜の平原だった。また川が流れている場所であり、面倒な地形だ。しかも魔物が多いうえに、上空には槍鳥が大量に居る。
仕方がないので離れた所に【光球】を使い、魔物の頭の上に槍鳥を落してから進む。トラップだったが今は武器になってるな。何でもそうだが、使い方1つで変わるか。
南西だろうとアタリを付けて進んだら、今回も予想通りだった。俺も大分ダンジョンに慣れたという事だろうか? まあ、軽口はともかくとして今は助かる。
本格的に30層を超えそうな今、無駄な時間は掛けられない。出来うる限り早く進む必要がある。
26層、27層、28層、29層、30層。そして31層に到着すると、そこは夜の草原だった。そう葦地獄再びだ。いい加減にしろ!! と叫びたい感情をグッと堪える。
5層進めば良いだけだと自分に言い聞かせ、ただただ足を動かす。おそらく南東だろうと思い進んで行くと転移紋があった。
32層に進み南東に進んでいると、転移紋の南に強烈過ぎる邪気と呪いを感知した。おいおい、ここでかよ。俺は皆に呪いの事を伝え、皆と離れて南に進む。
そこには、ボーッと立っている細身のオーガがいた。左手にはウォーハンマーを持ち、右手には杖を持っている。
俺は気付かれる前に【浄化】を開始し、前後不覚になるほど【集中】した。気付いた時には【浄化】は終わっており、そこには倒れた白いオーガと武器があった。俺はオーガの血抜きと【冷却】を済ませて皆の下に戻る。
皆に武器を見せるものの、持っていくのは1人だけだ。シュラからマナリアのウォーハンマーを返してもらい、代わりに神銀のウォーハンマーを渡す。
もう1つの神鉄の杖は俺が貰い、代わりに神金の矛をフォルに渡した。俺は杖でも十分に戦えるから問題ない。
アダマンタイトの矛もフォルから返してもらい、ウォーハンマーも含めてインゴットにしゴミは捨てる。全て終わったので33層へと進む。
33層を南西に進むものの転移紋は無く透明の壁にぶつかった為、今度は逆の北西に向かう。何故、転移紋の位置が変わったんだろう?。
北西に転移紋を見つけた俺達は、34層へと進む。おそらく34層も北西なんだろうと思い、北西に進むと転移紋の西に強烈な邪気と呪いを感知した。
またかよ……という思いはあるものの、俺がやらねばならない事だと気合いを入れて呪いの下へと向かう。
再び真っ黒なオーガが居て、長い剣と大型のアイテムバッグを持っている。剣は両刃だが切先が無いタイプであり、処刑に使われた剣だと思う。刃の長さは1メートルで、重さで首を切り落とすタイプだ。とにかく【浄化】を始めよう。
先程と変わらず前後不覚になりながらも、何とか【浄化】する事に成功した。呪いの付いた処刑人の剣か……。魔神が嬉しそうに製作した姿が思い浮かぶ。喜々として作ったに決まってる。
神銅の処刑剣かぁ……誰か使うかな? それと、アイテムバッグは……はぁ? ちょっと待て、何でアイテムバッグが入ってるんだ。しかも中型が3個に小型が5個、それにアイテムポーチが10個も入ってる。意味が分からない。
ヤシマの国にはアイテムバッグが少ないから、それで魔神が作ったのかね? まあ、俺達は大型のアイテムバッグ1個でいいけどさ。オーガの処理をして、皆の下にさっさと戻るか。
皆の下に戻った後、大型のアイテムバッグの中にアイテムバッグが大量にあった事と、神銅の処刑剣があった事を伝える。
色々話し合った結果、処刑剣はディルが持つ事になった。長めの武器を持っていない事が理由だ。そしてシュラに大型のアイテムバッグを渡す。
どこかで必要になるかもしれないし、ディルは昔から剣を使ってきている事が大きい。2層で方角が変わっているので、おそらく次の層が最奥だと思う事を皆に話し、十分に休んでから転移紋に乗る。
35層に到着すると、そこは草原だった。空に太陽が輝き、葦が大量に生い茂り、大きな川が幾つも流れている所にそいつは居た。8つの首と8つの尻尾を持つ蛇。間違いなくヤマタノオロチだ。
