表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
566/1948

0565




 朝食の揚げパンが出来たので早速皆で朝食を食べる。竜の脂で揚げているからか凄く美味しいんだが、食べる際に油が手に付いてしまうんだよなー……。まあ、皆【清潔】を使って対処してるから特に問題は無いんだが。


 美味しい代わりに油で手が汚れるのは仕方がないと諦めるか、それとも素直に汚れる度に綺麗にするか。


 清潔な事は悪い事じゃないし、美味しい食事にケチをつける必要も無い。スープの方は上手くできていて、魚と肉の旨味がちゃんと調和していて美味しい。


 野菜の甘みの御蔭で調和しているので、上手く野菜で繋ぐ事が出来たみたいだ。皆に聞いても上手く出来ているとの事なので、これは少なくとも及第点は取れているだろう。


 朝食後、カマクラや焼き場をフォルに壊させて準備は完了。まずは直ぐ近くのゼンの町へと行ってみる事に決めた。盗賊団を皆殺しにしたが、あえて町へと寄る事で俺達への疑いを逸らそうという魂胆だ。


 移動を開始して20分くらいで町へと辿り着いた。本当にあの砦は町から近かったんだな。


 町は普通というか、堀と木の塀で囲まれた町であり、それ以上もそれ以下も無い普通の町だった。ただ、建物の大半が木で出来ていて、石造りの建物は2つあるだけだ。


 【空間把握】で調べたら、両方とも食料の保存庫だった。町の入り口で不良兵士の尋問の様なものを受けた後、やっと町に入れたのだが活気が無い。沈んだ町と表現すべきか、それともゾンビの町と表現するべきか。


 とにかく活気が無くて、町を行き交う人の目が死んでいる。何があれば、これ程おかしな町になるんだろうな? 流石にまともな町ではないのが直ぐに分かったので、食料の補充と情報収集を終わらせてさっさと出て行こう。


 皆と分かれて、俺は食料店に行って野菜類を中心に買っていく。大銀貨1枚分の野菜や香辛料を購入したら店を後にし、情報収集を始める。


 死んだ様な目をした人ばかりだが、銅貨を数枚渡すとコソっと話してくれた。やはり袖の下は良く効くみたいだ。


 どうやら町長の息子が町で傍若無人な事をしているらしく、それで町の者は関わらない様に下を向いて歩いているらしい。俺にも関わらない方が良いとアドバイスをくれたが、そういう阿呆は基本的に向こうから無理矢理関わってくるんだよ。


 他にも幾人かに話を聞き、町や村の位置などを教えて貰った。銅貨を渡しているので、【白痴】を使って事実のみを喋らせている。


 とはいえ、金を貰っている以上は素直に喋ってくれた様だ。1人だけ喋りにくそうに喋っていたので嘘を吐く気だった様だが、無駄な足掻きでしかなかった。


 情報も十分に集まったので皆を探していると、人だかりが出来ている場所を発見する。やっぱりウチの女性陣が絡まれたかと思ったが、【空間把握】を使うと様子がおかしいのが分かった。ウチの女性陣を庇っている男が居る?。



 「いい加減に止めたまえ! 久しぶりに知り合いの顔を見に来たら、まさかここまで腐った者になっているとは! 昔は真面目に師の講義を共に受けていたではないか、悪しき事はするなと教えを受けただろう」


 「それで儲かるというのか? 良い暮らしが出来るとでも言うのか? 官吏は賄賂を寄越せと言ってくるだけで何もしない、しかも国はあんな者どもを許しているではないか! それはつまり、賄賂を要求しても構わないという事だろう!!」



 訳の分からない言い合いをしているので、ウチの女性陣に【念話】で話しかけて俺に手を触れさせる。全員が手を触れたら隠密の4つの技を使って、その場から離脱した。


 阿呆どもの言い合いに構っている暇など無いし、町長の息子っぽいのに文句を言ってる奴もチラチラとウチの女性陣を見ていたしな。多分格好をつけていただけだろう。


 そんな事は俺達には関係ないので、隠密の技でさっさと離脱した訳だ。町も出てしまい、ある程度の距離を離れるまではこのまま歩いて行く。皆とは【念話】で話し、情報のすり合わせと揉め事の原因を聞く。



