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0649




 ヤシマの国や戦国時代の政治的な話は横に置いておく。今日はいつも通りのダンジョンと貨幣作りに加えて、石と木の農具と武器作りに熊のきぐるみ作りがある。その事を伝えると、皆もダンジョンに行くので一緒に行く事になった。


 どうも甜菜が欲しいらしい。詳しく聞いてみると、暇なので様々な事をやってみようと、昨日相談して決めていたそうだ。


 その第一弾として、甜菜を採ってきて砂糖を作ろうという事になったらしい。メルが【冷却】を使えるので、凍らせてアイテムバッグに入れておけば長期保存は可能だからな。


 まあ、色々な事をやるのは良い事だし、いい暇潰しになるだろう。俺の方がなかなか終わりそうにない以上は、皆は暇を持て余してしまうだろうから丁度良かった。一緒に連れて行けない以上は、どうしようもない。


 流石にいつもの人数で隠密の4つの技を使うと、移動に時間が掛かり過ぎる。今日は何故か3匹を連れて行く事になったが、3匹でいっぱいいっぱいだ。


 これ以上は確実に移動速度が落ちてしまう。手でダリアを抱え、首にフヨウが巻きつき、頭の上にガウラが乗ってる。この状況でギリギリなんだよ。


 ダンジョンに入り、いつも通りに駆け抜けて行く。俺だけ毎日タイムアタックをしているが、気にしたら負けか。さっさと石と木と金属と米を回収し、終わったらダンジョンを出る。


 そのままツシマへと走って行き、大橋さんの店に行って精錬と貨幣作りを行う。悪銭とビタ銭も毎回綺麗な良銭に変えているものの、一向に無くなる気配は無い。


 まあ当たり前と言えば当たり前なんだが、俺が銅や錫を手に入れてきて良銭を作っても、悪銭を作ってる阿呆をどうにかしない限りイタチごっこにしかならない。どうしたもんかね……。



 「ツシマの商人仲間にも随分良銭をバラ撒きました。その御蔭で、妙な連中との取引は減っております。具体的には、東の方に良銭が流れる様に仕向けておりますな」


 「東は松平だけど、それでも悪銭作ってる阿呆に良銭が奪われるよりはマシですからね。悪銭作って良銭奪いに来られると業腹でしょう?」


 「ええ。商人仲間も最近は、サカイに対する怒りを隠さなくなっておりますな。まあ、元々怒りを長い間溜め込んでおったのは事実ですが、それが噴き出した様なものです」


 「ここまで悪質な貨幣が作れるって事は、サカイの連中は良銭が作れるんじゃないかと思いますよ? これが作れるなら、良銭の方が簡単でしょう。ただ、錫が無いので作れないだけなのかもしれません」


 「成る程……腐ってもサカイという事ですか。とはいえ、悪銭を撒き散らす者達である事に変わりはありませんが」


 「ですね」



 そんな話をしながら、貨幣や農具や武器を作って渡す。ついでに塩の大甕を渡し、熊のきぐるみも出来ている分は渡す。


 何でも、熊のきぐるみも献上するつもりだったそうだが、まさかこんなに多いとは思ってなかったそうだ。ただ、有る分は全て買うとも言われたが。


 せっせと作成している間も3匹は部屋の中で遊んでいて、何故か大橋さんの奥さんがここに居る。そう、西部さんの娘さんだ。


 何故か彼女はここに来て、女性に売れる物はないかと聞いてきた。大橋さんも表情を変えないところを見ると、彼女が来るのは予定通りか。


 俺はアイテムバッグに入っている手鏡を取り出し、無言で彼女に渡す。それを見てワナワナと震えている彼女を見て、大橋さんは怪訝な表情をしている。


 奥さんから手鏡を見せられた大橋さんは仰天してしまった。予想通り、ヤシマの国にはガラスの鏡は無かったらしい。


 随分昔に作った様な気がするが、よく考えたらそこまで昔じゃないな。夫婦そろって手鏡を量産してほしいと言ってくるが、生憎ガラスの元である石英のある場所が分からないので無理だと伝えておく。


 物が無ければ作る事など出来ない。夫婦で深くため息を吐くのは止めてほしい。大きな鏡1つを作る事は可能なので、それを献上したら良い。そう言うと、誰もが持ってないなら納得できる。そう、自分に言い聞かせている様だった。


