0554
15人のプレートアーマーを着ている賊と、ドヤ顔でニヤニヤこっちを見ている阿呆が目の前に居るんだが、とりあえず奴等の面白発言を聞きたいと思います。
皆にも【念話】でその事を伝え様子を見る事にした。コイツの豪華な家には池が付いているので、それを利用して【土弾】で泥をプレートアーマーにぶち込む事も伝えておく。
「ハハハハッ! 勝てるだろうと勇み足で俺様の屋敷に来たら、プレートアーマーを装備している奴等が居て困っちまったか? お前等みたいな反抗的な奴はよく居るんでなぁ、用意はキチンと出来てるんだよ!!」
「頭ぁ! 奴等ブルっちまって身動きがとれねぇ様ですぜ!! アイツ等潰して、さっさと女共の味見と行きましょうや!!」
「おう!! 後で売り飛ばすんだから壊すんじゃねぇぞ!! それじゃあ、奴等ぶっ潰せや!!!」
プレートアーマーの奴等がガシャガシャ近寄って来るが、思ってるよりは速かった。どうやら鉄板が薄いようで、その分スピードが出るらしい。
ある意味見掛け倒しと言えなくもないが、その分動きやすいプレートアーマーにしてある様だ。俺は皆に【念話】でタイミングを伝え、一斉に【土弾】を発動する。
池の水は既に濁っており、動かない間に【念動】を使って大量の泥を作っておいた。今はソレを【土弾】で発射しているのだが、早速動きが鈍りまくっている。
固めの泥なので、プレートアーマーの隙間から侵入すると、重りというか枷となって身動きできなくしてしまう。結果、あっと言う間に身動き出来ない泥の案山子の完成だ。
中の奴等は窒息死した者もいれば、呼吸はかろうじて出来ている者も居る。俺達にとってはどうでもいいので、さっさと頭と言われていた阿呆の元へと歩いて行く。
「ま、待て! 俺の組織の幹部に迎えてやる! それでどうだ? 悪い話じゃないだろう!? 俺は第二と第三のオアシスにも伝手があるんだ。お前達に損はさせねぇ。だから見逃してくれ、頼む!!」
「次のオアシスへの道を教えろ。そうすれば手を出さない」
俺はそう言って、この男に【白痴】を使う。これで喋る内容に嘘は含まれない。しかし、それぞれのオアシスにこういう阿呆が居るとなると面倒臭くなってくるな。
とはいえ金品がある場所は分かっているから、それらを全て迷惑料として貰っていけばいいか。
「第二のオアシスはここから北東だ! ここから北に真っ直ぐ行くと岩が大量に転がってる場所がある。そこから東に真っ直ぐ行けば第二のオアシスに着く! 第二のオアシスから南東に真っ直ぐ行けば第三のオアシスだ! これで助けてくれるんだろ!?」
「ああ、俺”は”お前に手を出さない」
「へ?」
その瞬間、メルが【火弾】を連射して焼き殺した。そもそもクズが今まで約束を守ってきた事などあったか? という話である。自分だけが都合良く助かるなどあり得ない。それが分からないのがこういう奴等だ。
俺達は呻いてるバカどもを、プレートアーマーごと斬り殺したり、刺し殺したりしていく。そうしていると女が来て焼き殺された死体を見た後、こちらに向かって憎悪の視線を向けてきた。
「アンタ達っ! アンタ達がお父さんを!! 絶対に許さない、アタシがこの手で殺してやる!! お前た……」
「なら死ね」
俺はそう言って、娘であろう女を【火弾】で焼き殺した。恨みか憎しみか知らないが、お前がしていた裕福な生活は、いったいどれだけの悲鳴と絶望と死体の上に成り立っていたと思っている。そんな生活をしていた者が恨みや憎しみとはな、頭が悪過ぎる。
ウチの女性陣が、誰一人としてこの女に同情していないのが答えだ。同じ様な恨みと憎しみを散々作り出した果ての生活をしておいて、自分だけは同じ目に合わないとか、本当に頭が悪過ぎる親子だったな。さっさと浄化して根こそぎ頂くか。
俺は浄化した後に屋敷へと進入し、金品の中でも欲しい物を持って行く。皆は宝石とか女性が欲しがる物をアイテムバッグに入れているが、俺は貨幣を入れている。
宝飾品が欲しい訳でもないので、貨幣以外は保存食を入れているのだが、驚いたことにチーズがあった。今まで売っている所を見た事が無かったが、ここにはあるんだろうか?。