 『ふーん……つまり町長の息子が現れて、難癖つけて女性を攫おうとしていた状況に介入したのか。で、女性を逃がした辺りで、あの男が介入してきたと。何だかよく分からない構図だな』


 『何と言うか、途中で出てきた奴はタイミングを見計らってた感じだったんだよ。あの言い合いも、何だか芝居染みていたしねぇ……。怪しい事この上ないし、とにかく胡散臭い奴等だったのさ』


 『ダナも含めて【気配察知】は使っていましたし、あの男の気配は最初からあった様な……? 思い出せませんが、アレは女性を騙すための芝居だった可能性が高そうですね』


 『それよりも、殆ど情報収集が出来ていない事の方が問題よ。あんな馬鹿な男達なんてどうでもいいわ』


 『確かにそうだね。私達の方は東にドウクの村があり、その東にデウクの村がある事は聞けたよ。それ以外の情報は特に得られなかったけど、皆はどうだった?』


 『私達はドウクの村の事しか聞けなかったな。余所者と関わると目を付けられると言われて、殆ど情報は得られなかった。まあ、嘘の情報を掴まされるよりはマシだ』


 『とはいえ、東のドウクの村って所で情報収集をするしかないかな? 流石に村2つの情報じゃ少なすぎるし、せめて町の情報ぐらいは欲しいよね』


 『アタシ達は、ドウクの村の位置と南に大河が流れてるって事ぐらいかな? 何でも東の国に繋がる程の長さで、大河を下れれば隣の国に行けるって言われてるらしいよ』


 『ただ、汚くて濁ってるうえに、魔物の巣窟と言える程に魔物だらけなんだそうですよ。釣りをする者すら居ないらしく、硬い鱗のトカゲの様な姿の魔物が襲ってくるそうです』



 硬い鱗にトカゲの様な見た目……ねぇ? それって鰐なんじゃないの? 仮に鰐の魔物だとすれば、そりゃ人ぐらい当たり前に喰うだろう。それぐらい獰猛で凶暴だろうし。



 『俺の方は銅貨を30枚ぐらいバラ撒いたからか、結構色んな情報を聞けたな。ついでに【白痴】も使ったから、嘘は無くて事実のみの情報だ』


 『そんな事してたの? まあ、アルドのお金だし、盗賊団から奪ったお金を返してるって考えれば良いのかしらね?』


 『そんなところだな。それよりも村と町だが、東にドウク村、その東にデウク村、そのずっと先にイリェンの町があるそうだ。イリェンの東にグワンバ村があって、更に東にフィキ山があるらしく、その向こうが東の国ならしい』


 『よくそこまで調べられたと言うべきか、それともお金は偉大だと言うべきか……。何とも言えなくなってくるよ、アタシは』



 町から結構離れたので隠密の技を解除して、一気に走っていく。まずはドウク村という所に行くんだが、このまま進んで行けば時間も掛からずに着くだろう。


 どうも俺達はこの国の南端近くを移動しているらしく、この国の首都はもっと北にあるらしい。


 さっきも言っていたが、南には大河が流れているうえに東は山脈で隔てられている。北からぐるっと回り込む形なら、山越えなどせずに平地を移動できるようだ。


 当然ながら商隊などは北に行くので、こちらの道は寂れているし無法地帯になりやすい。


 とはいえ俺達を害せる者なんて殆ど居ないうえに、こっちの方が距離が短くて済む。北に行くとかなりの大回りで移動する事になるし、向こうが荒れていないという保障が無い。同じ荒れているなら最短距離を進んだ方がマシだ。


 それにダルダン聖国を突破してきた俺達なら、山越えは然したる問題にはならない。精々町で食料を多めに補充しておくぐらいだ。


 そろそろ昼だなと思っていると、丁度ドウクの村に辿り着いた。村の中に入り話を聞くと、この村には食堂すら無かったので昼食は食べられなかった。已む無く、浄化した後で直ぐに村を出たが、まさか食堂が無いとは思わなかった。


 結局、村からある程度離れた所で焼き場を作り、昼食を作る事にする。しっかし、村に食堂が無いって何故だろうな?。



 ▽▽▽▽▽


 0565終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨36枚

 大金貨152枚

 金貨529枚

 大銀貨602枚

 銀貨501枚

 大銅貨413枚

 銅貨303枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