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0580




 元々ガイアルム王国でもそうだったが、宿の部屋では靴やブーツを脱ぐのが当たり前だった。ただし部屋に入って直ぐの所に脱ぐ場所があるのと違い、ヤシマの国の宿は古い日本の宿の様に玄関で脱ぐのがルールだ。そこは皆がビックリしていた。


 ダリアやフヨウは【清潔】を使って綺麗にしたのだが、宿の従業員は驚いていた。「お客さんは陽術が使えるんですね!」と興奮していたが、いったいどういう事なんだろうな?。


 陽術ねぇ……聞いた事が無いな。ヤシマの国特有の言い方なんだろうか?。


 俺達は通された部屋でしばし寛ぐ事にした。俺の集中力が切れそうなのと、流石に長時間に渡って海の上に居たので皆もゆっくりしたいらしい。俺が寝転がるとダリアが近付いてきたが、ふとダリアの着ている熊のきぐるみが目に入る。


 そういえば、熊のきぐるみで騒がれないな? ヤシマの国では着てる人が居るんだろうか? ……まあ、騒がれないなら別にいいか。俺達全員が着ているが、そもそも顔は出しているので誤解されたりはしないのだろう。多分。


 何か別の防寒具を作った方が良いだろうか? そんな事を考えながらゆっくりしていると、既に夕日が出ていたらしく宿の従業員から食事をどうするのか聞かれた。


 宿に泊まる際に言っておかないと料理は出せないそうなので、町の飯屋に行ってほしいと言われたんだ。


 飯屋の場所は教えてくれたので、飯屋で食べてくる事を伝えて皆で宿を出た。飯屋と飲み屋が幾つかある区画があるらしく、そこに行って食事をする事にした。


 近付く毎に匂いがしてくるのでもう分かっている、これは間違いなく味噌の香りだ。どこの飯屋に入るか悩むが、もう何処でもいい。


 サっと飛び込んだ飯屋で大銅貨9枚を支払い夕食を注文する。ヤシマの国でも基本的にはキリの良い値段で食べられる様だ。もちろん大銅貨と銅貨を支払う面倒な値段の物もあるが、基本は大銅貨1枚というのは何処も変わらない。


 注文して出てきたのは、味噌仕立ての海鮮汁と雑穀飯だった。これって粟や稗かな?。


 昔、雑穀米が体に良いとか言っていた母親の所為で、長い間食べさせられたので記憶にあるんだが、その粟や稗と似ている気がする。とはいえ、米は一切入っておらず、入っているのは大麦だ。


 昔の人は米を売って雑穀を買って食べていたと聞くし、武士とか僧とかじゃないと食べられないのかもしれない。買って食うのは構わないだろうから、明日出発前に買ってから出発しよう。米があるなら、当然米が食いたい。


 雑穀飯はパサパサしているものの、それなりに食べられる物だった。皆もジャリジャリだった饅頭よりはマシだと言っているので、食べられない訳でも、不味い訳でもないみたいだ。


 まあ、皆は古い時代の人だから、現代人の様な味覚は持っていない。なので、雑穀飯を食べても「こんなものでしょ?」という答えの様だ。


 そんな食事も終わり、宿の部屋へと戻る。部屋にはベッドも布団も無いのだが、これは時代的に仕方がないのだろう。盗まれでもしたら損だし、手癖の悪い奴は何処にでも居るからな。


 そう思っていたら、部屋の中央にある囲炉裏は自由に使っても良いらしく、宿の従業員が薪や炭を売りにきた。成る程な、そういうシステムなのか。


 薪と炭を大銅貨1枚分買い、早速火を点けて部屋を温めていく。そもそも俺達には加熱機があるのだが、それを見せる訳にもいかないので普通の手段を使う。


 しかし、囲炉裏って初めて使ったけど、なかなか良い物だな。風情があるし温かい。囲炉裏だけで、上からフックが吊るされてる訳では無い為に鍋で紅茶を淹れる。それでも風情を感じるのだから不思議なものだ。


 皆が無言でジっと囲炉裏で燃える薪や炭を見ている。何か煙が出てるし、この炭は質が悪いな。大銅貨1枚分しか買わなくて良かった。自分で作った炭を入れて火を点ける。自分で作った物は流石に良質なので煙も出ない。


