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0533




 北西に進んで行くと、無事に転移紋を発見し17層へと進む。17、18層と進んで行き、19層へと着くも、今度は夜の沼地だった。急に殺意が高くなりすぎてませんかね? ここは南西か南東かだが、恐らく南西だろうと思い進んで行く。


 沼地に潜んでいる奴等に対して、こちらから奇襲して殲滅する。どのみち、このダンジョンでは高値で売れそうな魔物が居ない為、ここまでの道中で倒した魔物は全て捨てている。浄化はしているしダンジョンなので邪生になったりはしない。


 南西に転移紋があったので、やれやれと思いながら20層へ。20、21層と進み、22層への転移紋の目前で、南に凄まじい呪いを感知した。またかよ……と思いながらも皆に説明し、沼地に足をとられながらも南の呪いの下へ向かう。


 【空間把握】で調べると真っ黒なゴブリンが居て、左右の手に凄まじい呪いの武器を持っている。それは良いのだが、アレはどう見ても脇差とパラメリオンだぞ。片刃という組み合わせで持ってるのは分かるが、何であんなマイナーな武器を作ったんだ?。


 分かりやすいんだが、何でアレなんだろうな? もうちょっと色々あるだろう……神様さぁ。何か気が抜けるが、とりあえず気合入れて全力で【浄化】しよう!。

 

 いつも通り【集中】も使い、持てる全力を尽くして【浄化】をする。前後不覚になりながらも何とか【浄化】が完了すると、いつも通りの真っ白空間だった。ついでで真っ白になったゴブリンに近付き武器を回収する。


 脇差の刀身は50センチと携帯するのに便利な長さで、パラメリオンの方も50センチ程だが、正式な長さなんて知らないから長いのか短いのか分からない。確かパラメリオンは東ローマ帝国で使われていた武器だった筈だ。


 片刃で反っているという特徴が刀とそっくりだったんで覚えてるんだが、確か拵えが剣と同じだったので、そこが分かりやすい違いなんだ。


 このパラメリオンも、持ち手や鍔などがヨーロッパ風なのでパラメリオンだと分かる。しかし、神鉄の脇差と神銀のパラメリオンか……。どっちを2人に渡そうかね?。


 とりあえずゴブリンの血抜きを終わらせて、皆と合流する。色々と話し合った結果、脇差はディルが貰い、パラメリオンはフォルが貰う事になった。


 代わりに2人が持っていた脇差と打刀は素材に戻す事になった。少し時間が掛かったが次が最奥かもしれないので、やるべき事はやっておきたい。


 全てが終わったので次の層への転移紋に乗る。22層に辿り着いたが、そこは夜の海だった。どうやらまだ続くらしい。今までの流れだと南東に転移紋がある筈なので進んで行く。夜の海と言っても歩くのは土の上なので湿地帯や沼地ほど苦労はしない。


 予想した通り南東に転移紋があったので、23層へと進む。23、24層と進み、25層の直前で東に猛烈な呪いを感知した。


 ……マジかよ、もう勘弁してくれ。そう思いながらも【浄化】しないという選択肢は俺には無い。神様からの命である以上は拒否出来ないし、【浄化】してくるしかない。


 皆に呪いの事を伝え待っていてもらう。東へと進むと、そこには真っ黒なリザードマンが居たのだが、右手に槍を左手に薙刀を、そして背中に矛を背負っている。


 お前は武蔵坊弁慶か!? 仕方がなく今回も全力で【浄化】したが、毎回前後不覚になるんで結構怖いんだよな。このまま消えそうで……。


 まあいいや、とにかく真っ白になったリザードマンと武器の確認をしよう。持ってみて分かったが槍は穂先が40センチの平三角で、1番多く作られたという直槍だ。


 全体が2メートルなので短槍と言えるだろう。ただ、俺達にとっては軽すぎるかもしれない。これはメルに渡すか……神銀のカイトシールドが重いって言ってたしな。


 薙刀は、<静型薙刀>で刃長60センチ。柄は1メートル60センチで小薙刀に分類される物だ。取り回しやすく使い勝手は良さそうだな。これは多分ダナが持って行くだろう。


 そして矛なんだが、俺が作ったのと同じ寸法だ。神様が狙って作ったのかは分からないが、多分ワザとだろう。ただし、俺が作った物と違って引っ掛ける為の鉤の部分が付いていない。


