表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
601/1948

0600




 俺達が必死に説得して、今まで通りの態度に戻してもらった。何百年も修行してきた方に勝てる訳も無しと林さんに言われ、護衛の人達も今は気を抜いている。


 気を抜くというか、勝てないうえに敵でもない相手に気を張ってもしょうがないと諦めたそうだ。ウサギなどもそれなりに獲れたので、外に出て昼食でもとるかと思い、皆に声を掛けて外に出る。


 アイテムバッグから超魔鉄を取り出して、非常に大きい寸胴鍋を作る。単純に言うと、ラーメン屋が使っている寸胴鍋の5割増しほどの大きさの寸胴鍋を作成した。


 護衛の人達が獲ったウサギや鹿の血抜きはしておいたので、皮を【分離】した後で各部位に分けて【熟成】させる。


 後は焼き網で焼く分と、ウサギ汁にする為の肉だ。寸胴鍋に聖水と野菜を入れて煮込み、ウサギの肉は表面を焼いてから寸胴鍋に入れる。


 土鍋3つで炊ける最大量の米を炊く事にしたが、土鍋1つで8合炊ける事を始めて知った。寸胴鍋は任せて、土鍋でご飯を炊きながら伐ってきた木で食器を作る。


 流石に食器が無ければ食べられないからな。全員分の食器が出来た頃には丁度ご飯も炊けたので、茶碗に盛っていく。


 しゃもじも作ったのだが、勝家君はどんだけ食うんだ? 山盛りじゃないか。寸胴鍋に味噌を溶かして、豚汁ならぬウサギ汁の出来上がりだ。こっちは汁椀に盛るのだが食べ難そうにしている。


 そういえば俺も昔はそうだったなと思い出す。仕方ないので、全員分の膳を作って渡しておいた。


 後は焼き網でウサギ肉や鹿肉を焼いて食べるだけだ。この時代の人は塩でも文句無く食べるのだが、薄めた魚醤なども置いて使う様に言っておく。無駄だった気がするのは、話も聞かずに昼飯を貪るように食べているからだろう。



 「いやー、美味い。昨日もそうだったが、本当に美味いわ! 特に白飯が食えるなど、なかなか無い事じゃからな。お主らが料理すると肉も臭くならんし、この味噌汁は堪らんな。肉が入っておるというのに、するすると食える」


 「……ムグムグ………美味いです。……モグ………本当に……モグモグ………」


 「喋らんで良いから食べる事に集中せい。口の中に詰め込みおって。もう少し行儀良く食うようにしろ、勝家。そうでなくば殿が恥を掻くのだからな」


 「……はい………ムグ……分か……モグ………した」


 「まあ、若い者はそれでよい。よく食うて大きくならねばな。柴田は鬼人の家じゃ、勝家も直に大きくなるだろう。アヤツも大きかったからのう」


 「先代の柴田殿は勇猛果敢でありながら、行儀作法も見事でした。私も若い頃に習ったものですが、勝家は若過ぎましたからな。教わる前に……」


 「その代わりに秀貞が教えてやっておるのだから構うまい。あの世でアヤツも喜んでおるだろうよ。それよりもダンジョンの事は概ね分かったが、その事よりも目先の松平をどうにかせ……うん?」



 俺は【探知】と【空間把握】で分かっていたが、外壁の入り口から入ってきたのが居るんだよ。


 とはいえ、馬に乗ってる3人だったので警戒する必要も無かった。馬を持つのは金持ちだけなので、少なくとも身分のある人物だという事は考えずとも分かる。



 「父上。母上方にお聞きしたところ、この辺りに居られると聞いたので来ましたが……いったい何をしておられるので? 明日には松平めを迎え撃つのに出陣せねばならぬというのに、この様なとこ……」


 「オレの椀と箸はないのか? おお、貸してくれるのか、すまんな! ……白飯はやはり美味いな! それに、この味噌汁は肉が入っておるのに臭くないぞ! 兄上達も早う来い。来ねば俺が食うぞ」


 「いったい何をしておるのだ信光。他人の食事を奪うなど武士のする事ではないぞ。お前はそうやって迷惑を掛けては俺が謝って回っておるのだぞ。いいかげんに少し落ち着こうと思わんのか。……おお、これはすまぬな。頂こう」


