0513
俺は! ラーメンを! 食べている!!。
何を興奮してるんだと思われるかもしれないが、久しぶりにラーメンを食べられた者の気持ちは分かるまい。いやー……美味いね! 流石はラーメンだ、素晴らしい!。
1人興奮していると妙な視線を向けられている事に気付いたので、皆に椀を出させて麺を茹でる。【加熱】を使ってさっさと茹でてしまい、魚醤とスープを入れてから麺を投入する。
後は好きに食べるように言うと、一口食べた途端「美味しい!」を連呼し始めた。そうだろう、そうだろう! ラーメンは美味いんだよ。そんな事を考えるよりも、早く食べないと麺が伸びてしまうな。
皆の分の麺も茹でながらも食べ終わり、幸せな時間は終わる。4匹にもあげたんだが、麺は食べ難いみたいで困っていた。ただ、味は美味しかったらしく、それだけに悔しいらしい。
まあ、美味しかったなら良かったし、他の皆からも非常に好評だった。料理自体は大変だが、特別な物は使ってないと知ると皆は驚いている。
まあ実際に作るとなると、燃料代が凄い事になりそうだけどね。そこは意図的にスルーしている。俺が作るなら燃料代は掛からないし、時間も短くて済む。
チャーシューとかも作りたいんだが、調味料が圧倒的に足りないし、何を使ってるのか知らないんだよな。
何となく醤油と味醂と砂糖を使ってるのは分かるが、それ以外に使ってるなら分からない。調味料が分かれば、オーク肉の水分を抜いて調味液をぶち込めば出来上がりだろう。もちろん火は通すが、概ねそんなものだろうと思う。
とはいえ醤油も味醂も無いんじゃどうにもならないし、代わりになる物も思いつかない。オーク肉は凍らせて保存したので長く保つと思うが、それでは味気無いしな。
……うん? ダリアか、どうしたんだ? あー……うん……んんー……、つまりお好み焼きを食べたいって事か? まあ、構わないが。
俺は殻付きの小麦を真っ白な小麦粉にし、スープと卵と肉と野菜を入れてかき混ぜる。出来た物をフライパンで焼いて、薄めた魚醤を塗ればお好み焼きモドキの完成だ。
ソースの作り方が分からないからモドキ以上にならないんだよなぁ。出来上がったお好み焼きは美味しそうにダリアが食べているが……分かってる、けどなフライパンは2つなんだ。だから待ってくれ。
俺は急いで焼きながら、新たなタネを作っている。どうやら皆も食べたいらしいのだが、この時間に大量に食べて大丈夫か?。
まあ、夕食を食べなければ済むだけだが……あ、夕食も食べるんですね。皆は大丈夫だろうがザラとエイルズも大丈夫かね? あの2人は太る可能性があると思うが、自己責任って事で諦めてもらおう。
俺が皆の分のお好み焼きも作り、全ての後片付けを終えた時には夕方だった。中庭に開けた穴を埋めて、部屋に戻る最中に空を見て気付いたんだ。午後からは料理をしていただけだったと。
休日の過ごし方としては退廃的じゃないだけ良いと思っておこう。午前は戦闘で午後は料理か、意味が分からないな。聞いただけだと、おかしな人生だと言われそうだ。
部屋に戻った俺は、皆の雑談に加わる。ザラとエイルズは【清潔】と【風弾】は使えるようになったらしい。周りに被害を出さない攻撃魔法として、1番威力の低い【風弾】を選んだ様だ。
【火弾】だと火事を起こす可能性があるし、【水弾】だと場所を選ぶ。【土弾】でも良かったんだろうが、誰かに当たると危ないので【風弾】にしたらしい。
【風弾】でも上手く使えば、毒コウモリを叩き落とす事は出来る。魔法は使い方と練習だ。どんな使い方をしても構わないんだが、その使い方の練習をしておかないと咄嗟の時には使えない。
結局は繰り返し練習するしかないんだが、これはどんな事でも変わらない事だ。
1階が騒がしくなったみたいなので、どうやらジャン達が帰ってきたらしい。俺達は部屋を出て1階に下りたんだが、何故かジャン達とリンデとリヴィ以外に他の傭兵も居る。
……どういう事だ? それはともかくとして、大銅貨18枚を支払い夕食を注文しておき、ジャン達に近付く。
「おかえり。お前さん達はともかく、周りの傭兵達はいったい何なんだ? と言っても5人だけだが……。もしかして舎弟でも出来たのか?」
