0562
揚げパンを皆の皿に乗せたら、後は腸を焼いて食べるだけだ。スープは既に完成して、皆の椀に入れてある。
皆で一斉に焼き始めると、やはり凄い煙が出てしまう。美味しいんだけど、この煙は何とかならないものかな。そんな事を考えながらどんどん焼いていく。
綺麗に浄化してあるので、火が通ったら食べても問題ないのだが、出来るだけよく焼いてから食べるようにしている。
誰かさんは火が通ったくらいの半生を好むので、その状態になったら餌皿に入れてやっている。美味しそうに食べているが、その所為で俺が忙しいんだけど!?。
フヨウは焼けているかどうかすら気にしないので楽なんだが、誰かさんは妙な拘りとかあったりするんで困る。
そんな慌しい食事も終わり、カマクラの中に入って出入り口を塞ぐ。後は寝るだけなんだが、食べて直ぐ眠れる訳も無く、今は皆でゆっくりとしている。
「それにしても、急いだからか結構早く砂漠を越えられたね。それでも数時間寝たら起きなきゃいけないんだろうけど、数時間でも寝られるだけマシかねぇ……?」
「どうでしょう? そのまま起きていても、数時間だけ寝ても、どっちでも厳しい様な気はしますけどね。どのみち生活を戻す時には、似た様な苦労をしなければいけませんから……」
「いつ苦労するかというタイミングの問題でしかないわね。私としては早い方が良いわ。後にズレるとそれだけ気が重いもの。嫌な事は早めに終わらせた方が、気分的に助かるのよね」
「私もそうだね。少々無理して寝れば良いし、最悪は主様に【昏睡】を使って貰って眠り、【覚醒】で強制的に起こしてもらえば良いよ。そうすれば1日ぐらいは平気だろうしね」
「とにかく食事後の良い気分の間に寝てしまう事だな。出来るなら気分良く眠りたいものだし、無理矢理眠らされるのもな……。意識が無くなるから良いも悪いも無いのだが、出来れば自分の意思で寝たい」
「僕はどっちでもいいかな。結局は意識が無くなる事に変わりはないしね。眠れるなら大した違いは無いんじゃない? と思うんだけど……」
まあ大した違いは無いな。後は本人の気分的な話だから、俺はどっちでもいいし。とにかく横になっていれば、そのうちに眠たくなってくるだろう。でも眠らなきゃ明日というか今日大変だしなぁ……仕方ない【昏睡】を使うか。
俺は皆に断りをいれて【昏睡】を使って強制的に眠らせた。それじゃ、俺も寝るか。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界233日目>
おはようございます。少々眠たいですが、起きられないほどではありません。今日はこのまま真っ直ぐ東に行けばあるという村に行って、まずは情報収集だな。国の名前も何も分かっていないし、何に気をつければいいかも分からない。
それはともかく、とりあえず皆を起こすか。数時間寝たぐらいなので特にお腹は減っていない。【覚醒】を全員に使うとあっさりと起きた。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「………」
カマクラの入り口を壊してさっさと外に出る。既に朝と言える時間を少しオーバーしているが、そこまで寝坊した訳でもないので気にしなくて良いだろう。フォルにカマクラと焼き場を壊させてから出発する。
東へと走って行くのだが、【探知】と【空間把握】にはそれなりの魔物の反応がある。思っているよりは多いが、もしかしたら俺達の気配を感じて近寄って来たのだろうか?。
その割には追い駆けて来ないので、これが普通なのかもしれない。砂漠の近くなのに多いのは何か理由があるのか、それとも今日だけか……。
とりあえず、魔物が追って来ない間に進んでしまおう。追い駆けられるといちいち面倒臭い。俺達は砂漠の時よりも早く走り、体感で1時間もしないうちに村に辿り着いた。村の門番に傭兵の登録証を見せたが、怪訝な表情をされただけだった。
砂漠を越えてやってきた事を話すと、”またか”という顔をされたが村に入る許可をくれた。何が”またか”なのかよく分からないが、商隊の事だろうか?。
とにかく入れたので情報収集を始めよう。2人1組に分かれて情報を集めてもらい、俺はいつも通りダリアとフヨウと一緒に回る。
