0585
ダリアとフヨウが寝たので、皆を【房中術】と【鋭覚】で撃沈して寝かせた。今はゆっくりと1人で起きている。
別に眠たくない訳じゃないんだが、少しゆっくりと考え事をしてたい。寝転がっているので、いつ眠ってしまうか分からない程度の考え事ではあるんだが……。
俺が考えているのは、九州と本州を行き来する方法だ。地続きじゃない以上は船に乗る必要があるんだが、果たして本州行きの船が出ているのか疑問だ。
何と言っても、今は水の季節であり海は非常に危険だともいえる。こんな時季に船を出してくれるだろうか?。
もう1つは、そもそも本州と1番近い場所って、筑前じゃなかった様な気がするんだよな。豊後? それとも豊前? 確かどっちかだった様な……。
この時代は、別の国に行こうとするだけでスパイ扱いされたりするらしいし、出る時も入る時も危険だ。
とはいえ、九州に居続けるというのはあり得ない。まずは……でしかないが、それでも京を見ない事には行動指針が作れない。
どの時代寄りかで、この先の俺達の行動は変わる。源平寄りなら放っておけば良いんだが、戦国寄りだと介入する必要があるかもしれない。
戦国時代の場合、介入しないと荒らされ続けて邪気が増えすぎるかもしれない。邪気が増えて邪生が増えれば争いどころじゃなくなると思うが、それでも争いを続けそうな気もする。
それぐらい戦闘民族的な部分はあるからなぁ……。困った事に、面目だけで戦を続けかねないのが武士なんだよ。盗賊と同じく殲滅する方が早いんじゃないかと言いたくなる。
あながち某ゲームの様に、全部滅ぼして天下統一って間違ってはいないんじゃないかと思うぐらいに酷いんだよ、武士って……。直ぐに裏切るし、直ぐに謀反を起こすし。盗賊と何処が違うんだって言いたくなるレベルなんだ。
戦国時代って、織田信長が優しいと思えるレベルのアホが多くいる時代でもあるんだよ。そもそも時代的には大した教育をされていない、知識も碌に無いのが上に立つ時代だから仕方がないんだろうけどね。
これからどういう風に行動するべきか……。
<異世界243日目>
おはようございます。考え事をしていたら、寝てしまっていた様です。今日は何処まで行けるだろうか。出来ればクラの町とやらを越えて更に先まで行きたい所だ。熊のきぐるみを着て外に出よう、朝食を作らないといけない。
カマクラを開けて外に出て、直ぐに閉じる。もう朝はめっきり寒くなったなあ。ハタの町でもそうだったが、1枚や2枚羽織るだけで寒くないのかね? いや、必死に耐えているだけか。寒いのは共通している事だしな。
俺達の場合は身体強化をしていれば寒さを感じなくなるが、どのみち眠る際は無理なので意味が無い。意識が無いと強化し続けるのは無理だから、眠っていたり、気を失っていると効果が無くなる。当たり前ではあるが、身体強化も万能じゃない。
チャパティの生地を作り、野菜と鳥肉のスープを作り終わっても、まだ起きてくる気配は無かった。
邪気は浄化してるし、昨夜もかなり強力に浄化し続けていたので汚染されてはいない筈だ。単に昨夜の殲滅で疲れただけなら良いんだが……おっ! 起きて来たか。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「………」
「今日も寒いね! 何かどんどん寒くなってるけど、どうなんだろう? 村より寒くなるのか、それともこの辺りで止まるのか。ヤシマの国がどうなのかは、アタシ達には分からないから気になるところだよ」
「今でも十分に寒いですけどね。夜は加熱機で温まり、日中は身体強化で寒さを防ぐ。最近、身体強化が上手くなっているのが自分でも分かりますよ」
「そんな事で上達するのもどうなんだろうね? 昔からシュライアは寒がりだったけど、そこまでだったかな……? それとも単に耐えていただけなのか。水の季節は屋敷に居るのが基本だったから、あまり記憶に無いんだよ」
そんな話をしている横で、俺は皆の椀にスープを入れて渡していく。弱火にしている焼き網の上に皆のチャパティは乗せてあるので、熱々のまま食べられる様にした。早く食べないと焦げるが、ウチに食事の遅い者はいないので気にする必要もない。
