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0059




 東へと進んで行く。道が続いているので間違う事もなく歩き、先の方に町が見えてきた。なんとか昼前には着けるだろう。そう思い歩いていると魔物が出て来た。



 「皆、オークが4匹出てくる。戦闘準備」


 「新人達、頑張んな!」


 「そうですね。危なくなったら助けますから、やってみせなさい」


 「「「「「はい!」」」」」



 とにかく見守るか。このチームはルタとララが前衛の様だ。つまり騎士と戦士を前衛に、魔法使いと神官と弓使いが後衛をやっている。前面の圧力不足かな……?。


 それでも騎士が防ぎ、弓使いが牽制する右のオークを戦士が攻撃して倒している。騎士は落ち着いてオーク2匹に対処しており、危ない所は見られない。あ、魔法が飛んだ。


 魔法使いの魔法と神官の魔法で右のオークが死んだ。後は騎士が抑えているオークだけだ。弓の牽制からの戦士の攻撃と、盾で弾いてからの騎士の一撃でオークは全滅した。



 「どうでしたか?」


 「まあまあ上手くいってるんじゃないかい?」


 「えぇ、新人としては十分でしょう」


 「問題は平凡なところぐらいかな?」


 「平凡……ですか?」



 俺は彼女達に平凡の意味を教える。特化すれば良いと言うものでもないが、平凡だと一定以上から先へ進むのは難しい。先へ進むには奥の手を持つ必要がでてくる。


 奥の手と言ってもいいし備えと言ってもいいが、強敵や追い込まれた時に逆転できる何かが無いと死ぬ事になる。そういった部分を教えてやって、多少危機感を持たせた。


 まだ早いかもしれないが、少なくともチームとして考えておく必要がある。彼女達なりの強みというのは、必ずあるはずだ。……ん? また魔物か。



 「今度はダッシュボーア3匹だ。俺達で殺るか」


 「「了解」」



 俺は身体強化と武器強化を使い、ダッシュボーアが突進するより速く頭に矛の刃を差し込んだ。何の抵抗も無く刃は入り、脳に達すると捻る。後は放っておけばいい。


 ダナの方は首を斬り落としていて、シュラは頭部を唐竹割りにしていた。あっという間に終わったからか、5人組は呆然としている。そこまで驚く事か?。


 獲物は俺が魔法陣を出しながら、【錬金術】と【練成術】と【浄化】の権能で処理をする。アイテムバッグに収納して貰い、再び歩き出す。食べられる物は確保できたか……。



 「す、凄い……。凄い! あれがランク10と11の戦いなんだね! あれがそうなんだよ!」


 「興奮するのは分かりますが、皆が見てましたよ?」


 「凄い……。あんな風に戦えるんだね」


 「私達なら3匹は難しいですね……」


 「難しいと言うより、逃げた方がいいでしょう」



 逃げるのか……。突進に対処できないからか? 魔法か弓で牽制すれば、止まるか逸れると思うんだが。威力が足りないのかもしれないし、搦め手が不足しているのかもしれない。


 彼女達の戦い方は、彼女達が作り上げるしかない。俺が適当な考えを言う訳にもいかないしな。っと、そんな事を考えてたら、もう町の入り口だ。登録証を出して中に入る。



 「今日は町まで? それとも昼食だけ?」


 「昼食だけだね。この先にシグ村があるから、今日はそこまで行くよ」


 「急ぎではないですからね」



 サングの町は聞いていた通り、ルーデル村と変わりなかった。食堂を兼ねた宿に行き昼食を注文する。8人分で大銅貨12枚だったが、はっきり言ってマズかった。


 村の宿の方が遥かに美味い。俺もそう思うが、ダナとシュラは堂々と口にしている。俺より漢らしい……? いや、マズくて高いから腹を立ててるだけか。宿の人間が怒ってるなぁ。


 文句を言いに来たオッサンの話を聞くと、俺を殺そうとしたクソガキAの父親でビックリだ。急に平身低頭になったので、全員冷めた目で見ていた。クソガキAは鞭打ちの前日に逃げたらしい。


 その所為で宿の信用はガタ落ちしたらしく、長年の料理人も辞めてしまったそうだ。女将さんの息子さんは、あと3日ほどでここを辞めて村に帰るらしい。そんな話を本人から聞いた。


