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0542




 ダリアとフヨウには温めた聖水を出しておき、俺は寸胴鍋でスープを作っていく。かす肉と干し肉で出汁をとり、冷凍野菜を入れたら後はじっくり煮込むだけだ。


 今日は昼食を食べていないので皆がお腹を空かせている。最初が町だったのと、後の2つの村では食堂が無かったので食事が出来なかったんだ。


 村も裕福には見えなかったので、村人の食糧を分けてくれとは言えなかった。それもあって、お腹が空いているのだが仕方がない。横ではメルにフライパンで餃子を焼いてもらっている。


 メルも上手くなってきた様で、【加熱】を上手く使えているようだ。料理に使う魔法は繊細な力加減を要求してくるので、練習には良いんだが難易度は高い。言うなれば上級者用の練習だ。


 スープが出来たので、俺も餃子を焼くのを手伝っていく。皆は既に食べているが、焼きあがるまでだと冷めてしまうので仕方がない。皆が満足するまで焼き、自分達の分も焼くと餃子が無くなってしまった。


 263個もあったのに、俺とメルの分である40個しか残ってないってどういう事だよ。223個も食ったのか……えっ、マジで!?。


 5人と2匹で223個かぁ……。1人32個ぐらいとスープか、そりゃお腹いっぱいになっただろうさ。スープは具沢山にしてあったのに、俺達の1杯分しか残ってないし。本当によく食ったね、君達。流石にビックリしたよ。俺とメルはよく味わって食事を終えた。


 夕食後、俺は鳥の解体として、手始めに羽を【分離】している。簡単に羽が取れるのだが、38羽は流石に多い。


 それでも【分離】を終わらせて、次は嘴や爪を外していく。中々に強靭な嘴と爪で少々驚く。これだと石や岩でもくり貫けるんじゃないかと思うほどで、鉄の兜を貫くのも納得せざるを得ない。


 嘴と爪を外したら、後は肉の解体となる。その前に近くの壁をくり貫いて、石の入れ物を幾つか作っておく。その後、肉を解体しながら、各内臓を種類ごとに分けて石の入れ物に入れていく。全て解体し終わったら、完全に【浄化】してアイテムバッグに収納する。


 そういえば、シュラとアルメアがアボイで聞いていたらしいが、あの鳥の名前はスカイスピアーと言うらしい。上空から槍の穂先みたいに突き込んでくるから、いつからかそういう名前で呼ばれる様になったんだそうだ。


 確かに槍が地面に突き刺さるようにして、動けなくなっていた奴とかいたからなぁ……俺的にはハゲタカだが。



 「しっかし、コレが急降下してきてた訳かい? ……おっそろしい魔物だねぇ。こんなものが、あんな速度で落ちてきたら、そりゃあ鉄の兜でも貫かれるさ。滅茶苦茶な鳥だよ、本当に」


 「確かにそうですね。聞いてくださいよ、コレ。爪で弾くとキンキン音が鳴るんです。本当に鉄で出来てるんじゃないかと思う嘴ですし、この爪も喰い込んだら離さないような形をしてますよ」


 「山の魔物って怖いのね……まあ、大森林の魔物も恐れられていたから結局は同じなんでしょうけれど、慣れていない魔物は怖いわ。知らない攻撃をされると対処がし辛いし、こんな嘴の鳥なんて向こうには居なかったもの」


 「私も聞いた事が無いね。珍しい魔物の話も聞いた事があるけど、こんな鳥の魔物は知らなかったよ。おそらくだけど、ダルダン聖国特有の魔物なんじゃないかな?」


 「それぞれの場所には様々な魔物が居るんだろうが、物凄い速さで致命の一撃を加えてくる魔物というのは恐ろしいな。アルドが直ぐに気付いてくれたから良いものの、歩く事や走る事にに集中していると気付かない恐れがある」


 「いきなり頭にこんなのを突き刺されたら死んじゃうよ。流石に竜革の帽子でも無理だと思う。メルの兜は大丈夫だろうけど、他は軒並み危険だね。とはいえ、今から兜を作る訳にもいかないし……」


 「とにかく気を付けるしかないな。兜を作る事は出来るが、それだと根本的な解決にならない。むしろ、皆が【気配察知】や【敵意察知】を磨くべきだろう。奇襲を察知できれば問題は無くなる」



