0566
昼食は餃子にするべく大量に作っている。料理の出来ないシュラでも混ぜる事と捏ねる事はできるので、手伝って貰った。本人は喜んでいたが、周りの全員が子供を見守る気分だったのは内緒だ。
戻した干し肉と野菜を混ぜてせっせと包んでいき、フライパンで焼いている。水餃子でも良かったんだが、パリパリの餃子が食べたかったので焼き餃子にする事にした。皆も上手く焼けている様だ。
出来上がったから早速食べる事にしたが、昼食はスープ系は無しになってしまったな。餃子は意外に時間が掛かるんだよ、人数が多いと特に。どうしても食べたかったから餃子にしたが、次からは夕食時以外は作るのは止めよう。
「それにしても、村に食堂が無かったのは何故なんだ? 御蔭でちょっと予定が狂ったぞ。急ぐ旅じゃないから良いが、この先の村にも食堂が無いなら考慮しておかないといけないな」
「何となくだけど、傭兵ギルドが無いからじゃないかい? 傭兵が常駐してくれるなら食堂もやるだろうけど、傭兵なんかが居なきゃ儲からないだろうし、儲からないならやる奴も居ないだろうね」
「ああ、成る程な。需要が無ければ食堂という供給も無いか……。大きな町なら一人暮らしも多いから需要もあるだろうが、小さな村じゃそんな需要が生まれないんだなぁ」
小さな村と言ってもそれなりの人数は居る。この世界には魔物が居るので、多くの人が固まって生活しないと魔物に潰されてしまう。なので、それなりの人数が小さな村でも居るのだが、傭兵が居ないので食事の用意は隣近所に頼むんだろう。
代わりに金銭を受け取るなりすれば、村人食堂みたいなものの出来上がりだ。他所の者が来ないなら、閉じこもった村になるのも当然ではある。
傭兵が来る村っていうのは、それなりに開かれた村だったんだな。今さらながらに傭兵という者の良いところを理解したよ。
食事後、焼き場を壊させて再び東へと走り出す。ある程度走るとデウクの村があったので、中に入って浄化をしたら直ぐに村を出た。
村人達に物凄く警戒されていたし、何より驚くほど目つきが悪かった。余所者に酷い目に遭わされた事があるのかもしれないな。
俺としては浄化できればそれでいいので、村人の精神状態に然したる興味も無い。さっさと進んで行き、夕方前にイリェンの町に到着した。
ここも不良兵士だったが、難癖を付けてきたり下卑た視線を向けてくる事は無く、単にやる気が無いだけだった。俺達の事もチラっと見ただけで通す程、やる気の無い兵士は初めてだ。
町に入った俺達は直ぐに宿の場所を聞き、宿へと向かう。余計な揉め事とか要らないんで、この町では大人しくしておこう。宿に着いたので大銅貨7枚を支払って大部屋を確保し、従業員に食堂の場所を聞く。
聞いた食堂に行く前に、食料店に寄って小麦と野菜を大銀貨3枚分購入してから食堂へと行く。宿の近くに食堂は在るのだが、さっきの食料店からバカどもが尾けてきている。
俺が大銀貨を出したからかもしれないが、【空間把握】で調べると唯のチンピラが4人居るのが分かった。
皆も気配は分かっているが無視して食堂に入り、大銅貨9枚を払って夕食にする。聖水を飲みながら待っていると、近くに座ったチンピラどもがこっちを見てニヤニヤしていた。
俺達の夕食が来たので、食べる前に丁寧に浄化してから食べる。【空間把握】で食事に薬、正しくは眠り薬が入れられたのは監視していた。
食堂に行ったチンピラの1人が薬の様な物を渡していたのは確認済みなので、浄化をしてから食べればいいだけだ。
後から効いてくる薬なのか、即効性のある薬なのかは知らないが、薬が効く事は永遠に無い。気にせずに食事を終え、さっさと宿の部屋に戻って監視をする。
チンピラ4人はどうやらこの宿にも顔が利くらしく、従業員に予備の鍵を寄越せと言っている様だ。
流石にそれはマズいのか従業員の方は必死に断っている。あーあー、従業員が殴られて鍵を奪われたみたいだ。
俺達は2階の大部屋に居るんだが、チンピラどもがドタドタと音を立てて階段を上がっているので、1番上のチンピラの足を【念動】で掬って落としてやった。
