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0529




 色々と見回りながらウロウロしていると夕方になっていた。今は宿を探してウロウロしているが直ぐに見つかって安堵してる。


 この街は大きいので宿も多いが客も多い。もしかしたら満室で泊まれないんじゃないかと思っていたが、空いている宿があったんだ。


 ただし、一泊銀貨2枚とボッタクリ価格だったが。まあ、正確に言うと、ボッタクリ価格の豪華で大きい部屋しか空いてなかった。


 12人部屋なんだから仕方がないんだろう。部屋に入ると確かに豪華で暖炉などもあり、一泊銀貨2枚でも安いと思わせる部屋だった。


 ソファーや絨毯も備え付けの物があり、貴族が泊まったりする事もある部屋なんだそうだ。そりゃ高くても泊まる奴は居るわ、特に貴族。


 見栄を張る為に、こういう部屋に泊まらなきゃいけない身分だからなぁ。無駄金と思わなくもないが、そのお金を落としていくのも貴族の見栄なんだからしょうがない。


 逆にお金を落とさなければケチだと言われてしまうからな。家名を汚す事は絶対に出来ないのが貴族ってもんだが、金持ちから金を吐き出させるシステムとしては悪くないと思う。


 おべっか使って持ち上げてやれば金を大量に吐き出すんだから、楽な商売だろうさ。


 食堂に行き夕食を頼むと一人大銅貨3枚だった。高いなと思いながらも大銅貨27枚を支払うと、小さいファングボーアの丸焼きが出てきた。


 ビックリしたが、別に丸々1頭全部を俺達が食べる訳じゃない。ただ、結構な量が取り分けられて皿に乗せられた。何でも見せ付ける分も含めた値段らしい。……成る程な。


 食べてみるとパリパリの皮とジューシーな肉汁が合わさって、思っているより美味しかった。豪快に見えて臭味も無いし、何かの香辛料で味付けしてあるらしくスパイシーな味だ。


 わざわざ1頭を丸焼きにしただけはある美味しさに喜んでいると、周りの客も注文し始めた。これが”見せ付ける”って事の意味か。


 最後まで店に上手く使われたが、美味しい料理に特に怒りを感じる事も無く食事を終えた。


 皆も満足して部屋に戻ったのだが、早速お酒を飲みながら上手く使われたと愚痴を言っている。ただし怒るというよりは、上手くしてやられたという感じで話のネタにしているだけの様だ。



 「まあ、美味しかったから良いんだけどね。周りの客が注文し始めた時、従業員がニヤニヤしてたのが若干悔しいんだよ。上手く使われたのは仕方がないけど、そのニヤニヤは隠しな! と、そう思ったね」


 「言いたい事はわかります。あのニヤニヤは若干腹立たしかったですからね。そこをサラっと流せたら流石に負けを認めるんですが、あのニヤニヤはちょっとだけイラっとしました」


 「美味しかったんだし、気にするのは止めましょう。お店としては、ああやって上手く商売をしていかなきゃいけない訳だし、あれで美味しくなかったら怒るところだけれど、美味しかったのだから気にしては駄目よ」


 「怒るのも分かるけど、先程のは店の勝ちだね。それにしても、なかなか美味しかったけど主様の作った干し肉以上ではなかったと思うのは私だけかな? 新鮮だからこその美味しさはあったんだけど、猪系の魔物なのにあっさりしていた様な……」


 「アルドの干し肉は旨味が大量に含まれているうえに、あれは邪生の肉だからな。別の物だと考えた方が良い。普通の魔物の肉で、あそこまで美味しければ十分だろう」


 「確かにね。邪生の肉って美味しさが普通の魔物とは明らかに違うし、その邪生の肉の美味しさをギュっと閉じ込めた干し肉だもんね。最近凍らせてるんじゃないかって思うほど冷たいお肉もあるけど……」


 「凍らせても良いんだが、解凍すると旨味が抜けてしまうんだよ。だから凍る寸前でアイテムバッグに収納してるんだ。普通ならそうしても残っている雑菌で腐ったりするんだが、俺の場合は【浄化】してから収納してるんで腐るのはかなり遅くなる」


