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0545




 小麦に関してだが、草原の国での戦争の際に敵国の軍から奪ってきた物だ。多分10日分ぐらいの食糧だと思うんだが、それでも人数が人数なのでかなりの量になる。


 その殻付きの小麦だが、未だに無くならない。流石に半分ぐらいまで減ってはいるものの、まだ半分だとも言える。


 これが結構な場所をとっている為に減らしたいんだが、小麦なんてそう簡単には減らない。なので、それ以外を減らしたい訳だ。


 だから皆にも頑張って食べてもらった訳だが、1番食べてくれたのはフヨウだった。正しくは、消化して余った栄養を垂れ流しにしながら頑張ってくれた。


 結果として、38羽分の肉と内臓は綺麗に無くなったのだから良かった。お疲れ様なフヨウを労いながら、今はゆっくりとしている。


 ダリアとシュラ? そこで撃沈してるよ。食べ過ぎて動けないらしい。鶏肉はあっさりしてるから食べられたのだろうが、限界は弁えてほしかった。


 とにかくウンウン唸るなら宿の部屋でお願いしたい。とりあえずダリアは俺が抱えて、シュラはダナが肩を貸してやる形で移動する。


 脱出紋に乗って脱出したら、外は夕暮れ時だった。ここはそれなりに標高が高いので、夕日が美しく映えている。そんな中を、食べ過ぎた1人と1匹を連れて歩く。


 色々と考えさせられるな。人生の妙というヤツだろうか? 下らん事を考えてないで、さっさと宿に戻ろう。宿の部屋に戻った俺達は、やっとゆっくりと休む。


 特に食べ過ぎの1人と1匹はダウンしているが、他のメンバーは問題なく談笑している。俺は皆に雑貨屋に行く事を伝えて部屋を出た。


 宿の従業員に雑貨屋の場所を聞いてから宿を出て、直ぐ近くだった雑貨屋に行く。中に入り布を見ていると綿布と麻布があったので、両方とも3人分の布団と掛け布団が作れる量を買う。全部で銀貨4枚を支払って雑貨屋を後にした。


 その後、宿を出たついでに武具屋に行き、スカイスピアー38羽分の嘴と爪を売ると大銀貨38枚で売れた。


 随分な高値で売れたが、量が量なのと、嘴は槍の穂先にされて爪はメイスの棘なんかに加工されるらしい。1羽分の嘴と爪で大銀貨1枚と考えると、結構な高値で売れるなぁ……。


 用事はもう無いので宿に帰ろう。夕日が全て沈む寸前の光景の中を宿に戻った。部屋に戻り、大銀貨38枚を7人で分ける。


 俺だけ端数を合わせた大銀貨8枚だったが、皆に文句も無く譲られた。麻布を取り出し3辺の端を【融合】したら大怪鳥の羽を少しずつ詰めていく。ダウンジャケットの様に区切って作り、直ぐに完成した。


 布団も掛け布団も同様に作り寝転がってみる。なかなか感触が良いのと、妙に温かい気がするな。次は綿布で同じ物を作り、再び寝転がってみる。


 しっかりした綿布なので寝心地が良くないな。これは分解して素材に戻そう。という事は、今までの布団を分解して大怪鳥の羽に変えてしまうか。


 2人用と3人用の布団の中身も大怪鳥の羽に変えてしまい、中に入れてあった綿は綿布でクッションを作りその中に入れた。


 しっかりした綿布なので、逆にクッションとしては優秀だった。3つのクッションは好評で自分達の分も欲しいと言われた。雑貨屋には確か綿も売っていたので作る事は可能だな。



 「明日は休みにする予定だから、明日綿布と綿を買ってきて作っておくよ。それは良いんだが、何で山岳地帯のここに綿布や綿が売ってるんだろうな? 確か綿花って結構な水が必要じゃなかったか?」


 「うーん……そんなことを聞いたような気はするけど、多分ダンジョンに生えていたからじゃないかい? ほら平原で湖のあった層。あの湖の近くに綿花は生えてたよ……ねぇ?」


