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0549




 「この辺りは蛮族国家の初期の頃に併呑されたらしく、そこまで悪感情が無いんだと思う。ついでに飢えて貧しい国だという事も知っていて伝わってるんで、同情する部分もあるんだろう。西の被害を受けた国からすると、到底納得なんて出来ないだろうけどな」


 「まあ一部の奴が言うには、西にダルダン聖国という山岳地帯があるから攻められないと高を括ってる。そう考えている部分もある様だけどねぇ。南の海から攻められるって事を考えてないんだろうさ」


 「昔からずっと本国を攻められていないのなら、そんなものさ。仮に考えたにしても、おそらく少人数で来る事ぐらいしか考えてないと思うよ。主様が言っていたように、船で襲ってきて略奪されたらどうするんだろうね?」


 「その辺りの想定をしていない程度の国という事かしらね。……それはともかくとして、アルドは何処まで行く気なの? このままだと砂漠に突入する事になりそうだけど……」


 「もちろん砂漠に突入するんだよ。俺の元居た世界でも、シルクロードと呼ばれる砂漠の道を商人達が長い時を掛けて移動していた記録がある。方角が分かり、水も用意出来るとなれば突破できるさ。砂漠はオアシスを移動していく場所だからな」


 「よく分からないが、商人達が移動しているというなら行けるのだろう。しかし、世界は広いものだな。まさか砂漠を渡る経験をする事になるとは思わなかった」


 「まあ、それも良いんじゃない? アルドが居れば死ぬ事は無いだろうし、砂漠の先にはどんな国があるのか考えると気になるっていうのが本音かな? 見てみたいって思うよ」


 「この惑星は広いからな。俺が元居た星より広いって神様は言っていたし、一つずつ自分の足で確かめていくしかないんだと思う。それに人間種の生存圏はそこまで広くないらしい。神様いわく、世界の4割ぐらいだそうだよ。人間種の住んでる所」


 「「「「「「4割!?」」」」」」



 やっぱり少ないよな? この星は未だに魔物の星だという事が良く分かる数字だ。人間種は4割ほどの場所でしか生きていないが、魔物は何処にでも居る。まあ、魔物にも様々な種がいるので、一緒にするなと怒られるかもしれないけどね。


 ダリアとフヨウが寝ているからか、話の流れを無視して連れて行かれたが、【房中術】と【鋭覚】で撃沈しておいた。皆は感覚が鋭敏になる事には未だに慣れないらしく、【鋭覚】を使うと簡単に撃沈するなぁ……。


 さて、明日も早いし浄化してさっさと寝るか。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界224日目>



 おはようございます。今日から東の国こと、ブラギア王国に入ります。この国はダルダン聖国よりは大きいそうだが、荒地が多い為に村や町は少ない様だ。


 いや、正しくは国民の数が少ないと言うべきだな。この町に、蛮族国家に対して同情的な者が多い理由の1つでもある。


 東の国は元々養える民の数が少ない国なんだ。つまり略奪の限りを尽くしたのは東の国の兵ではなく、支配した国の兵士達だったという事だ。


 そういう事をさせないと統制がとれなかったんだろう。仕方がない部分も無い訳ではない。何より、地球の歴史でも同じ様な事は山ほどあるし、遡れば幾らでも出てくる。



 「おはよう。ダリア、フヨウ」


 「ニャッ!」 「………」



 ダリアはいつも通り布団から出ようとしたが、寒かったのか布団の中に引っ込んだ。昨夜は寒くなかったので加熱機は使わなかったんだが、今日の朝は凄く冷えている。


 それとも、この辺りは冷えやすい地形なのかもしれない。どうせ今日出て行くのだから、どうでもいいが。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャ」 「………」


 「シュラは早速きぐるみを着るのかい? まあ、今日の朝は冷えるから気持ちは分からなくもないけどさ。……はぁ。土の季節も残り少ないし、毎年寒くなってくる時期だからしょうがないか」


 「寒いものは寒いのですから仕方がないでしょう。きぐるみを着ても直ぐには温まりませんから、着るにしても早めに着ておく必要があるのですよ」



 そこの寒がりは横に置いといて、ダリアを強引に布団から出したら浄化してアイテムバッグに収納する。ダリアが怒ったが、そんな事には構っていられない。ずっと布団の中に居られても困るし。


