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0050




 部屋に戻り、装備を外して少し休息する。色々話してガス抜きをしようとするも上手くいかない。仕方なく十手だけを持ち食堂へ行く。


 食堂に入り昼食を3人分注文し、大銅貨3枚を支払う。まだシュラは怒っているが、元々バカ殿がやったのは唯のナンパだ。そこまで怒る事か?。


 そう思って聞いてみると、俺が馬鹿にされた事に怒っている様だ。俺の所為と言えなくもないのでイチャイチャして気分を解しておく。そうすると、ダナが膨れっ面をし始めた。


 ダナも巻き込んで3人でイチャイチャしていると、女将さんがニヤニヤしながらやって来た。



 「3人とも仲が良いね!」


 「当然ですよ、トーカ。恋人同士なんですから」


 「そうそう、恋人同士がイチャイチャしなくて何をするのさ?」



 今日は昼もそういう話か、そう思ったら女将さんは直ぐにどこかへ行った。昼食がきたので食べ始めると、ダナも話しを始める。



 「アタシは先祖返りだと前に言ったけど、【神眼族】はアタシしか居ないとも言えるんだよ」


 「へ? どういう意味?」


 「他の連中が使えるのは魔眼であって【神眼】じゃないのさ」


 「見える物が違ってたりするのか?」


 「ああ、魔眼の連中は大して見えないんだ。アタシは逆に見え過ぎるんだけどね」


 「ふ~ん」


 「ちなみに、【神眼】だけが金色の眼なんだよ」


 「うん? 確かにそうだな」


 「……はぁ。あのね、神様に関わりのある眼だけが金色なんだよ?」


 「うん? だから……。あれ? 俺の眼も金色なんだが?」


 「そうさ! その眼は知ってる奴が見れば簡単に分かるんだよ!」


 「それって、マズいんじゃありませんか?」


 「黄色い目の奴は居るから、無視してれば大丈夫だとは思う」



 俺も命を狙われかねないって事か、気を付けないとな。でもなー向こうから来ると、どうしようもないんだよなー。困ったもんだ。



 「だからアタシ以外の里の連中は、魔眼族と呼ぶんだよ」


 「確かに、そうだな。【神眼】を持ってないなら、別の名前で呼ばないと」


 「それとね、【神眼】は子供が継げないんだ」


 「は? なにそれ? どういう事?」


 「始祖様の御子様は、全員が魔眼だったそうだよ」


 「という事は、突然【神眼族】が生まれる?」


 「そういう事。だから生んだ親は褒め称えられるんだ」


 「しかし、それならダナ以外に居ても良さそうですが……」


 「里の連中は余所者の血を嫌うんだよ。アタシの父親は余所者だったっていうのに」


 「そういう閉鎖状態になると、血が濃くなって危険なんだがなぁ」


 「「どういう事?」」


 「血が濃くなり過ぎると、奇形児が生まれやすくなったり、病気に弱くなったり、子供が出来にくくなったりするんだよ」


 「……確かに、里では子供は中々出来なかったね。アタシの兄弟は簡単に出来てたけど」


 「吸血鬼族の場合、そもそも他種族の血を求めますから問題が無いのでしょうね」


 「俺の知ってる話だと、古代の王族は家族で結婚してたらしくて、王族が滅んで国が無くなったらしいよ」


 「里に帰る気なんて無いから、どうでもいいんだけどね」


 「帰る気が無いのですか? 故郷でしょう?」


 「帰ったって子供を作れと言われるだけさ。いや、言える奴はもう生きてないか」



 雰囲気が良くないので話を変えて、酒の話をする。2人とも昨日無くなったのを覚えていた様だ。当然のように欲しがったので、食料店に一緒に買い物に行く事になった。


 2人と腕を組み食料店に向かっていると、バカ殿達が居た。何か揉め事か? 4人の女達をバカ殿が守る形になっている。しかし相手は女性2人組なんだが、どうなってるんだ?。



 「ヘルロイ家の者が一体何の用だ! ここは我等が故郷ではないのだぞ!」


 「ロムワルの小僧が偉そうな事を……。こんな田舎を守る騎士のつもりか?」


 「ロムワル如きには、こんな田舎が似合っているのではなくて?」


 「そうだな。こんな田舎にマトモな者は来ないだろうが」



 あー……。シュラがブチギレる寸前なんだが。今日はシュラにとって厄日なのか? こうも立て続けに恥を晒す奴に出くわすなんて。



 「ほう? ゴミが何か喋ってますね。ゴミなのに口があるとは、不思議ですね?」


 「何? 貴様、死にたい様だな?」


 「「「「「シュライア様!!」」」」」


 「ほうほう。始祖の血を継ぐ私を、ドコのゴミが殺すと? 今日は大変面白い日ですね。ヘルロイとロムワルは”根切り”にしましょうか?」



 再び土下座謝罪が始まった。今回はバカ殿達は関係ない気がするんだが、吸血鬼族としての連帯責任らしい。完全に、とばっちりだよなぁ。やっぱり怒る気にならない。


 それにしても、折角機嫌が良かったのに、また機嫌が悪くなったよ。ただ今回に関しては、女吸血鬼2人をサンドバッグにしているから多少はマシかな。素手だけどボッコボコだ。


