0522
俺は今現在3度目の料理中だ。元々4人分ぐらいしか作れなかったので肉も一緒に焼いてたりするんだが、スパゲッティが好評すぎて3回目の料理中なんだよ。もう少しで完成するから待ってくれ。何故かダリアとフヨウからの催促が強い。
2匹とも俺の足をペシペシ叩いて催促してくるもんだから困っている。何が琴線に触れたのかは知らないが、そこまで気に入った理由を俺は知りたいよ。
よし、出来た。御蔭で随分と冷凍野菜が減った。もしかしたらだが、若干スープパスタっぽくしたのが良かったのかもしれない。
干し肉の旨味が聖水に良く出ていて、味が濃いから気に入ったんだと思う。実際、フォルはそれで気に入ったと言っている。他のメンバーは、簡単に出来るのに美味しいとの事だ。
……1人料理が出来ないのが居た様な気がするが、怖いので口には出さない。
皆は満足そうな表情で食事を終えた。食べっぷりは見事だったが作るほうは大変だよ。特に多めに作ってもらっていた生地が全部無くなるとは思わなかった。まだ殻付きの小麦は残っているからいいけど、野菜の消費が多いのがネックだな。
水の季節に近付いているので、野菜の値段が上がっていくだろう。今の内に買い溜めしとこうかな? 冷凍しておけば長く保つし、新鮮な野菜を買いながら進んでいけばいいだろう。
それに俺達が買う事で値上がり幅が大きくなるかもしれない。帝国に対するしょうもない攻撃だが、火が着くと高騰する攻撃でもある。
まあ、上手くいく事も無く、簡単に抑え込まれるだろうけど。でも、やって損は無いという意見で全員が一致した。次の村から皆で入って野菜なんかを購入していこう。
さて、それじゃあ、そろそろ出発しようか。俺達は立ち上がり身体強化をして走っていく。ちなみに、ダリアとフヨウは誰かの首に巻き付いている。そんなに重い事も無いので、この方法が1番手っ取り早い。
ロクド山のこちら側は、また別の貴族の領地らしいが名前を聞いていない。ただ、村の名前は聞いていてメヘルの村というそうだ。
そこへ向かって走っている訳だが、向こうでは石や岩が多かったのに、こちらは荒野の様相だ。色々変わりすぎな気がするんだが、自然というのは案外こんなもんか。
水分量が足りてなさそうなところは変わらないが、それ以外は違う印象を受ける。ダンジョンの中の荒野とも違う、本当の荒野を強く感じるな。
空気が乾いているのを肌で感じると言えばわかるだろうか? ダンジョン内の荒野は乾いていない見た目だけの荒野だと言えるだろう。実際の荒野に来ないとこれは感じられないな。
向こうは崖に挟まれた石や岩の景色だっただけで、空気がこちらほど乾燥してはいなかった。こちら側では本当に水不足が深刻なのかもしれない。野菜は買えないかもしれないと思いながら走っていると、目的地のメヘル村に辿り着いた。
登録証を見せて中に入り宿を探すと空いていたので、3部屋を大銅貨12枚で取る。3人部屋が3つしか空いていなかったし、7人部屋なんてそもそも無かった。
夕方には早いが、今日は山越えだったのでゆっくり寝たい。そう思って早めに宿に来ておいて正解だった。俺達で宿の部屋は無くなってしまったからだ。
皆を連れて村の中を回り、農家から野菜を売って貰った。それなりに売ってもらう事ができて、全部で銀貨1枚を支払う。
村の中をウロウロしながら浄化したものの、大して見るところは無かった。荒野の割りには地下水はあるらしく、井戸には普通に水があった。
ただ、村人に聞いてみると、北の村は水が少なくて大変なんだそうだ。どうも蛇行する感じで地下水が流れているらしく、主要な町は蛇行した形で作られているらしい。
東に町はあるが結構遠いらしく、間に村が一つあるだけだと教えてくれた。東の村も水不足に悩んでいるが、溜池を増やしたのでマシになったみたいだ。
夕日が出てきたので宿に戻り、大銅貨9枚を支払って食事にする。夕食を食べていると、突然傭兵が8人ほど宿に入ってきた。
そいつ等は宿の部屋が無いと聞くと何とかしろと騒いでいる。他の客も無視しているが、何故か俺達に目を付けたらしく、こっちに近付いてきた。
「アンタ等ここに泊まっている奴等か?」
「だとしたら、何だ?」
「へー……、俺達に部屋を譲ってくんねぇか?」
