0602
夕食後、カマクラに戻ってゆっくりする。ダリアとフヨウがミードを欲しがったので、現在ミードを作成中だ。そう言えば聖水でミードを作るのは初めてか? まあ、どっちでも良いか。
ある程度待たせる事になったが無事に完成し、2匹の水皿に入れてやったのだが、何故か皆も飲んでいる。
うん、美味しいのは分かったから俺に飲ませようとしないでくれ。俺は飲む気は無いから、君達だけで飲んでなさい。
少し離れてディルに指導をしながら過ごしていると、またもや全員撃沈したらしい。呑まれるのが本当に好きだなと思いながら、【念動】で布団の中に入れていく。
ディルを【房中術】と【精気】で満足させたら、布団に入れて寝かせる。カマクラの外に出て入り口を閉じたら、鍋を取り出して麦茶を作っていく。買った大麦を全て麦茶にしたら、一杯だけ飲んでカマクラへと戻った。
それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界253日目>
おはようございます。今日は戦に出発する日です。熊のきぐるみを着て外に出たら、カマクラを閉じて朝食作りを始める。
小麦を取り出して全粒粉にしたら、聖水と塩で練って生地を作る。生地は寝かせておいて、かす肉を聖水で戻し野菜と共に魚醤で炒めたら置いておく。
生地を薄く丸く延ばしたら、さっき炒めた具材を入れて饅頭の形にする。結構時間が掛かったが全部饅頭に出来た。生地の量が多過ぎたな。
聖水を入れた鍋と蒸篭をセットしたら、【覚醒】で全員を起こす。流石に戦に遅れるのはマズイ。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「………」
皆が起きてきたので、昨夜作っておいた麦茶を淹れて皆のコップに注ぐ。少しゆっくりしていると饅頭が蒸し終わったので、新しいのをセットして朝食を始めよう。
「今日の饅頭は具の味が濃いから美味しいね。生地の風味に負けてないよ。小麦粉なら薄くても良いんだけど、全粒粉だと小麦の風味が強いからねぇ」
「僕は薄いのも好きだよ。どちらにしたってパンより柔らかいし、美味しいからね。パンも嫌いじゃないけど、柔らかい方が良いのは誰だって同じでしょ?」
まあ確かにそうだな。パンを作ってくれるメルまで頷いてるし、柔らかい方が美味しく感じるのは変わらない。
具が入ってない饅頭でも、パンよりは柔らかいから美味しく感じるもんな。多分小麦粉のみにしたらもっと美味しいんだろうけど、それだと栄養価がなぁ……。
たとえ不老長寿だとしても、栄養不足で死ぬ事は普通にあるんだよな。だからこそ、なるべく多くの栄養を摂れる様にしてるんだが、美味しい物も食べたいしどうするか……。今のところは不満は無いんだが、皆がどうなるかは分からない。
朝食を食べ終わると、昨日作った門扉がドンドンと叩かれた。誰か来たのかと思い、昨日作った閂を下ろして門扉を開ける。
すると勝家君と林さんが居たので中に招き入れた。2人は朝早かったからか、多少の食事しかしていなかったらしいので饅頭を渡すと3個も食いやがった。
呆れてしまうものの仕方がなく、俺達の分の6個を蒸篭に入れて蒸し始める。勝家君と林さんは満足したのか話し始めた。
「今日はアツタに行って殿を待つ事になる。殿らはツシマで待っておられ、出陣式は西部の城で行われておる。此度の戦の大将は若殿なのでな」
「若殿は今回の戦で功を上げれば、殿より正式に当主の座を譲られるらしい。何でも、殿もここに来てダンジョンに潜るらしく、それで隠居を決めたと仰られていた」
「いや、ちょっと待って。何、その適当な隠居理由。何と言うか、俺の所為になってない? ソレ」
「その様な事は無いと思うが……。それよりアツタは遠くないとはいえ、早く行って待っておかねばならん。準備が出来次第ここを発つが良いか?」
「アタシ達の準備はすぐに終わるよ。そっちの準備はいいのかい? 碌に武具も持っていない様だけど」
「我等の武具は既にアツタの商人に預けてあるのでな、向こうに行ってから身に着ける事になる。重い鎧を早くから身に着けても、疲れるだけだ」
