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0515




 「皆、おかえり! 帰ってきて直ぐのところ悪いんだけど、ちょっと聞いていいかい?」


 「うん? トーカがそんな顔をして聞いてくるって珍しいね。困惑してるっていうか、随分珍しい表情してるけど……どうしたんだい?」


 「えっと……実はね。商業国家マールの東にある国が、マールを攻めたらしいんだけど……皆の感じだと知らないみたいだね。援軍として、お国の軍も派遣されてるって話もあってさ、どうなるのかと村の皆で話してたんだよ」


 「マールの東という事はバロッサですか……。確かにマールに行った時に、バロッサが攻めてくる可能性は高そうでしたけど……。やはりと言うべきなんでしょうかね?」


 「新興の国っていうのは、領土への野心を隠せないものなのね。それとも蛮族国家の後継を名乗っているから、最初から隠す気は無いのかしら? どちらにしても戦争を始めた事に変わりは無いけれど……」


 「なぜ今になって? という疑問はあるね。私達がマールに居た頃も十分好機だったと言えるし、なぜ今というタイミングで攻め込んだのかは、ちょっと気になるところだよ」


 「普通の国ならば勝てるという見込みが立って準備が整ったら、自分達にとって都合の良いタイミングで攻めるだろうな。蛮族国家が普通の国と変わらない戦争知識なら、今が都合が良いタイミングなんだろう。違うなら、蛮族国家の裏に別の国でも居るのかもしれない」


 「そっちの可能性の方が高そうだけどね。確かバロッサの策は皆が潰したんでしょ? となると、普通は当分手を出さないよ。建て直しも含めて時間が必要だろうし、相手の国には警戒されてる。上手くいく様なタイミングじゃないよね?」


 「それもあるが、微妙に川を隔てているが帝国が協力する事は可能なんだよな。俺としてはそっちの可能性も否定できないと思う。バロッサに協力する裏取引があったんじゃないかと……だからバロッサは強気に出た。そんな感じじゃないかね?」


 「確かに向こうの川は狭いし渡りやすいだろうけど、帝国がわざわざそんな事をするのかい? 今度はマールが帝国を恨むだけだろうに、あの国も懲りないねぇ」


 「そうじゃない。俺が考えてるのはバロッサを手に入れる事だよ。マールと戦争をさせて疲弊したバロッサを帝国が攻め獲る。所詮は裏取引だし証拠は残してないだろうからな。王国、つまり西は諦めて南に標的を変えたんだと思う」


 「ああ、成る程。主様が仰る通りシンプルに考えるなら、標的を変えただけとも取れるね。帝国こそ領土への野心が大きい国と言えるけど、あの国はそれが国是という部分もあるから、仕方がないのかもしれない」


 「元々複数の小国が連合を組んだのが始まりと聞いた事があるけど、それかい?」


 「トーカの言う通り、あそこは周りの国から脅かされていた小国が集まって出来た国なんです。今の皇帝は知らないでしょうが、かつては攻められない為に攻めていた国だったんですよ」


 「攻められない為に攻める……それって、その内に限界が来そうな気がするんだけど、私の気の所為かねぇ……」


 「そんな事は無いわよ。実際に今の帝国は限界に近いわ。膨らみ過ぎた国は破裂するだけなんだけど、それは外から帝国を見てるから分かる事なの。果たして内に居る者達が理解してるのかどうか……」


 「そう考えると、アルドが帝国の裏組織を潰していったのが運命の分かれ道だったのだろうな。アレが無ければ帝国はもう少し保ったのかもしれない。まあ、アルドがやらずとも、何時か誰かが同じ事をやっていただろうが」


 「そう考えると面白いよね。帝国にとっては裏の組織が潰れただけだから痛手ではあるけど、運命が決まるなんて考えてもいなかった筈だよ。後から考えると、そこで王国を攻める運命は尽きたって事になる」


 「後は、帝国がゆっくり萎んでくれるか、大爆発の様に破裂して周囲に迷惑を掛けるか。そのどちらかだな。どっちにしても迷惑ではあるが、大爆発は迷惑過ぎるぞ」



 とはいえ、俺としては軟着陸を目指すとは思うけどね。南を攻めているが、蛮族国家の後継を名乗る国の民が簡単に従う筈がない。


 必ず帝国の足を引っ張り続けるだろう。蛮族国家の跡地に足を引っ張られ続け、帝国が疲弊していくのは目に見えている。その過程で、帝国という国は身の丈まで萎んでいく気がする。


