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0607




 夕食後、カマクラに入って入り口を閉じたら加熱機を起動する。まだ起動したばかりなので暖かくはないが、すぐに暖まるだろう。


 皆は少しでも温まりたいのか酒を飲み始めたが、それを見たダリアとフヨウがミードを要求してきた。仕方がないので2匹の水皿にミードを入れてやった。


 俺がディルの指導をしながら麦茶を淹れて飲んでいると、皆がお湯を欲しがったので渡しておく。どうやら寒いので温かい酒が飲みたかったらしい。温かい酒は酔いやすいので早々に潰れそうな気がするな。


 ディルの指導をしながらゆっくりしていると、予想通りに撃沈していた。寝てしまった皆を布団に入れたら、ディルを【鋭覚】のみで撃沈する。ディルも布団に入れて寝かせ、コップに残っている麦茶を温めて飲み干すと俺もさっさと寝よう。


 今日も一日お疲れ様でした。



 <異世界255日目>



 おはようございます。今日はダンジョンアタックの日ですが、焦らずゆっくりやっていこうと思います。特に急ぐ事でもないし、松平がどうなるか気になるしな。日本とは違うが、成り上がり者って暗殺されやすいんだよ。


 とりあえず熊のきぐるみを着て外に出るか。外に出て入り口を閉じたが、今日はいつもより寒いな。寒波がやって来たのかもしれない。


 元の世界の日本とは違うから分からないが、ヤシマの国にも大陸北部からの寒波がやって来てるんだろうか?。それはともかくとして、温かい食事にしたいが何を食べようか……。そうだ、うどんにしよう。


 まずは小麦を取り出して全粒粉にし、聖水と塩で練っていく。身体強化をすれば寒さは平気だが、根本的な解決にはならないんだよなー。とはいえ朝を凌げればいいだけだから、解決はしなさそうだ。


 十分に生地が出来たら、平らに伸ばして折って切り分けて麺の完成だ。スープは竜のかす肉と野菜と魚醤で作り、貝類を入れて更に味を足す。丁度煮込み終わった辺りで皆が起きてきた。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」 「………」


 「ふーっ……それにしても今日は寒いね。シュラじゃないけど、身体強化で寒さを凌ぎたくなるねぇ。アタシも維持してみようかな? 上手く上達するかもしれないし。……ありがとう」


 「ありがとうございます、アルド。ダナも練習しておいた方が良いですよ。寒さによって強化具合を変えるのがポイントです。寒ければ寒いほど、強化しないと耐えられませんからね」


 「うん、美味しい。……それは貴女だけだと思うわよ? 幾らなんでも寒さに弱すぎないかしら。寒いのは分かるけれども、ダンジョンの雪山や氷原だと動けてたわよね?」


 「命が懸かっているのに、寒いなんて言っていられないでしょう? それにダンジョンの寒さと外の寒さって、何か違うんですよね。何が、とは言えないんですけど……」


 「そうなのかい? シュライアがそこまで言うなら何か違うんだろうね。寒さに弱いシュライアだからこそ分かる事もあるんだろう、多分」


 「まあ、そういう事は往々にしてあるだろうな。嫌いだからこそ敏感に感じ取るという者はそれなりに多い。よく聞く話だと酒の匂いか。酒が嫌いな者は、残っている匂いに非常に敏感なんだそうだ」


 「ああ、そういう話は聞くね。奥さんにバレたとか、旦那さんにバレたとか。何杯も飲ませると少し報酬に色を付けて貰えてね。一時期だけど、頑張って飲ませてた事があるんだ」



 酒場なら分かるんだけど、フォルが働いてた所でか? ……何というか、あんまり想像出来ないな。事の前に1杯とか2杯飲むんだろうか? う~ん……やっぱり想像出来ない。


 ああいう所って、客の回転の為にすぐ始めるんじゃないの? 昔の同僚からそう聞いた事はあるんだが、この時代では違うのかもしれないな。


 朝食後に麦茶を淹れていると、皆が飲みたがったので多めに淹れる。コップに注いで飲みながら今日の予定を話していると、買い物に行く話になった。


 米や味噌はともかく野菜の減りが多い。他にも食料品はあるかもしれないので、午後からはアツタを見に行く事にした。


 一応誰でも入れる様に閂を外してアイテムバッグに収納し、カマクラの中のすのこ等も全て収納する。これで取られる物は何も無い。それじゃあダンジョンの情報収集を始めよう。


