0586
移動中に何のイベントも無く、無事にモンの町に到着。中に入り直ぐに港に行ったのだが、流石に夕方では船を出してはくれなかった。
ある程度の客が集まらないと船は出せないそうで、水の季節はあまり船を出せないそうだ。なので、明日船を出して運んでくれるなら大銀貨2枚払ってやると言うと、直ぐに交渉は成立した。まあ、儲かるなら乗せてくれるわな。
明日の船の予約もできたので、町に戻って宿探しを始める。4人ほどに銅貨5枚ずつ握らせて話しを聞き、安全な宿に泊まる事にした。
この町は本州と繋がる町なので、手癖が悪い奴とか犯罪者とかが普通に居る。ただ荒くれなだけの者も居るので、地元の者でも判断がつかない事があるらしい。
危険と関わり合う気も無いので無視すればいいのだが、向こうから無理矢理に関わってこられると避けるのは無理だ。いつも言う事だが、こっちが幾ら避けても限度がある。
向こうから<当たり屋>をされると回避できないんだよ。あまりに鬱陶しいと秘密裏に消えて貰うが、中途半端だとストレスだけが溜まるんだよなぁ……。
嫌な事は考えず前向きに行こう。大銅貨8枚を支払い宿の部屋を確保すると、夕方だったので飯屋の場所を聞き宿を出る。直ぐ近くに美味しい店があると聞いたので試しに行ってみると、人が多く混雑していた。
皆と相談し近付かない事にして、別の飯屋を近くの人に聞く。銅貨5枚を見せると、地元の人が行く穴場の店を教えてくれた。
あの店を止めた理由は、入れない人同士でギスギスしていたからだ。列を作って大人しく待つという民族性は、この時代ではまだ生まれてない様だ。教えて貰った穴場の店に行き、大銅貨9枚を支払って注文すると海鮮鍋が出てきた。
海鮮鍋と言えば聞こえはいいが、要するにごった煮だ。海洋国家と違うのは綺麗に骨が外されている事ぐらいだが、丁寧な仕事がしてあるのが【空間把握】でよく分かる。
これなら皆も食べやすくて満足するだろう。また雑穀飯だが、段々慣れてきた自分がいる。麦や粟や稗も、慣れてくればそこまで不味い物でもない。
海鮮鍋は十二分に満足できる物だった。宿への帰り道を歩いている皆も、殆ど骨が無かったのも高評価らしく満足気な顔をしている。
宿に戻った俺達は、直ぐに部屋に戻ってゆっくりする。加熱機を取り出して魔石を入れて起動すると、後は放っておくだけだ。今日の夕食が美味しかったのか、既にダリアはウトウトしている。
お腹がいっぱいで温かくなってきたので、急に眠気に襲われたんだろう。小さくなってジっとしているが、俺が布団を敷くとさっさと中に入っていった。
流石にダリアが寝るのが早過ぎたのか、誰も俺を連れて行こうとしない。珍しい状況に、驚きよりも戸惑いの方が先に出てしまう。
その後、少しして連れて行かれたので【至天】のみでキメておいた。少々上手く使えるようになってきたのだが、それでも最大2割ほどの強さでしか使えない。
それ以上の強さにすると廃人になる可能性が出てくるという、相変わらず危険な技だ。それでも精神の回復には非常に役に立つので、これからも上手く使っていくしかない。
今さら使いませんとか言ったら、命の危険を真剣に考えなきゃいけなくなる。さて、俺も今日はさっさと寝よう。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界244日目>
おはようございます。今日は本州上陸の日です。向こうは下関市なので山口県、つまりこの時代だと長門の国となる。
長門や周防と言えば、有名なのは大内家だ。毛利に滅ぼされた陶も居るが、アレはどうでもいい。所詮は謀反人だし、何よりヤシマの国だから多分いないだろう。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「………」
起きた皆と雑談をしながら片付けをし、終わったら宿を出る。昨夜と同じ食堂に行き、大銅貨9枚を支払って食事をした。
朝食後、ゆっくりと散歩をする速度で港に行くと、既に昨日話した船長が待っていた。どうやら俺達しか乗る者は居ないらしく、普通なら客が少な過ぎて運ばないそうだ。
俺は船長に大銀貨2枚を支払い船に乗せて貰うと、船長は直ぐに出航した。本州まではそんなに遠くはないらしく、ゆっくりしてれば直ぐに着くらしい。
