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0061




 「ナー。……ニャウン。ニャー。……ナー」



 なんだか俺に甘えてる気がする。浄化してもらったのが嬉しかったんだろうが……。甘え過ぎじゃないか? こんなもんか? 動物を飼った事がないから良くわからないんだよな。


 そもそもこいつは魔物だ。猫そっくりだけど、体長1メートル10センチくらいで尻尾が2本ある。……猫又か? この世界は妖怪が居るのか? 神様からは妖怪の事は聞いてないんだけど。


 そもそも猫を魔物だと思ったのは、魔力を上手く使っていたからだ。ダナやシュラよりも上手く使っていて、身体強化のレベルは2人よりも上だろう。能力持ちか何かだろうか?。


 とりあえず猫を放っておいて、カエルの肉とトカゲの肉を食ってみよう。解体してあるので一口大に切り、塩を振って馴染ませ【熟成】しておく。すると、猫が猛烈な反応を示した。



 「ニャニャン! ニャニャーニャ! ニャニャニャ!!」



 何だか、寄越せと言ってるみたいなのでボウルに入れて食べさせる。ガツガツ食ってる横で、また肉を切り塩を振って馴染ませておく。竈に薪を入れて火を点けフライパンで焼いてみる。


 中々良い匂いがしてきたので、椀に移し食べてみると物凄く美味かった。邪生の肉って美味い肉ばかりだ。出会ったら積極的に狩った方がいいな。邪生は俺にとってはカモだし。


 そんな事をボーッと考えていたら、猫が椀に顔を突っ込んで食ってた。……まぁ、いいか。まだ肉はあるし、2人が起きてから改めて食べよう。朝日を浴びながら、ゆっくり待っていれば起きる。



 <異世界29日目>



 おはようございます。猫は胡坐の真ん中に上半身を突っ込んできて、俺の右太腿に顔を乗せて寝ています。お前は中々大物だな、俺を気にせずに寝てやがるし寝言が聞こえる。


 浄化して綺麗にしてやると気持ち良いのか、途中から寝言を言い始めたんだよ。コップに入っている浄水を飲んでいると、2人がゆっくりと起きてきた。



 「「チュッ! おはよう、アルド………?」」


 「おはよう、2人とも。こいつは昨日の夜、近くに来たんだよ」


 「コレは……清浄の二尾だよね?」


 「間違いありません。聖獣と言われるツインホワイトです」


 「清浄の二尾? ツインホワイト?」


 「清浄の二尾は通り名で、正式な名前はツインホワイトと言います」


 「尻尾が二本で浄化魔法が得意な猫。だから聖獣ツインホワイトと言われるのさ」


 「そうなのか? 昨日、こいつ灰色っぽかったんだけど?」


 「えっ!? ……まさか邪生になりかけていた?」


 「だとしたら大問題だね!? 浄化魔法が得意なツインホワイトが邪生になりかけるなんて」


 「でも、もう綺麗にしたしなぁ……。何となく灰色っぽい気がしただけで、本当は分からないんだよな。なにしろ暗かったから」


 「あぁ……。それじゃあ、しょうがないね」


 「そうですね。綺麗な白色ですし、気にしない事にしましょう」



 再びカエル肉とトカゲ肉を用意しておき、まずはカエルとトカゲの心臓を4等分する。ボウルに入れてやると、起きていた猫は喜んで食べ始めた。それを見ていた2人にも渡す。



 「昨日、邪生が出たんだね……」


 「モグモグ……。結構美味しいですね、何の魔物ですか?」


 「カエルとトカゲ」


 「ウォーターフロッグとブルーリザードですか」


 「カエルとトカゲと考えると、そこまでマズくはないねぇ……」



 やはりダナは好まない様だ、好みの問題だからしょうがないぃ!? ………ゴシゴシ。どう見ても猫の尻尾が3本になってるんだが? 邪生の心臓を食ったせいか? どういう事?。



 「なぁ、2人とも。どう見ても尻尾が3本あるよな?」


 「「…………………。ハッ!?」」


 「何で!? 何でだい!? 何で3本になってんのさ!?」


 「えー……。コレは前代未聞ですよ? 絶対アルドの所為です」



 俺の”所為”って何だよ? 俺だって聞きたいわ! 食ったら3本になるなんて知るワケないだろっ!? 俺だってビックリしてるんだよ。どーすんのコレ?。



 「ニャー。ニャニャニャー。ナー」



 頭を擦り付けてくる姿は、可愛いんだよな。………もういいか、気にしても意味ないしな。何か起こったら、力づくで解決すればいいや。力こそパワー!。


 朝食を作って食べた後に、近くの木を伐り倒して食器を作った。皿4枚にボウル2つ、水の椀を1つにペット用の餌皿1枚。作ったものの、結局最初のボウルになりそうな予感はある。


