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0576




 ある意味ガッカリ感が強かった朝食を終え、俺達は王都を出発した。流石に2度目だったからか熊のきぐるみでは驚かれなかったが、出る時にも結構な質問攻めに遭った。


 どうやら王都は反乱軍に対して、かなり神経質になっている様だ。町を陥としたのだから当然ではあるのだが……何か変だったな?。


 妙に歯切れが悪いというか、聞きたいけど大っぴらには口に出来ない感じと言えば分かるだろうか? 妙に遠回しに聞かれたんだよな。核心を聞けないからか質問している兵士の方がイライラしてたし、本当に変な質問だった。


 俺達には関係の無い事だと放り捨て、とっとと東へと移動していく。予想通り昼前には港町に到着し、現在は食堂で昼食をとっている。流石は港町だ、大銅貨9枚で美味しい海鮮料理が食べられる。やっぱり海の幸は新鮮でないといけない。


 海洋国家からここまで、平地や山ばっかりだったからなー……。新鮮な魚介類なんて久々だ。魚介類自体は食べていたが、あれは俺が冷凍保存してたやつだからか、ここまでの味は出ないんだよな。本当に美味い。


 満足する昼食で英気を養ったら、まずは宿をとっておく。幸いにも直ぐに宿は見つかり、大銅貨7枚で大部屋をとった。


 中に入り情報収集について話し合い、今回は完全に単独で動く事にした。フヨウはともかく、ダリアが居ると子供達が素直に喋ってくれるんで意外に助かるんだ。


 俺は今までと同じく、金を多少バラ撒く形で情報収集するので問題ない。宿の前で皆と分かれ、俺は港に向かって歩いて行く。


 港に着くと、昼過ぎになっても舟の近くに居る漁師数人に話しを聞いてみた。すると交易船は40日も前に出発した後で、向こうの国にまだ居るんじゃないか? との事だった。


 交易船は帆掛け舟で、向こうの国に着くのに10日から15日ほど掛かるらしい。帆掛け舟の速度は疎らだから何とも言い辛いが、ギリギリ1日で到達できるんじゃないかと思う。


 漁師に銅貨を渡しながら、誰か舟を売ってくれる人がいないか聞いてみる。すると、舟を注文していた漁師が夜逃げをしたらしく、船大工が激怒していたという情報を聞けた。


 早速船大工の所へ行き交渉した結果、明日の朝1番に舟を港に出しておいてくれるそうだ。値段は大銀貨4枚だったので、手付けに2枚払っておいた。これで舟は大丈夫ぅ!?。



 『アルド、聞こえますね? 貴方がヤシマの国に行こうとしているのは知っています。具体的に言っておくと、その港から東北東に向かって進みなさい。そうすれば、貴方の元の世界の博多に着くでしょう』


 『えーっと……ありがたいんですが、急になんです? 何か狙いがあるから【念話】を使って教えてくれてるんでしょうが、必要な事は先に教えて下さい』


 『貴方に必要な情報ですか……。そうですね、この世界のヤシマの国は日本という国の大体2倍くらいあります。ただし形は殆ど変わりません。北海道という所の大きさは貴方の世界と同じですが、沖縄という所は東にかなりズレています。四国の南と言えば分かりますか?』


 『沖縄が四国の南って……ズレ過ぎてないか? 大陸から攻められなくて、むしろ良いのかな。それ以外に何かありますか?』


 『……浄神が五月蝿いのでハッキリ言いますが、ヤシマの国は邪気の汚染が結構酷いので、我々神々としては貴方を行かせたいのです。その事もあり今回の【念話】となりました』


 『成る程、分かりました。ところで聞きたいことが2つあるんですが良いですか?』


 『構いませんよ、答えられる事なら答えます』


 『1つ目は、1日でヤシマの国まで行けるのかという事。2つ目は、ヤシマの国って日本で例えると何時代ですか?』


 『まずは舟の事ですが、1日で到達するのは無理です。貴方が思っているより、この世界の大陸とヤシマの国は離れています。真っ直ぐ東北東に向かうと無人島がありますので、そこで1泊すると良いでしょう。次に現在のヤシマの国ですが、貴方の言う源平と戦国を合わせた様な状況と言えば分かりますか? その所為で邪気が増えているのですよ』