当然後ろに居たチンピラ3人を巻き込んで落ちていき、頭を強く打ったのか動かなくなった。
この時代の階段って急なの多いし、この宿の階段も急な階段なんだよ。凄い急角度で転落していったが、死んだら死んだで俺達には関係ないし証拠も無い。
「何か大きな音がしたけど、アタシの空耳かねぇ……?」
「いえ、ハッキリとしましたよ。多分アルドが何かやったのでは?」
「さっきから尾けてきている奴等がいたろ? そいつ等が宿の従業員から鍵を奪って無理矢理入ってこようとしてたから、階段の上から叩き落としてやったんだ」
「階段の上から? ん~……もしかして【念動】かしら?」
「ああ。簡単に言うと、階段の上の方に来た時に足を掬ってやったら、1番下まで転落していったんだ。その後ピクリとも動かないから、もしかしたら死んだかもな」
「仮に死んでいても主様がやったとはバレないだろうし、特に問題ないね。死人に口無しと言うけれど、それ以前の問題だよ」
「そもそも、端から見て何をやったか分からないのだから、どうする事も出来ないだろう。足を掬われた本人でさえ、掬われたという自覚があるかどうか……」
「アルドの事だから、その辺りはしっかりバレない様にしてるんじゃない? 仮にそいつ等が生きていたところで、宿の従業員から鍵を奪った奴等でしかないし」
「まあ、確かにそうだね。それよりも、この宿に泊まっていて大丈夫なのかねぇ……。流石に2度、3度と襲撃があるとマズいと思うんだけど、その辺りどうなんだい?」
「特に問題ないんじゃないか? 今現在、何故かは分からないが、宿の連中が必死に死体を処理して無かった事にしようとしてるからな。おそらくチンピラ4人は居なかった事になるだろう」
「宿の者が死体の処理に慣れてるっていうのも、どうなんですかね? そんな宿は別の意味で嫌なんですけど」
「言いたい事は分からなくもないが、元々荒れている国だって事を忘れてないか? 人心が荒んでいたりすればこんなものだと思うけどな。それに明日には出発するし、大した問題は無いよ。何かあれば俺が気付くし」
そもそも寝ていても異変があれば気付く。それだけの技を叩き込まれてるんで、特に問題は無いんだよ。その辺りの事を皆に説明すると、全員が安堵していた。今まで問題なんて起きてないんだから、もうちょっと信用してほしいもんだ。
そのまま酒盛りを始めるのは、それはそれでどうなんだろうな? いや、安心だからというのは分からなくはないんだが……まあ、旅の途中だと飲み難いのは分かるけどさ。だからこそ、皆の酒がまだ無くなってないんだし。
そろそろ作れと言われそうではあるんだが、まだ残っているので大人しく飲んでるな。とはいえ、冬の作物で酒を作れと言われても困る。
大麦ぐらいしか無いんじゃないかと思うが、今の時季に大麦が売ってるんだろうか? 1度見てみるしかないな。
皆にもそう言うと、酒の為なのか色々と言い出した。ワインなんかは、そもそもこちらの国々に売ってるかどうか分からないぞ。
大人しくウイスキーで我慢しなさい。果実が出回らないと果実酒は無理だよ。酔っ払ってるからか、言いたい放題に言い始めたなぁ。
無理なものは無理なんだから、我儘言わない! お前さん達は子供か! あーあー……久しぶりに酔ってるからか、支離滅裂になってる。アレはもう放っておいた方が良いな。飲まないディルに指導してた方がマシだ。
ダリアやフヨウも酒を貰って飲んでいたが、早々に撃沈して既に眠っている。女性陣も既に怪しい状態だ。いつ眠るか……なんて考えていたら、最後の1人であるメルも撃沈した。
俺とディルは手分けしてベッドへと運び寝かせていく。その後、ディルを【房中術】【鋭覚】【精気】で大満足させて寝かせておいた。
さて、俺もそろそろ寝るか。今日も一日お疲れ様でした。
▽▽▽▽▽
0566終了時点
大白金貨3枚
白金貨36枚
大金貨152枚
金貨529枚
大銀貨599枚
銀貨501枚
大銅貨397枚
銅貨303枚
神金の矛
神鉄の太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