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0555




 岩が大量にある場所での休憩を終えて、今度は東へと走っていく。夜の砂漠をひたすら走っているが、多少走ったところで夜が明けてきた。どうやら今日はここまでの様だ。カマクラと焼き場と囲いを作って、食事の準備をする。


 今日は面倒なので水団を作る事にした。ダナとメルとアルメアには小麦と砂麦の全粒粉を渡して、いつも通り練ったら団子状にしてもらう。俺はその間に寸胴鍋に聖水を入れて沸騰させたら、かす肉と干し肉と野菜をいれて煮込んでいく。


 ある程度煮こんだら、団子を投入して更に煮込んで完成だ。団子を入れるとき以外は、寸胴鍋の蓋を取ってはいない。


 料理も【空間把握】で調べれば問題ないので、いちいち蓋を取っての確認はしない事にした。砂が入っても嫌なので、なるべく蓋は開けたくなかったんだ。この場所は昨日と違って風が強い。


 カマクラの中に皆で入り、出入り口を閉じてしまう。【光球】を使って明かりを点けたら、寸胴鍋から椀によそって食事にする。皆も風が強いのは分かっていたので、カマクラの中で食事をする事に文句は出なかった。


 水団は何回か料理してきているが、こんなのだっけ? ここまで美味しくなかったような気がするんだが……。もしかして砂麦の所為なのか? 思っているより美味しいんだよな。


 そういえば子供の頃のキャンプの最初の夕食が、何故か水団だったんだよなぁ。最終日の夕食はカレーだったんだが、それまでの食事は美味しくない物が多かったんだ。


 子供自身が作るんだから、美味しく出来る筈が無いって言った方が正しいか。もうキャンプの内容なんて殆ど忘れたが、水団とカレーは不思議と覚えていたみたいだ。



 「この団子、スープの味が染みてて普通に美味しいね。具沢山だし、この料理は楽で良いかもしれない。その分、普通に作るなら使う薪の量が多そうだけど……」


 「煮込む料理というのは薪や炭を多く使いそうですからね。焼き網で肉を焼くのが1番消費は少なそうですが、実際のところは如何なんでしょうね?」


 「アルドは【加熱】を使って料理をするから、よく分からないのよね。私も教えて貰ったし【錬金魔法】や【練成魔法】じゃないから料理が劣化する事も無いけれど、かわりに火加減が難しいわね」


 「そこは仕方がないんじゃないかな。薪や炭で料理をするよりも大変そうだけど、出来るようになれば薪や炭が無くても料理が作れる訳だしね。それに、火を使うより明らかに早く出来るんだよ。主様を見ていると」


 「確かにそんな感じはするな。私も簡単な料理なら出来るが、湯を沸かす時なども一瞬だったりするし、【加熱】の魔法は使い熟せば優秀な魔法なのだろう、アルドが初級の魔法ばかり使うのも分かる気がする」


 「完全に使い熟せるなら、初級の魔法の方が使い勝手が良いものが多いんだろうね。普通は同時発動なんてしないから初級の魔法じゃ威力が足りないんだけど、アルドは20個の同時発動だからさ。十分すぎる威力になるし、相手を殺すだけなら初級を上手く使ったほうが良いよ」



 食事時にする話かなと思いつつも、取り留めの無い話をしながら食事を終える。その後も雑談をしながらお腹が落ちつくまで時間を潰し、落ちついたらさっさと寝る。


 それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界228日目>



 おはようございます。まあ、夕方なんで実際の日付は砂漠の移動中に変わってますが、起きた時を基準にしないと意識が変え辛いんです。


 今日で第二オアシスに辿り着くと思うが、どうなんだろうか。手探りで進むしかないんだが、情報の入手方法がアレだったので微妙に信じきれない。


 【空間把握】で調べると、相変わらず外は風が強いので、仕方なくカマクラ内で料理をする事にした。


 まずは凍らせている魚を取り出して【分離】で3枚におろし、身に残っている骨を全て【粉砕】する。寸胴鍋に聖水と魚と野菜を入れたら煮込んでいく。その間に小麦と砂麦の全粒粉を作りチャパティを作る。


 フライパンでチャパティを焼いていると、皆が起きてきた。カマクラ内で料理をしている俺に驚いているが、外の風が強い事を説明すると直ぐに納得してくれたようだ。直ぐに全員分のチャパティは焼きあがったので、朝食を食べよう。



