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0583




 さて、そろそろ皆の下に戻って説明しないとな。あまり遅いと、面倒になって突っ込んでくるかもしれない。なので俺は素早く皆の所に戻り、状況を説明して作戦を伝える。


 裏からは俺が、右からはメルが、左からはフォルが魔法を放ち、正面から残りのメンバーが攻める。そして、作戦の前に門扉があったであろう場所を、【魔術】で埋めてしまう。そうすれば、皆なら余裕で戦えるだろう。


 俺とメルとフォルは、盗賊が逃げようとしたら魔法を放つお仕事だ。魔法で殺してしまっても良いし、廃城の中に追い返せば皆と戦って殺されるだろう。とにかく75人を逃がさずに殲滅する。俺達の勝利条件は逃がさない事だ。


 俺達の実力を吹聴されても困るので、1人も逃がさずに皆殺しだ。そこだけは皆に強く念を押しておいた。


 皆もその辺りは分かったもので、権力者が面倒だというのはフォルでさえ理解している。だからこそ大丈夫だろうと思うのだが、気を引き締めてくれよ?。


 さて、そろそろ移動するか。皆を連れて小山を登っていく。皆も夜の行動ぐらい容易く出来るのだが、どうしても音が響く。


 【念話】で音を出さないように移動しろと伝えるが、歩法は教えたものの初めての実戦で上手くいかないらしい。……仕方がないか。


 音を出しながらも到着し、メルとフォルは左右に分かれる。俺も裏へと回り、皆に【念話】で準備が出来たか確認する。準備完了の声が皆から聞こえたので作戦開始だ。


 まずは【魔術】を使い周囲の土を集めて、門扉の前の掘を埋める。【空間把握】も使っているので楽勝だ。


 流石に大きな音がしたからか、ワラワラと盗賊が現れたが下っ端が様子を見に来ただけだろう。ちなみにだが、廃城の石壁の内部には木で作った一軒家が建っている。それが盗賊のアジトなんだが、壮絶に石壁と合っていない。


 木で出来た標準的な家なので、火事にしない為に【火魔法】は禁止にしたぐらいだ。武家屋敷っぽいのが建っていると言えば分かりやすいだろうか? 盗賊の中に元大工が居るのかもしれない。流石に唯のゴロツキが建てられる様な家じゃないし。


 正面での戦いが始まった様だが、盗賊の野太い悲鳴しか聞こえない。まあ、当たり前と言えば当たり前なんだが、ここのゴロツキどもは弱い。


 ただ、西の方の傭兵と同じく身体強化モドキは使っている。それも投石で使っている者が居る事に、ちょっと驚く。


 普通なら武器攻撃に使うために練習するんだが、投石に使っている奴がそれなりに居る。案外、コイツ等の投石が兵の進入を阻んでいたのかもしれない。それぐらいには身体強化をした投石は厄介だ。


 プレートアーマーでさえ大きく凹み、鉄の兜をしていても死ぬ可能性が高い。そんな攻撃を分厚い石壁に守られた中からされると、厄介極まりないだろう。


 ウチの女性陣には全く当たって無いというか、当たる気配は皆無で、むしろ斬り捨てた相手を盾にして突っ込んでる始末だ。絵面だけ見たら、ウチの女性陣の方が悪役に見えるだろうなぁ。


 正しい身体強化を使えるウチのメンバーの方が圧倒的に強い訳で、さっきから蹂躙され……あーあー。遂に面倒になったのか、シュラが盗賊を振り回して盗賊を撲殺してるぞ。死体を武器に使うのは止めなさい、絵面が更に悪くなるから。


