0514
傭兵どもが必死に勧誘しているのを横目に。俺は隙を突いて部屋へと戻った。面倒なのに絡まれてるが、ジャン達の自業自得という事で諦めてもらおう。
人は善意だけじゃないからな。善意で助けたらおかしいのが引っ付いてくる、そういう経験もジャンには必要だろう。
【空間把握】は使っているので、危険な事があれば助けてやれるし、宿は借り上げているので奴等が泊まれる部屋は無い。だから安全は担保されている筈なんだが、一応確認だけはしておかないと。何をするか分からない奴も世の中には居るからな。
あの傭兵どもが全員男だったのも警戒する理由の1つだ。男よりも強い女性が多いものの、酒なんかで隙を作られると反撃出来ない事もある。
だか……ウチの女性陣がウイスキーを飲ませてるんだが? あーあー、前後不覚に陥ってるぞアイツ等。強い酒を飲んだ事が無かったんだろう、煽られるままに一気飲みするからだ。
急性アルコール中毒になってなきゃいいけど。綺麗な女性に煽てられて一気飲みか、怖い事をするもんだ。
とはいえ、しつこくするから一気飲みさせられたんだし、ああなっても仕方がないわな。泥酔してるから反省も出来ないだろうし、絡んできたら酒を飲ませればいいか。
酔っ払いに絡まれたら、キツい酒で潰してしまえば良いって事か。俺が持っているミードも使えそうだが、ここはキツい酒を用意しておくべきかな?。
まあ皆が持ってるし、俺が用意する必要も無いか。作るならウォッカぐらいキツい物を準備しておくべきだな。火炎瓶としても使えるだろうし、損は無い。
おっと、完全に酔い潰してしまったらしい。食堂で男5人が酒に呑まれて撃沈していて、お開きになった様だ。
女性陣と4匹は部屋に戻ってきた。実は4匹も酒を貰ってチビチビと飲んでたんで、既に千鳥足になっている。部屋に帰ってくるので限界だったらしく、3歩ほど歩いたら横向きに倒れて寝てしまった。
【念動】でスライド移動させて4匹を1塊にしたら、女性陣を【房中術】と【鋭覚】と【喜昇】で撃沈する。布団に横になり目を閉じてから、【空間把握】を使って2部屋を確認しておく。両方問題ないが浄化は出来ないので、さっさと寝る事にした。
それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界208日目>
おはようございます。ダンジョンが縮小したらしいので、北の侯爵領に居る必要も無くなりました。ルーデル村に帰っても良いんだが、どうしようかな? ……帰るか。ここに居ても仕方がないし、大して稼ぐ事も出来ないしな。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル、フヨウ」
「ニャー」 「グル」 「ワン」 「………」
4匹に温めた聖水を出してやり、ボーっとしていると加熱機が止まった。1個の魔石で一日ぐらい保つか、十分過ぎる性能だな。部屋全体を温めた方が良いし、これをもう1個作って2台で運用するか。じゃあパパっと作りますかね。
……よし、完成だ! もう1つの送風機に取り付けてっと。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャ」 「ガゥ」 「ワフ」 「………」
「今日もそうだけど、これからどうするんだい? ダンジョンは縮小したみたいだし、領都に居ても稼げないと思うんだけど……。王都に戻るか、村に戻るかを決めるべきじゃないかい?」
「ルーデル村に戻ろうと思ってる。王都のダンジョンは行っても仕方がないし、村の方が稼げる。ジャン達の将来の事を考えると、村に貢献させるのが1番良いだろう。仲間外れにはされないだろうが、恩を売っておいて損は無い」
「村の者達も皆が良心的では無いわ。だから恩を売っておくというのは正しいやり方よ。頑固な者が居ても周りが認めてるなら文句までは言わないもの。どれだけ頑固でも、自分が仲間外れにされるのは怖がるものよ」
「それはそうでしょうね。皆で生きているというのは、頑固な者であろうが変わらない事です。大多数の和を乱すのならば、自分が外されるというのは当然の事。王でさえ子供に退けられる事もあるのです、一村人が好き勝手に出来る筈がありません」
