表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
573/1948

0572




 町の混乱が酷くなってきた。そろそろ俺達が脱出するタイミングが出来る筈なんだが……。なかなかタイミングがやってこないので、町の隅に移動してきた。


 この町の壁は上に人が歩けるくらいの厚さがあり、そこを兵士が動き回っている為に壁を越えるチャンスが無い。


 一気に跳び越えても良いんだが、見られると余計な情報が出回る可能性があるんだよな。俺達をこの国の兵士に組み込もうとされても困るし、反乱軍に組み込もうとされても困る。


 妙な宣伝をされて勝手にこっちの陣営だと情報だけを流布されると、絶対に面倒な事になる。そういった下らない事を避ける為にも、出来る限り見られたくないし気付かれたくもない。


 アルメアは素早く出れば、そもそも俺達の顔を確認出来ないと言うが、着ている服やらで特定される可能性はある。


 だからこそ慎重に行きたいんだが、なかなかチャンスが……って、遂に門を破られたか! 今の内に壁を【錬金術】と【練成術】で壊して外に出る。


 俺は石壁を【分離】し【念動】で移動させて外に出る。外に出たら【念動】で移動させて塞ぎ、【融合】でくっ付ければ完了だ。


 堀はあるが3メートル程しかなく跳び越えるのは簡単なので、さっさと跳び越える。その後、俺の体に手を触れさせて隠密の4つの技を使ったら、出来る限り速く町から離れた。


 反乱軍とやらが町を乗っ取るのだろうが、今の季節で食料は足りるのか? 中央から軍がやってきて町を囲まれたら、飢え死にしかなくなると思うんだが……。


 何と言うか、後の事を考えて行動しているとは思えない。暴れたのは良いが、それ以上は何も考えていない暴徒の集まりなんだろうなぁ……。


 町を陥とした後はバラバラになりそうな気がする。町を陥としても纏まっていられるなら正しく反乱軍なんだろうが、そこまでの規律は無いだろう。


 あの町を俺達が助ける義理も無ければ、恩も無いので余計な事はしない。漫画やラノベ何かだと義憤に駆られたりするんだろうが、現実だとそんな事より自分の命だ。


 そもそも助けてやりたいとも思わないし、自分を危険に晒す理由が無い。これが世話になっていたり恩がある相手だと助けようと思うが、赤の他人だとそんな気持ちも湧かないしな。


 そもそも助ける云々ならウチの女性陣の方が先だし、その女性陣を危険な目に遭わせる気なんぞ無い。なので、どれだけ力があろうが、助けてやる義理も無い相手より身近な人だ。


 邪気は浄化していたので多分大丈夫だと思うが、あれから更に略奪とか虐殺をしているなら邪生が生まれても不思議じゃない。とはいえ、俺の知った事では無いんだよな。


 仮に邪生が生まれたなら、間違いなく反乱軍の所為だし自業自得だ。自分達のやった悪行が、自分たちに返ってくるだけでしかない。


 十分に町から離れられたので、ちょっと遅いが昼食にしよう。立ち止まって焼き場を作ったら、パンとスープを作ってもらう。スープは竜のかす肉と野菜のスープだ。俺は2羽目の大怪鳥を解体する。


 解体し終わったら収納しておいた串を取り出して内臓を刺していく。全て刺し終わったら魚醤を塗りながら焼いていき、料理が終わったメンバーにも協力してもらう。


 特に焼くだけならシュラでも出来るので戦力になる。十分な数が焼けたので昼食を始めよう。



 「町が陥とされるのを見るのは久しぶりだけど、やっぱりキツいものがあるね。出来れば見たくない光景だけど、アタシ達が助けてやる義理は無いし、難しいところさ」


 「そうですね。胸糞悪い事も起こっているでしょうが、だからと言って私達が危険な目に遭うのは筋違いです。戦うならば当然あの町の兵士ですし、あの町の住民なんですよね」


 「自分達の暮らしを守りたいのなら、戦うのは当然の事よ。その相手が魔物だろうが、同じ人間種だろうが変わらないわ。戦わないなら殺されても文句は言えないわね」


 「しかし、アレは反乱軍というより単なる暴徒だね。飢えてもいなさそうだったし、肌艶は悪くなかった。追い詰められた末での蜂起というよりは、扇動されて暴動を起こしてる感じに見えたよ」


