表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
537/1948

0536




 ダラダラと雑談をしていたらいつの間にか夕方になっていたので、宿を出て食堂を探す。


 屋台で食事をしても構わないので、宿の従業員に食堂の事は聞かずに宿を出た。この町は屋台街の様な所もあるからか、どこの宿も食堂を兼ねてはいないらしい。


 酒場で食事をする者も、食堂で食事をする者も、屋台で食事をする者も、夜の店で食事をする者も居るみたいだ。選択肢は色々あるが、夜の店に行く事は無い。


 問題は何処で食事をするかだが……そう思って歩いているとダリアが良い匂いを嗅いだのか、一軒の酒場の前で立ち止まった。折角なので、この店に決めて中に入ろう。皆も何処でも良かったのか、特に反対も無く酒場のドアを開く。


 中に入ると一気に喧騒が大きくなるが、入り口近くのテーブル席が空いていたのでそこに座る。店員を呼び大銅貨9枚を渡して食事を頼むと、皆は酒とツマミも頼んでいた。


 まあ好きに飲めば良いと思うが、あまり大量に飲まないようにな。そう言っておいたが、よく考えれば自分達の酒を飲んでる時の方が量が多いのか? ……アルコール量として見れば、俺が作った酒の方が多いな。そこは気にしないでおこう。


 料理が来たが、豪快に大皿に盛られた料理と安いパンが来た。食堂で食べないとこんな感じなんだなぁ……。


 俺が酒を飲まないので、この世界に来てから酒場なんかには殆ど行った事が無かったので新鮮な光景だ。大皿に盛られているのは肉と野菜の炒め物なんだが、大量に作って大量に盛りましたよって感じだな。


 ダリアやフヨウの皿に盛ってやった後で俺も食べてみる。何かの香辛料で味付けしてあるらしく、それなりに美味しい。


 多分この肉はコボルトの肉だ、筋張っているから分かる。とはいえ咀嚼できない訳でもないし、最悪は口に身体強化を使ってでも食べるが……。


 多少は筋張っているが、その程度でもあるので良く噛んで食べれば問題ない。周りでも同じ料理を食べてる者は多いので、コレが普通らしい。


 味は美味しいので気にせず食べながら、安いパンを食べようと千切って気付いた。多分、この安いパンの方が硬い。


 案の定、安いパンは筋張った肉以上に硬かったが、古い時代だとこんな物は当たり前か。それでも食べられない程の硬さでは無いし、硬パンよりは柔らかいのでまだマシだ。


 硬パンは、俺が柔らかくしないと食べられないほどに硬いからな。アレは本来、煮込んで柔らかくする物らしいから当然でもあるんだが……。


 現代人にとっては非常食や保存食のパンって乾パンのイメージだが、アレはそんなに硬くなくて普通に食べられるからなぁ。


 そんな事をボーっと考えながら食事をしたり、ダリアやフヨウの皿に盛ってやっていると、周りの客がウチの女性陣をガン見していた。全員美人だから分からなくもないけど、そこかしこで近くの女性に殴られたり蹴られたりしている男が居る。


 そりゃ横にいる女性を無視して、別の女性を見てたら駄目だろうよ。ただ、一部の女性は男と同じように見惚れてたりするのは、そういう時代だからかね?。


 そんな見られているウチの女性陣は、美味しくない酒に八つ当たりするような【念話】を俺に飛ばしてくる。【念話】で愚痴を言うのは止めてもらえませんか?。


 そんな訳の分からない食事も終わり、宿への帰路を歩いていると後ろから複数の者が尾けてきていた。先程の酒場に居た連中なうえに尾行しているのが全員女性なので、何とも言えない気分になってくる。


 ウチの女性陣を「お姉様」と呼びそうな奴等ばっかりなので、頭が痛くなってきた。一応【念話】で教えたが、皆は全く興味が無い様だ。


 余計な揉め事とか起きても困るんだがなー……と思いつつ宿の部屋へと戻る。皆はマズかった酒に愚痴を言いつつ、自分の酒を出して飲み始めた。もう、好きにしてくれ。


 俺は愚痴を聞きながらの食事だったので、温めた聖水を飲みながらダリアとフヨウと遊ぶ事にした。


 ダリアとフヨウが甘えてくるので、甘えさせたりブラッシングしたりとしていたら眠ってしまった様だ。その頃には既にディル以外の全員が寝ていたので、【房中術】と【至天】でキメて寝かせておく。


