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0055




 食堂に下りて3人分注文し、大銅貨3枚を支払う。朝食を待っている間、3人でイチャイチャしていると女将さんがやってきた。



 「3人とも、おはよう! 今日も仲が良いね!」


 「おはよう、トーカ! 当たり前の事さ、恋人同士なんだからね。朝食の後はベッドに戻りたいぐらいだよ!」


 「トーカ、おはよう! えぇ、当然の事です。今直ぐベッドに戻りたいぐらいですよ!」


 「そうだねぇ。私もベッドに戻りたいよ。昨日、旦那がスゴくてね……」



 いつも通りか、この3人は。朝からこれ系の話題で盛り上がらないと駄目なんだろうかね。最近、女性従業員が聞き耳立ててるんだよな……。そんなに聞きたい事なのか?。


 毎朝スルーするのにも慣れてしまった事が少し哀しい。朝食が来るまでの間、いつも通り水を飲みながらゆっくりした。BGMが悪いが……。


 朝食後、武具屋に行く。昨日作った、アダマンタイトの前に持っていた武器が不要になったからだ。不要な物を持ち続けても邪魔なだけだしな。



 「いらっしゃい。お三方が一緒にウチに来るのは初めてだね」


 「久しぶりだね、ウィン。今日は武器を売りにきたのさ」


 「武器ね~。成る程、お客さんが作ったヤツだね。前のは高く売れたからね、今回も期待するよ?」


 「期待するほど高く売れたんですか?」


 「ああ。お客さんから買った後、バラして装飾を施してから売り出したんだけど、金貨1枚が金貨2枚で売れたんだよ」


 「それはまた……。儲けたねぇ、ウィン」


 「お客さんから金貨1枚で買って、大銀貨1枚の装飾を施したら金貨2枚さ。吸血鬼の真祖ってお金持ちだね~」


 「フルールですか、買ったのは……」


 「イエローボアの牙を使ってたから、それでも安い方ですよ? 王都なら金貨2枚と大銀貨10枚はする代物です」


 「話を戻していいですか? 俺が売りたいのは小烏丸です」


 「これは……。今度はレッドパンサーの爪ですか? これまたスゴイ物を持ってきますね」


 「アタシの短刀とシュラの鎧通しもさ」


 「では拝見します。これソードグリズリーの爪ですね……。コレ、売るんですか? これほどの物を?」


 「まぁ、言いたい事は分かります。とはいえ、不要な物を持っていても使いませんし」


 「そ、そうですか……。この半分が両刃のヤツは金貨1枚で、短剣は大銀貨6枚、この2本の短剣は大銀貨12枚です」


 「まぁ、そんな物でしょうね。私はそれで構いません」


 「アタシも問題ないね」


 「俺もその値で大丈夫です」


 「では先ほどの値で買い取ります。次は誰が買っていくんでしょうね?」


 「使ってくれるなら誰でもいいですけど、死蔵されると困りますね」


 「確かに、武器は戦う為の物だからね」



 武具屋で武器を売り、店を後にする。昨日と同じルートで大森林に行き、調査を始めよう。今日は大森林を西へ行き、川を遡って行く。さっそく魔物が現れた。



 「頭上にジャンプスネークが5匹いる」


 「「「「「シャ!」」」」」



 昨日と同じくシュラは戦い難そうだ。その為、俺のファルクスをシュラに貸した。シュラは振って感触を確かめているが、どうも具合が大変良いらしい。死体を処理して先に進む。