 朝食後、ゆっくりしていると5人組が来た。挨拶もそこそこに、5人は猫を愛でようとして失敗してる。猫は俺の足元に隠れて鳴いているが、5人は諦めていない。


 さっさと先へ進む事を提案して全員で歩き出したら、猫は当たり前のようについて来た。懐き方が何か凄かったから、ついて来る予感はあったんだよなー。大丈夫かな?。


 俺の前というか全員の前を、お尻と尻尾をフリフリしながら歩いている。その姿を見ると皆が魅了されている様だ。なので口に出さず、守ってやる事を決めた。


 そんな愛らしい姿を見ながら、ふと気付いた。この猫に名前を付けないといけない事を。これは……下手をすると戦争案件か? 話しの切り出し方を考えないと……。



 「この子の名前どうする? 何か良い名前あるかい?」


 「「「「「はい!」」」」」


 「うーん。名付けるなら、アルドがするべきでは? アルドに懐いていますし」


 「まぁ。拾ったのはアルドだしねぇ……」



 こっちに飛び火した!? 勝手に始まって、こっちに火の粉が飛んでくるだと!? 困ったな……下手な名前を付けると、全員からフルボッコにされそうなんだよなー。


 白……ホワイト……石……花……。うーん、花かなぁ。白い花か。白い花って何があったっけ? ん~?………牡丹か睡蓮か? ビオラかダリアか? ヤベー、それ意外分からん。



 「牡丹、椿、ビオラ、ダリアだ。俺が名付けるなら、どれかになる」 「ニャー」


 「ボタンかい? それともツバキかい?」


 「では、ビオラですか? ダリアですか?」 「ニャー」


 「ビオラですか?」


 「じゃあ、ダリアだね?」 「ニャー」


 「どうやらダリアで決定みたいだな」


 「そのボタンとかツバキって、何ですか?」


 「全部白い花だよ。他の色がある物もあるんだけど、白い色の方が綺麗なんだ」


 「へー、白い花ですか。この子にピッタリですね!」



 そう言ってルタはダリアを捕まえようとしているが、流石は猫と言うべきか一向に捕まらない。それを見ていた時、ダリアがメスである事に気付いた。猫とはいえ女の子扱いしないとな。


 そんな追いかけっこを見ながら北東に進む。領都はここから北東にあり、その北が王都らしい。どうやら領都は王都に結構近い様だ。まぁ、騎士団長と王女が村に来れる距離だしな。


 ここまで来れば、夕方までには領都に着く。途中にナイダという名前の村があるそうで、そこで昼休憩をして、その後一気に領都まで行くのが今日の予定になる。


 ナイダの村には昼前に着いたので、ゆっくり休憩をとった。まだ邪生の肉は余っているので新しい皿に入れて出すと、ダリアは美味しそうに食べている。


 それを見ながら注文した食事を食べていく。この村の食堂は8人で大銅貨8枚だったが、それなりに美味しかった。領都が近いからだろうか? 食材も料理人も良いんだろうな。


 食事後に自分とダナにシュラ、それにダリアを浄化する。ダリアは浄化されると毎回喜んでいるな。浄化魔法を使えるからこそ、違いに気付いてるんだろうか?。


 ナイダの村を出発し、領都への道を進む。流石にここまで来ると人通りが多く馬車などが近くを走る。危険な事故が起きかねないが、道行く人は当たり前らしく気にも留めない。


 ダリアも俺の足元で、俺と並んで歩いている。ダリアのお尻と尻尾見たさに後ろに回るのは止めてほしい。そんな事を注意しながら歩いていると領都に着いた。


 領都は大きく、壁の高さは6メートルほどだが、外から見ても厚みが凄いのが分かる。壁の厚さは4メートルぐらいあるんじゃないか? 上で兵士が見張っている。


 夕方前に到着出来てヤレヤレだ。領都の入り口の列に俺達は並んだ。



 ▽▽▽▽▽


 0061終了時点


 金貨27枚

 大銀貨27枚

 銀貨13枚

 大銅貨15枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 剣熊の爪の斧

 風鹿の角の十手

 剣熊と銅亀の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と銅亀の肘防具

 剣熊と銅亀の膝防具

 剣熊と銅亀のブーツ


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