表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/1948

0058




 朝食が来たので食事を始める。食べながら今日の予定を考えるが、ギルドに行く以外には特にない。まぁ、こんな日があってもいいだろう。毎日忙しいのもなぁ……日本じゃないんだし。


 食事を終えて部屋に戻るも、2人は起きられないようなので置いていく。声は掛けたので怒る事は無い、準備を整えてゆっくりとギルドに向かう。景色も違って見えてくるんだなー。


 ギルドに到着し中に入ると、ヴェルさんが数人のベテランと何か話し合っていた。その横を抜けて掲示板の方へ行くと肩をガッシリ掴まれた。どうやら俺の平穏はここまでらしい。



 「ダナさんとシュラさんは、どうしました?」


 「ダナとシュラは前と同じです」


 「……そうですか。依頼したい事がありますので、ダナさんとシュラさんを連れて来て下さい」


 「……前回みたいな事は困りますよ。機嫌を直してもらうのに苦労したんですから」


 「分かっています。今回の依頼は政治は関係ありません」


 「了解です」



 ギルドを出て宿に戻る。一体何しにギルドに行ったんだろう? そんな虚しさを感じながら部屋に入ると2人は起きていた。既に防具も着けているようでなによりだ。



 「2人とも、準備はもう出来てる?」


 「ああ、問題ないよ」


 「私も問題ありません」


 「ギルドに行ったんだけど、ヴェルさんが依頼があるってさ」


 「依頼? いったい何だい?」


 「さぁ? ダナとシュラを呼んできてくれって言ってたな」


 「また用件を言わないのですね」


 「ちょっとお灸を据えてやった方がいいかねぇ?」



 2人は朝食を終えていたらしく、そのまま宿を出てギルドに向かう。ギルドに到着して直ぐ、ヴェルさんにアイアンクローを喰らわせた。ギルド内にデカイ悲鳴が響き渡る。


 ダナとシュラはそれで満足したのか、椅子に座って話を聞く事にした様だ。ただ、ヴェルさんは床で悶絶している。あれは復帰するのに時間が掛かるだろうなぁ。


 多少の時間は掛かったが、復帰したので話を聞く。ちなみにベテラン連中は、アイアンクローからはずっと直立不動だった。よっぽど怖いらしい。



 「で、さっさと用件言いな」


 「お2人があの」


 「用件を言いなさい」


 「……。依頼は村長からで、魔銅の出る洞窟の拡張です」


 「うん? 拡張? そんなの低ランクでも出来るだろうに、何でアタシ達に依頼するんだい?」


 「便利屋として使うつもりですか?」


 「違います! そんな命知らずな事しませんよ! 一部に非常に硬い岩盤があって、そこの採掘が止まってるんです」


 「土魔法を使えばいいだろう?」


 「低ランクの仕事としても、低ランクを鍛えるという意味でも、低ランクにやらせる仕事ですね」


 「それが、結構な高ランクでも崩せないんですよ」


 「ヴェルさん。その岩盤の色は青緑っぽい色をしてませんか?」


 「えっ!? いえ、色までは分かりません。私は見ていないので」


 「あの! 自分は見ています! 確かに青緑色でした!」



 おーい……。立て続けにコレかよ。何か呪われてないか? あの洞窟は魔銅があったから、それ以上調べてなかったんだよな。希少金属祭りでもやってんのか? 勘弁してくれよ……。



 「知っているんですね!? じゃあ何とかして下さい!」


 「お断りします!!!」


 「えぇっ!? 依頼ですよ!? ちゃんと依頼にして報酬も出しますよ!?」


 「あー……。アルド、青緑ってもしかして?」


 「私も分かりました。アルドが嫌がるのも良く分かります」


 「何ですか? その、嫌がるって……」


 「「マナリア」」


 「はっ? ……マナリア!? えっ、何でマナリア!?」


 「知らないよ、そんな事は」


 「ど、どうしましょう!? マナリア何て知られたら!?」


 「絶対に面倒なのが絡んで来ますね。頑張って下さい」


 「そんな!? 助けて下さいよ!?」


 「助けろったって……。王を巻き込んだらどうだい?」


 「それが1番いいでしょうね。流石にバカどもでも、王に喧嘩を売ったりは出来ません」


 「とにかく、村長に伯爵宛の手紙を書かせな」


 「マナリアの報告はするべきでしょうね」


 「分かりました!」



 ヴェルさんは村長の所へ行ったが、直ぐに戻ってきた。その後は色々な話し合いが行われ、何故か領都の伯爵に手紙を届けるハメに。俺の平穏はドコに飛んでったんだ?。


 領都の案内役として、何故か5人組もついて来る事になったらしい。今から出発して領都に行くのだが、領都までは3日から5日ほど掛かる様だ。なので、必要な物の買出し等をする。


