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0508




 「すまん! 待たせた。ちょっとビックリする物が出てきたんで、驚いたりして無駄に時間が掛かった。……コレとコレがザラとエイルズで、コレがシュラ。最後にこのアイテムバッグはエイルズのだ」


 「「ありがとうございます!」」


 「コレは……神の金属と呼ばれるモノですね? また恐ろしい呪いと邪気に塗れていた物ですか。アルドが無事で良かったですよ。ところで2人に渡したアレは鎧ですか?」


 「シュラ、アダマンタイトのガントレットは素材に戻すから返してくれ。……ああ。アレは胴丸と言って、俺の故郷の歩兵が身に付けていた鎧だ。後に、上級の武士と呼ばれる者も身に付ける様になったと言われている」


 「へー……。ところでシュラのガントレットが、ビックリするほど鮮やかなオレンジっぽい色なんだけど? これって本当に神の金属なのかい?」


 「俺とダナが持っているのは神鉄で出来た武器だ。コレは神銅で出来ているからこうなんだ。純粋な銅と似た様な色をしてるんだけど、俺達の神鉄だって純粋な鉄の色をしてるだろう? 神の金属は見た目だけじゃ分かり辛いんだ。その分、隠すのは楽なんだよ」


 「この鎧、妙に着けやすいね? 右脇ってどうなのかって思ったけど、意外に着けやすいし動き易い鎧だよ」


 「そうですね。思っている以上に便利かもしれません。この鎧の作り方は知りませんが、難しくないのなら安く作ってくれませんかね? 使いたいと言う傭兵は多そうです」


 「さっきも言ったが、それは元々歩兵用の鎧だ。草摺りが8枚に分かれていて動き易く、歩兵が槍を振り回しても動きを妨げないようになっている。あと、当然ながら蒸れにくい鎧だ。俺の故郷は湿度が高くて蒸れやすいんだが、そんな国じゃプレートアーマーなんて使えない。だからこそ、ラメラーアーマーが主体だったんだ」


 「前にアルドが言っていた、全身鎧では熱が篭って危険だという事ね。大量に汗を掻くと、体の水分が奪われて熱中症という状態になり気を失うそうよ。戦闘中にそうなったら致命的でしょ? だからアルドの故郷では、全身鎧は作られなかったという事ね」


 「ああ。俺の故郷では小札こざねを紐なんかで繋ぎ合わせた鎧だから、小札鎧とも言われる。別の地域じゃラメラーアーマーと呼ばれるんだが、同じ形式の鎧の事だ。修理がしやすいのと、プレートアーマーと比べて脱ぎ着がしやすいのが特徴となる」


 「修理がしやすいんですか?」


 「ああ。小札と呼ばれる金属片を外して、新しい小札と交換すればいいだけだからな。ブレストプレート、つまり鉄板1枚で作った鎧みたいに、丸々全部交換とはならないんだよ。小さな小札を幾つか交換するだけで済むから、修理も簡単で金も掛からない。それに紐で小札を合わせてるから、体の捻りに付いてきてくれるだろ?」


 「成る程。アタシ達の着けてる竜の革鎧とでも比べなければ、優秀そうな鎧だねぇ……。修理に高い金額が掛からないっていうのも良いところさ。ただ、作る技術を持っているのが、はたして居るのかい?」


 「さて? ガルドルさんは作れそうだが……。まあ、話は止めて先へと進むか」



 シュラから渡されたアダマンタイトのガントレットも素材に戻し終わったので、出発する事にした。20層の東へと進み、転移紋から21層へ。21層を南東へと進んでいたら、南の方に異常なほど強烈な呪いと邪気を感知した。まさかの連続かよ!。


 皆に理由を話し、再び俺1人で呪いへと近付いていく。するとカイトシールドを、小盾のように持つサイクロプスが居た。信じられない事に、左手には鎖鞭を持っている。”両方”とも神の金属で出来ているぞ!! こんなのアリかよ!?。


 いつも通り先制で浄化してしまうしかない。気合いを入れて”死なば諸共だ”と思いながら、全力を超えて浄化する。


 【集中】し過ぎて訳が分からなくなるが、それを越えると、おかしな事に何もかもが無くなった。まるで自分自身も消えていくかの様に失われ……気付いた時には、目の前が一面真っ白になっていた。


