0625
「お前たちは何者だ? おそらくはキヨカワの奴等が雇った者たちなんだろうが、いったい何処の者だ。喋らねば首を落とすぞ」
「我等はコウカの者だ。我が名は三雲。殆どの者は我が三雲家の者だが、そこの小僧だけは望月だ」
「「「「若殿!?」」」」
「成る程な。先程そこの少年を前に出していたのは、身代わりにする気だったのか? それとも使い捨てにする気だったのか?」
「我等は由緒ある三雲家の者ぞ。望月如きを使い捨てるは当然であろう!」
「由緒ある、ねぇ……。なら責任と覚悟も持ってもらおうか」
俺は神鉄の太刀で三雲とその郎党の腕と足を斬り飛ばした。そのまま放置していれば魔物が寄って来るだろうが特に問題は無い。俺は望月と言われていた者に向いたが、完全に怯えている様だ。まだ若そうだし荒事の経験も殆ど無いんだろうな。
「君はどちらが良い? ここで死ぬか、こちらに付くか。好きに選べ」
「あ、あの……そちらに御味方します。ですので、お願いします。命だけは……」
俺はその子を背負い、一気に西部さんの所へ戻る。おそらくだが、この子は何かしら敵の策を聞いている筈だ。もしくは、それを推測出来る情報は持っているだろう。経験が少なければ、嘘を言っても見破りやすいだろうし都合が良い。
西部さんは割と近い所まで来ていたらしく、俺達は近付いて敵の配置やこの子の事を説明する。
「この先に敵兵500。長槍が100に雑兵が300に投石が50、それと弓が40ぐらいに、何も持っていないのが10人ぐらい居ました。アレが何なのか分かりませんが……後、この子は敵に雇われていたコウカ者です」
「コウカ者か。その方は何か知っておるか? 敵の策を知らずとも、何かしらは聞いておろう。何でも良い、言えば褒美をやろう」
「あの! キヨカワ方は篭城をせず、美濃の長井という者と共に、北部織田家を挟み撃ちにすると聞きました。そのまま美濃勢と合流すれば、下っ端の西部など直ぐに潰せるとかなんとか……」
「ほう? 坂井どもは何も理解しておらんようじゃのう。ワシ等の事も理解せず、マムシめを引き入れて安泰とは……程度が知れるわ、愚か者め! 皆の者! 左兵衛介様の仇討ちじゃ!! 一気に蹴散らすぞ!!」
「「「「「「「「おーっ!!」」」」」」」」
「このまま勢い良くぶつかる方が上手くいくであろう。すまぬが、そなた等にはキヨカワの様子を見に行ってもらいたい。そこの小僧はワシが雇い入れた事にする。戦が終われば褒美をやるから期待しておれよ? そなたの情報の御蔭で有利に動けそうじゃ」
「は、はい!」
俺は再び望月君を背負って一気に走っていく。彼は一度静かにしろと言ったら、後は騒ぐ事も無く大人しくしている。どこぞの美少年にも見習ってほしいもんだ。そんな事を考えながら、敵兵500の場所を迂回してキヨカワへと進む。
キヨカワの町に到着したが、町全体が静まり返っており、人が1人もいないんじゃないかと思うほどだった。町に入る為の門は閉じられており、中には入れない様にしてある。俺は望月君を地面に下ろし、隠密の4つの技を使って門を跳び越えて閂を外す。
何故か見張りもいない為に簡単に開けられたが、見張りの兵すら欠いているのか、それとも連れて行ったのかは分からない。中から門を開けて、皆を中に入れるも誰も出てこない。
いったいどうなってるんだ? 何の動きも無いのを訝しんでいると、町の人が近付いてきた。
「どなたかは存じませんが、西の織田様にお伝えできませんか? ここキヨカワには既に坂井様は居られず、北の織田様を攻めに行ってしまわれたと……。このままじゃ、美濃の者にキヨカワが奪われてしまうと」
「そうですか…………分かりました。伝えましょう」
「ありがとうございます。我等も戦で荒らされたくありませんので、お願いします!」
【探知】と【空間把握】を詳細に使って調べたが、こちらに悪意や敵意を向けてくる者はいなかった。全くいない訳ではないだろうが、極めて少ないだろう。俺は荒らされたくなければ門は開けておく様に言い、その場を後にした。
