表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/1948

0064




 領主館を出て帰りながら考える。色々と隠れてる奴は居たんだが、さっきの奴がダントツで1番敵意が大きかった。【敵意察知】で調べたから間違いは無い。門番の関係者か?。


 後ろからダナとシュラがついて来ている。ダリアは俺に抱かれたまま欠伸をして、我関せずって感じだ。


 2人は何か言いたい事があるらしい。でもなー、あれ以外に決着方法は無いぞ?。



 「アルド。あそこまで派手にやったから、武器の材質がバレたかもしれないよ?」


 「そうですよ。鉄のプレートアーマーを一刀両断にしましたからね」



 そっちかい。それはもう今さらだ。近衛の騎士団長と第3王女が知ってる時点でアウトだ。後は広まるのが、どのタイミングかだけになる。そんな事を2人に伝える。最悪逃げればいい。



 「まぁ、そうだねぇ。どのみち、アルドは旅をするし」


 「逃げるなら、私の故郷に行きましょう」


 「ちょっと2人に聞きたいんだが、プレートアーマーを着けてるアホが居たな」


 「プレートアーマーかい? ……あぁ、決闘なんかでは使う奴が居るよ」


 「防御は良いですけど鈍重ですから、決闘でも使えないと思うんですけどね」


 「そうだな……っと。2人とも、手を繋ぐぞ」



 俺はダリアを襟巻きのようにし、2人と手を繋ぐ。その状態で【誤認】と【幽体】を使い、声を出さずに進む。後ろから来た5人組に追い抜かされたが、5人組は気付いていない。


 そのまま領都を出て帰り道を進む。2人もダリアも何故か離れようとしないので、好きにさせる事にした。偶にはこういうのんびりも良いもんだ。



 「それにしても、見つからないもんだねぇ」


 「本当に。私達が目の前に居るのに、気付いていませんでしたね」


 「これが【念術】の【誤認】と【幽体】だよ。悪用厳禁の技だ」


 「確かに、この技は悪用されると大変だね」


 「どれほどの修行をすれば身につく技かは、聞くのが怖いですが」


 「まぁ……。かなりの修行が要るなー」



 2人は俺の言葉に激しく納得している。結構どころじゃなく、大変な修行なのは間違いない。


 念神って出来るまでやらせるんだよ。……無言で。せめて何か一言、言ってくれればいいのに。


 2人の修行も兼ねているので、帰りは身体強化をしながら帰っている。その御蔭か夕方頃にゴードの町に着いた。


 3人と1匹で大銅貨4枚、夕食と朝食で大銅貨8枚を支払う。これでも1番安い宿屋なんだよ。


 この町の宿はボッタクリのように高い。町は豪勢に守られているが、その分色んな物が高い町だ。食事はかなり美味いのだが、それ以外の値段を考えたら疑問符が付かざるを得ない。


 宿の部屋で休み、ゆっくり優しくしておいた。2人は嬉しそうに撃沈して寝ている。……さーて、外で監視してるアホを始末してくるか。全て浄化し、悪用厳禁の技を使って外に出る。


 ゴードの町に入る前に【誤認】と【幽体】は解除したんだが、その少し後からこっちを監視している奴等が居るんだ。俺は小烏丸と十手を持って、監視している奴を後ろから観察する。


 かなり接近しているにも関わらず、俺の事に気付いていない様だ。スリーマンセルが2組あるが監視だけをしている。……ん? 感覚強化で聴覚を強化して聞いてみるか。



 「あの宿に泊まっているんだな? <剣の踊り子>と<血狂い>は」


 「はい、間違いありません。アイテムバッグも持っていました」


 「ふふふ。所詮は作り話の女どもだ。アイテムバッグを奪った後、楽しんでから売るか」


 「俺達にも味見させて下さいよ。数百年生きてるババアなんて初めてなんですから」


 「とりあえず、ここで監視してろ。俺はお頭に報告してくる」


 「「了解」」



 成る程、こいつ等は死にたいらしい。俺は1人が離れた隙に2人を始末し、浄化した後に【粉砕】しておいた。もう1組の方も始末してから処理し、証拠を消しておく。


 離れた1人は【探知】で監視している為、問題なく追跡できる。町の中の一角にあるスラムっぽい所に、ゴミどもの根城があるらしい。入り口は隠されていたが、俺にはバレバレだ。


 侵入して【無音動作】も使いながら殺害していく。さっきの男は奥にある、ボスが居る部屋にゆっくり進んでいる。俺は途中の部屋に寄りながら、生命反応を全て消していった。


 後はボス部屋の3人だけになったので、ドアを蹴り破って中に入る。……入る前に飛ばされたドアで、さっきの奴が死んだ様だ。……気合いを入れ直して、残り2人を始末しよう。



