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0548




 <異世界223日目>



 おはようございます。今日は東への移動日ですが、行ける所まで一気に移動しようと思います。


 魔物もそこまで多い国ではないのは、自然環境が厳しいからかな? 虎の魔物も居るとは聞いていたが一度も会わないままだ。まあ無理して会いたい訳でもないので、別にいいんだが。



 「おはよう。ダリア、フヨウ」


 「ニャー」 「………」



 温めた聖水を出してやり、俺の分は鍋で紅茶を煮出している。コップに入れてゆっくりと飲んでいると、皆も起き出してきた様だ。加熱機を使っていたからか、よく眠れたらしい。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャア」 「………」


 「今日から東への移動か……正直に言えば、さっさとこの国を出たいね。そろそろ芋には飽きてきたよ。皆も口に出すのは我慢していたみたいだけど、芋ばかりは厳しいね」


 「食べ慣れていないのが、1番辛いんでしょうね。食べ慣れていれば気にならないのでしょうが、主食が芋というのは初めてですからどうしても合いません。むしろ野営の方が良いくらいです」



 その後も皆の愚痴を聞きつつ、部屋の中を整理して浄化したら部屋を出る。流石に部屋の外では芋への愚痴は誰も言わない。


 山岳地帯で小麦の栽培なんて大変なんてものじゃない。そのうえ飢饉にもなりやすいだろうし、国家としては却下せざるを得ないだろう。ジャガイモやサツマイモなら問題なく育てられるしな。


 結局、沢山育てられる物が主食になるのは、何処の国も変わらない。西の国は小麦だったから、東は米だと思うんだが違うのかね?。


 エルダ海洋国にも茶葉はあったが米が無かったんだよな。わざわざ米なんぞ船に積まないのか、それとも東の国にも米は無いのか。元の世界とは違うからなぁ、何処に何が在るかは本当に分からない。


 東側の食堂に入って大銅貨9枚を支払い朝食を注文する。出てきたのは、サツマイモを切って焼いただけの物と、山羊肉の揚げ物だった。サツマイモはともかく、山羊肉の揚げ物は肉に下味が付けてあって美味しい。


 肉は美味いんだよなぁ、主食が芋なだけで……。羊肉も山羊肉も特有の臭味を抑えてあるし、味も美味しい。肉は見事なんだよ肉は。それだけにサツマイモが悪い意味で目立ってしまっている。


 食事を終えて食堂を出ると、東門から町を出発する。門番からは殆ど何も調べられる事は無かった。どうやら出て行く者に関しては、そこまで厳しく取り締まっていないらしい。町を出て多少進んだら、身体強化を使って一気に走って行く。


 途中で何度か登ったり下ったりしながら進んで行き、村をゆっくりと通過していく。中に入らなくても、村の規模が小さいので外からでも十分に浄化できる。


 時間を掛ければ大きい村でも外から浄化できるのだが、それをすると唯の不審者なのでしない。


 ロムイの村、セイゴの村、ヤドリの村を越えた辺りで昼食をとる事にした。上下するものの、回り込む道などは無かったので簡単にここまで来れた。


 問題はここからで、南に回りこむのと下っていくのとが同じ道になる。つまり、途中から見晴らしの悪い森に入るという事で、遭難しやすくなっているそうだ。ヤドリの村でその辺りは聞き込んである。


 危ないと思ったら、直ぐにでも山を登れと言われたな。とにかく、見晴らしが悪いというだけで遭難の危険性があるから気を付けろ。そう教えてもらった。


 分かりやすい道があるのに、遭難する事が昔からあるらしい。俺達も気を引き締めて下って行かないといけないだろう。迷っても【空間把握】を使えば大丈夫だとは思うが……。


 どうやらチャパティが焼けた様だ。昨日の余った粉も使ったからパサパサ感は強いかもしれないが、気にする事は無いな。


 冷凍していた海産物と野菜を使っての海鮮スープと一緒に食事にする。ちょっとパサパサ感があるが、スープに浸ければ普通に美味しい。皆も喜んで食事をとっている。


 昼食後、更に東へと進んで行き山を下る地点に来た。南に回って行きながら、山を下っていく。途中から木々で周りが見えなくなったが、【空間把握】を使っているので道を間違える心配は無い。