 「カマクラの中で食事をするのも悪くは無いけど、やっぱり景色を見ながら食事がしたいね。砂を食べたくはないから仕方がないんだけどさ」


 「まあ、気持ちはよく分かりますけど、私も砂は食べたくないですよ。それよりも、魚の良い出汁が出ていて美味しいですね。最初は薄く感じましたけど、これぐらいの方が却って美味しく感じるのかもしれません」


 「確かにそうね。ほんのりと美味しい味がするのだけれど、それが意外に残るのよ。だからかしら、思っているよりも美味しく感じるわ」


 「それに強い味じゃないからこそ、もっと欲しくなるんだろうね。この薄さで丁度良いと言うか、魚を使った煮込み料理はこれくらいの方が美味しく感じるんだろう」


 「魚自身から味が出ているので、身はパサパサなのかと思えばそうでもない。他の魚や野菜の味が染みていて凄く美味しいし、野菜もまた魚の出汁を吸っていて美味しい」


 「アルドの煮込み料理って、大体【熟成】を使ってあるんだよ。だから味が染みていたり、長時間煮込んだような美味しい味になるらしいんだ。けど、僕がやるとあっと言う間に不味くなるんだよね。【錬金魔法】と【練成魔法】は本当に難しいよ」


 「まあ、繰り返し練習するしかないな。普通の錬金士や練成士も繰り返し練習するしかないし、そういう部分は変わらない。練習が沢山出来てむしろ有利だとさえ言えるんだから、頑張るしかないさ」



 フォルがガックリとしているが、地味な練習を続けるしかないのは、神界で修行した俺でも変わらなかったんだ。そこは諦めてもらうしかない。


 それでも練習量が違うんで、真面目にやれば上達は早いんだよな。旅をしている以上は、練習量が少なくなるのはしょうがないんだが。


 食事も終わり鍋や椀などを全て浄化して片付ける。熊のきぐるみを着たらカマクラの入り口を壊して外に出た。


 夕日が沈みきりそうな絶妙な時間だったらしく、美しい光景ではあるのだがあまり目を開けられない。結構強い風と、その風で飛んでくる細かい砂の所為で、上手く目が開けられないんだ。


 結局、綺麗な景色は無視して先を進む事にした。カマクラなどを壊した俺達は東に向かって走っていく。


 このまま真っ直ぐ走っていくだけなので、ある程度の時間走り続ければ到着するだろう。そう思って走り続けていると、砂虫が出てきた。どうやら俺達を襲ってきた様だが、既に【念動】で捕らえている。


 いつも聖水を入れている空の樽を出して、砂虫の綺麗な水を補充する。上手く綺麗な水だけを入れたら、【浄化】を使って聖水にしておく。一匹から取れる綺麗な水はそこまで多くは無いが、それでも無いよりはマシなので入れてから進む。


 次のオアシスでまた戦闘があっても無理矢理水を補充すれば済むので、そこまで困ってはいない。とはいえ、そのまま捨てて行って乾くだけというのも勿体ない気がするんだよな。貧乏性ってヤツかね? まあ、気にせず進むか。


 砂漠といえども、そう頻繁に魔物に襲われる筈も無く移動は順調に進む。体感で4時間ほど走ったら、ようやく第二オアシスが見えてきた。あの男の情報は間違ってなかったらしい。


 第二オアシスに入り、【空間把握】で宿を調べて入り口の扉をノックする。宿の主人が眠そうな顔で出てきたが、宿に泊まりたい事を話すと大銅貨8枚だと言われた。


 第一オアシスより安いので素直に払い、大部屋へと入る。何も無い部屋だが、皆で寝るには特に問題の無い部屋だ。


 情報収集などをしなければいけないので、朝まで仮眠をとろう。ここの宿の主人はさっさと自分の部屋に行き寝た様なので、第一オアシスの様に来て直ぐに襲撃される事も無いだろう。布団を敷いて仮眠しよう。


 布団を敷くと早速ダリアとフヨウが潜っていったが、ダリアはきぐるみを脱がすから出てきなさい。自分もきぐるみを脱ぎ、ダリアのきぐるみも脱がせたら、布団に入ってさっさと寝る。


 それじゃあ、おやすみなさい。



 ▽▽▽▽▽


 0555終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨119枚

 金貨388枚

 大銀貨544枚

 銀貨341枚

 大銅貨405枚

 銅貨220枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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