「それは確かに」
俺達は饅頭を食べながら片づけを行い、食べ終わりと同時に準備を完了させた。皆を門扉の外に出し、閂をした後に門を跳び越えた。門扉の高さは3メートルあるが、俺にとっては低い障害物だ。
2人とも馬などは連れてなかったが、2人の家の収入では馬など持てないらしい。林家も柴田家もそれなりに大きいが、その分家臣や下働きの者も居るので馬を飼育する様な余裕は無いそうだ。
アツタを目指して歩いて行くのだが、ハッキリ言って遅い。いつも走って移動するのが当たり前だったので酷く遅く感じるのだが、それは皆も同じらしい。ゆっくりと歩く事に若干困惑している。
それでも、たまには良いかとのんびり歩き、ゆっくりとアツタへ移動する。一旦北へ行き、ツシマとアツタを結ぶ街道へと出たら東へと進む。歩いて進んでいると馬を連れた者達が歩いているのが見えた。アレが馬借か……。
「ヤシマの国では馬に荷物を載せて運ぶのかい? 馬車で運ぶ事はせず? ……何だか変わってるね」
「そうですね、姉上。あれでは運ぶ荷物の量が少ないですし、何度も馬を連れて移動せねばならなくなるので大変だと思います。何故、馬だけなのでしょうか」
「馬借ですか? 馬に乗せて荷を運ぶ者達ですが、大陸ではどの様にして荷を運ぶので?」
シュラやアルメアは馬車の事を話したり、馬以外の運び手の話をしたりしている。ムルーガやセルネットやディキマの事を聞いた2人は驚いていた。
特に足が速いセルネットに関しては興味があるらしい。代わりに重い荷物などは運べないと知るとガッカリしているけど。
逆にムルーガは足が遅いがパワーが凄い事を教えると、色々考え込んでしまった。ヤシマの国には牛車があり、走牛と言う足の速い牛がいるらしい。
ただ、牛車は公卿や公家の様な高貴な方しか使えない決まりがあるそうで、武士なんかは使えないそうだ。別に使う気も無いみたいだが……。
牛車の速度は遅く、ハッキリ言って見栄の為だけに乗っているのが本音だそうで、警護する方も面倒臭いと顔を顰めている。
西部さんが官位を貰う際に公卿が来て、わざわざ牛車を用意した挙句に警護をした事があるらしい。林さんは本当に面倒だったと愚痴を溢している。
そうこうしている内にアツタが見えてきたが、ツシマとあまり代わり映えしなさそうな町だ。
ここはそもそも熱田神宮がある所で草薙の剣がある筈なんだが、3種の神器が無くなっていないし、いったい何を祀っているんだろう? 熱田神宮自体が無かったりして……流石にそれはないか。
別に聞く気も無いのでスルーするけど、林さんと勝家君はズカズカとアツタの町へと入って行く。
武具はこの町に用意してあるって言ってたし、まずはどこかの屋敷に行って着替えかな? 派手な鎧を着て、見栄えを良くして行進しなきゃいけないだろうし大変だ。
熱田神宮なのか、デカい神社の近くにある屋敷で2人はお着替えの真っ最中だ。ガチャガチャと音を鳴らしながら着込んで行くが、2人とも胴丸であって大鎧じゃないんだな。
まあ、重いし暑い大鎧は大変だろうから胴丸に変わっていった訳で。戦国っぽい時代に、大鎧なんてわざわざ着たりしないか。
全て着込み、一人前の武者姿なのは良いのだが、勝家君は鎧に着られてる感じだな。何と言うか似合ってない。
林さんの方はしっくりくる感じなんだが、勝家君は鎧が大きくてブカブカな所為だろうね。それで戦えるのか甚だ疑問だが……ああ、それ見栄え様の鎧なのか。後で着替えると……君も大変だ。
2人とも立派な槍を持ち、太刀を佩いている。よく考えたら、戦国時代の武者姿なんて初めて見たな。林さんの鎧が所々傷付いてるのが逆にリアルだし。それっぽい戦国時代じゃなくて、本当に殺し合いの時代なんだと思わせられる。
少し真面目に戦おうかね。
▽▽▽▽▽
0602終了時点
大白金貨3枚
白金貨36枚
大金貨152枚
金貨528枚
大銀貨597枚
銀貨527枚
大銅貨176枚
銅貨64枚
神金の矛
神鉄の太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




