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0535




 ビックリするほど平凡な食事を終えてデウの村を出る。再び走り始め、道の上をどんどん進んで行く。魔物と戦う傭兵や、それを避けて通る商人の馬車を見ながら進んで行くと、木造の橋が架かっている川があった。


 傭兵達も商人も橋の前で待っている様だが、いったい何を待っているんだろう? 並んでいる最後尾の傭兵に話を聞くと、この橋は重い物を載せると落ちる可能性が高いらしく、商人の馬車は1つずつ通過するしかないらしい。


 つまり、商人の馬車が渡るまで他の者は渡れないって事だ。面倒だが、皆が使う橋である以上は崩落すると困るので仕方がない。そう思って待っているらしい。橋は2つ架かっているのだが、向こう岸からも来るので1つずつ使っている様だ。


 俺達の前の傭兵がやっと渡り始めた。今日は厄日なのか待たされる事が多いな。俺達の前に居たのは6人組だったので一度で渡って行ったが、人数が多いと数回に分けて行くらしい。


 そうこうしていると、俺達の番が回ってきたので全員で渡っていく。ギシギシという音がする危険な橋を渡っているのは良いんだが、後ろから焦れた傭兵が渡ろうとしてるぞ! 俺は慌てて皆に走れと言い、身体強化を使って一気に走っていく。


 向こう岸に到着して安堵したのも束の間、俺達の後ろで焦れていた傭兵の後ろから商人の馬車も橋に乗っていた。


 ……おいおい、そりゃマズいだろ! と思った丁度その時、橋が真ん中から崩落する。商人の馬車も傭兵達も、川に転落していき流されていった。


 誰も助ける事など出来ず、流されていくのを見ている事しか出来なかった。俺なら【念動】で助ける事は出来たんだが、【念動】がバレるリスクを背負ってまで助けてやる義理が無い。


 だから俺がしてやれるのは、不自然に岸に流れ着くぐらいだ。それでも命は助かるんだから感謝してもらいたい。


 【空間把握】も使って死んでいない事を確認したら、さっさと先を進む事にした。そもそもアイツ等がルールを守らなかった事が原因なので、俺達が考える事でも気に病む事でもない。そんな会話を【念話】で行いながら、俺達は更に東へと走る。


 今日はハプニングなどが多いので、次の町で宿をとって休む事に決めた。ある程度走ると、キュールの町が見えてきた。


 並んでいる者も居ないので、門番に登録証を見せて中に入る。邪気を吸い込み浄化しながら歩いていると、1人の神官がジっとこっちを見ていた。


 もしかして気付かれたか!? と焦ったが、その神官はジッとこちらを見た後に表情を変える事なく去っていった。


 バレたのか、それともバレてないのか、その辺りがよく分からないな。困った事に邪気を感知できているのかどうか、明確には分からない。分かるのは本人だけだ。


 バレるのは仕方ないにしても、浄化しないという選択肢が無い以上は隠密の技を使わない限り多分バレる。隠密の技を使っても良いんだが、アレはアレで多用するとバレる危険が無い訳じゃない。


 隠密の技を使うなら夜だが、俺自身の気配を感知出来ずとも部屋に居ない事は【気配察知】などでバレてしまう。


 結局のところ、どんな技でもバレる危険性がある以上は、言い訳の効く方法をとった方が良い。言い訳出来ない隠密の技がバレたら最悪だ。


 目撃者を含めて全員を始末するなら良いんだが、それを行う訳にはいかない以上は、迂闊に使う事は出来ないんだよな。今までに結構使ってきているが……そこは気にしてはいけない。


 浄化自体は終わったので宿をとろうと歩いていると、屋台を見つけた。大銅貨4枚を支払って、メルとフォルとダリアとフヨウに串焼きを買う。ここの串焼きは魚醤を掛けて焼いてあるからか、魚醤が焦げた良い匂いがする物だった。