 『源平と戦国が同時に? ……最悪過ぎるだろうよ』


 『では、よろしくお願いします』


 『あっ、はい』



 マジかー……源平と戦国かー……。ちょっと洒落にならない気がする。どう考えても戦闘狂だらけの時代じゃないか。だからこそ俺を派遣したいんだろうが、冗談でも何でも無く最悪だぞ。


 日本人だからこそ分かる、完全無欠の「首よこせ!」の時代じゃねーかよ!! そりゃ蛮族言われるわ!!。


 マズい……どういう政治形態になっているのかは知らないが、元の世界でも年代を経る毎にマシになっていったんだ。


 古い時代ほど荒れていて治安が悪い。源平って事は平安時代末期だという事だ。この時代は公家も武士もやりたい放題やっていた時代であり、そもそも<武士>が生まれた時代でもある。


 公家の持つ荘園から民の逃亡が相次ぎ、逃亡した民を捕縛または殺害する為に<武士>階級を作ったんだ。


 根本的な事は知らないが、一説には平安の優雅な公家社会の裏で民に重税を強いていたとも言われていた筈。その所為で民の逃亡が相次いだとか……平安の時代なんて古すぎて諸説あるんだよなぁ。


 そして戦国時代は、ある意味武士の終焉とも言える時代だ。最後の内戦時代と言うべきか。元の世界の日本にはこの時代の歴史ファンは多いが、ハッキリ言って裏切りと謀反と略奪の時代なんだよ。


 完全に戦国乱世という言葉が相応しい、荒れ狂った時代だと思う。その2つが同時に来てるとか……呪われてませんか? ヤシマの国。


 しかし、どういう荒れ方をしているかは行ってみないと分からないし、それこそ織田信長みたいな新参を受け入れる者が居れば、そこにアドバイスでもして少しでも荒れない様にするしかないよな? 浄化は出来るが、俺に戦争を止めるような力は無いぞ。


 こういう時代って大体は飢えが原因で争いが起きるんだから、その飢えを減らせば邪気の量もマシになるだろう。俺の目的は邪気の量を減らす事であって、天下統一とかじゃないからな。とにかく皆に話して、明日の出発の為の準備をしないといけない。


 宿に向かって歩いていると丁度皆を見かけたので、一旦宿に戻る様に言って一緒に戻った。宿の部屋に入ると直ぐに防音の魔道具を使い、神様から【念話】があった事を伝える。



 「アタシ達が居ない所でそんな話になってたのかい? いや、神様の命なら従うけどさ……そんなに荒れている国なら、アタシ達も気を付けないといけないね。いつ寝首掻かれるか分からないし」


 「それもそうですけど、まずは舟で無人島とやらに辿り着けるかどうかでしょう。神様が仰るという事は大丈夫な航路なのでしょうが、海の魔物をどうにかするのは私達です。沈められたら一巻の終わりですよ?」


 「そうなんだけど、アルドが言ってた程の速度が出せるのなら、そもそも追いつける魔物がいるのかしら? それに、居たとしても私達が魔法なりを使って追い払えばいいだけよ」


 「まあ、シュライアが不安になる気持ちも分からなくは無いね。とはいえ、私も主様がその辺りを考えていないとは思えないんだ。何かしら、策はあるんだろうと思うよ?」



 アルメアがそう言うと、皆が一斉にこっちを見てくる。一応有るには有るんだが、納得してくれるかは分からない。とりあえず説明だけはするか。



 「そんなに難しい事じゃないんだが、【魔術】を使って水というか海水そのものを操って進む事になる。舟の周囲の海水を操るんだから、根本的に海の魔物は近づけない。もしくは、近付くのは非常に難しくなる。後は攻撃されそうになったら、【念動】で舟そのものを浮かせてしまえば良い」


 「「「「「「………」」」」」」



 何か急に皆が黙ったぞ? これはアレか、滅茶苦茶な事をしやがる……って感じの沈黙なのか? それとも、単に呆れて言葉が出ないだけか?。



 ▽▽▽▽▽


 0576終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨36枚

 大金貨152枚

 金貨528枚

 大銀貨595枚

 銀貨501枚

 大銅貨337枚

 銅貨248枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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