 踏んだり蹴ったりだが諦めてほしい。全ての原因はクソガキAにある。育てた親が悪いとは言わないが、罰を受けずに逃げた以上は誰かが責めを負うしかない。


 マズい料理を食い終わり、町の解体所で5人組のオークを売り町を出る。東へと進みながら、5人組とダナとシュラは訓練をしている。5人組は【気配察知】の訓練だ。


 ダナとシュラは歩きながらの微弱な身体強化だ。2人はこの訓練に、かなり苦戦している。俺が横でお手本を見せているが中々上手くいかない。


 強い身体強化は出来るのだが、微弱な身体強化を維持するのは結構難しい。だが、これが自然に出来るレベルでないと次のステップには進めない。この先はこんな簡単じゃないからな。


 魔物に遭う事も無く、あっさりとシグ村に到着する。シグ村はルーデル村の半分も無い、本当の村の規模だった。長閑でいい所だと思うが、ただのド田舎だとも思う。不思議な感じだ。


 シグ村の宿に行き、今日の寝床を確保しようとしたら、大部屋と1人用の小部屋しか空いてなかった。女性全員で大部屋を……と思ったら、何故か小部屋に3人で泊まる事に。


 5人組は朝夕食事込みだが、俺達は朝食有りの大銅貨5枚しか払わなかった。夕方前の時間なので、村の外に出て竈を作る。ダッシュボーアを解体して、要らないゴミを捨ててしまおう。


 明日以降に食べる肉は、【浄化】した後【冷却】で凍らせてアイテムバッグに収納してもらう。食べる肉を【熟成】して塩を振って休ませ、鍋で出汁をとる。これで骨もゴミだ。


 スープが出来たら、最後に硬いパンを小さく切ってスープに入れれば完成だ。食べてみると、まあまあの味だったので良かった。昼も夜もマズい飯は、イヤだしキツいんだ。



 「美味しいねぇ。ホントにお酒が進むよ!」


 「そうですね。猪の肉は美味しいですし、お酒も美味しい!」



 2人が喜んでいるなら、余計な事は言わなくていいな。俺は普通というか、可も無く不可も無くといったところだ。とはいえ現代日本の感覚だからなぁ、贅沢なのかもしれない。


 でも宿の旦那さんの料理は普通に美味いんだよな。旦那さんの料理の腕って、もしかしたら相当高いのかもしれない。食事が終わったら浄化して、竈も含めて全て元通りにしておいた。


 宿の部屋へ戻るが3人では狭い。どうするのかと思ったら、ベッドを収納し床に毛皮を敷き始めた。昔から野営の時には毛皮やマントが基本らしく、毛皮は常に収納してあるそうだ。


 防音の魔道具を使い、3人でイチャイチャする。直ぐに我慢できなくなった2人に襲われるも、【房中術】を使い2人を撃沈して寝かせる。


 明日も旅だ。疲れを残さないように、ゆっくり優しくしておいた。嬉しそうに満足して眠る2人の間で俺も寝る。全て浄化して、おやすみなさい。



 <異世界28日目>



 おはようございます。結構狭いのですが、2人は寝顔でも嬉しそうです。今日はどこまで進めるんだろうか? 急いでもしょうがないが、時間を無駄に掛けたくもない。


 浄化が終わってからボーッとしていると、2人の目が開いた。



 「「チュッ! おはよう、アルド」」


 「おはよう、2人とも」


 「アルド、昨夜のアレは何? あんなにゆっくりで優しいのは反則だよ///」


 「そうですよ。あんなにゆっくりなのに、あんなにスゴイなんて///」


 「疲れを残さない為にやったんだよ。嫌なら止めるけど?」


 「「今日もお願いします!///」」



 そこまで気に入ったんかい! この話を続けるのは危険な気がする。2人を浄化して、軽いイチャイチャで済ませた。2人は不満はないようで、かなり機嫌がいい。


 濃厚じゃなければ問題ないのかもしれない。少し様子を見よう。食堂に下りると5人組は朝食を食べていた。俺達も座り朝食を食べるも普通だった。マズくないだけでも、ありがたい。


 朝食後、5人組と今日の予定を相談する。東にあるゴードの町に昼までに到着する事を全員で決めたら、部屋を元に戻して出発だ。



 ▽▽▽▽▽


 0059終了時点


 金貨27枚

 大銀貨27枚

 銀貨14枚

 大銅貨19枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 剣熊の爪の斧

 風鹿の角の十手

 剣熊と銅亀の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と銅亀の肘防具

 剣熊と銅亀の膝防具

 剣熊と銅亀のブーツ


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