 熊のきぐるみは終わったので、1メートル程の楕円形の鏡を作り木枠で囲う。蔓が巻きつく様なデザインに加工して大橋さんに渡しておいた。


 もちろん鏡が非常に割れやすい事も説明しておき、運搬に細心の注意を払うように言っておく。それにしても、アイテムバッグの底に眠ってた物なのに、何処で役に立つか分からないもんだ。報酬は後日受け取る事になったので、お暇する事にした。


 ツシマの食堂に行き、大銅貨3枚を支払って食事をする。今日の昼は自分たちで料理をすると言っていたので、俺が戻って昼食を作る必要はない。


 たまには食堂で食べるのも悪くないな。運ばれてきたのは雑穀飯とウサギ肉を焼いたものだった。多少だが塩が振ってある程度だ。ワイルドだなぁ……。


 とはいえ、周りを見ると美味そうに食ってる。肉が臭くないという言葉が聞こえるので、どうやら強火で焼いたらしい。


 それと、ある程度は解体の上手い奴に任せたのかね? 食べてみるが、塩味の焼いた肉だった。まあ、これから発展していくんだろう……きっと。


 食事後、商人の店に行き、野菜を銀貨3枚分買っていく。葉物野菜があるが、コレってもしかしてダンジョン産か? 商人に聞いてみたら、思ったとおりダンジョン産の野菜だった。


 邪気は残ってないから問題ないが、普通に育てた野菜とダンジョン産では、邪気の濃度が違うから注意しておいた方が良い。そう言って商人の店を後にした。その後もフラフラと見て回るものの、買いたいと思う物は無くツシマを出て温泉地に戻る。


 東へと移動している最中に妙な武士の一団を発見した。矢鱈に周りをキョロキョロし落ちつきの無い感じだ。周りに人が居ないから良いが、あまりにも挙動不審すぎる。怪しんで下さいと言わんばかりだ。



 「おのれは少しぐらいジッと出来んのか! 武士の癖にオロオロしおって!」


 「そなたも落ちつけ。大きな声を出し過ぎだ」


 「西部如きが尾張の紅衆だと!? 我等の目の黒い内は、その様な事を許す筈が無かろうが! 穢門の中に入る様な穢れ者が!」


 「だが穢門は穢れはあるものの、米なり野菜なり食う物が沢山あると聞く。それを得るようにと大陸の者が進言したと聞くが……」


 「だからどうしたと言うのだ! 大陸の卑しき者など、ワシが素っ首落としてくれるわ!!」


 「ほう。なら、やってもらおうか?」



 俺は隠密の4つの技を解除し3匹を降ろす。アイテムバッグから神鉄の大太刀を取り出して鞘から抜く。その長大さと美しさにバカどもは圧倒されているらしい。だが気を取り戻したのか、こちらに吠えてきた。



 「キサマか!? 西部如きに取り入った卑しい小者は! ワシがキサ……」



 鬱陶しかったので身体強化を全力で行い、最速の斬撃で右腕を斬り落としてやった。バカども8人は誰も反応する事すら出来なかったな。まあ、こんなものか。ついでに傷口を【浄炎】で焼いとこう。


 右腕が斬り落とされて、傷口が燃やされた事を理解したのかギャーギャー喚き出したので、周りの連中が慌てて刀を抜こうとしたが、その刀を抜こうとした4人を右から左に大太刀を振って両断した。


 4人が一刀で上半身と下半身に両断されたからか、残りの奴等は固まってしまった。



 「刀を抜くという事は殺すという事。つまり、殺される覚悟も当然あるよなぁ……?」


 「い、いや……それは、その……」


 「おかしいな? そこの右腕を落としてやった奴は、俺を殺すとか言ってなかったか? つまり、俺に殺されても構わないって事だろう?」


 「グ、おのれの様な卑怯者に……負けるワシではないわ!!!」



 左手で刀を持って無理矢理殺そうとしてきたが、それより速く左腕を斬り落とし、再び傷口を【浄炎】で焼いてやった。またギャーギャー喚くが無視し、残りのバカどもに向いて話しかける。



 「で、お前達はどうする?」



 ▽▽▽▽▽


 0649終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨36枚

 大金貨159枚

 金貨530枚

 大銀貨588枚

 銀貨514枚

 大銅貨151枚

 銅貨64枚


 神金の矛

 神鉄の大太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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