 全て浄化し片付け終わったら部屋を出る。昨日と同じ食堂に行き、大銅貨9枚を支払って席に座る。昨夜と変わらない普通の食事を終えて食堂を出たら、門の方へと歩いて行く。


 出て行く者に関しては緩く、アッサリと町を出る事が出来た。町から多少離れたら、身体強化を使って一気に走っていく。


 ダルダン聖国は国境に町を作っているが、ブラギア王国は作っていない。兵が駐屯する小さな砦の様な建物があるだけだ。近付くと怪しまれるので、離れた場所から浄化して先へと進む。


 長く走っていると、小さな森の横に村があった。アレがデクの村か。とにかく村に入って話を聞こう。


 近くの農民に出来る限り愛想良く話しかけ情報を得ていく。最初は訝しんでいたものの、俺達が旅人で情報を欲しがっているだけだと分かると素直に話してくれた。


 やはりこの国は1つ1つの村や町の距離が思っているより遠い。1日掛けて次の村や町へ移動する事は当たり前にある事の様だ。


 俺達にとってはそこまで長い距離ではないが、商人の馬車などはギリギリの距離なんだろう。この世界では商人の野営などが行われる事は殆ど無い。


 唯でさえ商品を運ぶ事にリスクがあるというのに、それ以上のリスクをとる事などしない。緊急か商機を逃さないために已む無くやる事であって、当たり前に行う事じゃない。


 何より村や町というのは、商人が移動できるギリギリの範囲に1つは作るものだ。ただ、この国は最低限のギリギリの距離に村や町があるだけとも言える。


 間違いなく裕福な国ではないが、茶葉が売れる以上はそこまで貧しい訳でもない。そんな国だから、ギリギリの距離とはいえ、村や町がちゃんと整備されてるんだろう。


 デクの東にあるマレーブの村に着いたので話を聞いて行く。この村はデクの村よりも警戒心は薄く色々な話が聞けた。この国の王都は国名と同じで、東にある町の先にあるそうだ。


 港のある町で、そこから北に行った所に大規模な茶畑があるらしい。茶葉はこの国の輸出品であり、国民が飲めるような物じゃないらしく、飲んだ事はないみたいだ。


 外貨獲得の手段である以上は、国民に与えたりはしないか……。となると、俺が茶葉を買って煎茶にするのは難しそうだな。


 ただ、古くから伝わる話として、砂漠の向こうからお茶の木が渡ってきたという話はあるらしい。つまり、砂漠の向こうにもチャノキがある可能性は高い。もしかしたら、そこには米もあるかもしれないな。


 情報収集と浄化を終わらせ、更に東へと進んで行く。途中で昼休憩を挟み、タコスモドキを作って食べた後も走って進む。なるべく距離を稼いでおきたい。


 マレーブの東にあるリャーグの町に入って、店を冷やかしながら浄化を終えると、さっさと町を出て先へと進む。このままの速度だと、今日中に王都ブラギアに辿り着けそうなんだ。


 走っていると商人の馬車などがチラホラと見えるようになってきた。おそらく王都が近付いているんだろう、商人の馬車を追い抜きながら走っていくと石の壁が見えてきた。


 堀は10メートルと幅が広いが、石壁は高さ4メートルで幅1メートルと小さい。何と言うか見栄えが良くないな。ケチったのか体面だけで作ったのか知らないが、コレはどうなんだろう。


 誰も気にしていない様子だが、防御力を考えたら貧弱だ。思わず「大丈夫か?」と聞きたくなるほどに脆い。この程度で防げる魔法って高が知れていると思うんだがなぁ……。


 まあ、気にするのは止めよう。門番からは怪しまれたが、何故か俺達の登録証を見て許可をくれた。傭兵をやっていると言ったら登録証を出せと言われて出したんだが、あっさりと信じたな。


 本当に大丈夫か? この国の王都。



 ▽▽▽▽▽


 0549終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨143枚

 大銀貨523枚

 銀貨223枚

 大銅貨155枚

 銅貨220枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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