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0528




 カマクラと焼き場を潰し更地にしたら出発するのだが、その前に川に行って聖水を補充しよう。十分に聖水を補充したら、東のドルクス山に向けて出発する。まあ、既に見えている山に登るだけなんだが……。


 身体強化を使い一気に進んで行く。確かに急な山道を登って行くので普通の人なら厳しいのだろう。富士山の上の方の道ぐらい急で険しいが、俺達にとっては大した道じゃない。皆も走るぐらいの速さで登っていく。


 この山は1000メートルぐらいの山だが、そこまで広くはない。600メートルぐらいまで登ればいいのだが、急なのが苦労する理由なんだろう。それでもロクド山のようなダラダラ続く道を考えれば、遥かにこっちの方がマシだ。


 体感で1時間も掛からず登りきった俺達は、今度は下りに入る。急な斜面を下るので滑落する危険性が高い。その為に登りよりも下りの方が遅くなってしまう。とはいえ、イライラしないのは景色が良いからだろう。


 ドルクス山の大半は石と岩の禿山なので、遠くまで良く見えるんだ。景色がハッキリと見えるので少々気分が良い。皆も同じなのか、登りよりも速度が落ちているにも関わらず笑顔が見えている。


 気付いたら景色を楽しめない程に下っていたが、今度はもう直ぐ終わりだという事で気分が軽くなった。


 体感で1時間30分くらいだろうか? 下りに掛かった時間はそれぐらいだと思う。俺達でさえこれだけ時間が掛かるのだから、普通の者は1日掛けて越えるのかもしれない。


 正確には山の手前の村を朝に出発し、夕方には山向こうの村に着く。そういう越え方をしているって事だ。


 昔のダナとシュラでも、昼過ぎぐらいにやっと山を越えられたぐらいらしい。今はまだ昼にもなっていないし、地球で言えば10時頃だろうか、そんな時間だ。


 山を下った俺達は道沿いに東へと進んで行く。ここはダナを手篭めにしようとした奴の領地だ。今の爵位は不明だが、まだそいつの子孫が貴族をやっているだろうと思われる。


 妙な因縁をつけてくる可能性は否定出来ないが、俺達の足なら辺境伯の領都まで今日中に行けるだろう。


 走って進んでいるものの、傭兵も商人の馬車も全く見ないな。ダナやシュラいわく、戦争が無ければ唯の田舎と言っていたのが良く分かる。


 辺境伯の領地はエルダ海洋国の品が入るので賑わうが、その手前のこちらは寂れているらしい。価値のある品は山越え専門のクランが月に数度、100人以上で運ぶそうだ。


 ドルクス山の北側に川があるので、そこが使えれば盛んに物を運べるそうだが、上手くいった事は一度も無いらしい。何でも川の魔物が舟を襲って沈めるので、挑戦しては毎回失敗で終わるみたいだ。


 川の水運が使えるなら一番良いんだろうが、水の魔物相手だと陸と違って簡単には終わらない。水中に逃げられたら終わりだし、突き上げられたら木造船なんてアッサリ壊される。


 川があるにも関わらず、魔物の所為で使えないと言うのは忸怩たる思いがあるんだろう。何度も挑戦しているのが、その証拠だな。


 【念話】でそんな会話をしているとデンプの村が見えてきた。いつも通り、村に入ったら見て回るフリをして浄化し、終わったら出て行く。


 再び東へと走って行き、昼過ぎにドリムの町に到着した。門番に登録証を見せて中に入ると、ウロウロしながらの浄化を開始する。


 後ろから尾けてくる奴等が居るが、無視して観光を装う。皆も気付いているものの、特に気にせず浄化を手伝ってくれた。


 浄化が終わった後、食堂に入り大銅貨9枚を支払って昼食を食べる。待っている間も【探知】と【空間把握】を使い続けて監視しているが、店にも入って来ずに外で見張っている。


 昼食後、店を出て東門へと行き登録証を見せて外へと出る。慌てて見張っていた奴等が俺達に声を掛けて止めようとするも、俺達は走って先へと進んだ。尾行する様な奴等の言う事を聞く気は無い。



