0647
大甕30個に塩を作り終わったので、さっさと温泉地に帰る。寒かったとはいえ、今日も俺が外に出てたので色々聞きたいらしく、皆がカマクラから出てきた。俺は少し早いものの、夕食の準備をしつつ皆に話していく。
今日の夕食の前に、予備の餌皿に真っ白なオーガの心臓を入れて【破砕】した後【粉砕】しガウラに与える。
ガウラは器用に嘴で掬っては中の歯で咀嚼している様だ。今思ったが、魔物である以上は雑食なのか。そのうえ嘴の中の方に歯があるし。それって普通なのか?。
そもそも烏の生態とか体の構造なんて知らないから、日本の烏とヤシマの国の白烏が同じかどうかも分からない。皆はガウラを見て驚いているが、ダリアとフヨウは仲間が出来たと思っているのか話し掛けている。
「その白い鳥はどうしたんだい? まあ白いところを見ると、何となくダリア達と同じ感じなのは分かるけど。それにしても白い鳥って珍しいね。私は聞いた事が無いよ」
「私も無いですね。そもそも白い鳥って狙われやすいでしょうし、目立ちますからね。ダリアもフヨウもそうですが、白って結構危険なんですよ」
「まあ、そうね。辺り一面が雪でもない限り、白は誤魔化せないもの。どうしても目立つ色なのは事実ね。それとも、この子は寒い所を転々と移動する鳥なのかしら?」
「さて? 確か昔、白い鳥は北方に居るとかなんとか聞いた様な……。あくまでも聞いた様な気がするってだけなんだけど、浄化能力を持つ鳥の話だったと思う」
「浄化能力か……フヨウと同じだな。いったいどんな能力なのかは知らないが、アルドに懐いているという事は助けたんだろう。つまり、この鳥も邪生になりかかっていたという事だな」
「ダリア、マートル、フヨウ。よく考えたら、邪生になりそうになってないのはカエデだけだね。で、アルド、この子の名前はもう付けたの?」
「その子の名前はガウラだ。あと種族名は白烏な。ガウラというのは白鳥という白い鳥に似ている花の事で、白鳥草とも言われる花の事だよ」
「「「「「「へー……」」」」」」
「ニャー」 「………」
「カー」
何かの会話をしているんだろうか? テーブルの上に乗り心臓を食べているガウラと、そのガウラに話し掛けているダリアとフヨウ。いや、フヨウは話せないけど、相手の言葉は分かっているからな。頭の良い2匹から、頭の良い3匹になったなぁ。
問題は白烏に懐かれた事だが、絶対に面倒臭い阿呆が絡んでくるよなー。ガイアルム王国と似た様な事が起こる可能性があるが、諦めよう。
同じ様な阿呆はどこにでも居る。それよりも料理をキッチリとしよう。と言っても、今日の夕食は焼肉で済ませるんだが。
土鍋でご飯は炊いているので、寸胴鍋で干し肉と野菜のスープを作る。甜菜と大根は少々飽きた。大根の残りは少ないから良いんだが、甜菜の葉と茎はまだまだ余ってる。
正直に言ってそろそろ捨てた方が良いとすら思い始めている。幾らアイテムバッグに入れていると言っても、そろそろ限界は近いんじゃないかと思うんだ。
それと、大橋さんからも野菜などは買ってほしいと言われている。後で埋めておくか大工連中にくれてやろう。
スープが終わったので、ご飯に集中しながら肉と野菜の用意をするか。折角なのでシュラに大根おろしを作ってもらおう。アレを付けて食べるのも悪くない。
ご飯が蒸らし終わったので、そろそろ夕食を始めるか。スマッシュボーアの肉だから、久しぶりにガッツリした肉だな。
「うん! 脂が多いとはいえ、この脂が美味しいんだよねぇ。いやぁ、やっぱりスマッシュボーアは美味しい。高級品なだけはあるんだよ、本当に!」
「そうですね。このガツンと来る旨味は、まさにスマッシュボーアの特徴です。でも、この大根おろしで食べるのも結構美味しいですね。旨味が緩和されますが、ちょっと面白い味です」
「魚醤が掛けてあるからかしら、スマッシュボーアの脂が混ざって面白い味になるのね。でも、美味しいわ。よく考えたら、野菜とお肉を同時に味わっているのよ。不思議な美味しさね」
「確かに脂の美味しさが減るのは事実だよ。でも、私はこれぐらいサッパリしているのも好きだね。ガッツリ来るのは良いんだけど、食べ進めていると段々しつこくなってくるんだ」
