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0594




 清常さんと共に朝食を食べて、今日中に都を出る事を伝えた後に対価を払おうと思ったのだが、受け取れないと拒否されてしまった。とはいえ、泊めてもらって何も無しは流石に俺達も困る。


 色々悩んだ結果、残っていたミードを全て渡す事にした。若干ウチのメンバー全員から視線を向けられたが、無視して渡したら平氏の屋敷を後にする。


 お酒だと言っておいたので、警戒していても誰かに毒味をさせるだろう。そうすれば美味しい酒だと分かるだろうし、飲んでくれるはず。


 まあ、捨てられても良いけどね。残り1リットルも無かったし、そろそろ新しく作る必要もあったんで在庫処分の様なもんだ。


 京の都をすぐに出て、目指すは尾張……なんだが、まずは近江か。東山道と東海道のどっちを使うかと言われたら、近い東海道を使うに決まってる。美濃まで行くのは面倒臭い。


 どっちも賊が出たりして危険らしいが、特に東海道は多いらしい。商人も武装して団体になって進まないと、殺されるというくらいだ。相当出るんだろう、甲賀の賊が。


 忍者なんて言われているが、実際には<素破>や<乱破>と言われる盗賊の様なものだ。忠誠心も無く、平気で雇い主を裏切る様な連中。それが”戦国時代”の忍者だ。


 実は忍者に忠誠心とかが生まれたりイメージが良くなったのは、平和になった江戸時代からだと言われている。それまでは破壊工作員、つまりテロリストと変わらない存在だった。


 清常さんに聞いてもそう言っていたので間違い無いのだろう。とはいえ素破や乱破と言われて雑兵以下の扱いをされたら、忠誠なんて持てないだろうけどな。とにかく、尾張を目指して出発しよう。


 昨日聞いたんだが、京の東にオオツの町があり、その東にクサツの町があるそうだ。そこから東海道を歩いて行けば東国に行けると言っていたので、教えられた通りに進んで行こう。俺の記憶でも確かそんな感じだ。


 京を出発して1時間ほどでオオツに着いたので、さっさと浄化して先に進む。40分後にはクサツの町に着き、ここも浄化したら直ぐに出る。後は東海道を走っていくだけだが、ここからは甲賀に入っていくので危険が増えるものの、たぶん大丈夫だろう。


 賊っぽい奴等がいない訳ではないのだが、俺達の速さに全く追いつけていない。俺達は賊を置き去りにしてどんどんと進んで行く。


 当たり前だが、身体強化が正しく出来ていない相手に捕まるなんて事はありえない。一気に進んで行き、昼ごろには山の中にいた。


 ここは、多分だけど鈴鹿峠の近くだと思う。標識や看板がある訳でもないので自分の位置が分かり辛いが、甲賀は賊が出るんで全力に近い走りで抜けようとしたんだ。


 皆も身体強化の感覚をかなり取り戻していたし、皆の全力で走れば一気に抜けられると思ってさ。まさか昼には鈴鹿峠の近くまで来れるとは思わなかったけど。


 一旦立ち止まり、焼き場を作ったら鍋を出して竜の脂を入れる。大怪鳥の肉を渡し唐揚げを作ってもらう間に、俺はご飯を炊く。土鍋3つでいつも通りご飯を炊き、ジュワーという唐揚げの揚がる音を聞きながら【探知】と【空間把握】を使う。


 周囲に賊はいないが、微妙に魔物が寄って来ているような……? いや、遠ざかったか。


 鹿の魔物の様だったが、俺達を襲う気だったのか、それとも唐揚げの匂いに誘われたのか、いったいどっちだったんだろう。分からないままだが、気にする必要は無いか。気にするべきは、ご飯の状態だ。といっても、後は蒸らしだけなんだが。


 ご飯も炊けたので、早速おにぎりにして皿に盛っていく。全ておにぎりにしたので、紅茶を淹れて……さて、食べようか。



 「紅茶とおにぎりの相性も、そんなに悪い訳じゃないね。アタシとしたら普通に食べられるし、何と言っても唐揚げが堪らないよ。外だから寒いけど、紅茶が温かいから良い感じさ」


 「山の中とはいえ、開けてる場所ですから解放感はあります。風が通って寒いのかと思えばそうでもないですし。日も当たっていますからね」



 他の皆も上機嫌で昼食を食べているし、近くに賊もいない。このまま順調に行けば、今日中に伊勢に入れそうだな。東にずっと行けば伊勢の海に出るので、後は北に行くだけだ。海沿いに進めばいいだけなので、迷ったりする事は無い。