 「ふ~ん、そういう方法で腐り難くなるんだね。他にも色々ありそうだけど、やっぱり凍らせるのが1番なのかい? それとも他に良い方法があるのかい?」


 「干すのも良い方法だよ。昔からある方法だけど、とにかく空気と水分と雑菌が食べ物が腐る元だと考えれば間違っていない。アイテムバッグ内は空気があるけど雑菌は無いんだ。とはいえ雑菌が付いたままだと腐るし、水分があっても腐る」


 「う~ん……何か難しそうね? 色々な事を考えてやらないと腐る事を防ぐのは難しいみたい。簡単に腐り難くするには、干すか凍らせるのが1番なのかしら?」


 「そうだな。とはいえ、物質を凍らせるのは普通なら中級魔法に分類されるものだ。それなりに難しい魔法とも言えるので、結局1番簡単なのは干して乾燥させる事かな? 燻製でも良いとは思うけど、あれは木のチップを大量に使うしなぁ……」


 「「「「「「燻製?」」」」」」


 「あれ? この世界では燻製は無いのか。そういえば燻製にされてる食べ物を見た記憶が無い……な。燻製っていうのは煙で燻しながら乾燥させた食べ物だよ。木を細かく砕いてチップにして、下から煙を当てて熱で乾燥させるんだ。良い匂いのする木を使うと、良い匂いが付く食べ物なんだけど、ソミュール液の材料を忘れて思い出せないんだ」


 「そのナントカ液って何に使うんだい?」


 「ソミュール液は肉を漬け込む為の液のこと。ある程度の大きさの肉をソミュール液に漬け込んでから燻製にするんだ、そうすると味付きの燻製肉になる。それなりに保存が利いて、料理しなくてそのまま齧っても美味しい肉になるんだよ」


 「ふ~ん……ん? それってアルドが作ってる干し肉と、いったい何処が違うんだい? アルドのもソミュール液とは違うけど、美味しい旨味をたっぷり吸わせてるじゃないか」


 「まぁそうなんだけど、燻製は火が通ってるけど干し肉ほど硬くはないんだ。もっと柔らかい物なんだけど、その代わりに干し肉より保存が利かない物になる」


 「それも微妙な話だな。多少は保存出来るんだろうが、代わりに普通の干し肉よりも高そうだ。まあ、元々の干し肉も塩を大量に使っているので、それなりに高価ではあるが……」



 雑談を続けていると、突然ベッドへと連れて行かれる。ああ……2匹は寝たのか。シュラは酒を飲みながら薪をくべて暖炉を使っていたんだが、その暖炉の前まで連れて行かれたのには驚いた。


 【房中術】【鋭覚】【精気】を使い満足させた後、1人1人をベッドに寝かせたらソファーに座って休憩する。温めた聖水を飲みながら明日の事を考えていると、眠たくなってきたのでベッドに入った。


 久しぶりに寝具で寝られるが、硬いな……。布団で寝るか。2人用の布団を敷き、さっさと横になって寝よう。


 今日も一日お疲れ様でした。



 <異世界215日目>



 おはようございます。今日は隣のエルダ海洋国に入ります。帝国と海洋国の間には平地が広がっているだけで、妨げる物や地形が全く無いそうだ。その所為で、お互いの国の国境の街は要塞みたいにして守っているらしい。


 その辺りも、帝国が昔から海洋国を狙っている理由の様だ。平地続きで攻めやすいという事なんだろうが、代わりに隠れる所も無い為に正面からぶつかるしかないとも言える。その結果、攻めあぐねているのが現状なんだろう。


 裏をかいて攻め寄せても、向こうも要塞じゃ簡単には落とせない。その間に援軍を呼ばれてしまえば、撤退せざるを得なくなる。


 ただでさえ城攻めには少なくとも3倍の兵が必要だと言われているのに、向こうが要塞だと何倍の兵力が要るのか分からないぐらいだ。


 皆に聞いたところ、ここ200年ほどは帝国と海洋国の国境は動いていないそうだ。200年ほど前に海洋国側が今の場所まで押し込んだらしく、そこで国境線が確定して現在に至るらしい。


 帝国側としては何とか押し返したいのだろうが、200年も押し返せていないと難しいだろう。代わりに王国を攻められても、迷惑過ぎる話でしかないが……。



 ▽▽▽▽▽


 0529終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨145枚

 大銀貨515枚

 銀貨239枚

 大銅貨404枚

 銅貨220枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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