 「10国以上あると聞いたからな、もしかしたら別の国が煽ったのかもしれない。ガイアルムに対して帝国がやっていた様な事なら、煽っている奴がいる筈だが……」


 「僕達が見つけてやる事でもなければ、考えてやる事でも無い。そもそも煽られるって事は不満を抱えている人が多かったって事だし、それは国の責任だよ。小火の間に消せば良かったのに、大火になってから消そうとしても遅いんだよね」


 「まあ、町が陥ちている時点で十分な大火だな。後はこの火が更に燃え広がるかどうかだろう。国軍が全力で潰す様な気もするし、案外膠着状態に陥ってしまうかもしれないし。どうなるかは分からないが、煽ってる国があるなら大人しく見ているのかは疑問だな」


 「でも確実に軍の力は低下してしまうだろうね。反乱軍どころか農民の蜂起でも軍人は死ぬ。農民の粗末な農具だって人を殺す事は出来るんだ。暴徒と言っても武器を持ってる反乱軍相手だと、それなりの死者は出てしまうよ」


 「何と言うか、煽っている国があるなら益々都合の良い結果になりそうですね。とはいえ、反乱軍が煽っている国の都合良く動くかは定かではありませんが……」


 「煽っている組織や国とも戦争をしそうよね、反乱軍って。案外、最後の勝者になったりするかも?」


 「可能性としては高くないけど、否定は出来ないね。暴徒と化している者達が、そうそう都合良く動いたりはしないよ。飼い主にすら噛み付く事は普通に考えられる事さ。飼い主だと思っていたら、食い殺されるかもしれない」


 「反乱軍から新しい王が出るのか? ますます混沌としそうだな。この世界だと今まで殆ど無かったのかもしれないが、元の世界だと似た様な事は古い時代にはあったんだよなぁ……」



 特に中国大陸はそんな人物が多い。例えば漢の国を作った劉邦や、三国志時代の孫堅とか。出自が怪しいのが王になったり皇帝になった事例は、少なからずあるんだよな。孫堅の場合は息子の孫権だが……。


 問題はそれがこの世界で起こるかどうかと言うところだが、世界や国に関係なく起こり得る事でもあるか。そういえば出自の怪しさで言えば劉備もかなり怪しいと聞いた事があるが、本当の所は知らない。


 日本の武士にも出自が怪しいのが山ほど居るし、昔は出自が良くないとそれだけで認められない事もあるから、仕方がない部分はあるんだろう。そういえば、織田家も藤原氏を称したり平氏を称したりしてたな。


 昔の人って家柄を気にする割りには、その家柄が滅茶苦茶なんだよ。織田家の祖先なんて越前の劔神社の神官だし。


 初めて知った時、「武士関係ねーじゃん!」って思わずツッコんだ記憶がある。それぐらい適当だったりするんだよなー……。まぁ、元の世界の事はいいか。


 ここが中国大陸っぽい以上は、可能性としてはあり得そうなんだよ。かつて大帝国があった事、今は分裂して10国以上に分かれた事、そして戦乱の状態に陥ってる事。


 誰かが纏め上げて、再び帝国を立ち上げるフラグが立ってないか、コレ? 項羽と劉邦が出て来そうな状況だな。


 ま、俺達はそんな群雄割拠しそうな所からは逃げるけどね。俺達は勝ちあがって建国なんて面倒な事はしないし、やる気も無い。


 そんな事に巻き込まれる前に、さっさとヤシマの国に渡ってしまえばいいだけだ。そんな事を昼食の間に話していた。


 皆は俺の元の世界の話に興味津々だったので、知ってる部分は色々話した。俺もあんまりちゃんと覚えてないし、俗説とかも混じっていて本当のところは詳しく知らないんだよ。


 そもそも学者じゃないし、唯の一般人に学者とか研究者とかマニア並みの知識を求められても困る。


 それでも、大した家柄でもない者が王や皇帝になるという話は、聞いているだけならば楽しい様だ。


 実際には成立するまでに非常に多くの人が死んでいるので、国力という意味では相当落ちてしまっているのだが、そのあたりは話しても面白くないので話していない。


 読み物や物語として楽しいだけで、当時は阿鼻叫喚の地獄絵図だっただろう。



 ▽▽▽▽▽


 0572終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨36枚

 大金貨152枚

 金貨528枚

 大銀貨599枚

 銀貨501枚

 大銅貨388枚

 銅貨253枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