街道を戻っていると「ワー!ワー!」と大きな声が聞こえたので近付いてみると、敵兵500と戦闘中だった。
後ろに控えている武士が優秀なのか、なかなか西部さんは敵を崩せないらしい。馬に乗っている武士が指示を出している様なので、そいつを殺す事にした。
近くの地面に落ちている石を3つほど持ち、【融合】して【圧縮】しボール状に【変形】する。全力の身体強化を使って投擲すると、馬の上に乗る武士の首から上が兜ごと千切れ飛んだ。
前にも同じ事をしたような気がするが、コレが1番手っ取り早いんだよなー。そんな事を考えていると、後ろで「ゲー、ゲー」吐いているのが1人居る。
どうやら望月君にはショッキングな映像だったらしい。ウチの女性陣も2匹も動揺すらしていないが、経験の差かね? 「若い時に経験できて良かったかもな」。そう声を掛けると、女性陣からジト目で見られた。
指示する武士が居なくなれば瓦解するしかない。崩れた敵兵は、後ろに居る俺達の方に逃げて来ようとするので、【土弾】を連射して西部さんの方に追い立てた。
逃げるんじゃなくて、西部さんにさっさと降ればいい。そう思いながら徹底的に追い立てていく。前方では西部さんに降伏する者が出始め、結局15分ほどで終わった。
俺達が西武さんに近付くと、勝家君や林さんがジト目で俺を見てきた。今日はジト目率が妙に高いな。
「そなたの御蔭で助かったが、相変わらず滅茶苦茶じゃのう。まあ、それは良い。それよりも、ワシ等が早過ぎて倅らが追い付けておらん。流石にここからは本隊と共に行かねばならんが、キヨカワの町はどうじゃった?」
「キヨカワの町には既に坂井の手の者はいない様です。門を守る兵すらいなかったので、確実に北部織田家に勝つ為に全ての兵を連れて行ったんでしょう。町の者からは、門を開けておくので荒らさないでほしいと嘆願がありました」
「成る程の。乱取りをするような阿呆はおらぬじゃろうが、厳命しておかねばならんの。乱取りや刈田などを行う者は死罪にせねばならん。まあ、水の季節には刈田できる様な物はあまりないし、大丈夫であろうが……」
そのまま捕虜を連れて進軍していき、キヨカワの前に来たが門は開いたままだった。まあ、閉めていたら俺が潰すところだったけど、そうはならなったみたいだ。良かった、良かった。
兵を休憩させ、西部さん達はキヨカワへと入って行ったので、俺達は今の間に昼食をとる事にした。丁度昼時だったので、兵達も各々で持ってきた昼食を食べるらしい。俺は焼き場を作り鍋に聖水を入れたら、その上に蒸篭を置いて蒸していく。
望月君は不思議そうに見ながら糒を齧っていた。流石にそれでは足りないだろうと思い、蒸しあがったら1個か2個あげる事にしよう。
蒸しあがったので蒸篭を外し、饅頭を取って食べていく。遠慮するなと言いながら望月君に饅頭を渡したが、なかなか受け取ろうとしないので口に突っ込んでやった。
そうして自分の分を取ろうと思ったら既に無かった。あのさぁ、2人は自分の所の飯を食えよ。何故か勝家君と林さんは両手に一個ずつ饅頭を持っている。俺さ、一言もやるとは言ってないよな? 何で勝手に取ってんの? おい、逃げんな!。
逃げ足が速いのはともかく、勝手に人の昼飯取るんじゃないよ、まったく。結局、土鍋3つでご飯を炊き、再び肉巻きおにぎりを作る事になった。
これも望月君に渡してやり、食べる様に言うと遠慮しながらも食べ始めた。鍋で聖水を沸かし麦茶を淹れて、皆のコップに入れていく。
麦茶を飲みながらおにぎりを食べていると、子供の頃の遠足の気分になるな。そんな気分に浸っていると、西部さんが来て話を始めた。ついでに肉巻きおにぎりを欲しがったので1つ渡す。
盗人2人に渡す物は何も無いよ?。
▽▽▽▽▽
0625終了時点
大白金貨3枚
白金貨36枚
大金貨152枚
金貨528枚
大銀貨593枚
銀貨522枚
大銅貨167枚
銅貨64枚
神金の矛
神鉄の太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