 どのみち、どんな事でも限度というものがある。それを越えれば何処かに歪みが出るのは当然だ。帝国が大きくなり続ければ、何時かはこういう時が来る。これも神殿と同じだろう。今の皇帝が生まれた時には、とっくに手遅れだったという事だ。


 帝国が本当に南を攻めるのなら、その隙に帝国を横断できないもんかね? チャンスだと思うんだが、そうそう甘くないか?。


 俺達は不老長寿ではあるんだが、いちいち待たされ続けるのも業腹だしな。それに、この星は地球よりも大きいと神様達から聞いている。だからこそ、色々な所を旅してみたいんだよ。


 で、それには帝国が邪魔だとなる訳なんだが……動くなら、早く動いてくれないもんかね? どう動くかは結局のところ分からないが、混乱はせずとも浮ついてくれれば通過できる可能性は高くなるんだが。



 「随分考え込んでるけど、やっぱり帝国を越えて東へ進む気かい?」


 「ああ。ダナも知ってるが、俺の使命としても色々な所を回らなきゃいけない。一ヶ所でジっとしている訳にはいかないんだよ。様々な場所を巡って【浄化】していかなきゃ、神罰を落とされても文句は言えない」


 「確かにそうですね。神罰を考えるとジっとしている訳にはいかないでしょう。私は何処に行くにしてもついて行きますけど、皆はどうします?」


 「アタシに聞く必要は無いよ。ついて行く以外に選択する気も無いからね。最初から言ってる通り、絶対に逃がさないよ」


 「私もついて行くわ。元々寿命はそこまで残っていなかったのに、急に不老長寿になってしまったし。それに村長も継がせたから、村でやる事も無いのよね」


 「そもそも私もシュライアも主様と契約をしてるんだ、離れるなんて事はありえない事さ」


 「私も同じだな。まぁ、帰る所も無ければ念神様からの命でもあるし、何より私自身が離れる気が無い。それに修行も全く終わっていないしな」


 「僕も同じだよ。孤児院の皆は助けられた様だし、これで僕のするべき事も無くなった訳だしね。最近は、そろそろ自分の好きに生きて良いんじゃないかと思えるようになったよ」


 「帝国を突破して東へ進むのはチャンスが来たらであって、今すぐって訳でも無いしな。とはいえ、決めておかなきゃいけない事でもある。当然ながら、ジャン達やリンデ達は連れて行かないからな? という事で、全員紙を買ってきて、この紙束を写しなさい」


 「「「「「「「えっ!?」」」」」」」


 「早くやれ!」


 「「「「「「「はいっ!」」」」」」」



 7人は紙とインクを買ってきて、必死になって写し始めた。既に王都の奴等は写しているが、ジャン達やリンデ達には写させていなかったんだ。


 面倒臭がったので放っておいたんだが、いつ俺達がいなくなるか分からないので、今の内に無理矢理にでも写させておく。


 大銅貨18枚を支払って夕食を食べた後も頑張って写している。1人につき1種の魔法を写しているので、今日中には何とか終わると思ってるんだが、どうなるかね?。


 折角なので作った脂蝋燭を使ってみたが、周りに美味しい匂いを撒き散らして集中を乱す厄介なシロモノだった。


 しかも融けるのが早く使い勝手が悪い事も判明してしまい、今は陶器製の椀に入れて温めてから使っている。行灯に近い使い方だが、こっちの方が安定しているのでしょうがない。


 やっぱり使ってみないと分からない事って多いなぁ。ちょっとだけ勉強になった。


 下らない事を考えながら見守っていたら、そろそろ宿を閉める時間になったらしい。女将さんが入り口の方に行き……ビックリしたなぁ、もう。


 バンッ!! という音と共に誰かが入ってきたんだが、肩で息をして上手く喋れないみたいだ。



 ▽▽▽▽▽


 0515終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨145枚

 大銀貨515枚

 銀貨241枚

 大銅貨503枚

 銅貨220枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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