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0523




 朝食を食べながら皆で今日の予定を話し合う。上手く行けば皇都を通りすぎる事は出来る様だ。ただし、どちらにしても、今日は皇帝の直轄地で寝泊りをする必要があるらしい。


 つまり、今日もカマクラで寝るのは決定事項だという事になる。布団を敷いて寝ても良いんだが、湿気などで痛むと勿体ないと思うと敷けないんだよ。


 ちょっと貧乏臭いかもしれないが、自分で作った物だしどうしてもなぁ……。折角作ったのに後悔する使い方はしたくない。安い革でも買ってきて【融合】するかね。


 朝食後、昨日のアホどもが村人に嘘を広めたりしているかもしれないので、さっさと出発する事にした。カマクラと焼き場を壊して更地に戻し、東へと走っていく。


 メヘルの村から走っている途中で、ビッグボーアの邪生が1頭突っ込んで来たが浄化して倒した。


 【念動】で浮かせ【抽出】で血抜きをしたら、凍るギリギリの温度まで下げてからアイテムバッグに収納する。


 邪生の肉は少し食べたが大部分が残ったままだ。そろそろ減らしておいた方がいいかな? そんな事を【念話】で話しながら先を進んで行った。


 メヘルの東にあるモーロの町に入り、見て回るフリをしながら邪気を浄化していく。途中で食料店に寄り野菜を銀貨1枚分購入して町を出た。


 また東に走って行くのだが、この辺りから段々と人通りが増えてくる。どうやら皇帝の直轄地が近付いてきたらしい。


 モーロの町の東にあるスタロの街に入り、邪気を浄化した後で食堂に行き昼食をとる。大銅貨9枚を支払って昼食を食べたものの、美味しくは無かった。


 何と言うか旨味が殆ど含まれていない食事と言えばいいだろうか……もしくは病院食と言えば伝わるだろうか? 物凄く味気ない料理だった。


 久しぶりに金を払って損したと思わせてくれる料理だったな。明らかにマズい訳じゃなく、味気ないだけなのが余計に腹立たしい。


 健康的な料理と言ったら納得できそうな所が、素直に怒る事の出来ない理由だ。引き摺られてもしょうがないので、もう忘れよう。


 スタロの街を出て更に東へと走って行く。北に行ったり、南に行ったりと蛇行しながら進み、やっとディザライトが見えてきた。あれが皇帝の直轄地である西の町だ。


 皇帝の直轄地は皇都であるディザルハートを中心にして、西にディザライト、東にディザレフト、北にディザヘッド、南にディザフットとある。


 俺達はディザライトに入り、中を見て回る。王国とは違って都会という感じが前面に押し出された町だ。


 何と言うか、”これでもか”と都会感を押し出して田舎者に見せ付ける感じと言ったら良いのかな? 平伏させようという感じが透けて見えてしまっている。


 建物を見ると都会的な感じで、この世界でも高層建築なんだろう。3階建てとか4階建てとかがある。ただ乱雑に色々ある所為で統一感が無いんだよな。


 古い時代からの建物を残しつつ、建築を繰り返しすぎてカオスになっている。300年前の建物と最新の建物が隣同士にあったりするので、そう感じるんだろうけど。


 昔の町並みが誇りだと言うなら、昔の町並みを残せば良いのに……無駄に新しい技術の建物を作るから調和が保てないんだよ。


 そんな話しをしながら皆と一緒に歩くものの、直ぐに飽きた。建物以外に見るべき所が無い。皇都ではないから仕方がないのかね? 浄化も終わったので革を買ってさっさと進もう。


 雑貨屋に行き安い狼の魔物の革を買う。20枚も買うからか少し安くして貰う事ができたので、支払いは銀貨2枚で済んだ。


 大量に一気に作る革なので品質が悪く安いらしい。何でも木の皮を細かく砕いた物を使うらしいんだが、それってオークの木かな?。


 口に出さない方が良さそうだったので、何も言わなかったが……。買う物も買ったし、さっさと町を出よう。


 ディザライトの北門を出た俺達は、一路ディザヘッドへと進む。周りに傭兵や商人の馬車は多いが、俺達は全く気にせず一気に進んで行きディザヘッドへと到着した。


 中に入り浄化していくが、この町もディザライトと変わり映えの無い町だった。浄化を終えた後はさっさと出て先へと進む。夕日が出始めているので、せめてディザヘッドとディザレフトの間ぐらいまでは進みたい。


