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0052




 文句を言われたし苦言も呈されたが、シュラは全く気にしていない様だ。ダナと一緒にイチャイチャしている。


 抱き合ったりキスしたりと、3人でイチャついているとフルールさんが呆れていた。



 「あのシュライア様がこんな……」


 「何か勘違いをしているようですが、私は元々こうですよ?」


 「里では違うではありませんか!? いつも凛として、男を近づける事など無かったでしょうに!」


 「それは最高の伴侶が居なかったからです」


 「今のような姿を始祖様が見られたら……」


 「母上ならば、大喜びで話を聞きに来るでしょうね」


 「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」


 「……どうやら知らないようですね。母上と父上は四六時中べったりでしたよ? 誰が居ようが関係なく、ずーっとイチャイチャしていましたね」


 「ビックリなんだけど、そうなのかい?」


 「ええ。母上にとって1番は父上なのです。その宣言こそが、最高の伴侶との”主従の契約”なんです。普通の契約とは違うんですよ?」


 「えっ? 普通の契約とは……違う?」


 「貴女は第二世代ですから知らないのも仕方がないでしょう。私と姉上は血神様への宣言を込めた、本当の”主従の契約”が可能なんです。これは第一世代のみ可能な【秘術】と言えますね」


 「そのような事が……。そういう意味での”絶対の差”だったのですね」


 「そうです。血神様の血筋とハッキリ言えるのは、もう私と姉上だけなのです。だからこそ、私が母上と父上のようにラブラブでも問題はありません!」


 「なんか急に、良い話じゃなくなったな」


 「別にいいんじゃないかい? イチャイチャしたいのは当たり前って話だろ?」


 「あれ? そうだっけ? なんか違う気が……」



 あれぇ? 俺が間違ってるのか? 酒の匂いで酔ってるのか? ……どうでもいいや、もう。シュラは吸血鬼の中でも、【秘術】が使える凄い吸血鬼だと理解してればいい。


 ん? ちょっと待て、俺との契約はどうなってるんだ。大丈夫なのかどうか、その辺りちゃんと聞いておかないと。



 「アルドとの契約は事前に言った通りですよ? 本当の”主従の契約”は、誠実でなければ呪いとなって返ってきますから。嘘は一切吐けませんし、騙す事もできません」


 「神様への宣言だからだね。【神眼族】も似たようなもんさ。【神眼】を悪用すると、神の呪いに見舞われるんだよ」


 「貴女は【神眼族】だったのですか!?」


 「フルール、ここに居るのはディアーナです。あの有名な<剣の踊り子>ですよ?」


 「<剣の踊り子>!! 悪徳貴族の兵300人を両手に持つ剣で斬り刻んだという、あの<剣の踊り子>ですか!?」


 「何やってんの!? ちょっと待って、1対300で勝ってんの!? 300人斬りを達成したのかよ」


 「ちょっと待ちな! 殺してる数なら<血狂い>であるシュラの方が多いんだよ!」


 「私が殺しているのは、この世に必要の無いゴミだけですよ? ダナと一緒にしないで下さい」


 「アタシだって、手篭めにしようとしたアホ貴族の兵を潰しただけさ!」


 「それは殺されても仕方ないな、当然の事だ。目の前に居たら俺が殺る」


 「アルド///。チュッ! ……アルド//」


 「あーっ! 何を抜け駆けしてるんですか! ……チュッ!」



 2人は段々エスカレートしていくが、周りはジト目で見ているだけだ。収拾がつかなくなってきたので悩んでいると、グッドタイミングで女将さんが来た。



 「そろそろ夕食だよ! ……ってお邪魔だったかい?」


 「女将さん、いい所に来てくれたよ。2人が止まらなかったんだ」


 「2人とも、迷惑は掛けちゃ駄目だよ?」


 「「はーい」」


 「とにかく全員で夕食を食べに行こう。皆この宿に泊まってるんだろ?」


 「えぇ、私と従者2人は1階の奥にある、素晴らしい部屋に泊まっています」


 「それって、ちょっと前までアルドが泊まってた部屋だろ? 毎日綺麗にしてたからねぇ」


 「そうなのですか? それで綺麗なだけでなく、神聖な気配も僅かにしていたのですね」


 「まだあの気配は無くなってなかったのか。いつになったら普通に戻るんだろう」


 「私達吸血鬼にとっては、あの清浄さが欲しいのですが……」



 そんな話をしながら食堂へ行く。そこには何故かヴェルさんが居て手招きしている。スッゲー嫌な予感がするんだけど? 今日作った酒が今日で無くなるのか? 勘弁してくれよ。