 「テメェ! ここが暗殺組」


 「さっさと死ね」



 俺はボスっぽい奴の横にいた、豪華な服を着てる奴の首を狩る。こいつは何だ? 何か貴族っぽいが、何でこんな所に居たんだ? ボスの喉元に小烏丸を突きつけながら聞いてみる。



 「この貴族っぽい奴はなんだ?」


 「テ、テメェ。どうなっても知らねぇぞ……」


 「それ以前に生き残りはお前だけだが?」


 「は? テメェ、まさか!?」


 「まさかも、何も。俺は皆殺しにしながら進んで来たんだがな」


 「お前……。ドコの組織のモンだ!?」


 「お前等が監視していた、女性2人の知り合いだよ」


 「は? 何か女2人を監視してるって報告は受けてるが……」


 「それだけか? 可哀想にな……。お前のところの下っ端が欲を掻いたからこうなったんだ」


 「ど、どういう事だ!? アイツ等は何に手を出しやがった!?」


 「<剣の踊り子>と<血狂い>だ」


 「……………バッ! バカじゃねーのか!? 勝てるワケねーだろーがよ!?」


 「そういう事だ、じゃあな」


 「待っ」



 どうせ喋らないだろうから、さっさと首を落として家捜しする。


 ……ん? これか? ……これは!? 何で帝国との密約文書がこんな所にあるんだ? ちょっと待て、急に出てくんな!。


 何で帝国とやらが急に出てくる!? と、とにかく徹底的に探すぞ! さっき殺した奴もだ! とにかく大急ぎで家捜しをする。貴族っぽい死体も身包み剥がしてから処理した。


 その後、宿に帰ってアイテムバッグを借りて根城に戻る。様々な物を全て収納してから、死体を【粉砕】して根城を徹底的に浄化した。少々神聖な気配がするが、どうでもいい。


 宿の部屋に戻り証拠物を確認していくが、その過程で判明した事がある。さっきの貴族っぽい奴は貴族で、それも伯爵家の寄子である子爵家の当主だった。護衛も無しに居たのか。


 子爵家はゴードの町とその近辺を任されている。なるほど、組織のボスが「どうなっても、知らねぇぞ」と言う訳だ。死体は無いし、俺がやった証拠も無い。堂々としていれば何の問題も無いな。


 密約文書は東から帝国が攻めてきたら、侯爵に呼応して領都を攻めろ。そういう内容だった。この国は南東の方で帝国と接していて、領都の東が侯爵領でその東が辺境伯領だ。


 つまり、ここ伯爵領と辺境伯領との間には、不穏な侯爵領があるって事なんだよ。面倒臭い政治の臭いがプンプンするぜ………駄目だな。これ、いくら考えても関わらざるを得ない案件だ。逃げられない。


 とりあえず、奴等の根城にあったお金を浄化して貰っとこう。アレだ、迷惑料と慰謝料だ。中身はっと……金貨2枚に大銀貨3枚? すっくな!? フザケん? これ大白金貨か?。


 前言撤回。金額が高すぎるっていうか、使い難いわ! 白金貨が2枚と大白金貨が1枚入ってたが、どうするよ? この使い難いお金。厄介な物を入れやがって……。


 まあいい、もう寝よう。考えるの疲れた……。おやすみー。



 <異世界31日目>



 おはようございます。眠気はありませんが、面倒臭い事の所為でテンションが上がりません。ホントにどうしようか? 困ったもんだ。浄化しているとダリアが起きてきた。



 「ニャー」


 「おはよう、ダリア」



 浄化しながらダリアをモフってリフレッシュしていると、ダリアも嬉しそうだ。そうやって楽しんでいると、2人も起きてきた。



 「「チュッ! おはよう。アルド、ダリア」」


 「おはよう、2人とも」 「ニャー!」


 「どうしたんだい? 気分でも悪いのかい?」


 「アルド。あまり無理をしてはいけません。今日は1日中、私達と休みましょう!」


 「ちょーっと、俺の話を聞いてくれるかな?」



 俺は昨日の夜にあった事を、一部ボカしながら2人に伝える。ゲスな言葉を2人に聞かせる必要は無いからね。2人は聞きながら、昨日の俺と同じ面倒臭そうな顔をした。



 ▽▽▽▽▽


 0064終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 金貨29枚

 大銀貨30枚

 銀貨12枚

 大銅貨15枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 剣熊の爪の斧

 風鹿の角の十手

 剣熊と銅亀の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と銅亀の肘防具

 剣熊と銅亀の膝防具

 剣熊と銅亀のブーツ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