色々話を聞いて分かったが、ここはコンの村と言い、国の名前はサイロウと言うらしい。乱立する国々の南西に位置していて国土は広いそうだ。
ただ、田畑にできる場所は少なく、農地が少ないので貧しいらしい。東に行くとゼンの町があるそうだが相当遠いらしく、まずは間にあるカンの村を目指すのが良いそうだ。
カンの村は南東にあるらしく少しズレるそうだが、真っ直ぐ行くと野営をしなければならなくなるうえ、真っ直ぐ行った町の近くの小山には盗賊の砦があるらしい。
町に荷物を運ぶ商人を襲っては荒稼ぎしている盗賊団だそうで、正規軍ですら勝てなくて困っているみたいだ。軍が弱いのか盗賊が強いのかどっちだろうな?。
それにしても、盗賊の砦の場所が分かってるのに軍が勝てないっていうのも変だな? もしかして有力者か何かが裏で糸を引いてるとか……。
ここが戦国乱世の国だと考えると十分あり得ると思うし、古い時代の中国と考えると上が腐ってるのは当たり前だからなぁ……。
伊達に<上に法あれば、下に対策あり>と言われる国じゃないしな。裏で何でもやってそうだ。
皆と合流したので、この後どうするかを話し合う。俺はこの村から東に真っ直ぐ行こうと思い【念話】で確認すると、皆も了承した。
ただ、皆は不埒な盗賊を成敗する気で了承していたので、俺の考えを話しておく。軍が勝てない事と砦の場所が知られている事は、皆も怪しく感じたのか俺の予想に悩んでいる様だった。
俺としては見つからない様に潜入して、纏めて殲滅してしまえば良いと思っている。幾らなんでも数百人規模の盗賊団という事は無いだろうが、そういった部分も一度潜入すれば分かる事なので、俺としては情報を得てから1人残らず殲滅したい。
誰がやったか分からないままに皆殺しにされたというのが理想だろう。そうすれば、裏で糸を引いてる奴が居たとしても何も出来ない。
俺達は村を出て真っ直ぐ東へと向かって走っていく。町は遠いと言われたが、俺達の足で遠いという訳では無いだろう。
どれほど遠いかは知らないが、最悪2日も走れば辿り着く距離でしかない筈だ。1日で南東のカンの村、その後1日でゼンの町と考えると、俺達の足なら1日で楽に着く距離だろう。
走って移動しているが砂漠より走りやすくて本当に助かる。砂漠を走るのも慣れてきていたんだが、やっぱりちゃんとした地面の方が良い。当たり前だと思うかもしれないが、砂の上を走っていたからこそ、ちゃんとした地面のありがたさが分かるんだ。
荒地の中を軽快に走っていく俺達は周りから見たら異様だと思うが、まるで羽が生えたかの様に楽なんだからしょうがない。
そんな心持で移動していると、お昼頃になったので焼き場を作って休憩する。近くに小川があるんだが、荒地の中にあるからか若干土色に濁っている。俺なら【浄化】の権能で幾らでも綺麗に出来るが、普通の人だと【清潔】も含めて色々大変だろうな。
そんな事を話しながら、焼き網を出して準備していく。リザードマンを早めに処理したいので、小麦料理は無しでいこうと思う。
皆からの許可も得たので早速解体していくのだが、リザードマンって肉質は魚っぽいんだな。獣肉と魚肉の中間みたいな、よく分からない肉質をしている。
それに内臓類が獣とは違っている。1番の違いは胃に相当する器官が見つからない事だ。まるで秋刀魚のように胃が無いのだが、代わりによく分からない丸い器官を経由して腸に繋がっている。
何か分からないので丸い器官をダリアに近づけたが、ダリアは食べようともしなかった。横からフヨウが食べてしまっても気にしていなかったので、ダリア的にはNGだったみたいだ。食べられない可能性もあるし止めておいた方が良いな。
しっかし、奇妙な肉体してるなぁ……。
▽▽▽▽▽
0562終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨119枚
金貨385枚
大銀貨544枚
銀貨335枚
大銅貨325枚
銅貨220枚
神金の矛
神鉄の太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