 歩きながらダリアとフヨウに食べさせていると、やっと宿を発見した。この町も宿屋が密集している形で1つの区画に纏められているようだ。


 分かりやすいと言えば分かりやすいんだろうが、初めて町に来た者は聞かないと分からないだろう。実は夜の店がある区画の隣だったんだが、こんな所に宿屋街を作るなよ。


 そう思いながら2階建ての宿に入り、大銅貨6枚を支払って8人部屋をとる。部屋に入って少しゆっくりしようと思い、ふとある事に気付く。


 邪生の肉や腸、それに真っ白な奴等の肉とかどうしよう? 今日も食堂か何かで食べるだろうし、このままだと傷んで駄目になる可能性が高い。でも干し肉にするのもなぁ……。



 「このままだと邪生の肉とか腸が傷んでくる可能性があるんだけど、どうすればいいと思う? 流石に干し肉にするのもどうかと思うし、かす肉もなぁ……。この先も村や町を経由していく訳だし、当分料理する事も無さそうなんだ。全部凍らせれば終わる話なんだけどね」


 「うーん……確かにアルドの言う通り、これから先も村や町に寄りながら進む訳だしね。非常食という意味なら必要なんだけど、そこまで大量に必要なわけでもないしねぇ……」


 「凍らせたら保つのであれば、凍らせれば良いのではないですか? 凍らせると味が落ちると聞きましたけど、それでも邪生の肉ですから普通よりは美味しいでしょう」


 「そうね。食べ物を凍らせるっていう発想が無いけれど、凍らせれば長く保存できるなら凍らせれば良いと思うわ。そもそも野営の食事なんて貧相な保存食ぐらいよ? それに比べたら遥かにマシだわ」


 「まあ、そうだね。私達は当たり前に野営をしているけど、そもそも野営の時に安全を担保できてるのはアルドの御蔭だからね。普通は警戒しながら不味い保存食を食べつつ、見張りをするんだよ?」


 「私も何度も経験した事がある。厚手の布服を羽織って寒さを凌いだり、雨から身を守るんだ。土のカマクラの様な屋根のある所で眠るなんて無理で、ひたすら寒さや雨に耐えながら見張りを続けなければならない。過酷なので野営は滅多にしないのが普通だ」


 「へぇ~……。僕は野営とかした事なかったから、そんなに過酷だとは知らなかったよ。ディルが言ってるのは水の季節の事でしょ? 他の季節はどんな感じなんだろ?」


 「火の季節は最悪さ。今年はアルドがカマクラを作ってくれたり浄化で綺麗にしてくれたから良かったけど、普通なら汗を掻いて臭うし、その臭いで虫が寄ってくるんだよ。刺されたら痛かったり痒かったり面倒な事になるし、虫除けの草もあるけど、アレもそこまで効く訳じゃないしねぇ……?」


 「ええ、本当に……。しかし、本当にアルドのカマクラには虫が寄って来なかったですね? 御蔭で快適でしたけど、本当に何故なんでしょう?」


 「別に虫が入ってきてない訳じゃないよ。凄く単純に言えば、邪生の心臓を食べたからだ。体が頑強になったんで、虫に刺されても特に効いていないだけさ。痛みが出たり痒くなったりする程、皆の体は弱くないって事だな」


 「それはそれで、どうなのかしら? アルドは前に痛みも危険を知る為には重要だって言ってたけど、痛みを感じなくなるって怖いわ」


 「痛みを感じない訳じゃないさ。虫刺されは皆にとって”その程度”になっただけだ。だから他の痛みは普通にある。もう少し言うと、虫の毒に即座に打ち勝つ様になったんだよ。だから痛みが長引いたり、痒みが長引いたりしない」


 「んー……、それって治るまで2、3日掛かってたのが、治るまでが一瞬になったって事かい? そういえば、小さな怪我をしても治るのは凄く早かったね」


 「その認識で間違ってないよ。体が頑強になるっていうのは、そういう事だからな。治るまでに体力を使ったり、生命力を使ったりする事は変わらないけど、両方とも増大してるから特に問題も無い」


 「実際に様々な恩恵があったんだな。目に見えない部分の事だから理解がし辛いが、色々な意味で強くなっていたのか……まぁそれ以前に、不老長寿になっているのだが」


 「それはね。とはいえ、ジャン達やリンデ達もそうなってるって事だとしたら、向こうで騒ぎになってなければ良いんだけど……」



 よし! やっと全部冷凍し終わった。意外に多くて大変だったが、ようやく終わったのでゆっくりしよう。



 ▽▽▽▽▽


 0535終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨144枚

 大銀貨515枚

 銀貨235枚

 大銅貨323枚

 銅貨220枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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