0567
<異世界235日目>
おはようございます。結局、昨夜から今朝まで襲撃などはありませんでした。あのチンピラ4人は宿の中庭に埋められていましたが、料理されなくて良かったです。
流石に人肉料理は見たくないんで助かった。人肉料理なんて出てきたら俺でも恐怖するが……この世界には無い様でなによりだ。本当に。
朝っぱらから嫌な事を考えるのは止めよう。それより昨日の食堂もだが、この町は本当に無法地帯と言っていいのかもしれない。
町長の娘が盗賊をやっていたゼンの町より酷いっていうのは、流石にどうなんだ? ここの町は人心そのものが荒んでいる感じがする。
とにかく綺麗に浄化したし、紅茶でも淹れるか……アレ? そういえば、こっちの国にはチャノキがあるんだよな?。
今までの場所で1回も見てないんだが、もしかして北の方で栽培してるんだろうか。元々チャノキはこっちの方の国の物なんだよな、確か。
それが西の方に流れて、そっちに根付いたって話だった筈。なのにこっちの国でお茶を飲んでるのを見た事が無いし、売ってるのも見た事が無い。
まあ、庶民が飲む物じゃない可能性もあるので、なんとも言えないな。お茶に関して聞けば良いんだし、後で食料店に寄るか。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「………」
「昨夜は久しぶりにゆっくり飲めて満足したよ。旅の途中で飲む事もあるけど、深酒する訳にもいかないからね。昨日は思いっきり飲めたから、当分は大丈夫かな?」
「そうですね。それに昨夜も話したのを覚えていますが、この時季だとお酒の原料が殆ど無いので、作れるお酒の種類が非常に少ないんですよね? ……と言う事で、飲みたくても飲めない状況になるかもしれません」
「それはそれで辛いわね。この町でお酒の原料を買い占めてから、東に逃げるのが良いと思うわ。どうせ山越えをするのは私達だけでしょうし、追い駆けてこれないんじゃないかしら」
「別に逃げなくてもいいと思うよ? 私達がお金を出して買うんだし、駄目なら売らなきゃいいんだよ。売った以上は文句を言うべきじゃない。そう突っぱねてやればいいのさ」
「お金を出して買った事に対して、文句を言われる筋合いは無いと言うのはその通りだろう。そもそも最初から売らないか、量を制限すればいいだけだからな」
「というか、普通ならそうするよね。それをしないのなら、売った店の問題だよ」
後で食料店に行く事を話しながら部屋の片付けをし、終わったので部屋を出る。鍵を返して宿を出たら、まずは食堂に行って朝食を食べよう。昨日行った食堂以外に食堂らしき所が無いので、仕方なく入って大銅貨9枚を支払い注文する。
割と直ぐに出てきたが、極めて普通の食事だった。ここでもパンが主体なのは何か理由があるんだろうか?。
中国系の国だと思ってるが、異世界だからやっぱり違うんだろう。それに中国系の南側って、主食は米の筈だ。色んな意味で違う国だな、こりゃ。
オーソドックスな朝食を終えて、俺達は食料店へと向かう。着いて直ぐ、皆は酒の原料になりそうな物を探していく。
正しくは俺とディル以外が酒の原料で、俺とディルは珍しい食べ物がないかと探している。皆は色々探したものの見つからなかったらしく、大麦を大量購入していた。
食料店の店員が驚いていたが、売れるならと倉庫に案内して売っていた。後ろからついて行っている俺達も唖然とするしかない。
ウチの女性陣も「流石にそこまでは要らない」と言って断っていた。それでもウイスキーが1人2樽分作れる量は買っているんだから、十分に多いと思う。
その後、町から出て一路東へと進んで行く。相変わらずだが、この国の南の端だけあって商人の馬車すら滅多に見ない。
季節が季節なので見ないだけかもしれないが、それにしても西側の国とは大きく違うな。やはり傭兵がいないというか、魔物を狩る組織が無いとこうなるのかね?。
街道の安全ってやっぱり大事なんだろう。そんな事を考えながら走り続けグワンバ村に到着した。……しまった! お茶の事を聞くのを忘れた! ……もういいか。