 俺は宿の女将さんに宿泊費を返して貰ったり、部屋の片付けをしたりする為に宿に帰る。宿に戻り事情を説明して、銀貨1枚と大銅貨10枚を受け取った。


 元々割引されていたらしく、計算が合わないが気にしない。部屋を片付けてから、限界を超えて浄化した。出て行くからこその最後の実験だ。やれるだけの事をやろう!。


 大きな部屋は澄み渡った空気になり、厳粛かつ荘厳となった。その空気は、2度と普通の空気には戻らないんじゃないだろうか? そう思わせる程だった。荷物と共に部屋を後にする。


 女将さんにリヤカーをあげる事にした。最近使ってないし、宿の従業員の方が使ってくれるだろう。道具は使われないと意味が無いし、あのまま放置はちょっとなぁ……。


 村の入り口で2人と合流し、5人組を待つ。それほど待たずに5人組も来たので、まずは東のサングの町を目指して出発する。


 村を出て北に進んで行くのだが、緊張感があるのは何故だ?。



 「えっ? 魔物の警戒をするのは当然ですよ?」


 「えっ? 警戒する為の技は?」



 5人組は【念術】の系統はともかく、【闘気術】の【気配察知】も知らなかった。流石に問題なので【気配察知】を教えておく。ダナとシュラには教えてあるし、基本的には使える。


 歩きながら生き物の気配を感じる。最初にしてはハードルが高いが、動きながら使えないと意味が無い。その為、訓練として5人全員にやらせる。



 「全く分からない……。本当に気配なんて分かるの?」


 「分からないけど、出来る人が居る以上は……」


 「とにかく頑張らなきゃ」



 魔人、サキュバス、エルフ組は上手くいかないらしい。魔力に寄った種族だから仕方ないのかな? でもシュラは直ぐに出来たしなぁ……。訓練を続けれは大丈夫だろう。



 「ん? あそこかな?」


 「うん。たぶんあそこ」


 「へぇ、中々上手いじゃないか」


 「そうですね。その調子で頑張りなさい」



 逆に、虎人と狼人の2人は上手くいってる。朧気ながら気配が掴めるようになってきた。やはり獣人は闘気に関するセンスが高いな。神官って浄化魔法を使う仕事なんだけどね。


 分かれ道まで来たので東に進む。ここを東に行く事さえ初めてで、若干テンションが上がってる。いい気分のまま先へ進んで行くと、妙な男4人組が出て来た。



 「アンタ等サングの町まで行くのか? どうだい、護衛してやろうか?」


 「下心がミエミエ過ぎるだろ。せめて、もうちょっと隠せよ」


 「ああ? 野郎はお呼びじゃねーんだよ! 死にた」



 鬱陶しいので顎を殴って気絶させた。こういうバカが出てくるのは、お約束とはいえ面倒臭い。どうせ騒ぐのは分かっているので他の連中も潰しておく。



 「さて、先に進むか」


 「そうだね。バカに関わる程アタシ達は暇じゃないんだよ」


 「全くです。こういうゴミは本当に居なくなりませんね」



 5人組が苦笑いを浮かべているが、気にしなくていいよ。当たり前だが、バカな事をするヤツが悪い。魔物に食い殺されても仕方がない。連中がやろうとした事はそういう事だ。


 殴って気絶させたが、お前等成功してたら何をするつもりだった? つまりそういう事だ。被害女性が死ねば、死人に口無しになってしまう。だから先制攻撃をする。


 地球でも近代に入るまでは自分の命は自分で守る、その為の先制攻撃は当たり前だった。出会う人間全員にそうするワケじゃないが、さっきのバカどもは完全にアウトだ。


 危険な時代というのは、誤解される行動をした方が悪いのだ。誤解されない為に気を付ける、それが当たり前の事なので俺の行動は普通の行動となる。


 とにかく町まで進もう。



 ▽▽▽▽▽


 0058終了時点


 金貨27枚

 大銀貨27枚

 銀貨15枚

 大銅貨16枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 剣熊の爪の斧

 風鹿の角の十手

 剣熊と銅亀の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と銅亀の肘防具

 剣熊と銅亀の膝防具

 剣熊と銅亀のブーツ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