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 今日は真っ白な小麦粉を使いメルにパンを焼いてもらった。この世界では酵母を使わないパンが主流だ。一部の種族の所で柔らかいパンを食べた事があるとアルメアから聞いたので、そういう種族では二次発酵の知識を秘伝か何かにしているのだろう。


 メルが言うには、ここまで上質で真っ白な小麦粉を使ってパンを焼いた事が無いので心配だとの事だ。焦げたりして失敗しやすいのかな? 分からないが、そろそろ牛乳と卵は処分したかったのでメルにパン作りをお願いした。


 メルの祖母、つまり伝説の魔女は牛乳と卵を使うパンを好んで食べていたらしいので、メルもレシピを知っているそうだ。今日は魚があるのでスープとパンとサラダに焼き魚となる。普通の人はスープとパンぐらいなのだから十分贅沢な食事だ。


 そういえば、この世界の傭兵って普通に3食たべるんだよな。昔の地球では大体どの国でも一般人は朝夕の2食だったと思うんだが、この世界では稀に庶民も3食を食べる。大多数の者は肉を食う事が多いので、単に魔物の肉が余ってるからなんだろうか?。


 皆に聞いてみたら、考えた事も無いので分からないと言われた。でもアルメアでさえ3食が当たり前だと言う以上は、古くから傭兵は3食なんだろう。


 よく考えたら、この世界はダンジョンがあるし、ダンジョンの中には普通に小麦や大麦が生えていたりする。それを回収している傭兵も居るんだよな、俺達は無視するけど。


 そもそもの話、どのダンジョンでも食べられる物はそれなりに手に入るのだが、攻略時はそんな暇は無い。


 どんどん先へと進まないと攻略が間に合わないからだが、攻略しないなら採取に励むのも悪くは無いと思う。貴重な薬の材料なども何回か見てるし、良い物があったりするんだよ。


 エルダ海洋国へと行ったらダンジョンに行くのも悪くは無いなと思いながら食事を終えた。俺の魚の半身は甘えてきたダリアにあげる事になったんだけど、猫って何であんなに魚を好むんだろうね?。


 本能に刻み込まれてるのかと疑うほどに魚が好きなんだよな。ダリアなんて人並みの知能があるのに興奮してるし。


 皆はお酒を飲むらしいので干し肉を出してやった。俺は邪生のビッグボーアの肉を干し肉にする為にアイテムバッグから取り出す。


 水分を【抽出】したり、旨味を【合成】したりしながら干し肉を作り、残ったゴミをフヨウに食べて貰う。流石に暗くなってきたので【光球】を使っていたが、辺りは真っ暗なのでカマクラに入る。


 外で【光球】を使っていると魔物が寄ってくるかもしれない。実際この世界では野営をする者もそれなりには居るが、夜に【光球】を使う奴は殺されても仕方がないとまで言われている。それぐらい危険な事で他人にも迷惑を掛ける事になる。


 野営をする場合、大抵は複数チームの合同になるそうだ。そりゃ周りに迷惑は掛けられないだろうし、殺されても文句は言えない。


 そんな話をしていると次々に撃沈していき、残ったのは飲んでないディルとアルメアだけだった。何故か飲んでないなと思っていたが、ゆっくり楽しむ為だったらしい。皆を【念動】で移動させた後、【精気】のみを使い十二分に2人を満足させておいた。


 カマクラ内に敷いてある革も含めて、纏めて全部浄化したら横になり目を瞑る。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界214日目>



 おはようございます。今日はドルクス山を登る日です。こっちの山は急勾配の山なので、距離は短いが代わりに高低差がキツい山らしい。


 その山を越えると、昔ダナが世話になった辺境伯の領地が近い。まあ、その手前はダナを手篭めにしようとした子爵の領地なんだが……。


 今の時代になって同じ事をするとは思えないが、一応の警戒だけはしておくか。おっと、今日は早く起きたみたいだな。



 「おはよう。ダリア、フヨウ」


 「ニャー」 「………」



 俺はカマクラの入り口を壊してダリアとフヨウと共に外へ出る。入り口を閉じてから2匹に温めた聖水を出してやり、今の間に邪生になった馬の皮をなめす。タンニンを使ってなめし終わったらアイテムバッグに仕舞い、朝食の準備を始める。