「言いたい事は良く分かるな。私も最初は良いんだが、段々と疲れてくるんだ。この大根おろしは、そういう時にちょうど良い」
「サッパリしているのに、脂の美味しさも楽しめるからね。僕も食べやすい大根おろしを今は食べてるよ。最初はガツンと来るのを食べていって、後で味を変える。贅沢な食べ方だね」
「まあ、食べてるのは俺達なんだから、贅沢でもなんでも良いじゃないか。……おっと追加か? どんどん入れていくからなー」
「ニャ!」 「………」 「カ!」
珍しく、ダリアとフヨウは今日生肉も食べている。久しぶりに野生が復活したのか荒々しく食べていたが、今は焼いた肉をバクバク食べているな。
どっちも美味しいみたいで甲乙付けがたいらしく、両方を味わっている。ガウラも嘴で千切り咀嚼していた。フヨウはいつも通りの食べ方だ。
そんな食事を終えて皆がゆっくりしている隙に、少し温泉地から離れて穴を掘り甜菜の歯や茎、真っ白なオーガの肉や骨や内臓、搾ったまま忘れてた牛乳などを捨てていく。
大根は殆ど使い切っているので構わない。【粉砕】した後に【浄化】して埋めたら、皆の下に戻る。
ゴミを捨てに行く事は言ってあったので文句を言われる事は無く、皆は俺が戻ってきた後に風呂に行った。
向こうを見てみると、西部さんの屋敷も建築は大分進んだ様だ。あと2日~3日で完成かな? 大工の人数が増えてる気がするんだが……増えてるな。10人ぐらいだったのに、30人近くまで増えてる。
昨日は……どうだったろう? 記憶に無いな。大工の人数なんて気にしてなかったから、数えてなかった。とはいえ、ここ最近増えたんだと思う。それで建築スピードが加速したんだろう。
現代建築と、こういう時代の建築が同じな訳が無いし、速い理由はどこかにあるんだろう。建築なんて詳しくないから知らないし。
おっと皆が上がってきたから交代で入ろう。ガウラは俺と一緒に居たので、一緒に風呂に入るか。ガウラが立った状態に合わせて湯船を【変形】する。
これで風呂に入れる筈だ。烏の行水って言うくらいだし、風呂には入らないかもしれない。そう思っていたが、ガッツリ風呂に入って浸かってやがる。
入る前に完全に【浄化】しているので、お湯が汚れる事は無い。なので、ガウラと一緒にゆっくりと温泉を楽しんだ。
風呂から上がり涼みながら熊のきぐるみを作っていく。大橋さんに聞いたら、俺達が着ている様な熊のきぐるみが良いとの事で火照りを冷ましながら加工している。
既に慣れているのでどんどん作り、汗が引いたらカマクラへと入る。その後も作り続け、3匹が寝たら【房中術】と【極幸】でキメてしまう。
更に黙々と作り続け、眠たくなる頃には42着が終わっていた。後は明日にして、さっさと寝よう。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界269日目>
おはようございます。今日もダンジョンと貨幣作りの日です。北の美濃も、東の三河も混沌としているので、現在は尾張国内を固める時機だ。その仕事には俺達は関われないし、西部織田家で頑張ってもらわないと。
さて、熊のきぐるみを着て外に出るか。……今日も寒いなー。ここ最近は切り裂かれる様な寒さが続いてる。
もしかしたら寒さのピークかもしれないが、熊のきぐるみを着ていても厳しい。身体強化を常時使っていれば問題ないんだが、出来ないと寒いんだ。
毎年、凍死者が出るというのも納得せざるを得ない。そう思える寒さだ。ダンジョンで伐ってきた木を薪にして配布したり、毛皮を渡してやれば違うんだろうけど、それは財政的に難しい。だからこそ、自分の手で獲ってきてほしいところだ。
饅頭を作りながら考える事じゃないが、生地を練るだけだから暇なんだよ。
▽▽▽▽▽
0647終了時点
大白金貨3枚
白金貨36枚
大金貨159枚
金貨530枚
大銀貨588枚
銀貨517枚
大銅貨154枚
銅貨64枚
神金の矛
神鉄の大太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