 バカ殿達の顔が真っ青なんだが……。でも魔物相手よりは遥かにマシだよアレ? 本気のはソードグリズリーの頭が陥没する威力だよ? そんな事を教えると、顔が真っ白になり震えている。


 この世界の吸血鬼って顔色が普通なんだよな。アンデッドじゃなくて、ちゃんと生きているからかな? だから感情が分かりやすい。アンデッドじゃないから忌避感も湧かないし。


 シュラは女吸血鬼2人をボコった後、村の外に引き摺って捨てに行った。バカ殿達が気絶する寸前だ。


 ヘルロイというのは、ロムワルより上の家になるらしい。しかも、あの2人はバカ殿達より強いそうだ。その2人がボッコボコにされているのを見て、気絶寸前になっているらしい。


 あの2人強いか? ただの雑魚な気がするんだが……。



 「さて、掃除も終わりました。お買い物に行きましょう!」


 「そうだね。汚れは掃除しないとね」


 「じゃあ、行くか」



 食料店で買い物をするんだが、2人は酒を作れる甘い果実や穀物を中心に樽も購入している。


 美女2人がいるので、眼福で目の保養と言える光景なんだがなぁ。酒作りの為なのを知っているので、買ってる物が酒にしか見えない。


 作るのは俺なんだが2人は満足そうだ。作るのはこれからなんだが? もう出来たみたいな顔をされても。


 食料店から出ながら酒作りの工程を考えていると、突然大きな音が木霊した。


 ドゴォンッ!!! ドガァンッ!!!。


 何だ!? 爆発音!? 村の入り口か? 一体何があったんだ?。


 俺達は身体強化をして現場に急ぐ。すると、見えてきたのは1人の女性だった。



 「ドコの愚か者ですか!? 我が従者をこんな姿にしたのは! さっさと出てきなさい!!」


 「……ハァ。出てきましたよ? フルール。……で、私をどうするので?」


 「貴様が我が!? シュライア様!? シュライア様が何故?」


 「そこの愚か者2名が、吸血鬼族の恥を晒していたので”お仕置き”しただけですよ」


 「恥を!? 一体この者どもは何をしたのでしょうか!?」



 シュラが相手の吸血鬼に事情を説明してる間、俺とダナは2人の女吸血鬼が逃げないように見張っている。見張っているものの、実際にはボコボコにされてから気絶したままだ。


 気絶中の相手を監視というのもなぁ。そう思っていると話し合いは終わったらしく、2人の女吸血鬼は引き摺られて一緒に宿に行く。……物凄く絵面が悪い!。


 偉そうな女吸血鬼は、従者という女吸血鬼2人を引き摺りながら、チラチラとこっちを見てくるんだが? 吸血鬼を惑わす血だとシュラが言っていたが、俺の血を感じ取っているんだろうか?。


 宿に帰る途中にバカ殿達もいたので、シュラが強引に連れてきた。まぁ、超目上の人に命じられて拒否出来る奴なんていないよな。バカ殿達はやっぱり嫌いになれないタイプだ。


 宿に着き2階の俺達の部屋へ招待する。椅子やテーブルを他の部屋から借りてきて、全員座って落ちつく。2名は今も気絶したままだ。流石に哀れ過ぎる。


 これから吸血鬼族としての話し合いをするらしい。俺はその横で酒作りだ。……真面目な話の横でいいのかね?。



 ▽▽▽▽▽


 0050終了時点


 金貨18枚

 大銀貨53枚

 銀貨20枚

 大銅貨20枚

 銅貨5枚


 風鹿の角槍

 風鹿の角の太刀

 赤豹の爪の小太刀

 剣熊の爪の打刀

 赤豹の爪の小烏丸

 強打猪の牙のファルクス

 剣熊の爪の斧

 風鹿の角の十手

 剣熊と風鹿の革鎧

 剣熊の革の剣帯

 剣熊の革の指貫グローブ

 剣熊と風鹿の肘防具

 剣熊と風鹿の膝防具

 剣熊と風鹿のブーツ


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