 その辺りであれば鬱陶しい兵士や軍の奴等は来れないだろう。頑張って進むと途中に丘の様になっている場所があったので、その向こう側の森に近い所にカマクラを作る事に決めた。


 焼き場とカマクラを作ったら、アイテムバッグから革を取り出して【融合】していく。縦横2メートル50センチの1枚革を6枚作る事が出来たので、皆に1枚ずつ渡す。コレを敷いて寝れば問題ないだろう。


 俺の分はどうしようかと思っていると、森の中の木に見慣れたものを発見した。夕日に照らされて見づらかったが、あれは柿じゃないか!? 慌てて取りに行き【念動】で枝から千切る。


 浄化して齧り付いた俺は絶叫をあげそうになったが、何とか堪える事が出来た。口の中の物を全て吐き出した後に口の中を浄化する事によって、やっと耐え難い渋味から解放される。


 柿には渋柿があるのをすっかり忘れていた。これは皮を剥いて乾燥させ……渋柿の渋味ってタンニンだよな? 革をなめすのに必要なのってクロムかタンニンだった筈だ。


 川のバクテリアを利用したなめしは除外するとして、確かタンニンに浸けて浸透させるのが古い革のなめし方だったと思う。……タンニンはあるし、やってみるか。


 森の中を走り回って渋柿を全て【念動】で手に入れる。次に小壺を取り出して、渋柿からタンニンと僅かな水分のみを【抽出】して入れてゆく。どんどんと【抽出】していき、小壺3つ分も取れてしまった。まあ、利用する事もあるだろう。


 一旦タンニンは置いておき、次は邪生の解体をする。解体が終わったら皮を取り出して、肉の部分などの要らない部分を全て【分離】する。


 その後、濃いタンニンに対して【浸透】を使う事で、強制的に満遍なく浸透させる。【念動】で揉みながら【熟成】を使い変化させて、最後に【乾燥】を使って革の完成だ。


 皆にも触ってもらったりしたが、ちゃんと革になってるっぽいのでこれで良いだろう。流石は邪生の革というべきか、色が灰色なのでコレじゃない感が強い。残りの皮も革にしたいが、そろそろ夕食の準備を手伝わないといけない。


 チャパティの生地は皆が作ってくれているので、後はバーベキュー用の肉と野菜と心臓を出すだけだ。先に心臓を出して9等分し、皆で食べたが魔力と闘気がほんの僅かに増えただけだった。


 その後、肉に香辛料を振って野菜と一緒に焼いていく。殆どの肉は下から薪を燃やして焼いているが、大きい肉は【加熱】で中から焼いている。


 結果として大きい肉の方が早く焼けてしまった。チャパティを千切って食べながら、【分離】を使って一口大にした肉を食べる。


 邪生の肉はやっぱり美味しい。何度食べても美味いと思う不思議な肉だが、皆も同じ気持ちらしい。何故か飽きないんだよなぁ……。危ない成分とか含まれてないよな?。


 ダリアも猛烈な勢いで貪っているが、途中でちゃんと箸休めの様に野菜を食べている姿に少し笑ってしまった。フヨウの方は大きい肉だろうが何だろうが、豪快に溶かして食べている。そんな姿を見ながら皆と今日の事を話す。



 「それにしても皇帝の直轄地は酷かったな。建物の調和がまるでとれてないし、適当に新しい建物を建てました、さぁ田舎者よひれ伏せ! という卑しさ丸出しだったぞ。皇帝もあんな感じなのか?」


 「さぁ? 今代の皇帝にはアタシも会った事が無いからね、どういう人物なのかは分からないよ。ただ、昔はあんな感じの町じゃなかったんだけど、いったいいつからああなったのかはアタシにも分からないよ」


 「私も同じですね。90年ほど前に来た記憶はありますが、皇都までは行っていません。ただ、直轄地の町並みは昔ダナと来た時と同じだった筈です」


 「私が来たのも100年以上前ね。私の記憶でも、あんなおかしな町並みではなかったわ。もっと調和がとれていて綺麗な町並みだったと記憶しているけど……」



 昔と比べるとやっぱりおかしいんだな、あの町並み。



 ▽▽▽▽▽


 0523終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨145枚

 大銀貨515枚

 銀貨242枚

 大銅貨449枚

 銅貨220枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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