 「ええ、生えてましたよ。傭兵……じゃなかった、戦士階級の者達が水を汲むついでに回収していました。アルドは気が付いて無かったんですね?」


 「そんな所まで見てなかった……次の転移紋の方向を探ったりしていたし、適当に流してたんだろうなぁ。まあ、ダンジョンにあったのなら、山岳地帯に綿があるのも分かる」


 「なかなか快適な物ね。これを敷いて座るとお尻が楽で助かるわ。今までは布を重ねて敷くぐらいだったけど、これなら直ぐに取り出せて便利で良いわね。でも、こんな簡単な物、どうして誰も気付かなかったのかしら?」


 「往々にしてそんなもんだよ。俺の元いた世界でも、何故こんな簡単な物が随分後の時代にならないと作られないんだ? って事は沢山ある。必要にならないと誰も作ろうとしないと言うか、作るという発想にすらならないものさ」


 「そうだね。650年の間にそういうのは何回か見てきたよ。こんな物簡単に作れるのに、何故誰も気付かなかったのか。そういう思いは何回かしたけど、自分も作ろうという発想にならなかったのは同じなんだ」


 「成る程な。そういう発想にならないというのは、そういう事なんだな。疑問にも思わないのと同じ事で、当然だと受け入れてしまうんだろう。当然ではないと、疑う事から始めなければいけない訳か……」


 「それもそれで大変だね。多分作った人も最初は何となくだったんだろうけど、段々頭の中で形が出来ていったんだろうね。その後も色々苦労してそうだけど……」


 「だろうね。1つ物を作ると言ったところで誰も作った事が無い物を作るんだから、大変なんてものじゃないだろうさ。その苦労があるから色んな道具が有るんだけど。アルドの居た世界っていうのは、きっと凄い物に溢れているんだろうねぇ」


 「確かに道具や物は沢山あるが、複雑過ぎて分からない物が多過ぎるんだよなー……。そういうのは専門家が設計して、専門家が作るんだよ。そのうえ人が出来ない精密な部分は、そもそも精密な物を作る専用の道具で作るんだ。作られた道具を使うのと、道具を作り出すのは全く別の話だよ」


 「そういうものなのね。とはいえ、魔道具なんて私達もよく分からないから、それと同じ事なのかしら……」


 「多分そうだろう。作り方が分からなくても、使う事は出来るからな。私達が使っている道具だって、ちゃんとした作り方を知らない物も多い」



 そんな話の最中に突然ベッドへ連れて行かれる。いつもの事とはいえ、いきなりは止めてほしい。【房中術】のみで撃沈し、全員をベッドや布団に寝かせる。


 皆も随分【房中術】が上手くなってきたなぁ、全力でないと凌げなくなってきたぞ。2人用の布団にダリアとフヨウを入れて横になると、もう1度部屋と皆を綺麗に浄化する。


 それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界222日目>



 おはようございます。今日は休日ですが、クッションを作らなければいけません。まあ、直ぐに終わるんだけど、他に何をしようかな?。


 したい事も無いし、今日は1日寝ててもいいかな。最悪、【昏睡】を自分に使えば強制的に眠れるし……。



 「「「「「「チュッ! おはよう皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャ」 「………」


 「今日は随分早く起きちゃったけど、ここ最近早起きが多いね。寒くなってきたからかな? 昨夜は加熱機無しで普通に眠れたけど、朝が寒いとどうしても起きるんだろうね」


 「そうですね。自分の家の場合はさっさと2度寝するんですけども、宿なんかで2度寝をする訳にもいきません。今日は良いですけど、一旦2度寝し始めたら、多分毎日してしまうでしょう。困ったものです……」


 「何故自分の事なのに、他人事のように言うのかしら。熊のきぐるみを着て寝ればいいと思うけれど、気を失うのよね……。夜の前に出しておいて、気絶した後でアルドに着させてもらえば良いのよ」


 「俺が着させるのか? まあ【念動】を使えば手間も掛からないけどさー……それは何か違う気がするんだけどな。もうちょっと自分で何とかしてみるべきじゃないか?」



 とりあえず朝食を食べに行く為に、悩んでいるシュラとメルを立たせる。部屋を出て昨日と同じ食堂に行き、大銅貨9枚を支払って朝食を注文する。温めた聖水でも飲みながらゆっくり待とう。



 ▽▽▽▽▽


 0545終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨143枚

 大銀貨523枚

 銀貨228枚

 大銅貨206枚

 銅貨220枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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