村の中に入って浄化をし、村人からフィキ山の情報を聞いてから村を出る。どの村人に聞いても「止めとけ!」と言われるとは思わなかった。
フィキ山は標高が高く、上は極寒と言える程の寒さであり、下は入り組んでいる迷路の様な地形をしているらしい。
今までにフィキ山を越えられたのは、ほんの僅かしか居ないそうだ。そんな脅しの様な事を言われても、俺達は普通の奴等とはそもそも違うし、一緒にされても困る。
グワンバ村からフィキ山を含む山脈は既に見えていて、その大きさを雄弁に語っている。とはいえ俺達は登頂をする訳でも無く、単に向こう側へと越えるだけなので登る必要は殆ど無いだろう。
どんどんと近付いてくるフィキ山を見ながら、どういう風に越えようかと考える。結局は山の縁に沿う様に進んでいけば良いだけか。
山脈と言ったが、フィキ山の南は大河で切れているので、そこを回りこむ形で移動すれば向こう側に抜けられる。
この事はグワンバ村で教えてもらったのだが、昔グワンバ村の村人が向こうに行って帰ってきた事があるらしく、それでルートは分かっているそうだ。
その昔の人も土の季節の寒い頃に行って、次の年の土の季節の寒い頃に帰ってきたらしい。つまり今の時季がフィキ山を越えるには1番良いという事だ。
そろそろフィキ山に着くが流石に寒い季節だけはある、魔物は居るものの動いている奴は殆どいない。だから、この季節なのか。
寒くなり過ぎると、凍死する可能性が高い。暖かいと魔物の巣窟であり、とても普通の者では突破出来ない。チャンスが今の時季しか無いんだろう。昔の人は良く知っていたんだろうな、この時季には出歩いている魔物が少ないと。
魔物の知識と向こうに行ってみたいという好奇心。それがあったから突破できたと言えるんだろうが、それでも偉業と言って良いのかもしれない。グワンバ村の人は理解して無さそうだったが。
山を登りつつ南から回り込む様に進んで行く。【探知】や【空間把握】で大河の位置は分かっているので迷う事は無い。
移動を続けていると昼ぐらいになったので、一旦止まって焼き場を作り昼食にする。焼き網を出してから皆に料理を手伝ってもらおう。
チャパティの生地はダナとシュラとディルに任せる、多分大丈夫だろう。寸胴鍋に聖水を入れた後に戻した蛸、烏賊、貝の干物と野菜を、メルとアルメアとフォルに煮込んでもらう。
俺は大怪鳥を1羽解体した後、内臓などを近くの木を折って作った串に刺して焼いていく。魚醤を多少薄めた物に浸けながら焼いていくと、良い匂いが辺りに広がる。
魔物が近寄ってくるかもしれないと思ったが、【探知】や【空間把握】には特に魔物が動く気配は感じられなかった。
皆も焼き鳥に注目してくるんだが、こういう形態の料理ってこの世界じゃ珍しいのか? いや、それは無い。ルーデル村にもあったし。
内蔵と浸け焼きが無いのか……成る程。そういえば肉串だったなぁ。おっと、余計な事を考えていたら焦げる、集中しよう。
チャパティも焼き上がり、スープも出来たので早速食事にしよう。皆は食事が始まると、我先にと皿に乗せてある焼き鳥に手を伸ばす。
どんだけ食べたかったんだよ、誰も取らないからゆっくり食べなさい。フヨウはともかくダリアまで興奮してるな。昼食は内臓だけなんで、そこまで美味しいかは分からないんだが……。
「美味しそうな匂いを放ってたから、どんな味がするんだろうって楽しみにしてたけど、想像以上に美味しいね! 鳥の内臓って、獣の内臓と違って脂が少ないからか、味を感じやすいよ」
「そうですね。内臓の味だけだと美味しくないかもしれませんが、魚醤に浸けて焼いていたからか、味が染みていて美味しいです。味がちょっと濃い目なのが、堪りません」
どうやら、鳥の内臓も特に問題なさそうだな。
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0567終了時点
大白金貨3枚
白金貨36枚
大金貨152枚
金貨529枚
大銀貨599枚
銀貨501枚
大銅貨388枚
銅貨303枚
神金の矛
神鉄の太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