表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/1948

0054




 村に戻り解体所に着いた。売るのは一部だけだが仕方がない。特に亀は絶対売れない。肉はマズくて食えない事が分かってるが、甲羅が素材として優秀そうなんだよ。



 「ふむ。ジャンプスネーク12匹にフォレストベア3頭、イエローボア3匹の骨と牙、それとレッドオーク3体か」


 「高価なのが多いですね。イエローボアの肉は食べるんですか? 沢山食べても効果は余り変わりませんよ?」


 「宿の女将さんの所へ持って行くんですよ。……持って来いという圧力が凄くて」


 「「ああ……」」


 「トーカはねぇ、仕方ないんだよ。遅れて来た青春みたいなもんさ」


 「生まれた時からの許婚でしたっけ?」


 「ああ。2人とも周りからの薦めが強くあって、結婚して子供が出来たんだよ。幸せではあったんだろうけど……」


 「今ほどではなかったですね。今はちょっとタガが緩んでる気もしますが……」


 「お前さん達がそれを言うのか?」


 「御二人とも村でどう言われているのかは、聞いておられないようですね」


 「「知ってるけど、どうでもいい!」」


 「そこまで言うなら心配いらんな。ジャンプスネークは1匹大銅貨6枚、フォレストベアは変わらず、イエローボアは全部で大銀貨3枚、レッドオークは1匹金貨1枚だ」


 「あれ? レッドオークって金貨2枚じゃなかった?」


 「レッドオークはこの近くにしか居ないんだ、それで高かったのさ。前のは王都に運んだからあの値段なんだよ」


 「成る程、珍しさが減った訳か……。その値段でお願いします」



 受付で登録証を返して貰い、木札と売却金を受け取る。全部で金貨3枚と大銀貨6枚、そして銀貨3枚と大銅貨12枚だ。大銅貨72枚は60枚を銀貨3枚にしてもらった。


 1人分の金貨1枚と大銀貨2枚、銀貨1枚と大銅貨4枚に分ける。ギルドへ行き、ミュウさんに手続きをしてもらうとランクアップを言われた。



 「もう、ランク5ですか。早過ぎませんか? 大丈夫ですか?」


 「あのねぇ、ミュウ。ランクが足りないくらいなんだよ?」


 「そうですよ? そもそも私達より強いんです。低ランクな事がおかしいのですよ」


 「いや、登録してからまだ半季節も経ってないんだから当然だろ」


 「そういえば、まだ半季節も経ってないんだねぇ」


 「ずっと一緒にいるので、言われるまで忘れてましたね」



 そんな話をした後、ギルドを出て宿に戻る。宿の裏庭に穴を掘って亀の肉を捨てて、穴の中で【破砕】と【粉砕】を使い、最後に【発酵】を使って埋める。


 旦那さんにイエローボアの肉を渡して、昼食を3人分注文する。大銅貨3枚支払って部屋に戻り、装備を外して十手だけ持って食堂へ行く。やれやれ、やっとゆっくり出来る。



 「3人とも、もう帰って来たのかい?」


 「色々あったし獲物も多かったからね」


 「そうですね。1人分で金貨1枚以上ですから十分でしょう」


 「半日で金貨1枚以上は凄いね」


 「女将さん。旦那さんにイエローボアの肉を渡しておきましたよ」


 「本当かい!? 3人とも、ありがとう! これで今日の夜は………ウフフフフフフ」


 「「トーカ………」」



 何だか女将さんが怖い、色んな意味で怖い。被害は旦那さんだけなので、全力でスルーしておき心の中で合掌する。旦那さんには精力剤じゃなく、健康になる物の方がいいと思う。