 【敵意察知】は【気配察知】の派生技術だ。【気配察知】で調べた気配の持ち主がこちらに敵意を持っているかを判別する技で、そこまで難しくは無い。ただ、【気配察知】が上手くないと判別自体が出来ない為、まずは【気配察知】を磨く必要がある。


 まあ、何でもそうだが、少しずつしか上達しない。むしろ一気に上達したら気を付けないと、おざなりになっているだけの場合もあるくらいだ。皆は丁寧に【気配察知】を使っている様だ。この場所でも魔物を感知する事は可能なので、良い訓練になるだろう。


 風が入って来ないとはいえ、夜の山はそれなりに冷える。加熱機を2つ出して温風を使い洞窟を温める事にした。洞窟の中は浅くて狭いからか直ぐに温まってきた。その所為か、早くもダリアが眠そうにしている。あー……今日は随分早いな。もう駄目らしい。


 毛布を出してダリアとフヨウを包んでやった後、布団を2つ出して敷くと連れて行かれた。【房中術】と【極幸】でキメてしまい皆を撃沈したら、無理矢理布団に詰め込んでおいた。3人用と2人用の布団しかなく、全員分の布団は無いんだよな。


 仕方なく、俺も毛布に包まって寝る事にした。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界221日目>



 おはようございます。どうやら起こされる事も無く、ゆっくり眠れた様です。入り口が150センチの高さにあるのが良かったのかもしれない。この高さだと入ってこれるものは、それほど多くはないだろう。そもそも入り口は狭いし。


 俺は皆をいつも通り【浄化】した後で、アイテムバッグから鍋を取り出して紅茶を淹れる。1分ほど煮出したらコップに入れて、ゆっくりと飲みながら今日の予定を考える。


 昨日は行けるだろうという安易な考えで進みすぎたかもしれない、今日の目的は町とダンジョンだ。


 特にダンジョンはこの辺りの為にも、出来る限り浄化しておきたい。今日の午前中に町に到着するだろうから、今日は様子見でダンジョンに入り、明日本格的な攻略とするか。



 「おはよう。ダリア、フヨウ」


 「ニャ」 「………」



 2匹に温めた聖水を出して、紅茶を飲もうとすると皆が起きて来た。ちょっと早いのは熟睡出来なかったからかな?。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャ!」 「………」


 「今日は町に行くんだけど、上手く辿り着けるかねぇ……。ここからそこまで遠くはないと聞いたけど、途中で道を間違えると遭難するかもしれない。この国では、移動の時には常に注意しないとね」


 「地元の者しか判別出来ない様な目印が無いとも限りませんから、しっかりと聞き出しておかないといけませんね。情報1つ有るか無いかで大きく変わりますし」


 「それはそうなのだけれど、情報が足りないと思ったら1日余分に滞在しても良いと思うわ。とにかく、焦らず着実に進む事が重要よ。こういう所で焦ると、大抵取り返しのつかない失敗になるのよね」


 「そうだね。だからこそ、次の町で一旦落ち着くのが良いと思う。後、布団をもう1つ作ってもらった方が良いね。昨夜は長さが足りなくて大変だったよ」


 「アルドは毛布だけで寝ていた様だから、それよりはマシだったんじゃないか? 町で3人用の布団をもう1つ作ってもらえば、こういう洞窟なら使えるだろうが……」


 「土の所だと濡れるかもしれないからね。地面が土だと、革を敷いて毛布を被って寝た方が良いのかもしれないよ? それか熊のきぐるみで寝るか。どっちかじゃないかな?」


 「熊のきぐるみは案外水に強いんだよ。アレは毛が硬くて水を通し難いから、寝具としては寝袋並みに優秀ではあるんだ」



 ただ、俺が気絶させてしまうんで、熊のきぐるみで寝る以前の問題なんだよなぁ……。抑えてくれって言っても、それは女性陣が嫌がるし。


 今もまだ、ウチの女性陣は思春期の少年レベルの性欲なんだよ……。



 ▽▽▽▽▽


 0542終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨143枚

 大銀貨515枚

 銀貨235枚

 大銅貨238枚

 銅貨220枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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