 とりあえず全員分の夕食代、大銅貨12枚を払う。早速と言わんばかりに酒宴を開始している奴等を無視してゆっくりする。酔っ払いは放っておくのが1番良い。


 どんちゃん騒ぎの横で食事をし、いつまでも飲んでる奴等を置いて部屋に戻る。浄化してゆっくりしていると2人とも部屋に戻ってきた。



 「アタシ達を放っとくのはどうなんだい?」


 「酔っ払いは関わらないのが1番なんだよ。関わると碌な事がない。それに、あの雰囲気にはついていけない」


 「まぁ、しょうがないですよ。私も面倒臭いと思う事がありますし」


 「そうは言うけどねぇ……」


 「アレです。私達がドワーフが飲んでる横に居るようなものです」


 「絶対に嫌だね、直ぐに逃げるよ。……あぁ、そういう事かい」


 「そういう事です」



 2人の服や体を浄化していると、納得した2人がベッドに押し倒してきた。昨日と同じく【房中術】を結構使って相手をすると、凄く嬉しそうに撃沈していった。


 ……大満足して眠る2人の真ん中で俺も寝る。今日も1日お疲れ様でした。



 <異世界25日目>



 おはようございます。もしかしたら今日も酒作りかもしれません、勘弁して欲しいんですがどうなるのやら。今日は浄化を強めるより、丁寧かつ丹念にしようと思う。


 ゆっくりと丁寧に念入りに浄化していく。今までの漠然とした浄化ではないからか、神聖な気配はしないものの綺麗になりすぎた気がする。説明し難いが、中から綺麗な感じだ。


 この方法で綺麗にしていると2人が起きた。



 「「チュッ! おはよう、アルド!」」


 「おはよう、2人とも。今日も朝から機嫌がいいんだな」


 「当然だろう? 昨夜、あんなにシてくれたんだから///」


 「そうですよ。あんなに愛してもらったんですから当然です///」


 「そんなに? 確かに頑張ったけど、そこまでなのか」


 「「///」」



 2人の機嫌がいいなら問題ないな。いつも通り浄化していると、いつも通り抱きついてきたり、キスをせがんできた。もう日課だな、いつもの朝になりつつある。


 そんないつもの朝を過ごした後、服を着て食堂に下りる。食堂には吸血鬼8人も居たので挨拶をすると、朝からジト目を向けられた。全員分の大銅貨11枚を支払い席に座る。



 「おはようございます。……朝からなんですね?」


 「おはよう、いつも通りだな」


 「そうなのですか……」


 「フルールは幻想を持ち過ぎですよ? 母上と父上の周りの者もゲンナリしていました」


 「分かっているなら、御自重下さい」


 「えー。母上達は全く気にしていませんでしたよ? 私もゲンナリしていましたが」


 「だったら!」


 「自分が同じ立場になると、周りなんてどうでもいいですね。大体、何で周りの事を考えて止める必要があるんです? それで止めるならば、それは本当の愛なのですか?」


 「いや、それは……」


 「いい事言ってるように見せ掛けて、押し通してるだけだからな」


 「何でバラすんですか!? もうちょっとで上手くいってたんですよ?」


 「シュライア様……」


 「ゴホンッ! フルール、貴女も伴侶が見つかれば分かります。何故母上が、吸血鬼を”愛の種族”と呼んだのか。その意味が分かる時が、必ず貴女にも来ます」


 「「「「「「「「”愛の種族”」」」」」」」」


 「えぇ、皆も覚えておきなさい」



 そんな話の後に朝食が来たので皆で食べる。さっき迄の雰囲気がガッツリ残ってるんだよな。……食い辛いわ!!。



 ▽▽▽▽▽


 0052終了時点


 金貨18枚

 大銀貨53枚

 銀貨19枚

 大銅貨17枚

 銅貨5枚


 風鹿の角槍

 風鹿の角の太刀

 赤豹の爪の小太刀

 剣熊の爪の打刀

 赤豹の爪の小烏丸

 強打猪の牙のファルクス

 剣熊の爪の斧

 風鹿の角の十手

 剣熊と風鹿の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と風鹿の肘防具

 剣熊と風鹿の膝防具

 剣熊と風鹿のブーツ


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