 普通に肉体が回復すれば……ってダメか。女将さんがそれ以上に搾り取るだけだ。本当に大丈夫だよな? 旦那さん死なないよな? ……うん、考えるの止めよう。


 食事をしたら、そそくさと宿を出た。逃げるのは恥じゃない、本当にそう思う。ガルドルさんの所に行き5キロの鉄のインゴットを8本、大銀貨2枚分買う。


 その後に雑貨屋へ行き銀貨1枚ずつの薪と炭、銀貨3枚分の色石を買って宿に戻る。色石は粉にして使う顔料のような物だ。家の外壁の色や小物の着色に使われたりする。


 さーて、作業の開始だ。まずは部屋を含めてやり過ぎな程に浄化する。2人が何か言ってるが、気にしなくていい。次に鉄を精錬し可能な限り純鉄に近づけておく。


 その後、アダマンタイト1に対して鉄9を【融合】し【合成】する。鉄がまあまあ余ったが、これは予定通りだ。アダマンタイトが出来たら何を作るか話し合う。


 俺は小烏丸、ダナは大脇差、シュラは両刃の鎧通し2本に決まった。今まで作ってきた物なので作り方は変わらない。ただし、猛烈に【変形】させ辛い。


 【融合】と【合成】も大変なんだが、【変形】はその比じゃない。苦労に苦労を重ねながら、何とか【変形】させていく。大脇差1本で疲れるほどだ。


 鎧通しも何とか作り終えて、最後だと気合いを入れて小烏丸を作る。そう思った瞬間、ドアの向こうから女将さんに呼ばれた。どうも夕食の時間ギリギリらしい。


 慌てて食堂に行き夕食を食べる。イエローボアを渡したので夕食はタダだった。本職のイエローボアのステ-キは本当に美味かった。なんちゃっての自分とは全然違う。


 満足して部屋に戻ると武器作りを再開する。アダマンタイトを小烏丸の形に【変形】させるのだが、集中に集中を重ね何とか仕上がった。アダマンタイトは本当に大変だ。


 刀身作りは終わったので、刀身に非常に薄く鉄を被覆してアダマンタイトだと分からないようにしておく。刃の先しかアダマンタイトは出ていない。


 後は、鞘や柄や小物を作成して組み立てる。鞘と柄は顔料を使って着色する。俺は黒に、ダナは青で、シュラは赤色にした。白木拵えだがこれで完成だ。


 ダナもシュラも振って確かめているが、今までと全く違う重厚さと頑丈さに直ぐに気に入ったらしい。「コレ凄い!」と武器を振り回して喜んでいる。


 武器強化の強化率も非常に高く、かなりの危険物になったが作り手としては満足だ。まず、見た目では見破れないだろう。俺の渾身の力作となった。


 疲れたので、ゆっくりしながら浄化した水を飲み一息吐く。2人が浄化した水、つまり浄水を欲しがったのでコップに入れたら、ウイスキーを割って飲み始めた。


 シュラがやたら喜んで「これは素晴らしい!」を連呼している。聞くと、体の中から浄化されていくのが分かるそうだ。これからは浄水しか飲まないと言っているが、好きにしてくれ。


 ゆっくりしていると、2人が近づいて来て体をやたら触ってくる。そろそろのようだ。立ち上がると2人にベッドに押し倒された。反撃として、【房中術】をかなり本気で使う。


 ……2人は仲良く嬉しそうに撃沈して、大満足して眠っている。俺も寝よう。おやすみなさい。



 <異世界26日目>



 おはようございます。本日は再び大森林に調査に行きますが、亀の甲羅を使って防具の強化を先にします。全て浄化して起き上がり、服を着て自分の防具の強化から始める。


 二重になっている革の内、風鹿の革を【分離】する。亀の甲羅を【圧縮】してから【変形】と【融合】で取り付ける。これで完成だ。2人は起きていて、首に抱きつきながら見ていた。


 「カッパータートルの甲羅かい? 邪生だったし強そうだね」


 「そうですね。私達の防具もお願いします。ですがその前に」


 「「チュッ! おはよう、アルド」」


 「おはよう、2人とも。防具は直ぐに終わらせるよ。アダマンタイトに比べれば簡単だ」


 「比べる物がおかしいと思うけどね」


 「実際に出来ていた以上は……」


 「そうなんだよね。何処の国も、あそこまでの物は国宝にも無いよ」


 「私の故郷にもありませんよ」


 「アタシの故郷にも無いねぇ」


 「鉄を薄く被覆したし、バレないだろう……たぶん」


 「まあ、バレたらバレた時だね。今回は手放す気は一切無いよ」


 「私もです。アルドが作ってくれたんですから、奪おうとする者は皆殺しです」



 2人の気合いが中々凄い。その気合いを感じながら、さっさと防具を完成させた。2人の防具は鉄や鋼を外し、カッパータートルの甲羅に変えるだけなので直ぐに終わる。


 さて、服を着て食堂に行こうか! 2人はいつまで裸で居るつもりなんだ?。



 ▽▽▽▽▽


 0054終了時点


 金貨19枚

 大銀貨53枚

 銀貨15枚

 大銅貨18枚

 銅貨5枚


 風鹿の角槍

 風鹿の角の太刀

 赤豹の爪の小太刀

 剣熊の爪の打刀

 アダマンタイトの小烏丸

 赤豹の爪の小烏丸

 強打猪の牙のファルクス

 剣熊の爪の斧

 風鹿の角の十手

 剣熊と銅亀の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と銅亀の肘防具

 剣熊と銅亀の膝防具

 剣熊と銅亀のブーツ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