 『昔もそうだったけど、あの町はやっぱり碌なもんじゃないね。こそこそと尾行してくるわ、食堂の外で監視するわ。本当に碌な事をしない所だよ!』


 『次の村を越えれば、クソ貴族の領地ではなく辺境伯の領地に入るんですから、少し落ち着きましょう。流石に辺境伯の領地では手は出せないでしょうし』


 『でも何故見張っていたのかしら? 難癖をつけてくるとばかり思っていたけれど、それは無かったわ。子孫だからそこまで強引じゃなかったのかしらね』


 『どのみち、尾行をしている時点で碌な相手じゃないよ。声を掛けてきたけど止まってやる義理も無いし、馬にでも乗って追い駆けてきたら消してやればいいさ』



 まあ、そうだな。一応用件は聞いてやるが、碌なもんじゃないだろう。……信用というのは怖いね、過去の愚か者の所為で現在の当主までが同じ様な目で見られる。


 仮に昔の事を何とかしたくて声を掛けようとしていたとしても、そう受け取っては貰えない。まあ、違うだろうけどね。


 そのまま走って進んで行き、エフドの村に到着した。ここも村に入って見て回るフリをしながら浄化をし、直ぐに出て東へと進む。


 次が辺境伯の領都だ。長かったが、やっと帝国の東の端まで来たな。本当に東西に長い国だよ。帰る時も大変だぞ、コレは。


 そんな愚痴を心の中で吐きながら走っていると、前の方に小さくだが壁が見えてきた。あれが辺境伯の領都ヴィルメルか。今いる場所から北に行く道があり、その先には帝国最後のダンジョンがある。


 つまり辺境伯領はエルダ海洋国とダンジョンの利益で潤っている領地で、帝国でも1~2を争うほど裕福な土地なんだそうだ。まあ貿易とダンジョンという、二重に儲かる権益を持っている以上は裕福だろうさ。


 壁の前で並んでる者達は殆ど居なかったので、待たされる事は無く登録証を見せて中に入る。


 高さ8メートルの石壁に囲われた領都は防衛に優れており、領都の大きさは直径3キロぐらいある。そう、この街は丸く作ってあるんだが、おそらく防衛を考えての事だろう。


 壁の手前の堀は幅10メートル、深さ5メートルほどだったし。絶対に奪わせないという気概を感じる街だ。


 そんな街に入りウロウロしながら浄化していると、街の一角に露天で商売をしている者が集まる場所があった。そういえば、古い時代にはよくある筈のこういう市場を、これまで一度も見なかったな?。


 そう思って皆に聞いてみたら、ルーデル村にもあったらしい。ただし、露天で商売できる日は決まっており、毎日出来る訳じゃなかった様だ。


 そのうえ露天で商売する者の数が少ないので、あまり賑わう事も無いそうだ。売る物があまり無いと言った方が正しいのかもしれない。


 木彫りの何かを作るにしても、木を買うか伐る必要があるし木を彫る道具も要る。そんな余裕が庶民にあまり無い以上は、生活に必要な物以外は売り買いする事が殆ど無い。


 中古の服をフリーマーケットで売買する時代とは違って、この世界では一度買った服は擦り切れるまで着るのが当たり前。


 そういう時代である以上は、庶民が露天で商売する事なんて殆ど無い訳だ。むしろ露天で商売する者の殆どは行商人となる。


 怪しい物から生活に必要な物まで、色んな物を運んでくる行商人が露天で商売をしている事が多い。そう皆が教えてくれたが、思い出してみるとそんな者を見た様な気がする。


 この街の露天市は、エルダ海洋国に行って買ってきた物とダンジョンに行って手に入れた物を売っているみたいだ。つまり、売っている側の殆どは傭兵なんだよ。


 非常に珍しい事に傭兵が商売をする街らしい。別に悪いわけじゃないが、大丈夫なのかね? 商人に騙されそうな気がするんだが……。


 俺達は色々と見回ってみるものの、コレといって欲しい物が無かった。いや、着飾る為の物とかはあるんだけど、ウチの女性陣ってあんまり好まないんだよ。


 理由は戦闘の邪魔だからだ。というか、身に付けている物が引っ掛かって耳が千切れる事などは普通にあるので、余計な物は身に付けないんだ。


 化粧とかは多少するんだけどね。



 ▽▽▽▽▽


 0528終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨145枚

 大銀貨515枚

 銀貨241枚

 大銅貨431枚

 銅貨220枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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