 ゆっくりとした時間を皆で過ごしているにも関わらず、ダリアとフヨウが寝たら連れて行かれた。既に布団は敷いているので、【鋭覚】と【極幸】でキメておく。


 一気に風情が無くなったものの、コレが俺達かと少し笑ってしまう。良い気分のまま寝てしまうか。今日も一日お疲れ様でした。



 <異世界242日目>



 おはようございます。ヤシマの国に着いて初めての朝です。これからは東に移動していくんだが、まずは都を見に行こうと思っている。どっちみち都の状況を見れば、おおよその状態は分かるだろう。


 理由は応仁の乱だ。あの乱で一気に都の状況は悪化したと言われている。その後に法華一揆もあったが、元々の原因は応仁の乱にあるだろう。


 つまり、どれだけ都が荒れているかで、現在のヤシマの国の状況は計れると思っている。都が荒れていれば戦国時代寄り、荒れていなければ源平寄りとなる筈なんだ。


 博多……っていうか、この町の名前聞いてなかったな。まあ、朝食を食べに行く前に宿の従業員に聞けばいいか。


 俺としては、やる事は今までと変わらず浄化なんだが、邪気を浄化すると他の場所の邪気が流入するので、無理にヤシマの国の全ての場所を回らなくても良いと考えている。


 ヤシマの国の国土は日本の約2倍だが、多少ウロウロしながら浄化して回れば良い感じに薄まるだろう。駄目ならヤシマの国を旅して歩けばいいだけだ。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」 「………」


 「ヤシマの国まで来たけど、この国は本当に荒れてるのかね? この町は穏やかそうだから、そこまで荒れてる感じはしないんだけど、西の端だからそう思うのかねぇ……」


 「さあ? とにかく色々移動して見聞きするしかありませんよ。神様が邪気が増えていると仰っている以上は増えているのでしょうが、どれぐらい増えているかは私達にはわかりませんしね」


 「そうよね。元々の邪気の量も分からなければ、どれだけ増えたのかも私達には知りようもないもの。とはいえ、邪気を減らすという事に対しては賛成なのよね。巡り巡ってルーデル村の邪気も減っていくでしょうから」


 「この世界というか、星は球体であって繋がっているからね。私も主様に聞いてビックリしたけど、繋がっているという事は、どこかが減れば全体も減るという事だ。私達が浄化しているのは決して無駄じゃない」


 「まあ、私達というよりアルドが浄化しているのだが。ただ、私達もちょこちょこ浄化したりはしているからな。無駄になっていないのは気分が良い」


 「少しずつでも綺麗にしていかないと、邪気という汚物塗れになっちゃうしね。綺麗にしなきゃいけないのに、頭の悪い奴等が邪気を増やすんだから、嫌になるよ」


 「文句を言っていても仕方ないし、どうしようも無い奴等は始末するしかないんだ。秘密裏に消えていって貰えばいいさ」



 宿の部屋を出て、宿の従業員にチェックアウトを伝える。その時ついでに町の名前を聞いたのだが、ここはハタの町というそうだ。微妙に似通っていてややこしいな、博多じゃなくてハタかよ……。


 昨日行った食堂などのある区画へ行くと屋台が出ていた。しかも結構沢山の屋台が出ていて賑わっている。そういえば博多の屋台って有名なんだっけ? 元の世界じゃ行った事が無いんで知らないんだけど、行った人に聞いた事はある。


 とはいえ、屋台じゃなくて食堂で食べたいので、昨日とは違う食堂に入った。大銅貨9枚を支払い朝食を頼むと、出てきたのは味噌仕立ての雑炊だった。


 魚なんかも入っているし、それなりに具沢山だ。昨夜と同じで雑穀だが、雑炊なので食べやすい。何より味噌味なのが嬉しい。


 朝から温まる食事が食べれたし、昨日から味噌を堪能できているので気分が良いな。


 味噌自体は元の世界より美味しくないが、味噌味というだけで嬉しいんだから、俺もやっぱり根は日本人なんだとつくづく思う。ハタの町を見て回りながら、何軒かの商人の店を回って米と味噌を購入した。


 米は1俵(30キロ)で大銀貨1枚、味噌は3キロで銀貨2枚だった。結構高いなと思うが、古い時代だと両方とも高級品かと思い直す。


 結構悩んだものの、米2俵と味噌6キロの合わせて大銀貨2枚と銀貨4枚分購入した。商人は良い商売が出来たからかホクホク顔だったが、カモだと思われたのかアレもコレもと薦めてきた。


 やれやれ、商人だけは何処も変わらないな。



 ▽▽▽▽▽


 0580終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨36枚

 大金貨152枚

 金貨528枚

 大銀貨591枚

 銀貨497枚

 大銅貨284枚

 銅貨248枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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