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0518




 「今日で多少進む事が出来たけど、帝国を横切るにはまだまだ時間が掛かりそうだね。アタシ達の速さでも、今日を含めて5日は掛かるんじゃないかな? まあ、それでも十分過ぎる程に速いんだけどさ」


 「そうですね。昔帝国の東の端まで行くのに13~14日掛かりましたから、それに比べれば圧倒的な程に速いんですけど。それでも今の状況だと、少し急いてしまいますね」


 「帝国を4~5日で横断するって、知らない人に聞かれたら笑われそうな話よね。嘗ての私に言ったら鼻で笑いそう。でも現実に出来る事なのよね、私もそれだけ強くなったという事なんだけど……」


 「身体強化のなせる技だからね。結局はある程度までなら誰でも出来る事なんだけど、教えて貰わなきゃ出来る様にはなれないだろう。基本的な事なのに、その基本が分かって無いんだからどうにもならないよ」


 「確かにな。身体強化モドキが主流である以上は、正しい身体強化が教えられる筈もないか……。その内ガイアルム王国から広がっていきそうな気もするが、どうなのだろうな?」


 「僕は廃れると思うな。結局は人って楽な方に流されるものだよ。だから一部の人が使える技としてなら残るだろうけど、やがて消えていくんじゃないかな。教えていったとしても、一語一句を完璧に残すなんて無理だと思う。だから歯抜けになっていって、最後には意味が分からなくなって消えていくんだよ」


 「何の為の技であり、何の為の修行か分からなくなるって事か。まあ、使える奴だけ使えれば良いし、変な奴に力を与える危険性は減るだろう。それに、使い熟せても魔力や闘気が少なければ大した力にはならない」


 「ジャン達やリンデ達は邪生の心臓を食べてるから良いけど、普通の奴は使い熟せても大した事はないね。邪生の心臓を浄化するには【神聖八重浄化】を使い熟さなきゃいけないけど、それをするには人生を賭ける必要があるし、出来るようになるとは限らない」


 「仮に出来たとしても、不老長寿から比べれば強化量も強化限界も低い。ジャン達やリンデ達の魔力や闘気はダナ達の半分以下しか無かっただろ? あれでも普通の奴等からすれば多いけど、俺達にとっては大した量じゃないしな」



 皆と話していると、俺の胡坐の中でダリアが寝ていた。久しぶりだな、この状況。カエデを連れていく様になってから、長い事お姉さんぶって来たからか甘えたいんだろう。とはいえ、結局は【念動】で移動させる事になるんだけどね。


 中央に連れて行かれたが、【房中術】と【至天】で帰って来れなくしておく。【空間把握】を使って完璧に【浄化】したら、【探知】も使って外を確認する。異常は無く、妙な連中もいないので安全だ。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界210日目>



 おはようございます。今日も東へと移動をしていきます。いつの間にかダリアとフヨウが引っ付いてるが、夜中に起きて移動してきたのかね? とにかく起き上がる為に【念動】で少しズラして……っと、上手くいったな。


 【空間把握】で外を確認したが、曇っているだけで雨は降っていない。地面も濡れていない様なので、夜中に雨が降った訳でもないらしい。これなら今日も移動出来そうだな。カマクラに入り口を開けて外に出たら閉じる。


 朝だから寒いが、身を切る程の寒さじゃないので厳しくはない。この感じだと朝はタコスでいいか。


 昨夜と同じ様にチャパティを作っていると、カマクラからガリガリと音が聞こえてきた。どうやらダリアが爪で引っ掻いているらしい。入り口を開けてやると直ぐにダリアとフヨウが出てきた。



 「おはよう。ダリア、フヨウ」


 「ニャー」 「………」



 2匹の水皿に温めた聖水を入れてやり、チャパティ作りの続きをする。練った生地を寝かせて【熟成】を使ったらアイテムバッグに仕舞っておく。


 寸胴に聖水を入れて沸騰させたら冷凍野菜を入れて煮込んでいく。そうしていると皆も起きた様で、カマクラの入り口が崩れた。綺麗に崩れてはいないので、フォルはまだ上手く使えないらしい。