 驚くほど広範囲を浄化してしまったらしい。まるで<精神と○の部屋>みたいになっている。非常にマズいというか、嫌な予感しかしないのでさっさと次の層へ行こう。


 皆に見られたら、ジト目じゃ済まない気がする。なので、さっさと盾と鎖鞭とサイクロプスを回収し、皆の下へと急いで戻った。



 「ただいま。出てきたのは黒いサイクロプスだったんだが、まさかの神の金属製の武具を2つも持っていた所為で焦ったよ」


 「それで、あんな事になってるんだねぇ。流石にアレはちょっと……」



 後ろを振り向くと、遠くの方に【光球】と真っ白な空間が見える。間違いなくヤバい何かがあったとしか思えない、ある意味で終末の光景だ。


 皆が何とも言えない顔で俺の方を見るのもよく分かる。とりあえず、俺はアレに触れないようにして神銀のカイトシールドと神銅の鎖鞭をメルとアルメアに渡す。


 銀色の盾というのもアレだが、燃えるようなオレンジの鎖鞭というのも絵面が凄い。タワーシールドと鎖鞭を回収し、まずは転移紋まで急ぐ。


 直ぐに到着したので俺以外は休憩とし、俺は武具作りを始める。次の層で竜と戦う事になるかもしれない以上は、出来るだけの準備をしておきたい。


 最初にメルの持っていた岩硬竜のタワーシールドに手を加えて、カイトシールドに変える。それをエイルズに渡したら、次はアルメアの王角竜の鎖鞭だ。これで十手とダガーを作り、2人の持つ超魔鉄製の物を回収する。


 後は白くなったオーガとサイクロプスの血抜きを行い、【分離】をして皮を革にする。その革と骨を使って、半篭手と指貫グローブとブーツとブラを作る。脛当の分までは素材が足りなかったので仕方がない。


 ささっと作り2人に装備させる。2人とも気に入ったらしく、ニヤニヤが止められないらしい。……お前さん等はベテランだろう?。


 2人の装備が揃い、かす肉も作り終わったし干し肉も終わった。残った岩硬竜の素材や王角竜の素材、白い革や旨味の抜けた肉は全てフヨウが食べてしまった。


 大丈夫かと少し心配したが、竜の素材を食っても特に問題は無いみたいで何よりだ。ただ、竜の素材を食べてもフヨウの細胞に変化は無かった。残念。


 皆で転移紋に乗り22層へ。周りは草原で快晴の青空だ。……いったいここで何と戦えと言うんだろうか? 【探知】と【空間把握】に反応があったのは疑問を持った直ぐ後だった。



 「全員、後ろに逃げろ!! 地中から攻撃してくるぞ!!」



 直径で4メートル程の穴を開けて出てきたのは、巨大なモグラだった。モグラって”土竜”って書くけどさぁ……コレも竜の1種なのか? って下らない事を考えてる暇は無いな。また地面の下に潜りやがった。


 【気配察知】が使えるなら位置は把握できる筈だが、使えないメンバーは回避が出来ない。俺が指示を出さなきゃいけないが、地面に潜った後ジっとして動かないな。



 「【気配察知】が使えるなら位置が分かる筈だ。分からない奴は俺が指示を出す! 今は地中で動きが無いが、【気配察知】が使えないメンバーは回避主体! とにかく逃げろ。【気配察知】が使えるメンバーは出てきたところを攻撃だ」


 「「「「「「了解!」」」」」」


 「来るぞ! ……ザラとエイルズ! 右に逃げろ!!」


 「「はいっ!!」」



 ドォーン! という音と共に、地中からモグラが出てきたので、ウチの女性陣とジャン達とリンデが攻撃を始めた。


 リヴィとザラとエイルズは【気配察知】が使えないので攻撃には参加させられない。不慮の事故というのは往々にしてあるものだからな。それが1番怖い。


 再び潜ろうとしたところ、メルが渾身の身体強化を行ったシールドバッシュを喰らわせる。すると、脳震盪でも起こしたのか気を失ったように倒れたので、全員で一気呵成に攻めて倒す事が出来た。


 相変わらずだが、現実の戦闘なんてこんなものだ。漫画やアニメじゃあるまいし、見所とか派手な必殺技なんて無い。……まあ、リアルにそんなものがあると、むしろ困ってしまうんだが。


 それにしても、モグラかぁ……。爪以外に使えるトコあるのかね?。



 ▽▽▽▽▽


 0508終了時点


 大白金貨3枚

 白金貨9枚

 大金貨36枚

 金貨142枚

 大銀貨506枚

 銀貨209枚

 大銅貨536枚

 銅貨144枚


 神鉄の太刀

 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトのサバイバルナイフ

 氷擲竜の棒手裏剣

 アダマンタイトの十手

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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