 メルもフォルも石壁を登って逃げようとしている盗賊に、容赦なく魔法を叩きつけている。2人とも使っているのは【土弾】だ。


 それを容赦なく相手の顔に連打している。唯の土でも大量に被れば身動きがとれないし、圧死する可能性もあるからな。地味に怖い攻撃だ。


 盗賊どもの声が減ったが、どうやら残りの人数が10人を下回ったらしい。さっきまでは怒号とか悲鳴とか色々聞こえてたんだが、最早全く聞こえない。


 盗賊側は完全に怯えてしまっている。あれだけ目の前で殺戮されたら当然ではあるんだが、何で屋敷に居る1人は出て来ないんだ?。


 実は屋敷の中に1人残ってるんだよ。そして、そいつが盗賊どもの首魁だという事も分かっている。人間の女だが、何故コイツが盗賊の首魁をしているのかは分かっていない。


 ただ、屋敷の奥から指示を出していたのは何度も確認してるんだ。もしかしたら被害者か何かに成り済まして逃げるつもりか?。


 おっ! 首魁を残して皆殺しにした様だ。メルとフォルに【念話】を使い、終わった事を教えると正面に移動し始めた。


 俺もゆっくりと移動するんだが、皆は奥の女が首魁だと気付くんだろうか? ちょっとした試験には丁度いいんで、利用させてもらうか。



 「あっ! アルドもこっちに来たんだね。真ん中にあった家には彼女が捕らえられてたみたいだ。盗賊っていうのは碌な事をしないね、まったく」


 「それはどこの国でも変わらない事ですよ。賊なんて者は、碌でもないから賊なんです。まともなら、そもそも賊なんてやってませんよ」


 「当然だね。真面目に働いて生きている人にとっては害悪でしかない。そんな害虫の如き連中が賊だよ。随分大量の害虫が湧いていたけど、これからは害はないだろうさ」



 うーん……これ、皆分かってて言ってるな。この女が怪しい事を知っていて挑発してるんだろう。これで怒り狂えば盗賊として始末するつもりか。


 皆は戦いに集中していて、この女が盗賊の仲間かどうか判別が付かないから挑発してる訳ね。


 そして、この女もそれが分かってるから必死に怒りを抑えてる。まあ実際には抑えられてなくて、顔が引き攣ってるがな。もうそろそろいいだろう、さっさと終わりにするか。


 俺は女の気が逸れた瞬間に隠密の4つの技を使い、女の背後に回るとナイフで心臓を突き刺した。



 「……ガッ!?!?!?」


 「すまないな。最初からお前が盗賊の首魁だという事は知っていた。そして逃がすつもりは無い。ここで死ね」


 「ぐぞ……あぐ………男を誑し……で……っと………こ……」



 それ以上の言葉は無かった。何かをしたかったのかもしれないが、やってる事が盗賊じゃなあ。結局はどこかで殺されるのがオチだぞ。


 盗賊になった以上は、盗賊に相応しい末路しかない。それが世の中ってもんだ。たまにそこから外れる奴は居るが、そんな奴は滅多に居ない。


 だからこそ馬鹿がそれを目指して、結局よくある末路を辿る訳だ。まあ、そんな事は横へ置いといて、さっさと屋敷の中の物を回収しよう。


 戦闘の前から魔道具で浄化していたので、邪生になる心配は無い。なので、まずは屋敷の中を徹底的に調べる。


 土足で踏み込み、金目の物や食べ物などを回収して回る。皆は翡翠や瑪瑙が気になるらしい。


 多分ハタの町に持って行って、交易船に売るつもりの商人なんかから奪ったんだろう。宝石類がちょこちょことあった。皆はそれ以外にも、漆塗りの椀なんかも見ている。……綺麗に浄化すれば使えるか。


 漆塗りの綺麗な杯とかもあるのだが、皆は見た事が無いからか木で出来ていると言ったら驚いている。綺麗な黒や赤に染められた木だと思えば、驚くのも無理は無いか。


 それにしても、お金が少ないが食料なんかを買うのに使ったからか? 地面の下を確認しても無いんだよな。何処かに隠している感じでもない。


 結局あったのは、銅貨47枚、大銅貨52枚、銀貨33枚、大銀貨11枚。これで終わりだ。隠している所も無いし、他には一切見当たらない。


 槍や刀に鎧まであったし、そういう武具に散財したんだろうか? それなら分からなくもないが、逆に言えば何処かの戦に参加する気だった……?。


 考えても分からないし聞く意味も無いな。それに、既に始末したから聞く事も出来ない。まあ、聞いたとしても私怨か何かでしかないだろうけども。


 盗賊なんて手段を使うくらいだ。結局、碌な事じゃないだろう。回収も終わったし、死体を全て屋敷に放り込もう。


 皆で協力して盗賊の全ての死体を放り込んだら、【浄炎】で屋敷ごと燃やす。皆にも手伝ってもらい、完全な残骸になるまで燃やしたら終わりだ。


 最後に【魔術】を使って、石壁を堀の中に落として埋めてしまう。これで盗賊などが入り込む事も二度と無いだろう。


 さっさとカマクラに戻って料理を作るか。



 ▽▽▽▽▽


 0583終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨36枚

 大金貨152枚

 金貨528枚

 大銀貨602枚

 銀貨530枚

 大銅貨336枚

 銅貨285枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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