 「信康、信光。お前達は何をしておるのだ。結局のところやっておる事は変わらぬであろうが。すまぬな、ワシの分まで。……ふ~む、成る程な。父上がツシマの屋敷を抜け出し、信光が夢中で食う筈だ。随分と美味いな」



 おいおい、織田家3兄弟かよ。犬山城の織田信康、守山城の織田信光じゃないか。そういえば松平清康に負けるんだっけ、織田信光って。


 守山城を明け渡して撤退した筈だけど、この世界じゃ守山城自体が無いんだよな。犬山城もだけど。だから西部城って所に居るんだろうけどさ。


 そういや、西部城って史実の勝幡城の辺りにあるみたいだ。ナコヤの城はどうするんだろうな? 今川の城を奪ってる訳だし、誰か入城させてるんだろうか? 流石に放ったらかしてる訳じゃないと思うんだが……。



 「3日後に戦と聞きましたけど大丈夫なんですか? 何と言うか、物凄く悠長な気がするんですが……。普通もっと早く動きますよね?」


 「そんな事はない、大体こんなもんじゃよ。松平が幾ら急ごうとも限度というものがある。何より向こうは攻める側じゃ、連れてくるのに時間が掛かる。それに国境より尾張側で戦をするからの」


 「確か、国境の者は信用ならないんでしたっけ。それでも尾張側という事は荒らされてしまうのでは? まあ水の季節ですから、そこまで食べ物が育ってる訳でもないでしょうが」


 「奴等の目的は、おそらくいつも通りであろう。食い物と銭と人を奪う事だ。どこの者でもやる事は変わらんがな。戦をするという事は、その3つを奪いに行くという事よ。それと、あわよくば領地を奪う事だな」


 「兄上、松平は本気で領地を奪いに来ると思うぞ。少なくとも西三河は松平で固まっておるのだ、纏まれんこちら側とは違ってな。最悪は南部が余計な事をしてくるかもしれぬ。それでは全力で戦えんぞ」


 「信光、兄上も父上もそれは分かっておる。だからといって良い案など無いのであろう? 私にも良い案は無い。如何すれば良いのか分からぬ以上は仕方あるまい」


 「……お主らにも戦ってほしいんじゃが、どこまで戦える? 相手は1500程じゃ。それ以上を連れてくれば、この1戦以上は戦えん様になる。松平は銭も米も足りんからのう」


 「まずは、色々教えて貰わないと答えようがありませんね。俺達はヤシマの国の戦の仕方を知りませんので」



 その後、西部さんや3兄弟から色々教えて貰った。もしかしたらと思ってはいたが、この世界のヤシマの国では通称が無かった。


 通称とは織田三郎信長でいうところの三郎の事だ。昔は下の名前を忌み名として呼ばなかったので、通称を呼ぶのが基本だった。


 それを知っていたので困ってたんだが、通称が無いので普通に呼んでも問題ないらしい。よって織田3兄弟は名前で呼ぶ事にした。


 こっちの戦の作法も色々面倒臭いが、各自3日は兵糧を自分で用意する事と、横並びで戦う事は分かった。


 簡単に言うと、長槍隊、投石隊、弓隊という様な順番で並んでいるらしく、それぞれが横並びでいるらしい。


 3列長槍、その後ろに2列投石、その後ろに1列弓、そんな感じで並んでるらしく、攻めると石や弓でも攻撃されるとの事。魔法で戦わないのか聞くと、術士隊は弓の後ろに配置されるそうだ。


 術を使える者は貴重で、戦で使い潰す訳にはいかない為、滅多に戦には出てこないらしい。仮に出てきたとしても、衛生兵として働かせるぐらいなんだそうだ。


 術士の首をとると末代まで恨まれる可能性がある為に、双方が術士には手を出さないらしい。戦後の賠償などはとるが、命はとらないという事だ。


 俺は皆から少し離れて【風弾】を本気で連射した。勢い余って23個の同時展開をしてしまったが、威力は理解できたと思う。


 振り向いて役に立つかどうか聞こうとすると、唖然としている織田親子と怯えている護衛が居た。勝家君は相変わらず目を輝かせているので放っておこう。



 「これで役に立ちますかね?」


 「「「「十分過ぎるわ!」」」」



 さすが親子、タイミングが同じだ。



 ▽▽▽▽▽


 0600終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨36枚

 大金貨152枚

 金貨528枚

 大銀貨597枚

 銀貨527枚

 大銅貨176枚

 銅貨64枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