「舎弟って……。この方々は<蒼き風>というクランの人達だそうです。実は転移紋が10層までしか無かったんですよ。10層は山だったんですが、色んなチームが転移紋を探したんですが見つからず、僕達も見つけられませんでした」
「その際に魔物に襲われて困っていたので助けたのだ。その後、一緒に転移紋を探すも見つからず、今日の事を話し合うという名目で私達が泊まっている宿に来た訳だ」
「ふーん……。しかし、10層までしか転移紋が無いなんて変だな。昨日はそれ以上あったぞ? ダンジョンが縮小でもされたのかもな。となると、ダンジョンアタックをする意味が無さそうだな」
「全く意味が無いとは言いませんが、稼げる層が無くなってしまいましたからね。別のダンジョンに行くか、村に戻る事を決めた方が良いかもしれません」
「別のダンジョンって言ったところで、王都のダンジョンは少し前まで居たしねぇ……。マールのダンジョンにでも行くかい? 香辛料を買いに行くついでに、マールの料理を食べに行くのも良いと思うよ」
「あのスパイス料理も久々に食べたいですし、向こうは香辛料の本場ですから、前に行った時とは違う香辛料もあるかもしれません。行っても良いとは思いますが、東の国が攻めてくる可能性があるのがどうも……」
「蛮族国家の後継を名乗ってるバロッサね。マールは戦争になった際には王国に援軍を要請するって言ってたけど、その交渉はされたのかしら? 香辛料の流通が回復している以上は大丈夫だと思うのだけれど……」
「アンタ等凄いな……俺達のような傭兵が知っていい事なのか分からねぇ事まで知ってそうで、何だか怖ぇよ。ジャン達の師匠だって聞いてたから年いってんのかと思ってたが、随分若いし」
「うん? 俺達は不老長寿だぞ? ジャン達は説明しなかったのか。まあ、本人のいない所で勝手に喋る訳にもいかないか」
「ええ、流石に勝手な事をする訳にもいきませんし、説明しても信じて貰えるかも分かりませんでしたので……。皆さんにお聞きしたところ、男性の不老長寿は非常に珍しいと聞きましたから……」
「まあ、そうだね。私が長きに渡って探し回る程には珍しいよ。少なくとも500年以上は探し回ってた筈さ。それでも見つからなかったのに、探してもいなかった妹があっさりと……」
「あ、姉上! 今さらですよ、今さら! すでに契約は成っているんですし、血神様から認められているんです。もう怒る事なんて何一つありませんよ!」
「急に横から出てきた者に奪われたのなら、怒るのは仕方がないと思うがな? とはいえ、既に終わった事である事も間違ってはいないのだが。たまに思い出したように言うぐらいは、諦めるしかないんじゃないか?」
「僕も仕方がないと思うよ。いきなり横から出てきて持って行かれたら、そりゃ激怒するよね? 怒らない方がおかしいし、ディルの言う通り諦めるしかないんじゃないかな」
皆は夕食を肴にして酒を飲んでいる。正直に言って、酒飲みが大量に居るここから早く離れたい。
にも関わらず、知らない傭兵どもが無駄に絡んできてウザい。コイツ等どうもジャン達の力を見て、自分達のクランに引き入れたいらしい。必死にジャン達にアピールしているが、ジャン達はスルーしている。
特にリンデとリヴィは綺麗に流してるなぁ。流石は王女様としか言えないほどに綺麗な流し方だ。強引じゃないから、相手も一定以上突っ込めない。
鬱陶しい貴族どもを相手にしないと身につかない技だな、アレは。俺は身につけたいとも思わないが、生まれた時から身につける事が決められてるんだよな。
こういう時には役に立つんだろうが、やっぱり権力者やその血筋は大変なんだと分かる。頼まれてもゴメンだな、俺は。
▽▽▽▽▽
0513終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨145枚
大銀貨515枚
銀貨248枚
大銅貨557枚
銅貨220枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