 「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」


 「おはよう、皆」 「ニャ」 「………」



 皆が起きたので、早速チャパティを焼かせる。寝かせていた生地を円形に【変形】したら、自分の分を焼いてもらい、その間にスープを完成させる。


 塩と胡椒モドキで味を整えたら、最後に溶き卵を入れて少し煮込めば完成だ。チャパティも焼けた様なので次は干し肉だ。


 干し肉を戻して皆に焼いてもらう。戻した干し肉って、何だがベーコンっぽくなるんだけど【錬金術】を使ってる所為かな?。


 それはともかくとして、焼いて貰ってる間に冷凍野菜を解凍して準備をしておく。焼けた肉をチャパティの中央に置き、周りに解凍した野菜を置いて半分に折り畳めばタコスモドキの完成だ。


 サルサソースなんて気の利いた物は無いので、薄めた魚醤を掛けて食べる事にした。メキシコ人が見たら激怒しそうだが、この世界には居ないから怒られる事も無い。椀にスープを入れたら朝食を始めよう。


 朝食を食べて体が温まったら少し落ち着いてから出発する。それまで雑談をしているんだが、この先の道程が厄介である事を教えられた。



 「帝国の国土は左右に広いんだけど、その中には山が2つあるんだ。その2つの山越えが結構大変なんだよ。帝国軍が間引きをしているとはいえ大きい山でね、魔物が襲ってくる事で有名な山なのさ」


 「帝国の西と東にそれぞれあるんですが、どちらも忌み嫌われている山ですね。多くの者が魔物に襲われて亡くなったのですから当然でしょうが、私達ならそこまで苦労はしないでしょう。道もありますし」


 「それよりも帝国の皇都近くの方が危険じゃないかしら? 私が持っていた装備は皇都で昔買ったんだけれど、あの当時も厳重に取り締まりがされていたわ。皇都近くは迂回した方が良いと思うのよね……」


 「確かにメルの言う事には一理あると私も思うよ。皇都はガイアルム王国の王都と同じで、周囲が皇帝の直轄地だ。そこの警備は厳重で今も厳しく監視されていると聞くし、主様が居る事に気付かれると面倒でしかないからね」


 「となると、一番良いのは皇都に近付かず北か南からの迂回だな。西からでも東からでも皇都に繋がるように道が作ってあった筈だ。そこを意図的に外して進むと、逆に目立つかもしれないが……」


 「見つかったら、見つかった時だよ。僕達なら蹴散らせるし、逃げるのも簡単さ。更に僕達の足の速さに追いつける訳も無いしね。その皇都とやらの近くになったら、多めに食糧を買っておけば大丈夫」


 「フォルの言う通り、今から悩んでも仕方がないし、バレたらバレた時だ。俺達の場合、追いかけられても逃げ切れるというのが大きい。帝国は馬の産地だと聞いたが、その馬ですら俺達より遅いんだからな」


 「まあ、確かに逃げられるなら問題ないか……。食べる物はあるし、最悪は何日か肉だけになるぐらいだと考えたら、あんまり深刻な事態じゃないね」


 「ですね」



 皆も心配はあったんだろうが、そこまで心配しなくても良い状況だと気付いた様だ。この世界の馬は足が遅い分、山地でも駆け上がれる足が太い種だ。もちろんサラブレッドタイプも居るんだろうが、少なくとも帝国に居ない以上は逃げるのは難しくない。まあ、アレも山に逃げてしまえば追ってこれないだろうが。


 さて、そろそろ出発するか。俺はカマクラや焼き場などを全て壊し、綺麗な更地にして走り出す。魔道具を使い邪気を吸引しながらなので移動は全力ではないが、出来る限りの速度を出す。イラサの村の近くから出発だが、次はエットーの村を目指す事になる。この辺りは村も疎らにしかない。


 何故か聞いたら、水が原因で多くの村が作れないらしい。そういえば帝国って、周辺の国より水が少なかったんだった。水が少ないと農作物が多く作れないからな。南の川が大きな水源か?。



 ▽▽▽▽▽


 0518終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨145枚

 大銀貨515枚

 銀貨241枚

 大銅貨476枚

 銅貨220枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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