 今日は俺も真っ白な小麦粉を使おうと、殻と不要な部分を取り除き残った胚乳を細かく【粉砕】する。塩と聖水を混ぜてよく練ったら、小さく【分離】して薄い円状に【変形】する。


 邪生の肉と野菜を【破砕】してよく混ぜたら、薄い円状の小麦の皮の上に乗せていく。後は【念動】を使って包み端を【融合】したら、久しぶりの餃子の出来上がり。


 スープ用の寸胴鍋に干し肉と野菜を入れて普通の火で煮込んでいく。ついでに昨日の小麦の殻や不要部分とさっきの分を燃やしてしまう。薪の節約にと思ったんだが、あまり意味は無かった様だ。


 煮込んでいる間に作れるだけ餃子を作ろうと思うのだが、幾つ作れるか試してみるか。


 せっせと作っては足りなくなったので小麦粉を作って餃子の皮を作り、タネを作っては包むを繰り返していると皆が起きた様だ。出来た餃子は473個だった。よくもこんなに作ったもんだ、自分の事ながら驚くわ。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャー」 「………」



 皆が起きてきたので、温めた聖水の入った樽を出し勝手に飲んでいてもらう。その間に小さい鍋を用意して聖水を入れて沸騰させる。


 後は餃子を入れて茹であがるのを待つだけだ。その間に皆の椀にスープを入れて、茹で上がった餃子も入れる。スープ餃子だが朝食としては十分だろう。



 「これって前に焼いていた奴だろう? 茹でても大丈夫なんだね。熱いスープにモチモチした皮が合ってるし、噛むと中からジュワって美味しい汁が出てきて堪らないねぇ」


 「これは体が温まって良いですね。流石に朝は寒くなってきましたので、そろそろ私は熊の着ぐるみを着て寝ようかと思っています。朝の寒さは本当に厳しくなってきました」


 「言いたい事は分からなくもないけれど、幾らなんでも早すぎないかしら? まだ、そこまでではないと思うのだけれど……。カマクラ内に加熱機を出してもらうのも、少し早いと思ってるぐらいだし」


 「まあ、シュライアは寒がりだからしょうがないとしても……カマクラ内は隙間風も入って来ないし、下手な宿より温かいと思うよ。毎年よりは楽だし、広い屋敷も寒い筈なんだけどね?」


 「そういえばシュラもアルメアも屋敷は大きいと聞いたな。広い屋敷だと熱が逃げて寒くなり易いと思うんだが、毎年どうやっていたのだ? カマクラ内より寒い部屋で寝ていたのではないのか?」


 「むー……確かに言われてみれば今までよりは温かいとは思いますけど、寒いものは寒いんです。私は寒い時期になると温かくなるまでベッドから出ませんし、それは毎年の事です」


 「朝早く誰かが訪ねてきたらどうするの? 流石に寒いから出ませんは通らないと思うんだけど……。僕なら我慢して出るけど、シュラの性格だと多分出ないよね?」


 「出ませんし、そもそも私が無理して応対しなければいけないのは姉上ぐらいですからね。姉上はある程度の時間にならないと訪ねてきませんから、流石にその時間なら起きられます」


 「褒められた事じゃないが、耐えられるかは個人によって違うから仕方のない事なんだろう。話を変えるが、今日登るドルクス山はどういう感じの山なんだ? 急勾配の山だと聞いたが……」


 「登りも下りも急なのが特徴だね。距離はロクド山の半分も無いんだけど、替わりに急な山道に体力を奪われる。そういう厄介な山なんだけど、どっちがマシかと言えばこっちの方がマシさ」


 「延々と続くと気が滅入ってきますからね。それと比べれば、苦しくとも早く終わる分だけマシですよ。まあ、それぞれに意見があると思いますし、身体強化が使えますから、今は違うかもしれません」



 結局のところ、登ってみない事には分からないって訳か……。



 ▽▽▽▽▽


 0527終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨145枚

 大銀貨515枚

 銀貨241枚

 大銅貨440枚

 銅貨220枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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