0510
<異世界207日目>
おはようございます。今日はゆっくりしようと思います。昨日はモグラ退治まで頑張ったんだから、今日は無理にダンジョンに行かなくてもいいだろう。椅子に座り聖水を飲みながらゆっくりとする。
今日は……あっ、そうだ! 言われていた部屋を温める魔道具でも作るか。だが、部屋を温める魔道具なぁ。エアコンみたいに温風を出す物か、それともストーブみたいな物か……。
結構悩むが、俺的にはエアコンかな? 前に作った送風機の後ろに、【加熱】の魔道具をくっ付ければ良いだけだ。
超魔鉄を使って四角い筒の様な物を作り、その内側の面に【加熱】の魔法陣を刻む。その上から超魔鉄で薄く被覆して、上に魔石を置く部分を作れば完成だ。
アイテムバッグから送風機を取り出して、送風機の筒の後ろに加熱機をセットする。加熱機を起動したのち送風機を起動すると、温風が出てくるようになった。このまま使って様子を確認するのと、魔石がどれくらい保つかを見ないといけないな。
「おはよう。ダリア、カエデ、マートル、フヨウ」
「ニャ」 「グル」 「ワン」 「………」
4匹に聖水を出してやるが、4匹は聖水を飲みながらも、チラチラと加熱機の付いた送風機を見ている。今まで無かった物が急に現れたら、気になるのも当然か。
とはいえ、温かい空気を出しているのも分かるんだろう、飲み終わる頃になると気にしなくなった。
今日はゆっくりする事を言っておいたからか、4匹はまた眠り始めた。なので、寝るなら朝食を食べた後にしなさいと言っておく。流石に朝食を逃すのは嫌なのか、起きておく事にしたらしい。
「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」
「おはよう、皆」 「ニャー」 「ガオ」 「ワフ」 「………」
「今日はどうするんだい? 昨日最奥まで行ってアレだったからねぇ……。今日また行っても竜はいないだろうし、休みでも良いんじゃないかい? アタシ達もお金は大分回復したしね」
「そうですね。私達は元々お金も持っていましたし、使うのはお酒ぐらいでしたから。あの子達みたいに、将来の為に稼がなきゃいけない訳でもないですし、十分なお金は残しています」
「昨日のダンジョン攻略でも高値で売れる魔物は、全部ジャン達やリンデ達にあげちゃったものね。あれで足りるのかは分からないけれど、足りないなら今日は自分達の力で行くべきよ」
「ザラとエイルズの2人は、私達で鍛えてあげても良いかもしれない。あの2人が正しく魔法を使えれば足を引っ張る事も無いだろうし、何より吸血鬼族としてはちょっと許せないんだ。もうちょっと頑張ってもらわないといけない。あの子はシャンティの子孫だからね」
「私は昨夜と同じ様に【念動】の練習だな。どうしても繊細な力加減が難しい。それが出来る様になれば、現在最難関と言える【探知】の訓練に入らないといけなくなるが……」
「僕は相変わらず【錬金魔法】と【練成魔法】だよ。とにかく劣化するんで、どうにもならないんだ。世の中の錬金士や練成士は良く頑張ってると思う。アルドに教えられても、そう簡単に使い熟す事なんて無理さ。師が居るにしても独学にしても、本当に尊敬するよ」
「多分、世の中の錬金士や練成士は限定して使い熟しているんだろう。【変形】なら形を一つにしか変えられないとか、【融合】なら木と石だけをくっ付けるとか。多分相当に限定して使い熟しているんだと思う。でないと練習用の魔力すら足りない筈だ」
とりあえず、一旦話を切り上げて食堂へと向かう。部屋を出る前に【覚醒】を使ってあるので、7人は直ぐに起きてくるだろう。食堂で大銅貨18枚を支払い朝食を注文すると、7人は部屋を出てきた。テーブル席に座り、早速今日の予定を聞いていく。
「俺達は今日を休みにするんだが、7人はどうする? ザラとエイルズに関しては、アルメアが魔法を教えるとか言っていたが……」
「吸血鬼族として、あの子の子孫として、足手纏いになっているというのは問題だからね。私がキッチリ魔法の使い方を教えるよ。何ならエイルズはディアーナに習うといい」
