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0546




 朝食が運ばれてきたので、早速食事にする。昨日とは違って山羊肉のソテーが出てきた。


 サツマイモは同じだが。昨日は羊肉のスペアリブだったので、山岳地帯では羊肉や山羊肉が主流なんだろう。ダンジョンにも羊系や山羊系の魔物は多かったしな。



 「今日の朝、随分と騒ぎになっていたが、アレはいったい何があったんだろうな? 何か知ってるか?」


 「昨日とダンジョンの構造が違うといって騒ぎになっていた様だ。何でも平原と湖が1層になっていたらしい。確認した者が驚いて直ぐに出てきたらしく、それが発端で騒ぎになっている」


 「それって私達でも水汲みが出来るって事かな? だったら生活も少しは楽になると思うんだけど」


 「でも同じ事を考える者は多そうよ? 取り合いになるし、水の値段が下がると思う。だから、いつも通り羊系の魔物を狙う方が良いでしょうね」


 「そうだな。荷車や甕もタダじゃないんだ、用意するだけでも貯めた金が無くなりかねない。地道に稼ぐのが1番良いさ」



 横のテーブルで食べている戦士階級のチームがそんな会話をしていた。鬼人、獣人、人間2人のチームだが、男性も女性も頭を剃っていて見分けが付き難い。


 少々ややこしい連中だが、会話の内容は逆に分かりやすい。おそらくは俺が大量の邪気を浄化した所為で内部構造が変わったんだろう。


 とはいえ悪い変化じゃないみたいなので、俺達の責任なんていう話にはならない筈だ。朝食を食べた後は、食堂を出て雑貨屋に向かう。綿布と中に入れる綿を銀貨5枚で買っていき、ついでに武具屋に寄ってみる。


 装備として買う訳ではなく、どういう物が使われているかを見る為だ。意外に普通というか、目立って特徴的な物は無かった。


 山岳地方特有の何かがあると思ったんだが、そんな物を持つのは上の立場の者だけか。下位の者が買うような物はシンプルな物ばかりだ。


 まあ、無駄なお金なんて無いだろうから、当然と言えば当然ではある。食堂で喋ってた連中が新人傭兵と同じだと思えば、疑問も感じなくなるぐらい当たり前か。


 結局、早々に部屋に戻って休む事にした。俺はクッションを1個ずつ作って行き、女性陣全員の分を作り終えて暇になってしまった。


 なので大怪鳥を解体する。38羽分の内臓を入れていた石の容器を使い、大怪鳥の内臓を種類ごとに分けていく。食べられない部分は既に捨ててきているので、これで終わりだ。


 黄金色の鶏冠は綺麗に浄化した後で、凍らせて保存する。これは凍らせても全く効果が落ちない事を俺は知っているからだ。


 この黄金の鶏冠は最高級精力剤の材料の1つでもあり、コレだけでも相当に優秀な精力剤ではあるんだが、魔豊蜂のハチミツと竜の内臓があれば最高級精力剤を作れる。


 ……そう、全部の材料が揃ってるんだよ。何て言うか、嫌な感じだ。何で最初に作る薬が、最高級精力剤なんだか。文句を言っても始まらないし、偶然と言うしかないんだからしょうがない。


 俺は1リットルくらい入る小さな小樽を用意して、黄金の鶏冠を【破砕】して【粉砕】する。次に魔豊蜂のハチミツと聖水を入れて、魔力を注ぎながら混ぜつつ【熟成】を使う。


 その後、大海竜の内臓をペースト状にしてからゆっくりと混ぜる。最後に魔力を大量に注ぎながら攪拌しつつ【熟成】を使って、不純物を取り除けば完成だ。


 本来なら時間が掛かる部分を強引に【熟成】を使って早めたが、特に問題なく完成した。かつて神界で練習させられたので、手間取る事も無かったな。


 しっかし、最高級精力剤が1リットルも完成したぞ? この薬は凍らせても問題ないから凍らせて封印するか。アイテムバッグに入れていれば効果が落ちる事も無いし。



 「何か訳の分からない事をして作ってたソレって何だい? 黄金の鶏冠を潰してたけど、あれ程の物を使ってゴミを作った訳じゃないよね?」



 何だろう? 笑顔なんだが、異様に怖いし迫力があるな。まあ、伝説の素材を訳の分からん事に使われたら怒るか。



 「これは最高級精力剤だ。俺が知っている薬の中でもトップクラスの精力剤で、使う素材も最高級の薬だよ。そんな物がアイテムバッグの中にあったりする恐ろしさは、出来ればスルーしてくれ」