 まあ、これはこれで振り回しやすいから別にいいか。これは俺が使おうっと。


 皆の下に戻り、武器が3つもあったと言うと流石に心配された。皆も何となくは呪いの気配が分かっている様で、恐ろしい気配を浄化している俺を心配していたらしい。


 皆に迷惑を掛けているが、神様の命である以上は仕方がない。何よりその為に複製されたんだし。


 神銅の槍をメルに渡し、神銀の小薙刀をダナに渡す。神金の矛は俺が持つ事で皆は納得してくれた。というより神の金属の武器は1人1つは持っているので、1つで十分らしい。


 2つも3つも持たされても困るそうだ。呪いがどれほど溢れているのか知らないが、ある程度減るまでこんな事は繰り返されると思う。


 メルの千鳥十文字、ダナの長巻、俺の矛を素材に戻して出発する。次は25層だから流石に終わりだろう。そう思って転移紋に乗ると、平地に湖がありそこに竜が居る事が分かった。



 「皆、目の前の湖に大海竜が居る! 1度戦った相手だ、特に苦戦はしないだろう。俺とメルが魔法で牽制するから、隙を見て斬り込んでくれ!」


 「「「「「「了解!」」」」」」 「ニャ!」 「………」



 フヨウは俺の首に巻き付いているので大丈夫だが、ダリアは気を付けてくれよ? そう思うが今までも問題は無かったので、多分大丈夫だろう。


 湖から顔を出した大海竜に【火弾】を連射して牽制をする。メルも俺に続いて連射していて大海竜はかなり嫌がっているようだ。その御蔭かブレスは飛んで来ない。


 その間に近付いた皆が早速攻撃を開始する。……するのだが、恐ろしい切れ味なのは仕方がないのかね? あっと言う間に神の金属製の武器で首を斬り落とされてしまった。


 何だろう、最初のボスが終盤にザコとして出てきた感じだろうか? 物凄くあっさり終わってしまった。俺とメルは適当に牽制しただけだ。


 これで良いのか? と思わなくもないが、仕方がない。さっさと血抜きをしよう。俺は【念動】で大海竜を持ち上げ、【抽出】を使って血抜きをする。


 相変わらずフヨウは竜の血を吸収しては水分を出している。何かが変わっているのかはフヨウにしか分からないが、好きにさせよう。


 血抜きや浄化が完全に終わったら、アイテムバッグに入れられる大きさに切り分けて収納する。竜の肉を干し肉にするという暴挙は行わない。そんな事をせずとも腐らないし美味いからな、むしろ勿体ない。大海竜の牙や爪、骨なども収納してさっさと脱出する。


 体感だと夜になっている気がするほどダンジョンの中に居るので、早く宿に帰りたい。皆にも聞いたら、俺と同じ意見だった。流石に25層は長すぎる。その上湿地帯や沼地が2度もあった。面倒な洞窟は無かったが、それでも精神的に疲れているので帰ろう。


 脱出紋に乗って外に出ると、もう夕暮れ時だった。それでも体感と違いまだ夜ではなかったので、走って町へと戻る。昨日から行っている食堂に滑り込み大銅貨9枚を払って食事を待つ。やれやれ……やっと落ち着ける。


 聖水を配り、皆で飲んでいると外から傭兵が4~5人店に入ってきた。そいつ等は席に座ると小さな声で喋り始める。



 「<剣の導き>の奴等はダンジョンに入ったんだよな? 何でアイツ等は戻ってこないんだ? 幾らなんでも、そろそろ戻ってくる時間だろ」


 「さあな。何かトラブルでもあったのか、それとも同業に殺されちまったのか。俺達の実力じゃ見に行く事も出来ないんだから、考えたって意味ねぇよ」


 「そうだな。しっかし<剣の導き>の下っ端の奴等が、戻ってきてないって騒いでるのにはビックリしたぜ。傭兵ギルドでえらい騒ぎになってたが、だったらダンジョン行けよって思わないか?」


 「確かにな。普段偉そうに喚いてる奴ほど、自分で助けに行くとは言わないんだよな。アレがギルドマスターとは世も末だぜ。とはいえ、他にギルドマスターやってくれそうなのも居ないし」


 「仮に変えるにしたって、それなりの時間が掛かるぜ。王都のギルドにお伺いを立てねぇと、変えられねぇんだからよ。あの小者のまま続くんだろ? どうせ」



 あの5人組は帰ってきてないのか……。



 ▽▽▽▽▽


 0533終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨144枚

 大銀貨515枚

 銀貨235枚

 大銅貨351枚

 銅貨220枚


 神金の矛

 神鉄の太刀

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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