「皆、予想通りヤマタノオロチだ、散開しろ! それぞれの首を落とすぞ! 神の金属製の武器で戦え!!」
「「「「「「了解!!」」」」」」 「ニャー!」 「………」
「「「「「「「「シャーーーッ!!!!」」」」」」」」
首の太さは2メートル程か、1度でぶった斬るのは難しいが致命傷は与えられるな。俺は神鉄の大太刀を抜き、ヤマタノオロチに向かって走り出す。皆は近付こうとしているものの、厄介な事に8つの首が【水弾】を連射している。
1つの首が5つの【水弾】を放ってくる為、全部で40もの【水弾】で牽制されてしまい迂闊に近づけない。仕方なく隙を伺い続け、皆の方に向かって放たれた時を狙う。
直ぐにその時は訪れ、【水弾】が皆に向かった瞬間、俺は闘気術の奥義である【瞬閃】を使用して一瞬で近付き、首を斬りつける。一撃で半分以上を斬れたらしく、悲鳴を挙げて暴れた際に千切れて落ちた。
7つの首が俺を射殺さんばかりに睨んでくるが、その一瞬で皆は攻撃を開始している。俺が攻撃したら直ぐに攻撃を始める様に【念話】で指示を出していたからな。後は慌てて皆の相手をしようとする首を、1つずつ斬り落とす仕事だけだ。
結局、8つ全ての首があるから強いのであって、1つ落ちると戦力が大幅ダウンする様な奴だった。だけど、最後に体が全て邪気になり襲い掛かってくるとは思わなかったな。
戦闘中も魔道具を使って【浄化】し続けていたので、魔道具に吸い込まれた時には皆が爆笑した。
そして尻尾の1つがあった位置には剣が残されていた。石でできた直剣で、柄がTを逆さにした形になっている。刃の部分は長さ60センチで幅は8センチほどの石剣だ。ただ……コレは間違いなくヤバい。
何がヤバいって、これは神石で作られているんだ。そのうえ浄神まで関わっているんだろう、常に浄化し続けている。
神石とは非常に古い時代に神様達が下界で使った物で、今や星の非常に深い場所に封印されている代物だ。
神の金属と似ていて、壊れず、劣化しないのが特徴となる。人間がまだ居ない時代に使った物だと神様は言っていた。
つまり、下界では誰も知らない物なんだよコレ。しかも浄神が【浄化】の力を与えたからか、【浄化】の力が劣化しないという反則仕様になっている。
あまりの危険物であり、俺が持つしかないじゃないか。こんなもん、本当の国宝レベルの代物だぞ! 知られたらマズ過ぎる。
もしかしたら天叢雲剣とか出てくるんじゃないの? って思ってたら、もっとヤバい物が出てくるとか、マジで勘弁してくれ!。
俺は皆にこの剣のヤバさを説明すると、皆は顔を引き攣らせた挙句「絶対に持ちたくない!」と言い出した。俺だって持たなくてもいいなら、持ちたくないっての。他にも無いだろうなと思いながら探すとあったよ。
石の勾玉が付いたネックレスだったが、チェーンが神銀だ。……って勾玉は神石じゃないか、勘弁してくれ。しかもこれ魔道具だ! 邪気を吸引する魔道具だぞ!? ……つまりコレを使えって事なのかね? まあ、ありがたく受け取っておこう。
皆と話し、もう忘れ物などは無い様なので脱出紋に乗って帰る事にした。このダンジョン本当に疲れたなー……。虫地獄とどっちが大変だったか、直ぐに答えが出ないくらいだ。
もう夜だろうけど、帰ったら夕食を作らないとな……。
▽▽▽▽▽
0660終了時点
大白金貨3枚
白金貨36枚
大金貨159枚
金貨128枚
大銀貨588枚
銀貨514枚
大銅貨121枚
銅貨64枚
神石の浄化剣
神鉄の杖
神鉄の大太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
神石の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