 昼食後、再び走り始めたが、甲賀を進むよりは楽になっていった。甲賀は起伏に富んだ所が多く走り辛かったが、伊勢に入ったからか結構走りやすくなっている。


 真っ直ぐ東に進んでいるので、その進路上に無い村や町は無視しているが、そこまで気にする必要はない。


 ダンジョンを浄化すれ……そういえば、ヤシマの国に入ってから1度もダンジョンを見てないな。ダンジョンの話も聞かなかったし、賑わっている所も無かった。


 そのままスルーしてきたが、これってどう考えてもおかしいよな? ただでさえ食料不足なのに、何故ダンジョンへ行かないんだ?。


 んー……已むに已まれぬ事情でもあるのか、それとも……。今は考えても分からないし、北へと進もうか。


 海に出たので今度は北に向かって進み、目指すは桑名だ。この世界での地名はよく分からないが、そこから舟に乗るなりすれば津島へ行ける筈だ。


 津島は確実に尾張なので、そこまで行ってやっと尾張だと言える。北へと進んでいると港町があったので寄っていく。


 中に入り銅貨4枚を渡しながら6人から情報収集をした。ここでもなかなか面白い情報を聞く事が出来たので、そのまま町を散策し宿を探す。もう夕方が近い、早く探さないとな。


 この町はミッカの町と言うそうで、北にある港町はクワナの町と言うそうだ。この辺りの地名は知っているのと似ていたり、同じ物が多いのかな? ミッカって多分四日市の事だろうしなぁ。


 宿はすぐに見つかったので、大銅貨6枚を支払い大部屋をとる。食堂の場所を聞くと、すぐ隣が食堂だと言うので、さっさとそこで済ませる事にした。


 中に入り大銅貨9枚を支払うと、味噌の雑炊が出てくる。ここも海鮮雑炊で具沢山な雑炊だ。ごった煮に雑穀と味噌を入れたような物だが、十分美味しい。


 下手におかしな事をせず、シンプルだからだろう。惜しいのは昆布や鰹節で出汁をとっていない事だ。魚や貝で十分旨味は出ているのだが、昆布や鰹節で出汁をとっていればもっと美味しいだろうに……。


 とはいえ、この時代では昆布は超高級品だし、鰹節はまだ作られていなかった筈なので高望みだな。


 そんな事を考えながらの夕食を終えると、さっさと隣の宿へ戻った。夜に出歩く奴なんていないし、早めに戻らないと不審者扱いされてしまう。


 部屋に戻った俺達は、酒を飲んだり、修行したり、指導したりしている。まあ、いつも通り俺とディル以外が酒を飲んでいるだけなんだけど。



 「都より東に来たけどさ、こっちに来る意味があるのかい? 迷い無くこっちの方に来たって事は、何か意味があっての事だろうから、そろそろ話してくれても良いだろう?」


 「別に大きな意味がある訳じゃないんだ、ただ、ちょっと見てみたくなったんだよ。全く違うのかもしれないし、似ているのかもしれない。もしかしたら、そっくりかもしれないしさ」


 「「「「「「???」」」」」」



 俺はよく分からないという顔をしている皆に、織田信長という人物の話をする。荒唐無稽なものから、おそらく事実であろう事まで。


 戦国の三英傑と呼ばれる中でも、1番苦労をした人物の話をしていく。農民から伸し上がった秀吉よりも遥かに苦労をした、天下統一への道筋を作った人物だ。


 誰も歩いた事の無い道を最初に歩いて作る。並大抵の苦労では無かった筈だ。かつて源頼朝や足利尊氏がやった事とはいえ、戦国の世でそれを現実としてやって見せたのは織田信長が初めての筈。それまでは小競り合いと、その延長の様な戦が大半だし。


 そんな英傑が生きているなら見に行きたい。単にそれだけだと話すと、ジトーっとした目を向けられた。いや、気持ちはよく分かるんだが、昔の英雄とかが居たら見に行くだろう?。



 ▽▽▽▽▽


 0594終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨36枚

 大金貨152枚

 金貨528枚

 大銀貨597枚

 銀貨530枚

 大銅貨185枚

 銅貨80枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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