 順調に南回りで東へと進んで行き、山を離れて開けた場所に出た。道が続いているので、そこを走っていくと壁に囲まれた町が見えてきた。あれがコベイの町か。


 門の前で門番に色々聞かれたが、俺達がダルダン聖国内から移動してきたのが分かったら、急にフレンドリーになって町に入れてくれた。


 東の国とのイザコザでもあるのか? そんな事を考えながら、町の中に入り宿を探す。夕方前とはいえ埋まっている可能性はあるので、早めに見つけておきたい。


 住民に聞きながら見つけた宿に入り、大銅貨6枚を払って大部屋をとった。これで寝床の心配はしなくて良くなったな。宿を確保できたし、とりあえず情報収集を始めよう。


 特にかつて蛮族国家だったという東の国の情報は必要だ。場合によっては帝国を通り過ぎた時と同じく、野営を続けながら突破しなきゃいけないかもしれない。


 俺達は宿の前で別れて情報収集を始めたが、国境の町とはいえそこまで大きい町でもない。それほど時間も掛からずに終わった。


 再度集合した俺達は、丁度夕方なので食堂に行き夕食をとる事にした。食堂は直ぐに見つかり、中に入って大銅貨9枚を支払い夕食を注文したら席に座る。


 色々な情報を聞きこんできたので話したいのだが、ゆっくり腰を据えて話し合いをしたいので宿の部屋に戻ってからに決めた。


 夕食はパンと肉とスープとサラダという非常にオーソドックスな物だった。この辺りでは小麦が育つらしく、普通にパンが食べられているらしい。


 久しぶりの普通の食事を終え、宿の部屋に戻り一息吐く。俺が紅茶を淹れて、欲しい人の分もコップに入れた後で話し合いを始める。


 当然、防音の魔道具は起動済みだ。東の国が元蛮族国家ではあるのだが、それは数百年前の話で今の時代の者には関係が無い。たとえ蛮族国家の末裔を自称していても、それだけで悪と断ずる訳にもいかない。


 なので、場合によっては揉め事になる可能性があった。被害を受けた国である以上は、冷静でいられるかどうかは分からない。


 今でも恨み骨髄である場合、余計な騒ぎに発展するような事を知らずに口走る可能性を否定出来ないので、宿の部屋に戻ってきてからの話し合いに皆も同意した。



 「さて、話し合いを始めるんだが……皆はどうだった? 何故か東の国に同情的な部分がチラホラとあったんだが、これって俺が聞いた人達だけか?」


 「いや、アタシの方もそんな感じだったよ。だから迂闊に喋る訳にもいかなかったんだけどね。どうも東の国は北と東が砂漠らしくて、一部の商人以外は砂漠に行くような阿呆は居ないんだってさ」


 「農業に適した土地が少なく、北と東が砂漠で南は海。国を豊かにするには、西に進んで行くしかなかったという事でしたね。侵略された側にとったら納得など出来ないでしょうが、侵略した側にも言い分はあるという事でしょう」


 「私の方も似た様な情報が多かったわね。今は東の国の特産である茶葉を売って、代わりに食糧を海洋国の貿易船から買う事で暮らしていけるみたい。小麦用の畑でなくても茶葉は作れるそうよ」


 「他にも色々売ったりしているそうだけど、東の国の国土の大部分は荒地というか乾燥しているみたいだね。川も少ないらしいし、食糧が少ないのは当然の結果と言うべきなんだろう」


 「それでも蛮族国家の時にダルダン聖国の辺りから芋を持ち帰ったらしく、昔と違って飢え死にするよりはマシになったらしい。あの芋は水が少なくても育つし、荒地でも育つそうだからな」


 「凄いよね。僕もディルと一緒に聞いて驚いたよ。この辺りは普通に小麦も育つけど、東に行くにつれ厳しくなっていくそうだから、東に行く程あの芋を多く栽培してるんだってさ」



 まぁ……サツマイモだし、当然と言えば当然だな。救荒作物が有るなら植えるに決まってる。唯でさえ飢えてるんだから当然だ。



 ▽▽▽▽▽


 0548終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨143枚

 大銀貨523枚

 銀貨223枚

 大銅貨164枚

 銅貨220枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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