「小さい村だから好き勝手に出来る場合もあるけれど、ルーデル村は規模が違うからね。あれは規模だけなら完全に町だから、好き勝手に出来る大きさを越えているよ。本当に好き勝手に出来る大きさって、多分だけど集落ぐらいだと思う」
「私の故郷は確かに好き勝手にされたな。結果的には良かったのかもしれないが……。良くも悪くも、誰かが破壊しなければいけなかったのかもしれない。最近、そう思うようになった」
「僕は、何となく分かるかな。神殿も誰かが壊さないと変われなかったし、そういうものなんだと思う。汚れが澱んで固まるように腐敗していったんだよね。そうなる前に誰かが綺麗にしなきゃいけなかったのに、僕等が生まれた時にはもう遅かった。だから、仕方がないんだよ」
「考えても仕方がない事は考えるな。後悔したところで未来が良くなる訳でもない。後悔するより反省しろという言葉もある。ただ、フォルも言ったが、生まれたときに手遅れだと何も出来ないからな……。本当に考えるだけ無駄だ」
「まあ、解決出来ない事なんて幾らでもあるからね。無理なものは無理さ。数百年生きていると、良く分かる事だよ」
朝から何とも言えない話をしながら、部屋を全て片付けて食堂へと移動する。ジャン達もリンデ達も【覚醒】で起こしたから、もう少しで起きてくるだろう。
厄介な事に、食堂には昨日の傭兵どもが床で寝ていた。コイツ等が居ない間に領都を出たかったんだが、しょうがないな。
傭兵どもを【念動】でスライド移動させて、食堂の隅に押し込む。従業員に大銅貨18枚を支払って朝食を注文するのと同時に、今日宿を出る事を話す。
返金は不要だと言い、ダンジョンで稼げなくなったから移動する事を説明しておいた。これで宿の持ち主に話しを通してくれるだろう。
ジャン達とリンデ達も部屋を出てきたので、部屋の荷物を全て片付けてくるように言っておく。それだけで今日領都を発つ事が分かったらしい。2組ともキッチリ片付けて部屋を出てきた。丁度同じタイミングで朝食が来たので、食事を始める。
食事後、宿を出発し領都の門で登録証を見せたら、領都を後にする。あの傭兵どもに絡まれずに済んで良かった。今の内にさっさと移動しよう。俺達は領都から少し離れた所で身体強化を使い一気に走っていく。
南に進み、ナームの村、ノースアルム、王都、サウスアルム、領都ディムアスト、ナイダの村、ロワの村、ゴードの町へ昼食の為に入る。大銅貨18枚を支払い食堂で昼食をとったら、再び移動を開始する。
シグの村、サングの町を越えてルーデル村に到着した。相変わらずだが、1日の移動距離としては明らかにおかしい。ここまで走ってきたザラとエイルズも呆然としている。
自分達の足で走ってきたが信じられない思いなんだろう。気持ちは良く分かる。俺も慣れたとはいえ、元の世界だとありえない速さだからな。
門番である犬の獣人に登録証を見せ、村の中に入る。そんなに長い間離れていた訳でも無いのに、また少し村の中が変わっているらしい。
建物も幾つか建っていて、村を広げた所が開発されているみたいだ。この分だと畑とかも増えているんだろう。簡単には増やせないとはいえ、手を入れないと農地には出来ない。
俺達はいつもの宿へと入り女将さんに挨拶をして、10日間の部屋代である銀貨7枚を支払う。いつも通り俺達が泊まる部屋と、ジャン達とリンデ達が前に泊まっていた部屋も確保できたので良かった。
部屋が空いてなければ、小さな部屋を幾つか借りる事になってたからな。それはそれで面倒な揉め事が起こってたかもしれない。
とりあえず食堂でゆっくりとする事にした。テーブル席の椅子に座り温めた聖水を飲んでいると、女将さんが近付いてきて話しかけて来た。
今は暇なのかね?。
▽▽▽▽▽
0514終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨145枚
大銀貨515枚
銀貨241枚
大銅貨521枚
銅貨220枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