 大森林とはいえ、そこかしこに魔物が居る訳ではない。ゲームでは無限に雑魚魔物と戦えるが、リアルではありえない事だ。そんな事になったら生態系が滅ぶ。


 実際には、魔物はお互いに食い合っている。現実とはそういうものだ。それに、弱肉強食は自然の摂理でもある。目の前のように。



 「2人とも、なんか魔物同士が争ってる」


 「あれは……。ビッグアントとバグキラーかい」



 バグキラーという魔物は、ビッグアントより倍以上大きな花だ。匂いを出してビッグアントを誘き寄せているらしく、近づいてきたビッグアントを蔓で捕まえている。


 その後、花の中心に持っていき溶かして食べている。しかも自分で移動するらしい、怖いラフレシアだ。実はこいつの見た目、ラフレシアそっくりなんだよ。


 虫系魔物を捕食するが、それ以外には手を出さないので放っておく。高く売れたりもしないので、無理に倒す必要も無い。


 無視して先へと進んで行くと、洞窟っぽい所を発見した。近づいて調べてみるが中は大きくなく、生き物の反応も少ない。調査の為に中に進入する。


 進んで行くと、一本道でコウモリが居るくらいだった。だが最奥の隅、その下にアレの反応がある。昨日に引き続き、今日もかよ。俺は隅に行き【魔術】を使って掘り進める。


 出て来たソレを【融合】して、握り拳5つ分くらいの大きさに纏めた。今日もガルドルさんの所に行かないとな……。



 「「アルド、それって……」」


 「2人の想像で合ってるんじゃないかな? これがヒヒイロカネだ」


 「やっぱり。その薄緑色、伝承の通りだね」


 「私も話でしか聞いた事がありません。実物など誰も持っていないでしょう」



 ヒヒイロカネ自体は薄緑色なんだが、銅と混ぜると燃え盛る太陽のような赤金色に変わる。しっかし希少金属2個目か、嫌な予感がしてきたなぁ。とにかく銅でコーティングだな。


 誤魔化す方法よりも、また早くに帰る事の方が問題だ。調査が中々進まないなー、どうしたもんか。まぁ、ここで悩んでもしょうがない。村に帰るとするか。


 村への帰路で魔物に襲われたが、もはやこれも定番になってきたな。襲ってきたのはフォレストベア2頭だった。ダナは首を落として終わらせたのだが……。



 「……ヤァーッ!!!」


 「グブブォ!!」



 ファルクスの刃が首の根元より下までメリ込んでる。どんだけの力で振り下ろしたんだ? 何で物凄い笑顔なんだよ。……とにかく処理するか。


 獲物を処理し帰路を進むと、再び魔物が現れた。今日は多いな、帰りだからいいけどさ。今度はスマッシュボーアが4頭いるが、こっちに気付いていない。その事を伝えると、早速襲いに行った。


 背後から足を斬られたスマッシュボーア4頭は、碌に動けず的にしかならなかった。そんな相手に対して、シュラは嬉しそうにファルクスを振り下ろしていた。完全に気に入ったらしい。


 処理をして帰路を進む。流石にこれ以降は魔物に襲われる事もなく、村に辿り着いた。


 村に入ると解体所へ行き、登録証を渡して査定を待つ。いつも通りベグさんとジャロムさんが来た。



 「ふーむ。今日はジャンプスネーク5匹にフォレストベア2頭とスマッシュボーアが4頭か、全部で大銀貨18枚と大銅貨30枚だ」


 「それで頼むよ」



 登録証を返して貰い、木札と売却金を受け取る。分配して1人分の大銀貨6枚と大銅貨10枚を貰う。


 その後、ガルドルさんの所へ行き、大銀貨2枚分の銅を買う。ちょっと多いが問題ない。


 ギルドへ行き、ミュウさんに手続きをしてもらう。終わるまでの間に、大銀貨40枚を金貨2枚に両替してもらってから宿に帰った。


 部屋で装備を外して浄化した後にイチャイチャする。2人は心の底から嬉しそうに抱きついたり、キスしたりしてくる。まだ昼にもなっていない時間だが、いいだろう。


 3人でイチャイチャしていると、2人に押し倒されてしまった。最近2人は随分甘えてくるようになったし、押し倒してくるようになった。我慢する気が無くなったのだろう。


 2人としては、やっと甘えられる相手を見つけたので嬉しいのだ。不老長寿であるが故の孤独と寂しさが募るばかりで、今まで苦しかった。その反動として、凄く甘えるようになっている。


 分かりやすく言うと、物凄く愛情に飢えていたって事だ。2人は自分が愛されている、それがハッキリと分かる形を求めているだけだ。別に溺れているワケじゃない。


 永き刻を生きるが故の悲哀なんだろう。俺は孤独に耐えられるらしいので、どうなるかは分からない。もしかしたら2人と同じようになるのかもしれないな。


 …………良い話で纏めようとしてるんだから盛らない! 分かった、分かった。【房中術】を本気で使って、完全に撃沈させておいた。


 良い話で纏めてるんだから、空気読め! 浄化した後、気を失っている2人を部屋に置いて、昼食を食べに食堂へ下りた。一応3人分の注文をして、大銅貨3枚を支払っておく。


 水を浄化して飲みながら、ゆっくり待つ事にする。偶には1人の時間も悪くないな。



 ▽▽▽▽▽


 0055終了時点


 金貨22枚

 大銀貨17枚

 銀貨15枚

 大銅貨22枚

 銅貨5枚


 風鹿の角槍

 風鹿の角の太刀

 赤豹の爪の小太刀

 剣熊の爪の打刀

 アダマンタイトの小烏丸

 強打猪の牙のファルクス

 剣熊の爪の斧

 風鹿の角の十手

 剣熊と銅亀の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と銅亀の肘防具

 剣熊と銅亀の膝防具

 剣熊と銅亀のブーツ


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