 少し1人の時間を過ごしたら俺も寝ようかと思っていたんだが、町に来た時ジっとこっちを見てきた神官が外に居る。


 この宿の部屋は人が通れるほどの窓がなく、小さな窓しか付いていないので【空間把握】で監視するしかない。あの神官は宿の近くに居るので監視しやすくて助かる。それは良いのだが、何かブツブツ言ってるぞ?。


 最近慣れてきたのか音を聞くのも楽になったから良いが……それでも結構大変なんだがなぁ。



 「こんな所に居ても……でもあの傭兵チームには<始祖様>がいらっしゃる。せめてご尊顔を拝しながら握手を……いや、それは高望みし過ぎかもしれない」



 ……邪気が感知出来るんじゃなくて、フォルを見てただけかーい! あまりにもバカバカしくなってきたので、もう寝よう。それじゃ、おやすみ!。



 <異世界218日目>



 おはようございます。昨日の紛らわしい神官はどうやら帰ったみたいです。それにしても酷い勘違いだった。ジっとこっちを見てると思ったら、俺じゃなくてフォルだったとは……。


 そういえば、ディルを間違えて襲った時もこんな感じだったな。別の奴への殺気を俺への殺気と間違えたんだっけ。色々な技を神様に習ったりしたが、こういうところは実に人間だなぁ俺は。


 まぁ人間以外になった記憶も無いんだけどさ。こういうおっちょこちょいと言うか、勘違い系はどうしようもないんだろう。きっと。



 「おはよう。ダリア、フヨウ」


 「ニャ」 「………」



 ダリアとフヨウに温めた聖水を出してやり、2匹を見ながら今日の予定を一応立てる。


 後で皆と話し合い修正するので、何処まで行けそうなのか地図を見て確認するぐらいだけど。今日は時間を無駄にする事も無さそうだし、エルダ海洋国の王都まで行けそうだな。


 地図上では、エルダ海洋国は扇の紙の部分の様な形をしているんだが、その中央より東に王都がある。元々エルダ海洋国の国土はそこまで大きくはないので、今日で半分を越えるだろう。


 国土面積で言えば、多分ガイアルム王国と変わらないくらいだと思う。ただ、あっちは縦長だからなぁ……。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」 「………」


 「今日の移動で海洋国の王都には行けそうだね。地図を見せて貰った時に東寄りに王都があったから、今日でこの国の半分を踏破する事になるけど、あんまり実感は無いねぇ」


 「まぁ、私達は身体強化の御蔭で速いですからね。移動距離は相当長いのですが、速いので沢山の距離を移動した感じがしないのでしょう。昔からの感覚とズレるのは仕方がありません」


 「この移動もいつかは普通になってしまうのでしょうけど、今でも遅い事にイライラしたりするのだから、既に感覚も変わってきているのでしょうね」


 「それは仕方がないよ。言葉は悪いかもしれないけど、邪生の心臓の御蔭で他の者達とは一線を画する力を手に入れたからね。感覚が変わっているのは今の力に合わせる為だし、感覚が合わないとむしろ危険だよ」


 「感覚の話は置いといて、昨日こっちをジっと見てくる神官が居たのを知っているか? この町に来て邪気を浄化してた時なんだが……」


 「ふむ……。ああ、エルフの神官だろう? 別に普通だったと思うが、確かにこっちをジっと見ていたと言えば見ていたのかもしれないな。それで?」


 「最初、俺は邪気が感知出来るから、ジっとこっちを見ているんだと思っていたんだ。ただ、昨夜この部屋を監視していたから【空間把握】で調べたら、唯の<始祖様>の追っかけだった」


 「………。邪気が感知出来るんじゃなくて、僕を見てたって事? えーっと……襲われたりしないよね?」


 「それは大丈夫だと思う。握手がしたい、でも高望みし過ぎか。そんな感じで悩んでたみたいだからな」


 「握手で高望みって訳が分からないね。迷惑を掛けたくないって感じなんだろうけど、アタシには理解出来ないよ」



 理解出来なくて良いんじゃないかな?。



 ▽▽▽▽▽


 0536終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨144枚

 大銀貨515枚

 銀貨235枚

 大銅貨314枚

 銅貨220枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