……何だかんだといって3時間ぐらい揺られてたが、ようやく船が着いた。皆も船は飽きたのか、港に着いたら直ぐに船を降りる。やっとセキの町に到着した。
セキの町の側も似たような港で、本州に来たといえる何かがある訳では無かった。当たり前ではあるが、何かあってほしかったと思わないではない。俺達は港を出て町に入ると、いつも通り分かれて情報収集を行う。
今回は6人ほどに聞き、銅貨3枚ずつにしたが簡単に聞き出せた。少しでも貰えるならと喋ってくれる者はいる様だ。ある程度の情報を聞き出せたので皆と合流する。町の入り口を集合場所にしていたので、集まると同時に出発した。
一路東へと進みながら皆と情報交換を行うのだが、皆はあまり情報が得られなかったらしい。
まあ、俺が情報を得ているので良いのだが、金を払わなきゃ教えてくれなかったのか、それとも余所者だから喋らなかったのか……。金をバラ撒くのは続けた方がいいな。
セキの町から東へ行くとウベの町があり、その向こうにムカイの町があるらしい。どちらも海沿いは結構遠いらしく普通の人の足では1日では着かないので、基本は内陸の方に移動していくそうだ。
特にここから北の方に進むとナガトの町、北東の方にずーっと行くとヤマグチの町があるそうで、誰も彼もそちらへ行くみたいだ。
技を使っていたが、真っ直ぐ東へ行くと言うと変な顔をされたからな。実際には少し北東へ行った後に南東へ行くという形になる。
俺達は都を目指して旅してると言うと納得はされたが、同時に胡散臭そうな顔をもされたが……。どうも、そこまで行く前に野垂れ死ぬとか、身包み剥がされると思われた様だ。その辺りはどうでもいいのでスルーておいた。
東へと移動しているが、村が1つあっただけで他は無い。寄って浄化しておいたが、村人には生気が無い感じだった。
旅の最中に寄っただけだと言っても警戒を解かないし、その割には武器を持つ訳でもない。何がしたいのか分からない村だった。生気が無い割には痩せてもいなかったし……。
まあ、俺としては浄化さえ出来ればそれで良いので、別に村人をどうこうする気は無いし、助けてやる気も無い。
ある程度進んだ所で昼になったので、焼き場を作って料理を始める。俺は土鍋を取り出して米を炊いていくので、皆にはスープと唐揚げを担当してもらった。
スープの方は野菜と少しのかす肉を煮込むだけだ。後で味噌を入れるので、出汁用に少しだけで良い。竜のかす肉は少しだけでも十分な旨味が出るからな。唐揚げ用の鳥肉は最後の大怪鳥だ。
結構大きな鳥なんだが、ウチの皆もよく食べるから無くなるのも早い。とはいえ、食欲が無いよりはよっぽど良いし、食べていけばいつかは無くなる物だからな。
揚げる温度は教えたが、メルは四苦八苦しながら揚げている。魔法で温度を一定にするって意外に難しいんだよ。料理では一定温度を続けないといけないので、制御訓練にはなるがレベルは高い。
ある程度の実力者じゃないと、そもそも料理の火加減を使う事も出来ない。温度が高すぎるか低すぎるか、下手な者がやると9割9分は低くなるだろう。かと言って、温度を上げると制御は難しくなる。
魔法の9個同時展開が出来るメルでさえ四苦八苦する難易度なんだから、どれだけ難しいかは簡単に分かるというものだ。俺は出来るけどね!。
まあ、稀にフォルの様な制御がやたらに上手い者がいたりするが、フォルは例外だと言っていいだろう。そんな事を考えている間に土鍋3つとも蒸らしに入ったので、周りの手伝いを始める。
既にスープは完成していたので、後は唐揚げだけだった。その唐揚げもそろそろ終わる様だ。
蒸らしの終わった土鍋の蓋を開けて、ご飯をよくかき混ぜる。美味しそうなご飯を皿に盛り、唐揚げも盛って味噌汁を椀に入れた。
じゃあ昼食を始めようか。
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0586終了時点
大白金貨3枚
白金貨36枚
大金貨152枚
金貨528枚
大銀貨598枚
銀貨530枚
大銅貨301枚
銅貨227枚
神金の矛
神鉄の太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