それもヨーロッパなどで古くから作られている、あのデカいチーズの塊だ。それが5個もあったので回収した。そろそろ回収も終わりにして、さっさと移動しよう。恨み憎しみで狙ってくるバカがまだ居るかもしれないしな。
皆に【念話】でオアシスを出る事を伝え、まずは屋敷を出る。死体は【粉砕】しておき、もう1度綺麗に浄化しておいた。
宿の方に戻り、中と外の死体も【粉砕】してから綺麗に浄化する。そのままオアシスの北側から出て行き、まずは北にある岩が沢山ある場所を目指して走っていく。
ちなみに手に入ったお金は、大銅貨311枚、銀貨118枚、大銀貨21枚、金貨248枚、大金貨83枚だった。ビックリするほど持ってたなぁ……。
持っていたという事は、それだけ多くを奪っていたという事でもある。後はオアシスというか、水の権利を持っていたのもあるんだろう。
それら諸々を含めたうえでの金額なのだろうが、それでも真っ当に稼ぐ事の難しい金額だ。汚い事をやっていないと稼げない金額である以上は、殺されても自業自得だな。
そもそもの話でいえば、奴等から襲ってきたのだから俺達は反撃しただけだとも言える。どのみち他人を襲って犯し、奴隷にして売り払おうとしなければ殺される事も無かったのだから、唯の悪党の末路という話だ。
そんな事を【念話】で話しながら進んで行くのだが、それっぽい場所には辿り着けていない。岩が大量に転がっている場所との距離を聞いておけば良かった。
ちょっとした後悔をしつつも、嘘は吐けない様にして話させたのだから正しい情報の筈だ。あの男と言うよりは、自分の技を信じて進んで行く。
第一オアシスを出て体感で5時間ほど移動した頃、ようやく岩が大量に転がっている場所に辿り着いた。本当に岩がゴロゴロと転がっている妙な場所だが、ここから東へと真っ直ぐ行けば第二オアシスへ行ける。
ようやく目的地に辿り着けたので、ここで一旦休憩にする事にした。第一オアシスを出てから1度休憩をしているが、1度しか休憩をしていないとも言えるので少々長めに休憩しておこう。
「ここで少し休憩しよう。ここから真っ直ぐ東へと行けば第二オアシスへと辿り着く筈だが、そんなに急ぐ必要も無いし、戦闘したり片付けたりと色々あったからな。少し長めに休憩をとろうと思う」
「そうだね。第一オアシスに辿り着いて宿をとったら直ぐだったから、殆ど休めてないんだよ。そこまで体力が無い訳じゃないけど、慌しかったから精神的にはちょっと大変だったし、良いんじゃないかい?」
「ええ。慌しかったのは事実ですし、心を少し落ち着けたいですね。そういえば第一オアシスはどうなるんでしょうか? 水を牛耳っていた組織を潰しましたから、仲良く使っているんでしょうか。それとも……」
「まあ、新しい者が牛耳って終わりでしょうね。オアシスの水って結局は利権の様だし、それで富を築けるなら誰かが占拠するでしょう。塩や鉄と同じ物だと考えると分かりやすいわ」
「やってる事は国家や貴族と変わらないよ。利権を皆で分けるか、自分だけで牛耳るかの違いくらいだね。塩や鉄なんかは国に報告しなきゃならないのと、働き手がいないと成り立たないから皆で分け合ってるだけで、自分のものに出来るならするだろうさ」
「まあ塩や鉄は掘ったり運んだりしなければならないから、それが仕事となる。それに比べてオアシスの水は汲ませてやるだけだ。水を入れるのも運ぶのも、お金を払った本人がしなければならない。確かに塩や鉄と違って、分け合ったりしていないな」
「そう考えると、力で無理矢理にでも支配するか、誰でも水を無料で汲める様にするしかないんだね。そうしない限り、永遠に水の奪い合いが続くと思う」
そもそもオアシスって、そういうものだけどな。
▽▽▽▽▽
0554終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨119枚
金貨388枚
大銀貨544枚
銀貨341枚
大銅貨413枚
銅貨220枚
神金の矛
神鉄の太刀
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