「いいぞ。十倍の値段を俺達に払うならな」
「なっ!? ……おい、ニイちゃんよ。あんまりフザケてっと」
調子に乗っているアホに対して、俺は魔力と闘気を使った威圧を叩きつけた。どちらがふざけているのか、正しい立ち位置を教え込む為だ。
「で? さっさと十倍払うか、”消える”か選べ」
「あぐ……う……は、はら、払います」
アホは大銅貨120枚、つまり銀貨6枚を支払ってきたので受け取って、宿の人に部屋のキャンセルを伝えて金を返して貰った。宿の人は真っ青な顔で怯えていたが、俺達は出て行くので別に良いだろう。
食事は終えていたので皆で宿を出る。ゆっくりと眠りたかったが、あんな奴等が居たんじゃ安心して眠れない。正直に言ってカマクラの方が安全なくらいだ。
ああいう奴は逆恨みで何をしてくるか分からないからな。大した実力は無いとはいえ、警戒に余計な力を使うのも面倒だ。
そんな事を皆に説明しながら村の外に出る。こんな時間に外に出るので門番に随分止められたが、俺達は大丈夫だと言って外に出た。【光球】を使いながら移動して、ある程度村から離れたらカマクラを作り中に入って閉じる。
皆も疲れてたんだろう、思い思いに寛いでいる。皆も、ああいう絡んでくる輩が居る宿よりはカマクラの方が安全なのは分かっているので、そこに文句は無いらしい。ただ、鬱陶しく絡んでくる輩はこの先増える可能性が高いので、それが憂鬱な様だ。
皇都に近付けば近付くほど、ああいう馬鹿な手合いが増えるのは当たり前とも言える。仕方がないとはいえ面倒な事に変わりは無い。そんな事を話していると、ダリアとフヨウは身を寄せ合う様にして眠っていた。
昨夜は酒を飲んで撃沈していたからか、即座に中央へ連れていかれたが【鋭覚】と【精気】で大満足させておく。俺も横になり皆を浄化したら、さっさと寝てしまおう。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界212日目>
おはようございます。今日も東へと進んで行きますが、早く帝国を脱出したいです。左右に広い国土だって言うけど、それ以上に妙な山だったり、曲がりくねっていたりと面倒な地形が多い国だと思う。事前情報だけじゃ分からない面倒臭さだよ。
この国のダンジョンも見事にバラバラで、既に一つのダンジョンは通り過ぎていたりする。ロクド山の手前にあるシャルマの町の近くにダンジョンはあったんだが、いちいち面倒なので寄らなかったんだ。
それに、そんな所で遊んでる暇は無いし。さっさと移動しないと余計な奴等を差し向けられる。今日一日で皇都の近くまで行くか、通り過ぎる事は可能な筈なので、一気に駆け抜けてしまいたい。
……あれ? 随分珍しいな。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「………」
「まさか、私達の方がダリアやフヨウより早いとはね。前に一度あったけど、珍しい事もあるもんだ。寝坊する程だから、良く眠れたんだろう?」
「ニャー……」 「………」
「まだちょっと眠いんでしょうか? 特に問題は無さそうですが。そろそろカマクラの外に出て、朝食の用意をしなければいけませんね」
皆も色々シュラに言いたいのだろうが、誰一人ツッコミを入れる事も無く、俺が開けた入り口から外へと出る。焼き場を作り焼き網を出したら、いつも通りチャパティを作ってもらう。皆も慣れたものでさっさと練ってくれた。
干し肉を戻し焼き網で焼いてもらいながら、俺の方は寸胴鍋でかす肉と冷凍野菜を煮込む。【熟成】などを使いながら5分ほど煮込めば、あっと言う間にトロトロに煮込まれたスープの完成だ。今日の朝はタコスとスープで良いだろう。
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0522終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨145枚
大銀貨515枚
銀貨245枚
大銅貨458枚
銅貨220枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