 「最高級精力剤? さっき魔力を注ぎながら作っていたところを見るに、コレって魔力薬なのかしら? 祖母からも、そんな薬は教わっていないのだけれど?」


 「伝説の魔女ですら知らない魔力薬ですか、そのうえ精力剤と……。聞くのが怖いのですが、どのくらい効き目があるんですか?」


 「死にかけの爺さん婆さんが、猿みたいにヤりまくるぐらいには効き目があるよ。その最中かヤり終わった後に、心臓に負担が掛かりすぎて死ぬだろうけど……」


 「「「「「「怖ッ!?」」」」」」


 「ニャ?」 「………」


 「一応、さっき言ったのは最悪のケースであって、肉体にとって有害な訳じゃないよ。そもそも死に掛けの爺さんに与えるような薬じゃないしね」


 「まあ、そうなんだけど……。あれ? 主様には特に必要無いような気がするんですが?」


 「ああ、全く必要ないな。ただ、この薬は凍らせておけば劣化せずに保存できるうえ、滋養強壮効果も非常に高いんだ。別に飲んだからといって暴走する様な薬でもないうえに、気力や肉体の回復力を高める効果もある」


 「そういえば、黄金の鶏冠自体が滋養強壮に良いんだったか……。その効果が倍増したような薬で、精力剤のようになっているだけとも言えるな。いわゆる女性に対する興奮を高める薬ではないと?」


 「肉体や気力が充実する事で欲求が高まるだけであって、興奮が高まり過ぎて暴走するような薬じゃない。そんな薬なら、そもそも作ったりしないさ。最高級精力剤であって麻薬じゃないんだ。言葉は悪いが回復薬としても使える薬なんだよ」


 「肉体を活性化させて、傷や病気が早く治るようにする薬って事かい? 遠回りな気がするけど、自分の体の力で治るんだから副作用みたいなものは無いか……。そう考えると良い薬だね」


 「それは良いんですが、さっきアルドは女性にも効くと言っていませんでしたか? 精力剤って普通は男性が使うものですが、気力や肉体の活性化は女性でも効果があるって事ですよね?」


 「ああ。女性にも効果があると言うより、男女で効果に差は無い。精力増強効果も、元々は気力と肉体の活性化によるものだからな。つまり滋養強壮効果が極まった事による、精力増強効果と考えれば良い」


 「僕、少し飲んでみたいんだけど良いかな! ちょっとだけで良いんだけど、どれぐらい効くのか試してみたい!」


 「チャレンジャーね? 気持ちは分かるけど、私はちょっと怖いわ。とんでもない効き目がありそうだし、おかしくなったりするのも嫌だもの。フォルが飲んだのを観察して大丈夫なら、試してみても良いけれど……」



 何気に酷い事を言ってるなぁ、メルは。フォルを実験に使って様子見を考えるとはな。とはいえ、いきなり妙な薬を飲むのも、それはそれで怖いものか。俺が作った物だと言っても、効果を把握していない薬を怖がるのも当然だ。


 フォルが飲むと五月蝿いので、お猪口一杯の半分ぐらいを飲ませた。少ない量という訳ではなく、これでも効き目は十分に分かる。飲んでも効果が無いとか言っているが、効果が直ぐに出るような薬ではない事を説明しておく。


 だいたい夕食の後に飲んで、丁度寝る頃に効いてくるぐらいだ。なので効果が出るまでに2時間ほどの時間が掛かる。


 そういう薬である事を説明し、昼食を食べに部屋を出る。朝食を食べた食堂とは違う食堂に行き、大銅貨9枚を支払って昼食を待つ。


 直ぐに出てきたので食べ始めるが、サツマイモを磨り潰して捏ねて平らに伸ばしたのを焼いた物と、山羊肉の煮込み料理だった。


 この国はサツマイモが主食みたいだが、いったい何処で作ってるんだろうな? 大規模にサツマイモ畑なんて作れないと思うんだが……。


 マチュピチュでも農業はされてたって聞いた事があるし、どこかで大規模にしてるのか、それとも各地で細々としてるのか。多分どっちかだろう。



 ▽▽▽▽▽


 0546終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨143枚

 大銀貨523枚

 銀貨223枚

 大銅貨197枚

 銅貨220枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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