 1層に入ると、前回と同じく平原だった。まずは円状に移動していき植生などを把握していく。襲ってくるダンジョンモンスターを始末し、【浄炎】で燃やしながらウロウロする。


 この層には何故か大麦と小麦が結構あったので、【念動】で籾だけ収穫した後に【浄化】して収納していった。


 意外に大麦と小麦が手に入り喜んだが、1層で目立つのは大麦と小麦に木だけだった。北に転移紋があったので2層へ行く。2層も同じく平原で、植生も同じだった。転移紋は同じ北にあったので、それに乗って3層へと進む。


 3層は荒地だった。このダンジョンは2層毎に地形が変わるみたいだ。1層と同じ様に円状に移動しながら調べていくと、こんにゃく芋があったがスルーする。


 何故なら、こんにゃくの作り方を知らないからだ。採ったところで活用できないなら意味が無い。知っている人が見つけたら作ってくれるだろう。


 あとは薬草などがあったが、大した物でも無かったのでこれもスル-。結局、収穫も無く北東の転移紋から4層へ。4層も北東の転移紋から5層へと進む。


 光が止んで周りを見ると、5層は山だった。意外に早いなと思いながら円状に調べると、里芋と自然薯を発見。ラッキーと思いながら自然薯を収穫し、ついでに銅と錫もとっておく。


 金属の扱いが雑だが、食える物が優先されるのは当然だ。武器は十二分の物をもう持ってるし、一段落ちても希少金属だ。そのレベルに達している以上は、武具の更新などは殆ど無い。


 普通の銅や錫に然したる価値が無いのは当たり前であって、仕方がな……銅貨や大銅貨を作る元にはなるか。ヤシマの国では不足してるみたいだし。


 ヤシマの国にも銀貨や金貨があるので、戦国時代のような苦労はしていない様だ。ただ、庶民が1番使う銅貨と大銅貨の不足は深刻な様で、そこは変わらない。


 清常さんが嘆いていたのもそこなんだが、銀貨や金貨がある分、足利の動きは鈍いのかもしれない。大口の取引は銀貨や金貨だし、大店の商人もそこまで困ってない。


 困っているのは小さい商人や行商人に庶民だ。そのうち一揆とか起こらなければ良いんだけどな。一揆なんて、起こされた時点で無能認定される。


 だからこそ、寺社は庶民を煽って一揆を起こさせていたんだし、その事でますます力を付けていったんだ。特に一向宗、アレは国を乗っ取った歴史があるからな。


 この世界だと寺が無い代わりに、神殿がやらかしてそうな気はしている。国の乗っ取りまでいくかは分からないが、権力と金の亡者である事に変わりは無いだろう。それは大陸の西側でも証明されている。


 でも、それを考えると三河がどうなるのか……。史実での尾張と三河は一向宗が暴れた国でもあるからなぁ……。


 織田信長も徳川家康も一向宗には苦しめられている。それを考えると、どこかの時点で始末した方が良いかもしれない。


 【魔法】で雷を操る事は出来ないが、【魔術】だと可能なんだ。雷でも落としてやれば天罰を装う事は可能なので、後は噂でもバラ撒けばいい。


 下らない事を考えていた御蔭で暇じゃ無かったな。5層の転移紋は東にあって、現在は6層での金属収集が終わったところだ。


 相変わらず銅と錫しかないが、後で西部さんから悪銭を貰って良銭に作り変えよう。恩を売っておいて損は無い。


 色々集めていた所為で、そろそろ昼か。今、皆がブッ殺した猪を持って帰って昼食にしよう。


 首が落とされた猪を【念動】で持ち上げて、血を【抽出】する。出し切ったら【冷却】で冷やし、【浄化】で完全に綺麗にする。そのまま肩に担いでダンジョンを出た。


 脱出紋で戻ると、焼き場に作っていた土製の椅子に、何故か勝家君と知らない人が座っていた。


 いったい誰だ? 初めて見る人だが……。



 ▽▽▽▽▽


 0607終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨36枚

 大金貨152枚

 金貨528枚

 大銀貨597枚

 銀貨527枚

 大銅貨176枚

 銅貨64枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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