「朝から温かい食事をとるとホッとするわね。カマクラの中は温かいけれど、ずっとは居られないし、外の寒さにも体を慣らさないといけないのよ。でも、寒いものは寒いから、温かい食事は本当に助かるわ」
朝食で温まった後に後片付けを行い出発する。走り続ける事およそ1時間半ほどで、クラの街に到着した。
あの村とクラの町の間くらいに盗賊の拠点があると聞いていたが、こんなに近かったんだな。中に入って色々見回ってみるが、特に見るものも無かったので早々に町を出る。
3人に話し掛けて銅貨5枚ずつ渡したが、それぞれの情報は同じだった。更に北東にコクラの町があり、その北東にモンの港があるそうだ。
モンの港からは本州への船が出ているらしく、本州に渡りたければモンに行けと言われた。ちなみに、コクラの町とモンの町は豊前にあるらしい。
この世界のヤシマの国には関所が無いんだ。何故かと考えてたんだが、「そんな事してたら獣に殺されっちまうだろ」と言われた。心の中で「そりゃそうだ」と納得したよ。
普通の人が関所なんて作っても、魔物の餌にしかならないのは当然だ。すっかり頭から抜け落ちてたと言うか、通行料をせしめる関所があるという知識があったので、そう思い込んでいた。
魔物に殺される可能性があるのに通行料を奪おうとはしないだろう。誰もがそうだが、自分の命を優先するのは当たり前の事だ。
しかし外に出難いという事は、もしかしたら小競り合いも少ないのだろうか? 俺は戦なんかの所為で邪気が多いと思っていたが、別の要因があるのかもしれない。
その辺りも含めて、前の世界の知識で思い込みを持たない様にしないといけないな。皆と【念話】で話しながらそんな事を考えていた。
結構な距離を走り、昼ぐらいになったので昼食にしようと思っていると、【探知】に多数の人を感知した。
そちらの方に走って行くと、小さな丘を下りた所に町があった。丘の所為で見えなかったのか、危なく町の目と鼻の先で昼食を作るところだった。
早速町に入る為の門に近付く。日本に似たヤシマの国でも、町に堀を巡らして木の柵で守っている。魔物が居る世界である以上は村や町を作るのは大変だし、維持するのも凄く大変だ。
とにかく食料が足りな……そういえば今思い出したが、ハタの町の商人のところで普通に肉を扱ってたぞ? もしかして肉食が認められてるのか?。
まあ、とりあえず街に入れてもらえたので飯屋に行こう。飯屋は直ぐに見つかり、中に入って大銅貨9枚を支払い昼食を頼む。出てきたのは雑穀飯と肉の入った汁物だった。
しかも肉が結構多いのだが、明らかに解体に失敗している臭い肉だった。皆もこっちを見て嫌な顔をしているので、やむなく【浄化】で臭味の原因を浄化した。
臭いは無くなったので多分食べられる筈だ。そう思い箸を付けると、思っているよりも美味しかった。臭味の原因さえ取り除けば普通に美味しいじゃないかよ。余計に臭味に対して腹が立ったが、抑えて食事にしよう。
皆も臭味が無くなった後は美味しく食べている。マタギが魔物を狩っているのだろうけど、幾らなんでも下手過ぎないか?。
解体の知識が無いのか、それとも偶然なのか。どっちにしても肉は自分で確保した方が良いのかもな。このコクラの町は海が近い、というか直ぐそこが海だ。
だから解体が下手なのかもしれない。それでも臭味は抜けよと思うが……まあ、ここで食事をする事は2度と無いだろう。
さっさと食事を済ませたら、直ぐに出発する。急げば今日中に本州に渡れるかもしれないし、無理でもモンの町の宿は確保したい。
早く行って損は無いので、ここからは一気に飛ばしていく。
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0585終了時点
大白金貨3枚
白金貨36枚
大金貨152枚
金貨528枚
大銀貨602枚
銀貨530枚
大銅貨327枚
銅貨270枚
神金の矛
神鉄の太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