「確かにそうだね。なら、エイルズはアタシが教えようさ。キッチリと使える様になるまで、徹底的に叩き込んであげるよ」
「「お願いします」」
「2人が練習をするなら、今日はお休みにしますか? それともジャン達に厄介になりますか?」
「う~ん……出来ればジャン達に厄介になりたいところだね。そこまでお金も稼げていないし、もう少し稼いで安全圏までは行きたい。まずは昨日の獲物を売ってからだけど……」
「そういえば、それがありましたか。昨日は遅かったのでアイテムバッグに獲物を入れたままでしたね。昨日の獲物だけで安全圏と言えるほど稼げたとは思えませんが、リヴィの言う通り売りに行くのが先ですね」
「僕達は問題ありませんよ。人手が増えるとその分だけ楽になりますし、お金は稼がなければいけませんが、それはこれからも変わりません。急いでも仕方がないので、急ぐ気は無いです」
「そうだな。家を買うお金は溜まりつつあるが、他にも様々な物が入用になるだろうし、お金は幾らあっても足りないだろう。こ、子供の事も色々とな///」
「まあ、そうですね。ルーデル村ではメルさんの玄孫の方が村長をされているので、魔女族としての教育を子供にしてあげられそうです。自分の子供には、魔女族として生きて欲しいですから……」
「まあ、あの子なら喜んで教えるんじゃないかしら。自分より下の子が居なくて、お姉さんぶりたい子だから。それに面倒見は良い子なのよ。ちょっと真面目過ぎるけど」
皆の本日の過ごし方が決まったところで食事も終わった。俺達は部屋に戻るが、ジャン達とリンデとリヴィは早速ダンジョンに向かうらしい。その後姿を見ながら、そういえば最初の頃、ジャンとミレイアはリンデに対して緊張していた事を思い出す。
仕方がないとはいえ、あの頃はガチガチだったからなぁ……変われば変わるもんだ。
単に慣れただけかもしれないが、それでも変わった事には違いない。まあ、緊張し続けていても疲れるだけだからな。力を抜く事も覚えるか。
さて、そろそろ部屋に戻るかな。俺が部屋に戻ろうとすると、4匹も一緒についてきた。部屋に入り魔道具を確認するが、特に問題が起きてはいなかった。流石に食事中は誰も見ていられないからな。
その間に不具合が起きたら、原因が分からない場合もあるんで困った事になるんだが、それは無かった様だ。
4匹は早速布団の中に体を突っ込んで寝ようとしている。掛け布団を取ってやり、布団に寝転がったら、上から掛けてやった。
椅子に座って温めた聖水を飲みながら、今日は何をしようか思案する。アイテムバッグの整理とかを含めて色々あるんだが、どれから手をつけようか……。
まずは、武具屋に行って作った剣を売ってこよう。俺は宿を出て武具屋へと歩いて行く。宿の従業員に聞いていたので場所は分かっている。
武具屋に着いた俺は、昨日作った剣身を売り金貨1枚を得た。1本大銀貨5枚だったな。少し安いかと思ったが、直ぐに出来る物だしモグラの爪だから諦めた。
たぶん買い叩かれていると思うが、この時代だと普通の事だ。売ったお金で果物でも買って帰るか。俺は食料店に寄って果物を見ていくが、美味しそうな物が無い。
土の季節も半分が過ぎているので、そろそろ季節の果物は終わりの様だ。ブドウや栗は残っているが、それ以外はもう残っていないらしい。
仕方がない、野菜を買って帰ろう。そう思った瞬間、目の前に大麦があった。ついでに大麦も買って帰るかと思い、野菜と大麦を銀貨2枚分ずつ購入した。アイテムバッグに収納し、宿への道を歩いて行く。
久しぶりに後ろから尾けられてるな。アイテムバッグが目的か、それとも俺の命が目的か、いったいどっちだろうな? もしかしたら両方だったりして。
▽▽▽▽▽
0510終了時点
大白金貨3枚
白金貨9枚
大金貨36枚
金貨143枚
大銀貨506枚
銀貨205枚
大銅貨500枚
銅貨144枚
神鉄の太刀
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトのサバイバルナイフ
氷擲竜の棒手裏剣
アダマンタイトの十手
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




